[ヘルスケアニュース] 2016/04/06[水]

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ビックデータ解析で明らかになる睡眠薬の処方実態

 睡眠薬は不眠症の治療に使用されるだけではなく、不眠症をともなうメンタル関連疾患にも処方されます。株式会社インテージテクノスフィアは、健康保険組合の匿名化された健康情報データを分析。2013年4月から2015年3月までの間に医療機関にかかった20代から60代の19万1,000人を対象に、働き盛り世代のメンタル関連疾患と睡眠薬の処方実態に関する調査を実施しました。

 調査対象者のうち2013年7月から2015年3月の間に睡眠薬を新規に処方開始したのは1万245人で、処方期間は「1か月」が46.5%で最多。処方期間3か月以下の人が全体の74.6%を占めました。睡眠薬の服用を始めると長期化するイメージがありますが、短期間で治療終了するケースが多いことがわかりました。睡眠薬を処方したことで、不眠症が長期化せずに改善された結果と推察できます。

 処方された薬剤タイプを見ると、最も多いのは短時間作用型のベンゾジアゼピン系で54.4%と半分以上。超短時間作用型、中間作用型、長時間作用型のベンゾジアゼピン系とあわせると78.3%で、超短時間作用型の非ベンゾジアゼピン系が20.2%でした。また、2か月以上睡眠薬による治療を受けた5,483人のうち、睡眠薬の一日の規定用量である15mgを超えた処方を受けた人は7.6%でした。

睡眠薬の併用で抗うつ薬の減量達成率が上昇

 また、調査では、睡眠薬の処方がメンタル系疾患にどのような影響を与えたか分析しています。2013年7月から2015年3月に新規で抗うつ薬の処方を開始した1,714人のうち、うつ病の治療時から睡眠薬を併用していない割合は52.6%で、睡眠薬を併用しており抗うつ薬の終了と同時に睡眠薬も終了したのは29.9%。残りの17.4%は、抗うつ薬の終了後も睡眠薬の処方を受けていました。

 うつ病の治療が終わった後も睡眠障害が残る場合があるため、その対処として睡眠薬が処方されているようです。また4か月以上抗うつ薬の治療を受けた1,545人を対象に、抗うつ薬の処方が減少した割合を調査したころ、睡眠薬を併用している人の減量率は30.2%で、併用していない人は17.8%でした。睡眠薬を併用した方が、抗うつ薬を減量できる可能性が高いことが示唆されました。

 一方、40歳から65歳の更年期障害で通院している女性2,931人のうち、睡眠薬の処方率は19.8%で、最も高い55歳から59歳でも24.1%でした。更年期女性の約半数が不眠と言われていることを考えると、薬物治療を受けないまま不眠で悩んでいる女性が数多くいることが推察されます。不眠の悪化や慢性化を防ぐためにも、更年期症状とあわせ、不眠症状への適切な治療が求められているのではないでしょうか。(林 渉和子)

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