[ヘルスケアニュース] 2017/04/20[木]

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日本人が目に浴びる紫外線量は欧米人の約1.5~2倍


金沢医科大学 眼科学講座 教授 佐々木洋先生

 新緑が眩しい季節を迎えましたが、目に見える“光”に加えて対策が必要なのが紫外線です。実際、わたしたちの身体が受ける紫外線(UV)の量はこれから夏に向け、ますます多くなっていきます。すでに日焼け止めや帽子など、お肌の対策に力を入れる方も多いでしょうが、目の紫外線対策も欠かせないことをご存知でしょうか。

 「顔の彫りが浅い日本人は、彫りの深い欧米人と比べて、およそ1.5~2倍の紫外線を目に浴びています。また、身長が低い子どもの場合、紫外線を反射しやすい場所では、大人の1.4倍の紫外線を目に受けています」。そう語るのは、金沢医科大学の佐々木洋先生。ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が都内で行ったセミナーで講演した佐々木先生は、独自調査の結果を交え、紫外線による目の健康被害とその対策を語りました。

 紫外線によって目に現れる病気というと、充血や冬場のスキー場でよくみられる「雪目」(紫外線角膜炎、雪眼炎)が思い起こされます。しかし、それ以外にも慢性の病気として、老眼や白内障とも関連が確認されているそうです。また、白目から血管を伴なった白い膜が黒目の中心に向かって伸びてくる「翼状片」(よくじょうへん)という病気は、紫外線を多く浴びる赤道付近の国などで多くみられ、北極圏のアイスランドと赤道直下のタンザニアでは、有病率におよそ234.5倍もの差があることが明らかになっています。

 目に見えない紫外線。どのくらい浴びているのかを知るすべはあるのでしょうか。佐々木先生はひとつの指標として「瞼裂斑」(けんれつはん)をあげました。瞼裂斑とは、白目の一部が黄色に盛り上った斑点として現れるもの。いわば、目にできる“シミ”です。瞼裂斑があること自体に問題はありませんが、症状が進行すると炎症を起こしたり(瞼裂斑炎)、ドライアイにつながったり、先の翼状片へ進行する可能性もあります。

 それでは、紫外線から目を守るためには、どのような対策が有効なのでしょうか。佐々木先生は、初期瞼裂斑の有所見率と、メガネやコンタクトレンズなどのアイウェアによる予防効果に関する調査を実施。石川県・星稜大学の学生233名を対象とし、屋外スポーツを行っている学生と室内スポーツを行っている学生での瞼裂斑の有所見率を比較するとともに、どのようなアイウェアを着用しているかを調べました。

“UVカット”コンタクトレンズが目の紫外線対策に効果的

 調査の結果、対象の7割強が初期の瞼裂斑を有してることが判明。特にサッカーや野球など屋外スポーツを行う学生に多く、より重い瞼裂斑が認められた学生の割合は、屋内スポーツのおよそ3倍にのぼりました。次に、アイウェアと瞼裂斑の関係性をみると、裸眼では85.3%、メガネでは84.6%であったのに対し、UVカット効果のあるコンタクトレンズを6年以上使用している学生では52.5%と、有所見率が有意に低いことが明らかになりました。

 ここで重要なのが「UVカット効果のあるコンタクトレンズ」という点。同じコンタクトレンズでもUVカット効果のない場合は、86.4%と裸眼やメガネとほぼ同等の有所見率だったのです。「年齢、性別、屋外にいる時間などを全て調整した結果、UVカットコンタクトの学生は裸眼の学生に比べて、瞼裂斑が出るリスクが75%近く軽減されており、UVカットコンタクトを長く使っている人は、明らかに瞼裂斑になりにくくなっているということがわかりました」(佐々木先生)

 最後に、佐々木先生は、紫外線と近視による白内障リスクの増加に関する調査結果を紹介。「白内障のリスクは、近視であるだけでそうでない人と比べて3.8倍ほど高くなりますが、近視の人が紫外線を高度に被ばくすると約24倍までリスクが上がります」と佐々木先生。近年、日本国内における近視の有症率は増加傾向にあります。白内障というと年を取ってから発症するものというイメージもありますが、長い目でみた目の紫外線対策が必要と言えそうです。(QLife編集部)

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