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新規会員登録(無料) ログイン繰り返す気管支炎・肺炎・中耳炎・副鼻腔炎は原発性免疫不全症(PID)のサインかも
[ヘルスケアニュース] 2023/04/26[水]
一般的な感染症と見逃されているケースも

原発性免疫不全症(PID)という希少疾患をご存じですか。PIDは生まれつき免疫系細胞のいずれかに欠損や異常がある疾患の総称で、免疫力が低下しているためさまざま感染症にかかりやすくなります(易感染性)1)。ときには生命の危険を生じることもある疾患ですが、その特徴的な症状は「気管支炎・肺炎・中耳炎・副鼻腔炎などを繰り返すこと」であり、一般的な感染症の症状と同じため、見逃されてしまうケースが多いと考えられています。
PIDの国内患者数は推計2500人超とされている一方で、PID患者さんは1万人当たり1人の割合で出生するとの報告もあるため、診断されていない患者さんが多くいると推定されます1,2,3,)。また、PIDは先天性疾患のため乳児期から発症すると思われがちですが、成人発症もまれではありません。特に成人の場合は、易感染性を発症せず自己免疫疾患や悪性腫瘍を初発症状とするタイプが多く、さらに「PIDは小児期に発症する」という思い込みなども相まって、成人診療科で鑑別されにくいことも課題となっています。
そこで、製薬会社の武田薬品工業株式会社は患者会「PIDつばさの会」と共催で、PIDの疾患啓発のためのイベントを2023年4月9日に都内で開催しました。
PIDに気づくための10のチェックポイント

金兼弘和教授(東京医科歯科大学提供)
「PIDは早期診断・早期治療が非常に大事」と指摘するのは、患者会「NPO法人PIDつばさの会」代表医療顧問で、東京医科歯科大学の金兼弘和教授です。多くの患者さんは、早期診断し、早期に抗菌薬の予防投与や免疫グロブリン補充療法などを開始することで、重篤な症状の発症や進行を抑え、通常の社会生活を送ることが期待できます。重症のPID患者さんに対しては、骨髄移植などの造血幹細胞移植での根治を目指す治療法もあります。
ではPIDにいち早く気が付くためにはどうしたらよいのでしょうか。2010年にPID専門医の調査研究グループが「原発性免疫不全症を疑う10の徴候」を公表しました。10の徴候には「乳児で呼吸器・消化器感染症を繰り返し、体重増加不良や発育不良がみられる」「1年に2回以上肺炎にかかる」などが挙げられています。また、金兼教授が監修した武田薬品工業株式会社のPID情報サイトでは、自身や家族のPIDの可能性を発見するための「PIDチェックシート」を掲載しています。
PIDと診断されていれば指定難病による医療費助成を受けられますが、未診断では高額の医療費がかかったり、適切な診療を受けられずに就労や社会生活が困難になるケースも見受けられます。PIDの早期診断・早期治療につなげるためにも、気になる方はぜひ10の徴候をチェックしていただき、2つ以上当てはまる場合は医療機関を受診してみることをお勧めします。(QLife編集部)
1)難病情報センター:原発性免疫不全症候群(指定難病65)[https://www.nanbyou.or.jp/entry/95](2023年4月19日アクセス)
2)難病センター:令和3年度末現在特定医療費(指定難病)受給者証所持数
3)小児慢性特定疾患情報センター:小児慢性特定疾病児童等データベースへの登録状況(2018年度)
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