[ヘルスケアニュース] 2017/11/24[金]

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ダニアレルギー対策会がアレルギー性鼻炎患者の意識・実態調査結果を発表

 近年、患者数が増加傾向にあるアレルギー性鼻炎。花粉などが原因の「季節性アレルギー性鼻炎」と、ダニなどが原因の「通年性アレルギー性鼻炎」を合わせると、日本では4人に1人がアレルギー性鼻炎と推計されています。ダニがその原因の9割と言われる通年性アレルギー性鼻炎は、生活環境の改善や治療により症状の軽減を目指せる疾患ですが、花粉症に代表される季節性アレルギー性鼻炎に比べて、疾患や対策への関心や認知は低いと考えられています。

 そこで、株式会社サンゲツ、塩野義製薬株式会社、ダイキン工業株式会社、帝人株式会社の4社は、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の認知向上と、その対策方法の啓発を目的としたコンソーシアム「ダニアレルギー対策会」を発足。通年性アレルギー性鼻炎患者の疾患に対する認識、行動の実態、現在の治療への評価や今後の治療・対策の方針を明らかにすることを目的に、インターネットによるアンケート調査を実施し、その結果を発表しました。

通年性アレルギー性鼻炎患者さんの62.4%「治療を受けていない」

 この調査は、千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教授の岡本美孝先生が監修。3万5,000人にスクリーニング調査を実施し、通年性アレルギー性鼻炎患者800名と、季節性アレルギー性鼻炎患者800名の計1,600名について、より詳しい本調査を行いました。

 スクリーニング調査の結果に基づき、通年性・季節性アレルギー性鼻炎患者さんの重症度を調べたところ、通年性アレルギー性鼻炎患者さんの49.1%は、重症度が「中等症」以上であることが判明。10代の患者さんでは、中等症以上が6割を超えていました。また、通年性アレルギー性鼻炎患者さんの62.4%が「治療を受けていない」と答えている一方で、66.5%の患者さんが「できれば完全に治したい」と回答しています。


画像はリリースより

 この結果について、監修者の岡本先生は「今回の結果は、厚労省研究班の報告と比較しても、かなり通じるところがあります。通年性アレルギー鼻炎の患者さんはあまり病院で治療を受けておらず、疾患に慣れてしまっている、一方でなんとか根本的に治したいという意識が強い、というのがその特徴としてまとめられるのではないか」と、考察します。

ダニが好む高温多湿な家屋が増加「環境整備」が重要に


千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学教授
岡本美孝先生

 アレルギーの治療は、まずアレルゲンに暴露しない(触れない)環境を整えることが大切です。「アレルゲン回避が治療の第一歩」と岡本先生も語り、「ダニはアレルギー性鼻炎だけでなく、喘息の発症につながる可能性も従来から指摘されています」と、そのリスクを強調。住環境の変化によって、ダニが好む高温多湿な環境が増え、ダニの繁殖に都合がよくなっているため、「治療に当たって、まず患者さんには、ダニがつきにくい壁にしたり、布のソファーは避けたり、寝具は丸洗いできるものにするなど『環境整備を図ること』の重要性を説明します」(岡本先生)

 アレルギー性鼻炎の薬物療法では、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬が対症療法として使用されます。また近年では、アレルゲン免疫療法(減感作療法)も唯一アレルギー性鼻炎の自然経過を改善させうる治療法として、注目されつつあります。しかし今回の調査では、「アレルゲン免疫療法のひとつである舌下免疫療法を認識している患者さんは少なかった」と岡本先生。患者さんにはあまり浸透していない現状を紹介しました。

 今回の調査により、通年性アレルギー性鼻炎患者さんの疾患に対する考え方や悩み、対策法への意識が明らかになりました。「ダニアレルギー対策会」に参加する4社は、取り扱う商品は違えども、それぞれ特徴的な技術を持った企業ばかり。今回、明らかになった患者さんの“実態”を生かし、QOL(生活の質)の改善に役立つ製品の開発に取り組むことが期待されます。(QLife編集部)

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