[ヘルスケアニュース] 2017/01/05[木]

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地域医療の担い手として高い意欲

 2016年4月から「かかりつけ薬剤師制度」が始まり、地域医療における薬剤師の存在感が高まっています。服薬支援や残薬管理といった従来の業務に加え、医療機関と連携して患者の治療生活を見守る“担い手”としての役割も期待されるようになり、薬剤師の仕事は大きな転換期を迎えようとしています。

 株式会社電通では、薬剤師を対象にした意識調査を初めて実施。病院、個人経営の調剤薬局、チェーンの調剤薬局で正社員として働く薬剤師327人から回答を得ました。その結果、地域医療の担い手としての意欲は高い一方、実行に移すためのスキルや情報が不十分と感じている薬剤師が多い実態が明らかになりました。

 地域医療への取り組み状況を尋ねたところ、「積極的に取り組もうとしている」と答えた人は65.7%で、意欲の高さがうかがえます。しかし、「実際にしっかり取り組めている」と答えた人は42.8%と半分以下。57.2%が「取り組めていない」と答えており、意欲があるものの、なかなか生かされていないのが現状のようです。

コミュニケーション技術の向上が課題

 地域住民の健康を守るために必要となるのが、患者の生活背景を知ることです。そのためには、患者とのコミュニケーションが大事ですが、把握できているケースは少ないようです。調査によると、約90%の薬剤師が処方薬の説明など基本的事項の会話はしているものの、患者の「食生活」や「運動習慣」などに関しては、20%台に留まっていることがわかりました。

 今後、地域医療に貢献するために取り組みたいことを尋ねると、「コミュニケーション技術・ホスピタリティの向上」が全体のトップで、やはり大きな課題と言えそうです。一方、個人経営の調剤薬局では、在宅患者への「服薬管理」や「処方薬の宅配」、「介護施設への宅配」といった回答が目立ち、一歩踏み込んだサービスに特化する動きがみられ、薬局の業務形態によって薬剤師の仕事にも変化が現れそうです。

 このように、薬剤師に求められる仕事や能力は大きく変わりつつあります。同時に、薬を処方する場所というイメージが強い薬局も地域の健康づくりの“拠点”として、病気の予防や未病といった分野においても積極的な貢献が求められています。医療機関との連携や情報提供といった体制を整え、高い意欲を持つ薬剤師が地域で活躍することが、住民の健康の鍵になるかもしれません。(菊地 香織)

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