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[病院を知ろう!プロジェクト] 2010/08/24[火]

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 現代の医療に、血液製剤は欠かせません。血液製剤は「輸血用の製剤(全血製剤、血漿製剤など)」と「血漿分画製剤(アルブミン製剤、グロブリン製剤など)」の二つに大きく分類されます。このうち前者の輸血に使う血液製剤は「100%国産のものを使う」方針となっています(2003年、血液法)。ところが現実は、「若者の献血離れ」が叫ばれている状態です。
 QLifeでは、この解決方法を探るために、医療に関心の高い人、そして過去に血液製剤を含む治療経験を持つ人が、どの程度、国内の血液製剤事情を認識したり献血に関心を持っているのか、実態調査を行いました。
 この結果について、虎の門病院輸血部長の牧野茂義先生は、次のようなコメントをしています。
 「献血と血液製剤の使用について、これだけ大規模な調査は珍しい。昨今は自分の血液を使う“自己血輸血”も盛んになっているものの、献血由来の輸血用血液製剤なしでは今日の医療は成り立たない。献血には自分の健康状態を知るメリットもある。国産の血液製剤(血漿分画製剤)を望む声が強いが、それならば、ぜひ積極的に献血に参加をして欲しい。」

1.あなたは、献血(自発的な無償の献血)をした経験がありますか。

これまで献血経験がある人は、全体で63%に上った。
男性の方が献血に積極的だ。年代別の動きを追うと、10代は献血可能割合が小さい(※参照)ので単純解釈はできないが、20代と30代の世代間ギャップは大きい。これは、「初めて献血参加する機会が20代に多い」ないし「10-20代の献血率が、以前の同世代に比べて下落傾向にある」ことを示す。

2.あなたは、輸血など血液製剤を使った治療をした経験がありますか。

これまで輸血など血液製剤を使った治療の経験があるのは、全体で8%であった。男女別であまり大きな差はなく、急激に経験率が上昇する年代もみられない。

3.あなたの家族(同居ないし2親等以内)は、輸血など血液製剤を使った治療をした経験がありますか。

家族に、輸血など血液製剤を使った治療経験がある人は、全体で21%であった。年代別で一番高いのは50代で、25%にのぼった。

4.自身や家族の「輸血など血液製剤を使った治療」経験と、「献血」経験の相関

前問と前々問の結果、すなわち「輸血」経験と「献血」経験の間でクロス集計をしたところ、あまり相関は見られなかった。献血は、助け合いの構図によって成り立っているが、家族が輸血などで血液製剤の恩恵を受けた経験を持っていても、献血に積極的になる人が特に多いわけではなかった。

5.病院などで使用される「輸血用の製剤」は、100%が国産製剤(日本国内で原料を確保し、製造されたもの)であることを、ご存知でしたか。

輸血用の血液製剤は全て国産のものであると、明確に知っていた人は10%、「何となく」知っていた人は47%で、合計58%にのぼった。男性の方が、また年代が高まる方が、認知度は高まる。

6.血液製剤の原料確保の方法は「献血のみ」であることをご存知でしたか。

「日本国内で血液製剤原料を確保する方法は、すべて献血由来である」と、明確に知っていた人は22%、「何となく」知っていた人は44%で、合計66%にのぼった。男性の方が、また年代が高まる方が、認知度は高まる。

7.血液製剤の「国産・輸入」に対しては、どちらを希望しますか。

血液製剤の国産志向は強い。「強く」希望するのが60%、「どちらかというと」希望するのが32%で、あわせて92%の人が、国産を希望している。その理由を聞くと、安全性に関する不安が多いが、「なんとなく」も多かった。

国産を希望している理由(例)

  • HIV問題。エイズ、肝炎保持者が金銭目的で献血されているのではないかと心配。(45才・男性)
  • 海外の血液製剤の原料としての血液が、どのような手段で入手されているかがわからないから(38才・女性)
  • 政治的背景で各基準が変更されるのが容易に考えられるため(40才・男性)
  • 海外モノは日本と規格が違ってたり、検査が正しくされているか怪しいものが多いので信用できない。かといって日本製でも偽装も多いので心配ですが。(43才・女性)
  • 人種によってかかる病気もある。 もちろん健康な血液が利用されているのだろうが、そういう部分に不安を感じるから。(38才・女性)
  • 非加熱製剤フィブリノゲンの薬害事件が現実に起こっているため、国内でなら、責任の所在ははっきりしていると考える。(40才・女性)
  • 50年以上前に、事故にあい病院で輸血を受けましたが、その後ひどい肝臓病を患い長期入院をして高校も2年間留年をして、金銭的にも大変な目にあいました。その時代の輸血は、売血のせいだったんだろうと親からきかされていたので。(63才・男性)

8.血液事業(献血者を募集し、採血し、製剤化、病院等への供給をする一連の仕事)に対して、どんな要望がありますか。

国内での血液製剤を確保・供給する事業に対しては、「安全性」と「管理」と「情報開示」の強化を望む人が多い。

血液事業への要望(例)

  • ハサップではないけれど、どこで誰から供給されたものかを知る権利が我々にはあると思う。(45才・男性)
  • 一部、安全性が確保できるのであれば、有償での非献血を認めても良いと思う。(48才・男性)
  • 家族の中に同じ血液型のものがいないので、なるべく多く献血をしたいとおもっているが、近所に献血所がないためなかなか出来ずにいる。病院内などでも簡単に献血が出来るようなシステムを作ってほしい。(39才・女性)
  • 献血による善意を確実に反映できるよう採血、運搬、保存、製剤、使用などの各段階における管理を確実に実施し間違いのないようにしてもらいたい。(60才・男性)
  • 母が輸血からC型肝炎になったのでこういった不幸は100%ないように努力してほしい。(43才・男性)
  • どういう風に血液製剤が使用・供給されているのか詳しく周知してもらいたい。(42才・女性)
  • 以前の薬害エイズ問題のように、知らない間に色々あっても情報がわからないことが多かったり隠ぺいされたりしていてあとから愕然とすることのないように、よいことも悪いことも情報開示を進め、もっともっと事業のPRをすべきでは?(48才・女性)
  • 過去の事件が根強く印象に残っています。輸血や血液製剤を使用した治療をさせてもらうかもしれない身として、安全性や情報開示は常にしてほしいです。 また自己免疫疾患の軽症患者にも使えるような製剤の開発を強く願いますし、それらの法整備や基準値の見直しも厚労省や医師に願います。(45才・女性)

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