[ヘルスケアニュース] 2017/04/20[木]

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妊婦20万人分のデータを解析


画像はリリースより

 妊婦の身長と妊娠高血圧症候群の発症リスクに関連があり、身長が低いほど発症リスクが高くなることが、国立成育医療研究センターの研究で明らかになりました。また、胎児に重要な影響を及ぼす常位胎盤早期剥離とSGA(Small for gestational age=週数に対して小さい児)と相関関係があることもわかりました。

 妊娠高血圧症候群は、妊娠中に血圧が上がる疾患。日本産婦人科学会によると、妊娠20週以降から分娩後12週まで高血圧がみられるか、高血圧にタンパク尿を伴うかのいずれかの場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。母体へ負担がかかるだけでなく、早産や胎児死亡の原因になることもあり、妊娠中に気をつけたい疾患のひとつです。

 これまで、年齢や肥満、多胎妊娠などで発症リスクが高くなることが報告されていましたが、妊婦の身長との関連を調べた報告はほとんどありませんでした。そこで、同センター社会医学研究部の森崎菜穂室長、同産科の小川浩平医員らのグループは、日本産婦人科学会のデータベースにある妊婦20万人以上のデータを解析し、関連を調べました。

発症率は高身長群の1.35倍

 一般的に、低身長だと高血圧になるリスクが高いことが知られており、研究グループでは妊婦でも低身長が妊娠高血圧のリスクになるという仮説を立てました。また、低身長は虚血性心疾患のリスクも高いとされるため、虚血性胎盤疾患に分類される常位胎盤早期剥離とSGAのリスクも同様に高いのではと考えました。

 データ解析の結果、妊娠高血圧症候群において、最も身長が低い群(154㎝以下)は身長が高い群(162㎝以上)より1.35倍発症率が高いことがわかりました。同様に、常位胎盤早期剥離は1.20倍、SGAは1.09倍高く、低身長の妊婦は妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、SGAのリスクが高いという仮説が実証されました。

 この結果を基に今後、低身長かつ別のリスク因子を持つ妊婦に妊娠高血圧症候群の発症を予防する低容量アスピリンを内服させるといった対策が考えられます。これらの疾患は母子ともに重篤な状態になることもあるため、低身長の妊婦にはあらかじめ、高レベルの周産期医療が受けられる施設での出産を勧めることも検討されます。ただ、研究グループは「全ての低身長妊婦が発症するわけではなく、各症例がハイリスクに相当するかどうかは専門医の指導を仰いでください」としています。(菊地 香織)

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