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[ヘルスケアニュース] 2019/12/02[月]

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働く男女518人対象の調査、約9割が「白血病は不治の病」と認識


九州大学大学院医学研究院病態修復内科教授
赤司浩一先生

 血液がんの一種である「白血病」は、がん化する血液細胞の種類や、増殖の速さ(急速に増殖する「急性」、ゆっくりと増殖する「慢性」等)などにより、さまざまな種類に分類されます。同じ白血病であっても、種類によって、発症しやすい年齢、治療選択肢などもさまざま。皆さんは、「白血病」と聞くと、どのようなことをイメージしますか?

 アッヴィ合同会社は2019年10月に、20~60歳未満の働く男女518名(男性:261名、女性:257名)を対象として「白血病に関するイメージ・認識調査」を実施。この調査の結果、約 9割の人が白血病に対して不治の病というイメージを持っていることが明らかになりました(「とてもある」(23.4%)、「ややある」(65.8%)の合計)。また、「白血病は不治の病」というイメージを持っている人に対する「そのイメージは、どこからきていると思いますか?」という質問には、「映画やテレビドラマ」と回答した人が最も多く(51.7%)、「テレビのドキュメンタリー・健康番組などを見て」(43.7%)、「著名人の罹患のニュースを見聞きして」(37.7%)と続きました。不治の病というイメージは、テレビなどからの影響が大きいことがうかがえます。

 同社は、この調査結果を踏まえ、「今だからこそ尋ねたい“白血病”のイメージは過去のままですか?」と題して、11月27日に都内でメディアセミナーを開催しました。同セミナーでは、九州大学大学院医学研究院病態修復内科教授の赤司浩一先生、九州大学大学院医学研究院応用病態修復学講座講師の菊繁吉謙先生による講演、NPO法人血液情報広場つばさ理事長の橋本明子さん、白血病患者の熊谷ふさ子さんらによる座談会が行われました。

 同社の調査結果によれば、白血病の治療に対するイメージについて最も多かったのは「髪の毛が抜ける」で71.4%でした。その他には、「体力低下・感染症リスクなどで外出ができなくなる」(60.6%)、「無菌室に隔離される」(49.8%)などが挙げられました。赤司先生はこの結果について、「白血病治療のイメージは、化学療法や移植治療によるものが多いのではないか」とコメント。これまで治療の中心だった「化学療法」などは、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えてしまうことから、脱毛などの副作用が高い頻度で現れます。しかし、近年、がん細胞を狙い撃ちする効果が期待される分子標的薬が開発され、この薬を用いた治療では、従来の化学療法と比べて正常な細胞への影響が少なくなってきています。こうした新しい薬の登場などにより、白血病は不治の病ではなく、徐々に症状のコントールが可能な病になってきていると言えるのだそうです。

治療の進歩で、仕事と治療を両立している患者さんも


(左)から熊谷ふさ子さん、橋本明子さん

 2005年に「慢性リンパ性白血病」と診断された熊谷さんも、白血病は不治の病というイメージを持っていた一人です。医師から白血病という言葉を聞いた時は、白血病で亡くなった女優のことが頭に浮かび、ショックのあまり頭が真っ白になってしまったそうです。しかし徐々に、白血病には多くの種類があることや、慢性リンパ性白血病についての正しい情報を理解するようになり、前向きに治療を受けられるようになったのだとか。病気を理由に、仕事を辞めざるを得なかったことなど、大変なことも多く経験されましたが、現在は治療を受けながら元気に生活されています。熊谷さんは、「年々進歩している白血病治療のことや、患者が前向きに生きていけるということを知って欲しい」と述べました。

 続いて、「白血病は不治の病という社会のイメージを変えていきたい」と語るのは、血液疾患患者さんを支援するNPO法人血液情報広場つばさの橋本さん。息子さんが慢性骨髄性白血病になったことをきっかけに、これまで多くの患者さんを支援してきた橋本さんは、「(新たな治療法の登場で)昔よりも良い時代になった」と感じているそうです。今では、治療を受けながら仕事をしている白血病患者さんとお会いすることも多いのだとか。多くの人に、正しい情報を知ってもらい、「社会全体で患者さんの治療を応援できるような輪を広めていきたい」と、今後の展望をお話しされました。

新たな治療薬が登場し、治癒を目指せる時代も見えてきた


九州大学大学院医学研究院応用病態修復学講座講師
菊繁吉謙先生

 菊繁先生は、「慢性リンパ性白血病の治療」をテーマに講演。慢性リンパ性白血病は、成熟した小型のBリンパ球という白血球の一種ががん化する白血病です。特に60歳以上の男性で多く、日本ではまれですが、欧米では多くみられます。

 「分子標的薬の登場により、慢性リンパ性白血病の治療は劇的に変化してきました」と菊繁先生。慢性リンパ性白血病治療では、2016年に分子標的薬が登場し、2019年11月には新しい分子標的薬が発売となりました。その他にも、新たな分子標的薬の開発が進められています。このような現状を踏まえて、「慢性リンパ性白血病は、治癒も期待できる時代に突入していく可能性も見えてきた」と菊繁先生は述べました。

 テレビや著名人のニュースなどで、白血病は「不治の病」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これまでのイメージにとらわれることなく、白血病治療が日々進歩していることや、治療に取り組む患者さんのことを知っていただくことで、白血病に対する社会全体のイメージが少しずつ変わっていくことを期待します。(QLife編集部)

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