[ヘルスケアニュース] 2017/06/16[金]

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既婚女性の3人に1人「不妊に悩んだ経験あり」


徳島大学大学院 医歯薬学研究部 産科婦人科学分野教授
苛原稔先生

 2016年に生まれた子どもの数は、97万6,979人。統計をとり始めてから初めて100万人を割りました。女性が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率も、1.44と2年ぶりにマイナスに。「妊娠しやすさ」は女性の年齢によって大きく変わり、年齢が上がるほど妊娠は難しくなります。日本産科婦人科学会では、不妊を「妊娠を望む健康な男女が、避妊をせずに夫婦生活をしても1年以上妊娠しないもの」としており、10組に1組が不妊症だといわれています。

 メルクセローノ株式会社は、20~40代の男女を対象に、妊活・不妊治療に関するインターネット調査(事前調査:男女2万6,689人、本調査:妊活経験のある既婚男女600人)を実施。6月13日に開催したプレスセミナーでは、調査結果の発表と、徳島大学大学院 医歯薬学研究部 産科婦人科学分野教授の苛原(いらはら)稔先生と不妊体験者を支援するNPO法人「Fine」理事長の松本亜樹子さんによる講演が行われました。

 事前調査の結果、既婚女性の3人に1人が不妊に悩んだ経験をしていることが明らかに。また、本調査の結果から、不妊症自覚者の約4割が不妊症を自覚して受診するまでに「半年以上かかった」ことがわかりました。「不妊症かもと思いながらも受診するまで3か月以上かかった理由は?」という質問に対しては、男女とも「自然に任せたい」が5割以上でトップに。他にも、「費用がかかるから」「何がベストの治療方法かわからなかったから」「自身が不妊だと認めたくなかったから」などの理由が目立ちました。さらに、不妊治療経験者の約7割が「もっと早く受診すればよかった」と後悔していることがわかりました。

正しい情報の理解と、周りのサポートの重要性

 「妊娠や不妊治療の正しい情報を知ってほしい」と語るのは苛原先生。先生によれば、「いつでも妊娠できると誤解されている方もいる」とのこと。しかし、加齢は母体や子どもに大きな影響を与えます。例えば、妊産婦死亡率や、周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産や生後1週未満の子どもの死亡を合わせたもの)も加齢によって上昇することがわかっています。「子宮内膜症や子宮筋腫といった、妊娠に影響する合併症も増加します」(苛原先生)

 また、松本さんによれば、不妊治療患者が多い30~40歳代は「仕事で経験を積み、これからもっと頑張りたいと考える女性も多い」とのこと。しかし、その大半が仕事と治療の両立の難しさを感じているそうです。「職場に不妊治療をサポートする制度はあるものの、実情に合っていないなどの理由で制度を使えない女性も多い」と松本さん。改めて、正しい情報の理解と、職場の上司を含めた周りのサポートの重要性を訴えました。

 女性のライフスタイルの変化もあり、晩産化や少子化が進む現代。当事者が妊娠や不妊治療に関する正しい知識を持つことはもちろん、サポートする周りの人も正しい情報を知り、支えていく社会が必要といえそうです。(QLife編集部)

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