[ヘルスケアニュース] 2017/07/24[月]

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50歳を境に発症率が上昇


朝霞台中央総合病院 脳神経外科統括部長
久保田有一先生

 てんかんの発症率は乳児が最も高く、その発症率は人口10万人当たり約125人とされています。その後、年齢を重ねるにつれ、発症率は下がりますが、50歳を境に発症率が上昇に転じます。超高齢化社会を迎えた今、この「高齢者のてんかん」に対する認知を広げるため、大塚製薬株式会社とユーシービージャパン株式会社は7月20日にプレスセミナーを開催。朝霞台中央総合病院 脳神経外科統括部長、脳卒中・てんかんセンター センター長の久保田有一先生が講演を行いました。

 「高齢者のてんかんは、大きく分けて脳卒中などの病気や転倒・外傷を原因とするものと、加齢にともなう高齢発症てんかんの2種類があります」と、久保田先生。脳卒中などに伴うてんかんは、けいれんや意識障害を起こすことが多く、周囲に発見されやすいですが、高齢発症てんかんは「ぼーっとする発作で静かな発作」(久保田先生)であるために、気づかれにくいという特徴があります。「高齢発症てんかんは、症状が地味なうえ、発作頻度が少ないこともあり、うつ病や認知症と診断されてしまっているケースもあります」(久保田先生)

足の動きなどの何気ない動きに、てんかんのサインが

 高齢発症てんかんの診断は、長時間ビデオ脳波モニタリングで行います。これはデジタル脳波計にビデオを接続し、1週間病院内で生活して行います。「高齢発症てんかんは頻度が少なく、1週間のビデオ脳波モニタリングでも発作が1回のみということも珍しくありません」(久保田先生)

 高齢発症てんかんの治療には、他のてんかんと同じように抗てんかん薬が使われますが、「薬の選択には、高齢者ならではの特性を理解しなければなりません」と久保田先生はいいます。胃酸分泌が減少するため、薬の吸収速度が遅くなるほか、腎臓の濾過機能が低下するため、薬の体外排泄に影響を与えるなど、高齢者特有の問題があります。

 「高齢発症てんかんは症状が地味なため、普段から患者さんの様子を見ているご家族や介護の方が“あれ?普段と何か違うぞ”と気づくことが大事です。貧乏ゆすりのようなちょっとした足の動きや口元が動くなどの何気ない動きに、てんかんのサインが隠れている場合があります」(久保田先生)

 てんかんは、いまだに誤解をされている方も少なくなく、そのことが患者さんの悩みのひとつになっており、病気に対する理解が重要です。また、高齢発症てんかんは、はっきりとした症状が出ることが少ないため、身近な人の“気づき”がカギを握っています。気になる方は、医師に相談してみてはいかがでしょうか。(QLife編集部)

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