[ヘルスケアニュース] 2017/01/10[火]

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非小細胞肺がん患者を対象に調査


画像はリリースより

 肺がんのなかでも、個々の遺伝子の状態によって治療薬の選択が可能となりつつある「非小細胞肺がん」。がん細胞が持つ特徴に狙いを定めた「分子標的薬」による化学療法が有効とされており、遺伝子変異の種類に応じた治療を可能にする「プレシジョン・メディシン(高精度医療)」が特に進むがんの1つです。

 なかでも、EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異は欧米人に比べるとアジア人に多く、非小細胞肺がんの患者さん全体の30~40%に発現します。2000年代以降、ゲフィチニブなどEGFR遺伝子変異を標的にした複数の分子標的薬が開発され、肺がん領域における個別化治療を進展させてきました。

 アストラゼネカ株式会社、認定NPO法人キャンサーネットジャパン、株式会社クリニカル・トライアルの3社は、昨年11月の「肺がん啓発月間」に合わせて、非小細胞肺がんの患者さんを対象に「組織採取や遺伝子検査に関する意識調査」を実施。167人から回答を得ました。

エビデンスと患者の価値観が一致した好例

 調査の結果、がんの確定診断時に、口や鼻からカメラを入れる「気管支鏡検査」または、CT撮影(コンピューター断層撮影)しながら針を刺す「経皮的肺生検」を受けた患者さんのうち、約8割が「検査が辛かった」と回答。このうち、3割の患者さんは「2度と受けたくないほど辛かった」と答えており、侵襲性が高い検査に耐えていることがうかがえます。

 また、遺伝子変異の種類によって効果の異なる薬剤がある場合、9割以上の患者さんが遺伝子変異の再検査を希望。方法として、約8割が血液検査を選びました。しかし、血液検査で特定できなかった場合、侵襲性の高い気管支鏡検査や経皮的肺生検を受けると答えた人は約9割にのぼり、痛みを伴っても新たな治療の可能性へ掛ける患者さんが多いことがわかりました。

 調査結果を受けて、北里大学医学部附属新世紀医療開発センターの佐々木治一郎教授は「例え苦痛を伴う検査であっても、その結果が最適な治療に結びつくならば、患者さんはその検査を選択することを明確に示しており、エビデンス(科学的根拠)と患者さんの価値観が一致した好例と言えます。医師は独自の判断だけで、患者さんの次の治療選択の機会を狭めてはいけないと考えます」と評価しています。(菊地 香織)

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