[ヘルスケアニュース] 2017/08/10[木]

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年間約3万人の患者さんがステージ4の大腸がんと診断


国立がん研究センター東病院 消化管内科 科長
吉野孝之先生

 早期の段階で発見されることが比較的多い大腸がん。その罹患者数は増加傾向にあり、増加率も高くなっていると言われています。大腸がんで亡くなる患者さんの割合は、1990年代半ばまで増加していましたが、その後は少しずつ減る傾向にあり、生存率も比較的高くなっています。しかし、依然として年間約3万人の患者さんは、大腸がんが骨や他の臓器などに遠隔転移した「ステージ4」の段階で発見されており、一部を除いて薬物療法(化学療法)で治療を行います。

 遠隔転移があるか、再発の大腸がんの治療薬として、アフリベルセプト ベータ(製品名:ザルトラップ)が2017年3月、新たに承認されました。同剤の製造販売元のサノフィ株式会社は7月18日、メディアセミナーを開催。国立がん研究センター東病院の吉野孝之先生、大阪大学の佐藤太郎先生が講演しました。

 およそ50年前から使われている5-FU/ロイコボリンに始まり、今回承認されたアフリベルセプト ベータに至るまで、大腸がんでは数多くの薬が登場し、治療の選択肢として検討されています。アフリベルセプト ベータは、米国において2012年8月に承認されていましたが、今回、日本でも同剤が「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の承認を取得し、使用できるようになったことで、「ドラッグラグがなくなり、米国と同じ治療を提供できるようになりました」と吉野先生は語ります。

海外ガイドラインでは、アフリベルセプト ベータは「2次治療の中心的存在」


大阪大学大学院医学系研究科 先進癌薬物療法開発学
佐藤太郎先生

 ステージ4の大腸がん患者さんの生存期間は、この10年伸び続けています。これは、治療薬が増えたことで、治療の積み重ねが可能になったためです。吉野先生は、「治療(薬)をつないでいくことが全生存期間の延長につながっています」と治療選択肢が増えることの重要性を示します。また現在では、7割以上の患者さんが何らかの治療(1次治療)を行ったあとに2次治療を行っており、佐藤先生は「アフリベルセプト ベータはこの2次治療の重要な選択肢」と紹介しました。

 吉野先生によると、現在、海外の大腸がん治療のガイドラインでは、アフリベルセプト ベータは2次治療の中心的存在ととらえられているそうです。日本のガイドラインは2016年11月に最新版が発表されましたが、その時点でアフリベルセプト ベータは承認されていなかったため、「次の改訂(2018年予定)では、2次治療のところに追記されていくのでは」(吉野先生)と、今後の展望を語りました。(QLife編集部)

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