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[ヘルスケアニュース] 2022/02/09[水]

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重要なのは病気に対する正しい理解と周囲のサポート

 近年、性やジェンダー、国籍、人種、年齢、外見、障害、信仰など、特定のカテゴリー・集団に注目して差別や偏見の対象とする「社会的スティグマ」が大きな問題となっています。社会的スティグマはその属性に対する典型的なイメージがネガティブな価値となって誤解や偏見を生み、やがては差別へつながっていきます。

 皮膚の病気の1つである乾癬にまつわる社会的スティグマについて、帝京大学医学部の多田弥生先生(皮膚科学講座)が「病気を理解し、一歩踏み出すために ~医師の立場から~」と題した講演を2021年12月19日に行いました。講演は「みんなで考えるWEB市民公開講座シリーズ『皮膚の病気、患者さんの笑顔のために』」(製薬会社の日本ベーリンガーインゲルハイム主催、全5回予定)で行われたもので、今回は同講座の第3回にあたります。

 乾癬は免疫の異常により炎症が起こるために皮膚が赤くなって盛り上がり、フケのような皮膚の一部がはがれ落ちる病気です。また、炎症はさまざまな場所で起こるため、皮膚症状だけでなく関節炎や目の病気であるぶどう膜炎などを引き起こす場合があります。


多田弥生先生(日本ベーリンガーインゲルハイム提供)

 多田先生は「乾癬はうつる病気ではないが、症状が目立つため日常生活の障害度が大きい疾患であり、社会的スティグマの対象になりやすい」と指摘。患者さんが社会的スティグマを感じると病気を隠すようになるといいます。これについて多田先生は「皮膚を隠すために夏でも長袖を着る」「爪を見られたくないので、会計時などが苦痛」「はがれた皮膚が不潔に思われないか不安」などの具体的な事例を紹介しました。

 「症状の改善がQOL(生活の質)向上に寄与し、乾癬患者さんへの社会的スティグマ解消にも良い影響を与える」と多田先生は言います。近年、乾癬治療の選択肢は増え、患者さんに合った治療法を選べるようになってきました。ただし、多田先生は「適切な治療だけでなく、周囲の理解とサポートも重要」と強調しました。

看護師が仲介し、患者さんと医療者との情報の非対称性を是正する

 同講座では、福島県立医科大学看護学部の佐藤博子先生(基礎看護学部門)も患者さんを支える看護師の立場から講演を行いました。日本皮膚科学会認定の皮膚疾患ケア看護師でもある佐藤先生は、自身が経験した外来や病棟での出来事について紹介しました。


佐藤博子先生(日本ベーリンガーインゲルハイム提供)

 佐藤先生は、乾癬患者さんの同僚と名乗る方から「カンセンという病気だと聞いたが、うつるのではないか。一緒に仕事をしても大丈夫か」という相談を受けたといいます。また乾癬患者さんからも「私の皮膚は汚くないですか。看護師さんが触っても大丈夫ですか」と声をかけられたとし、まずは患者さん自身が疾患について正しい情報を知ることの重要性を指摘しました。

 佐藤先生によると、患者さん・ご家族と医療者では持っている情報に内容や量の差(情報の非対称性)があるといいます。看護師がその間の懸け橋となることで、患者さんに正しい知識を得てもらうと同時に適切な治療へと導くことも可能となります。佐藤先生は「気になっていること、わからないことがあれば、遠慮せずに看護師に何でも話してほしい」と話しました。

 最後に、周囲が社会的スティグマを持たないために乾癬患者さん自身ができることとして、多田先生は患者自身が乾癬を正しく理解して、周囲に正しい情報を伝えることが大切だと強調しました。佐藤先生も「患者さんが勇気を持って周囲に伝えてほしい」と呼びかけました。

 社会的スティグマは誤解や偏見から生じます。当事者の思いに耳を傾け、その人の悩みや気持ちを理解することが、皮膚の病気を抱えている人のみならず、さまざまな人が社会的スティグマに苦しむことのない社会に近づく第一歩となるのではないでしょうか。(QLife編集部)

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