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[ヘルスケアニュース] 2019/09/10[火]

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大腿骨近位部骨折、多職種連携で患者さんをケア


ロコモパンフレット(左)、再骨折予防手帳(右)

 骨強度低下で骨折のリスクが高くなる「骨粗しょう症」により、特に75歳以上の女性で急に増加する「足の付け根の骨折」(大腿骨近位部骨折)。運動機能の障害や寝たきりの原因となり、この骨折を経験した高齢者とそうでない高齢者とでは、その後の生存率、医療費に大きな差が生じるほどの、重要視すべき外傷です。

 この大腿骨近位部骨折の年間発症数は約20万人で(2017)、年に1万人ずつ増えています。高齢者の多くは骨折前から運動器以外にも心肺・腎・免疫などの機能低下や多様な内科系疾患を抱えていることがあり、骨折による入退院は大きな負担に。超高齢社会において持続可能な医療のあり方が求められています。

 9月5日に都内で開かれた日本整形外科学会の記者説明会で、高齢者の大腿骨近位部骨折に対する率先的な取り組み事例が紹介されました。重要なポイントとして挙がったのは、「早期回復・再発防止のためのチーム医療」です。事例の舞台は、富山県にある富山市民病院。この病院で整形外科部長を務める澤口毅副院長が説明会に登壇し、取り組みについて次のように解説しました。

 「大腿骨頸部および転子部の骨折後の治療はまず手術、その後リハビリに進みます。整形外科医だけでなく内科医、理学療法士、看護師、薬剤師、老年病専門医ら、さまざまな専門分野の医療スタッフが協働で治療に関わる『多職種連携診療』により退院までの時間を短縮、患者さんへの負担を軽減することが実現できています」。

 同院では、薬剤師による服用薬の見直しと管理、骨粗しょう症・転倒予防の患者教育も実施。さらに、転院先への情報共有や退院後の食事や体調の管理ノートとして「再骨折予防手帳」を導入しています。2016年8月からは、「骨粗鬆症マネージャー」という資格を持った医療スタッフが、退院後の大腿骨骨折患者さんへ連絡し服薬や健康状態を確認する「骨折リエゾンサービス」も行っています。「取り組み開始後、同じ年代・症例での入院日数を全国平均と当院で比較すると、当院は2週間近く短縮されています。欧米で率先的な導入実績があり、当院でもこのチーム医療の効果を発揮できています。日本でも今後普及することが望ましいですね」。

高齢者の骨折、骨粗しょう症は今や全世界的な問題

 「人口が多い中国やインドで高齢化が進み、多くの高齢者が骨粗しょう症になり、大腿骨近部位骨折を起こしたと想定すると…どうなるでしょう?」と澤口先生。20~30年後はさらに高齢化が進み、この骨折に対する治療のニーズは増えていきます。これは他の国も同じ。中国は約14億人、インドは約12億人(外務省、2011年)の人口を抱えています。

 「将来的にアジア全体で骨粗しょう症患者が1000万人くらいまで膨れ上がるのではないかと推測されています。骨粗しょう症による骨折患者が急増したら、医療機関、ご家族、介護施設の負担はさらに重くなります。こうした問題に対して、2011年から世界の整形外科医、麻酔科医、看護師らが集って学術博を開催していますが、医療関係者だけでなく、行政、保険会社、マスコミなども巻き込んだ啓蒙や取り組みが必要です。医療現場での課題はありますが、この問題に対して重要なことは、骨折しにくい体づくりをすること。これは10~20代の食習慣も影響します。高齢になったから気を付けようではなく、若いうちから骨の健康を意識しておくことが大切ですよ」と、澤口先生は呼び掛けました。

 皆さんの親、離れて暮らすおじいちゃん、おばあちゃんの足腰は今どんな状態か確認したことはありますか? どんな食生活を送っているか知っていますか? 皆さん自身は偏った食生活になっていませんか? 敬老の日が近づいています。食事や健康のことを話題に、コミュニケーションを図ってみましょう。

 ちなみに、10月8日は十と八を足して「ホ」から、「骨と関節の日」になっているそうです。(QLife編集部)

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