[ヘルスケアニュース] 2017/06/29[木]

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日本語にない「R」と「L」のような聞き分け


画像はリリースより

 英語を学ぶ際、つまずくことのひとつが発音。例えば、「R」と「L」のような、日本語にはない特有の発音に苦労した経験がある方は多いのではないでしょうか。このような音の違いを、脳波を使って無意識に学習できる「ニューロフィードバック技術」を、大阪大学などの共同研究グループが開発し、実用化に向けて研究を進めています。

 グローバル化に伴って、小学校でも英語が教科化されるなど、ますます英語が重要視されています。しかし、リスニングでの「right」と「light」など、日本語にない発音を聞き分けるのは難しいのが現状です。これまでの学習は、聞いた音に対してどちらの音かを答えるテストを行い、それが正解かどうかを学習者に伝えて学習を促す場合が多く、このような学習では成果が出るのに時間がかかることが一般的でした。

 大阪大学大学院情報科学研究科などの共同研究グループでは、音の違いに対して反応する脳活動(Mismatch Negativity:MMN)を強化するニューロフィードバック技術を開発。MMNとは、2種類の音の頻度を変えてランダムに聞かせた場合、頻度が低い音を聞いたときに見られる脳波のパターンを指します。

5日間の学習でテスト結果が向上

 本研究では、rightとlightの音を聞いているときの脳波からMMNを取り出して利用。学習者は、脳波計を装着し、イヤホンで英単語を聞きます。そして、ディスプレイに提示されたMMNの大きさに対応している緑色の円を大きくすることだけをイメージしてもらいます。一方、比較群として、コントロールグループを設定。こちらのグループのディスプレイに提示される緑色の円の大きさは、自分のMMNではなく他人のものなので、緑の円を大きくしようとイメージしても大きくはなりません。

 どちらのグループにも1日1時間ほどのトレーニングを5日間行った結果、ニューロフィードバックグループでは、rightとlightを聞き分けるテストの結果が日々向上。これに対して、コントロールグループの結果はほぼ横ばいで、5日後には30%近い差が開きました。

 研究グループでは今後、ゲーム要素を取り入れるなどの実用化も可能になるとしており、「日本人の苦手な英語の発音は他にもあるため、効率よく学習できるシステムを産学官の連携により構築し、新しい英語リスニング学習法として社会実装を目指して行きます」としています。(菊地 香織)

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