[ヘルスケアニュース] 2017/08/02[水]

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減塩メニュー、でも「しっかりした味わい」


秋田大学医学部附属病院 栄養管理部栄養士長 中山真紀先生

 高血圧や、糖尿病、動脈硬化の原因となる脂質異常症は、生活習慣病。食事や喫煙、運動など日々の生活スタイルが深くかかわっています。日頃の習慣を改める難しさが、これら生活習慣病の改善の難しさでもあります。そこでこのたび、日本心臓財団とエドワーズライフサイエンス株式会社は、都道府県とコラボレーションしたハートレシピの秋田県版を発表。秋田県の誇るご当地食材をふんだんに盛り込んだメニューが完成しました。これを受けて7月27日に開催された記者発表会では、レシピ開発に携わった秋田大学大学院医学系研究科機能展開医学系心臓血管外科学講座の山本浩史教授と、同大学医学部附属病院栄養管理部の中山真紀栄養士長が講演しました。

 今回発表されたハートレシピは、心臓の病気を予防する食生活を実現するためのレシピです。心臓に負担をかけないように、適正な体重を維持し、血圧をコントロールして、脂質異常症を予防することで動脈硬化を防ぐため、適正なエネルギー量を摂取でき、栄養バランスがとれた減塩レシピとなっています。「食物繊維や、魚などに含まれるn-3系脂肪酸も摂取できるよう工夫しました」と中山先生。秋田のご当地食材を取り入れ、春夏秋冬それぞれの旬を味わえるレシピが、朝昼晩の1日3食×2日分の計8日分(24食)、発表されました。

 実際に記者も試食したところ、これが減塩メニューかと驚くほどの、しっかりとした味わい。シャキシャキとした歯ごたえがよい「みずの炒め物」に、一味違うタルタルソースが効いた「鱈のムニエルといぶりがっこのタルタルソース」、だしのしっかりしみた「きりたんぽ鍋」に、濃厚な味わいの「納豆汁」。デザートには、ブラックベリーのジャムが乗った「甘酒ヨーグルト」…。減塩と聞いて想像しがちな、薄味の物足りなさはありません。塩分を気にしていなくても食べたくなるおいしさです。中山先生によると、レシピ開発にあたっては、「おいしく食べられる」「彩りよく、季節が感じられる」「味にメリハリを持たせる」「食べた時に満足感がある」を心掛けたそうです。

 家庭で減塩を実行するためには、「面倒でも味付けの際には材料・調味料を計量すること」と中山先生。濃い口しょうゆは小さじ1杯(5mL)で食塩相当量0.9g、マヨネーズ(全卵型)なら0.1gと、よく使う調味料の食塩相当量を覚えてしまえば便利です。塩味だけでなく、旨みや香り、酸味、辛味などの味のバリエーションや、献立のバランス、食感などでも、「物足りなさ」はカバーできるとか。さらには、食べる環境や気持ち、雰囲気も大切に。これらを組み合わせることで減塩につなげることができるといいます。

命にかかわる急性大動脈解離、リスクとなるのは高血圧


秋田大学大学院 医学系研究科 機能展開医学系
心臓血管外科学講座教授 山本浩史先生

 ニュースなどでもしばしば耳にする「急性大動脈解離」。動脈の壁が2枚に分かれ、内側の壁と解離した外側の壁の間に血液が流れ込んで、胸から背中にかけて突然張り裂けるような痛みに襲われる病気です。解離した外側の壁が破裂すると、出血性ショックなどで死に至ることも。この急性大動脈解離のリスクを高めるのが、高血圧です。ほかにも心臓に起こる緊急性の高い病気には、心臓から出る太い血管にできた瘤(こぶ)が破れて出血を起こす「大動脈瘤破裂」、心臓を動かす筋肉へ血液を届けている血管が詰まって心臓が動かなくなる「急性冠症候群」がありますが、いずれも高血圧や動脈硬化、糖尿病が発症リスクを高めるといわれています。

 おいしいごはんやお酒を楽しむのが生きる幸せ…という人は多いことでしょう。ただし、「過食や偏食、運動不足は、高血圧症や糖尿病、脂質異常症、肥満のリスクを高める死の四重奏」と山本先生。急病を発症すると緊急手術が必要となり、手術がうまくいっても要介護になることも。救急搬送が遅れて治療が間に合わなければ、命にかかわります。「食べる幸せは、不幸な人生の転機と表裏一体です。この現実に意識を向けることが大切です」(山本先生)

 生活習慣病が気になるけれど、なかなか食生活を改善できずお悩みではありませんか。「ハートレシピ」を参考に、減塩に取り組んでみてはいかがでしょう。(QLife編集部)

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