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[ヘルスケアニュース] 2021/11/17[水]

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命に関わる原因がなくても、正しい診断と治療が必要

 日本で頭痛を抱える人は多く、その数は4000万人いるといわれています1)。「頭が痛いけど、会社は休めない」「誰にも理解してもらえない」などと悩んでいませんか?

 一般社団法人日本頭痛学会、頭痛医療を促進する患者と医療従事者の会(JPAC)、製薬会社のアムジェンは10月16日、よりよい頭痛のコントロールを目指すことを目的としたセミナーをオンラインで開催しました。

 セミナーで講演した松森保彦先生(仙台頭痛脳神経クリニック院長)は頭痛の原因について、「脳腫瘍や髄膜炎、副鼻腔炎(蓄膿症)など、命を脅かしたり、後遺症が残ったりする可能性のある病気によって頭痛が引き起こされている場合もある」と指摘。ほとんどの頭痛患者さんでは、このような病気によるものではなく、検査をしても異常が見つからない頭痛であることも多く、命に関わることはごくまれであることから、「診療の際に医師が『問題ない』『心配いらない』などと伝えてしまい、頭痛が辛いにもかかわらず治療を控えてしまう“頭痛難民”が増える」と問題視しました。その上で松森先生は、繰り返す頭痛により生活の質が低下する場合があるとして、「正しい診断と治療が必要だ」と強調。受診先に困った場合は、日本頭痛学会が認定している頭痛専門医のリストを参考に、専門医がいる医療機関を訪れることを勧めました。


松森保彦先生(アムジェン提供)

 松森先生によると、繰り返す頭痛のうち日本人で多いのは、「緊張性頭痛」と「片頭痛」だといいます。緊張性頭痛は頭の両側や全体に起きるもので、症状としては、しめつけ感、圧迫感などが特徴です。吐き気は伴わず、動けなくなる程のひどい痛みではありませんが、痛みは30分から7日間程度続くといいます。運動をしても悪化はしません。

 一方で片頭痛は、頭の片側や両側に起きるもので、ズキンズキンと脈を打つような痛みがでて、吐き気など頭痛以外の症状があるケースもあります。体を動かすと痛みが増す方が多いのも特徴です。

 松森先生はセミナーで、頭痛の予防方法として「頭痛体操」を紹介しました。頭痛体操は、腕をふる、肩をまわすなど簡単な運動で、どこでも行うことができます。頭痛体操の方法は、日本頭痛学会のホームページから見られます。

頭痛ダイアリーをつけて頭痛の誘因を探すことが大切

 セミナーでは、坂井文彦先生(埼玉国際頭痛センター長)も頭痛について講演しました。坂井先生は、「片頭痛を抱えていると推計されている840万人のうち、受診をしたことのない人は7割近くいる」との片頭痛に関する調査データ1)を紹介し、「生活への支障が大きいと感じている人も少なくないが、辛い思いをしていても受診するほどの病気ではないと思っているのではないか」との考えを表明。早急な治療を行う必要性があるとしました。


坂井文彦先生(アムジェン提供)

 頭痛を上手くコントロールするために、坂井先生は「頭痛ダイアリーをつけ、頭痛の誘因を探すことが大切だ」と強調します。頭痛ダイアリーとは、頭痛が起きた日にちや痛みの程度、頭痛が起きた原因と考えられることなどを記録する日記のことです。

 坂井先生によると、頭痛ダイアリーをつけることで、週末や生理前、天気の変化など頭痛の誘因となっていることが明らかになり、対策に結びつくのだといいます。坂井先生は、「医師は患者の頭痛の程度を客観的に見ることができない」として、ダイアリーをつけることで「治療の作戦を一緒に考えるのに非常に役に立つ」と説明しました。

 セミナーでは、片頭痛患者の立場から登壇した木田千裕さんも頭痛ダイアリーの有用性を紹介しました。

 「10年くらい頭痛ダイアリーをつけてきた」という木田さん。はじめは、頭痛のきっかけがわからなかったそうですが、ダイアリーをつけ始めて、「暑い日や台風の日など、頭痛が来るタイミングが理解できるようになった」と自身の体験を語りました。

セミナーではまた、アムジェンが日本頭痛学会監修による初の疾患啓発サービスであるLINE公式アカウント「片頭痛@LINEヘルスケア」を2021年8月より開設したことを報告。片頭痛@LINEヘルスケアでは、頭痛と日常的にうまく付き合う方法についての情報提供のほか、 頭痛ダイアリーの作成や病院検索を行うことができるといいます。

 頭痛があるのが当たり前になっていて、日常生活で我慢をしている方も少なくないのではないでしょうか。「辛い」と思ったら、医療機関に足を運んでみてくださいね。

 片頭痛@LINEヘルスケアでは、片頭痛を知り、コントロールをサポートする情報とコンテンツが提供されています。気になる方は、LINEアプリから友だち登録をしてみてはいかがでしょうか。(QLife編集部)

1)Sakai F, et al: Cephalalgia. 1997;17(1):15-22.

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