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[ヘルスケアニュース] 2019/08/26[月]

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アナフィラキシーを発症しないための環境づくりを

 9月1日は「防災の日」。日本でアレルギー疾患を持つ患者さんが増加傾向にある今、災害時の食物アレルギーによるアナフィラキシーに対して正しい理解と対処法を知っておくことも防災対策の1つとして注目されています。アナフィラキシーとはどんな症状か、皆さんわかりますか? 


国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 佐藤さくら先生

 防災の日を前に、災害時の食物アレルギー対策について考えるメディアセミナーが都内で開催されました。アナフィラキシー補助治療剤「エピペン」(一般名:アドレナリン注射液)の製造販売元であるマイランEPD合同会社が主催したもので、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター病態総合研究部病因病態研究室長の佐藤さくら先生が、アレルギー疾患に関する国内の現状、アナフィラキシーの症状、発症時の対応などを解説。また、大阪の食物アレルギー・アトピーサークル患者会「Smile・Smile」代表の田野成美さんが、食物アレルギー患者さんの家族の思いや実体験、取り組みについて話しました。

 まず、「食物アレルギー」とは、特定の食物の摂取により、体の免疫学的なメカニズムで発症したアレルギー症状のことです。食べただけではアレルギー反応がなくても、食べた後に運動を行うことで発症する場合もあります。そして、食物アレルギーによる「アナフィラキシー」とは。特定の食物を摂取した後に、数分~数十分以内の短時間に全身に現れる急性のアレルギー反応のことをいいます。アナフィラキシーにより、血圧低下や意識障害などのショック症状を起こし、生命に関わる危険な状態になることを「アナフィラキシーショック」といいます。アナフィラキシーは、食べ物以外にも、薬、昆虫などアレルギーの原因物質(アレルゲン)に接触、または体内摂取をした場合にも起こり得ます。

 「ポイントは、食物アレルギー患者さんが、アレルゲンを含む食べ物を誤食しないこと。万が一アナフィラキシーが起こった場合は、いち早くアドレナリン注射を行うこと」と、佐藤先生。その理由について、次のように解説しました。

 「アナフィラキシーを発症すると、発疹やじんましん、繰り返しの嘔吐、呼吸困難といった症状がみられます。発症時の一次治療はアドレナリン注射で、適切な処置により約9割が回復します。病院外では、エピペンなどの携帯用アドレナリン注射薬を持っていれば、それを使用することで一時的に症状を抑えることができます。発症後はなるべく早く病院を受診することが大切。災害時は、避難所の炊き出しなどでアレルゲンを含む料理の誤食は起こり得ますし、インフラが遮断されているために、万一の場合すぐに病院へ行けないことも。大事なのは、アナフィラキシーを起こさないことです」。

「自助・公助・共助」どれも必須、正しい理解で広がる支援

 続いて登壇した田野さんは、自身のお子さんのアナフィラキシー発症をきっかけに、「Smile・Smile」を立ち上げ、食物アレルギー患者さんが抱えるさまざまな問題解決のための活動や支援を行ってきました。活動を通じて田野さんが実感したのは、食物アレルギーがない人に不安を理解してもらうことの難しさだったと言います。「10年以上前は、対応マニュアルやガイドラインはなく、食品表示もわかりにくいものでした。学校にも何度も出向き、食物アレルギーへの配慮の充実について話し合いました。負荷試験の繰り返しで、少しずつ食べられるようになる喜びもあった一方で、何かあったらと不安の毎日でした」。田野さんのお子さんは現在食物アレルギーを克服し、友達との外食を楽しめるようになったそうです。

 具体的な災害への備えとして、患者さん自身やその家族は、避難所で「食物アレルギーを持っている」という意思表示をする、自身が食べられる備蓄食を用意しておく、エピペンを携帯し使えるようにしておく、などが挙げられます。また、自治体や避難所管理者側は、アレルギーに配慮した備蓄食品を用意しておくこと、炊き出しの際に使った食品表示をすることなどが挙げられます。田野さんの患者会では、備蓄倉庫の見学などを行い、アレルギー対応備蓄食の量を確認。これも大切な防災対策の1つです。

 2011年の東日本大震災をきっかけに、「災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット」(日本小児アレルギー学会・刊)が、2014年には、治療や対応などのエッセンスをまとめた「アナフィラキシーガイドライン」(日本アレルギー学会・刊)が発行されました。ただ、こうしたガイドラインに、いくら正しい対応方法が記されていても、実行されなければ意味がありません。非常時には誰もが疲れていて、気配りが難しくなりがち。普段から食物アレルギーに対する理解を深めておくことが、いざという時に役立つはずです。(QLife編集部)

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