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[ヘルスケアニュース] 2021/06/11[金]

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 肺動脈性肺高血圧症という病気を知っていますか? 心臓から肺へ血液を送る血管(肺動脈)の血圧が高くなる進行性の病気です。なぜこの病気が起こるかはよくわかっていません。主な症状として、体を動かすと息苦しくなる、すぐに疲れる、体がだるい、意識を失う(失神)、めまい、胸が痛いなどがあります。ほかの病気でもよくみられる症状が多いため、早期発見が難しい病気です。

 肺動脈性肺高血圧症の患者さんは年々増えていますが、2019年度の患者数はわずか3934人1)。珍しい病気で、一般市民のみなさんはおろか、医療者の認知度も低いという問題があります。国は、有効な治療法を見つけるために、この病気を指定難病に認定しています。

 厚生労働省の研究班による調査では、女性患者さんが男性患者さんより2倍以上多いことがわかっています。20~70代の幅広い年齢で発症しやすい病気です。

治療の目標は「充実した生活を送ること」

  製薬会社のヤンセンファーマは5月27日、この病気について理解を広めるためのイベントをオンラインで行いました。イベントはバーチャル空間で開催され、参加者は自身のアバターを作成し、会場を移動したり、チャット機能を使って参加者同士で交流したりすることができました。


田村雄一先生(ヤンセンファーマ提供)

 イベントでは、肺動脈性肺高血圧症に詳しい田村雄一先生(国際医療福祉大学医学部循環器内科教授、同大三田病院肺高血圧症センター代表)が講演を行いました。田村先生は、肺動脈性肺高血圧症の治療について、「有効な治療法があまりなく、治療が難しい時代もあったが、最近では、薬物治療などによって病気の進行を抑えることが可能になっている」と説明。生きるためだけではなく、充実した生活を送ることが治療の目標だとしました。一方で、稀な病気のため、診断すらされていない患者さんや、狭心症や喘息など別の病気を疑われて確定診断に至らない患者さんもいると問題視し、「専門医のもとで診断を受け、適切な治療を受けることが大切だ」と強調しました。

楽しく過ごすために「無理をするのではなく、工夫をする」のがポイント

 イベントでは、肺動脈性肺高血圧症の患者さんである、NPO法人肺高血圧症研究会代表理事の重藤啓子さんも講演しました。当時、イタリアで生活していた重藤さんは、2000年頃から階段を上ることが難しくなり、最初は運動不足かと思っていたそうです。坂道を上っているときに失神したことから、病院に行くことに。しかし、なかなか診断がつかず、日本に帰国後の2004年に確定診断を受けたといいます。


重藤啓子さん(ヤンセンファーマ提供)

 重藤さんは、同じ病気を抱える患者さんに向け、珍しい病気のため、どう対処をしたらいかわからなくなると前置きした上で、「楽しいこと、やりたいことに貪欲に取り組もう」と呼びかけました。重藤さんは、「無理をするのではなく、工夫をする」ことがポイントだとし、「(助けが必要なときは)助けてください、と言えるようになると、1人でも出歩けるようになり、長生きにつながる」と指摘。「みんなに助けてもらって、楽しく過ごすことが私たちの社会生活の工夫だ」と話しました。

 主治医の先生とのコミュニケーションについては、「先生とコミュニケーションがとれなかったら、患者さん自身が苦しむ」として、「本当に辛いと思ったら、ほかの先生を探す方法もある」と提案。「自分の気持ちを打ち明けられる先生に必ず巡り会えるはず」と励ましました。

 患者さんが病気を受け入れるまでの過程については、攻撃的になったり、診断に納得がいかず、次々と医療機関を受診するドクターショッピングを繰り返したりし、うつ状態になったあと、ようやく受容することができるケースもあると紹介。患者さんの周囲にいる人に対し、「この病気についてよく知り、どんな風に患者さんに手助けができるか、心を開けて見守ってほしい」と言葉に力を込めました。

一青窈さん書き下ろし「6分」のミュージックビデオが披露

 肺動脈性肺高血圧症を確定診断する際には、6分間でどのくらいの距離を歩けるか運動能力を測る「6分間歩行検査」を受けるケースがほとんどです。しかし、患者さんの中には、検査に体力的・精神的負担を感じている人も少なくありません。そんな患者さんを音楽で応援するため、イベントを主催したヤンセンファーマは一青窈さんと協働し、「6 minutes together」プロジェクトを4月末より開始したといいます。

 イベントでは、歌手の一青窈さんが患者さんへのインタビューを通して書き下ろした曲「6分」のミュージックビデオが披露されました。一青窈さんはビデオメッセージで、「肺動脈性肺高血圧症についていろいろな話を聞き、私なりに向き合ってきた。患者さんの1歩1歩の歩みが実を結んで明るい未来につながるように、1日の終わりに希望の星が輝くようなイメージで歌詞を書いた」とコメント。「毎日がんばっているみなさんにそっと寄り添う曲になれたらすごく嬉しい」と想いを寄せました。


一青窈さん「6分」のミュージックビデオ視聴の様子

 作曲を担当したのは一青窈さんの代表曲「ハナミズキ」の作曲でも著名なマシコタツロウさん。一青窈さんは、オファーを受けたときに「彼しかいない」と思い、作曲をお願いしたそうです。

 ヤンセンファーマは音楽ストリーミングサービス「Spotify」で、一青窈さんの「6分」を含め、世界各国40組のアーティストより6分間の楽曲を集めたプレイリストを配信中です。患者さんがこれらの音楽を聴き、少しでも勇気づけられることを編集部も願っています。患者さん本人でなくても、肺動脈性肺高血圧症について理解を深めるために、まずは6分間の楽曲を聞きながら患者さんの心に寄り添ってみませんか?(QLife編集部)

1)1)厚生労働省『令和元年度衛生行政報告例(令和元年度末現在)』(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450027&tstat=000001031469)

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