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[病院を知ろう!プロジェクト] 2010/12/27[月]

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「医療ボランティア」への興味、意識の高さは本物か ~COMLが特別集中講座を開催~

 近年、需要が高まり続けている「医療ボランティア」。医療ボランティアとは、病院や緊急援助を必要とする国や地域など医療現場において、医療に関わる支援を無報酬ないし低報酬で行う人々のことだ。
 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)が主催する「医療で活躍するボランティア養成講座」は、患者と医療者が協働し、よりよい医療をつくりあげていく人材を育成することを目的としている。
 COMLは過去20年間、患者や患者の家族を対象とした「電話相談」や、「賢い患者になりましょう」を合言葉にしたミニセミナー「患者塾」など、患者が主体的に医療参加するための活動を推進してきた。ボランティア講座では、電話相談や患者塾に寄せられた「患者の声」と、長年の活動のなかで患者や医療ボランティアをする人に必要と考える情報を活用。蓄積した情報とノウハウを多くの参加者に提供している。COML20周年記念として東京で行われた、特別集中講座を取材した。

求められていたのは、ボランティアを学ぶ場所

 COMLの「医療で活躍するボランティア養成講座」は、通常1回3時間の講座が7回行われる。内容はロールプレイング、コミュニケーションのワークショップやディスカッションに加え、実例をふんだんに交えて行われる講義など盛りだくさんだ。
 昨年初めて開講した講座だが、全国紙2紙に掲載されたことをきっかけに参加者が殺到。2009年は前期の5コース120名、後期の4コース80名が瞬く間に満員となり、参加者は日本全国から集まったという。
 「一時は医療不信が高まり、病院に対して疑問を持つ患者さんが多くいらっしゃいました。しかしその一方、一般の方々のあいだで『医療現場を改善したい』、『自分も何か役に立ちたい』との思いが高まっていることも感じていました」。こう話すのは、COMLの事務局長で、今回の講師でもある山口育子(やまぐち・いくこ)氏だ。「参加者がこれほど増えたことには驚きましたが、ボランティアに対する意識の高まりをよく表していると思います。しかし、ボランティアを始めるにあたって、皆さん何を勉強すればいいのか分からないんです」。山口氏いわく、初めてボランティアを始める人はもちろんのこと、すでに現場で活動している人の中にも、知っておくべき情報や対応するための知識を得られていないことがあるという。それらを断片的には持っていても、系統立てて学ぶ機会はほとんどないからだ。近年の参加者急増の背景には、医療現場の現実や課題、対応の仕方を知りたいというニーズの高まりがあると言えるだろう。

「役立ちたい」人のために、「役立つ知識」を提供する

 「医療現場で今もっとも必要とされているのは、患者の視点です」と山口氏が言うように、講座では個人の経験に終わらず、冷静かつ客観的な患者としての視点が養われるように考えている。テキストとスライドに沿って行われる講義は、ボランティアにとって必要なことにポイントを絞って掘り下げられる。そのため長時間となるが、山口氏の講義は「興味深い話ばかりで面白い」「いつまで聞いていても飽きない」と評判だ。その理由のひとつは、COMLに寄せられた患者からの相談や意外な声を知ることができるので、しだいに「本当の医療現場」の姿が見えてくるからだろう。
 テキストはまず、ボランティアとして活躍できる場とその内容を知ることから始まる。外来サポートや入院サポート、病院でのイベントの手伝い、患者図書室のスタッフ、傾聴ボランティア、模擬患者。それぞれの活動について現状を学んだあとは、医療を知るための歴史や、医療機関・国家資格の種類、医療安全や医師不足・偏在、病診連携などについて学ぶ。これら現在の医療現場全体が抱える課題については、病院側のさまざまな裏事情を聞けるのが面白い。ボランティアにとって特に興味深いのが医療費や薬についての知識だが、ここでも具体的な課題や問題点を知ることによって、患者にできるアドバイスや対応方法などの知恵も得られる。
 最後はグループに分かれディスカッションを行い、感想や意見を交換。一口にボランティア志願と言っても、それぞれの立場によって参加動機は異なる。模擬患者を希望する人、介護医療に関わりたい人、地域医療を充実させたい人。なかには現在も病気治療中でありながら、自らに出来ることを捜し求めてきた人もいる。自分と異なる意見を聞くことでさらに多くの視点を得られるのは、グループディスカッションならではの魅力だろう。

経験も環境も異なる参加者が、それぞれに成果を得る

 すべての講座が終わったあと、修了書を手にした参加者数名に参加理由と感想を伺った。
 新しく地域ボランティアを始める予定のAさんは「基礎的な知識を知りたくて参加しました。講義は知らないことばかりだったので、とても勉強になりました」。
 Bさんはもともとボランティアとして活動していたが、病院にいるだけでは分からないことが多く、限界を感じて参加を決めたと言う。「参加してみて、診療形態や保険点数など医療そのものの仕組みを知ることができたのが良かったですね。知っているようで知らなかった部分がこんなにあったのかと驚いています。ここで身につけたことを踏まえて、活動をもっと深めていけたらと思います」。

情報を知るほどスキルが上がり、ポジティブになれる

 最後に、講師の山口氏にお話を伺った。「COMLで学んだ方は、多くの医療機関で活躍されています。ありがたいなと思うのは、どこからも『COMLで学んだボランティアの方々は、質が高い』と言っていただけること。でも、間違えてはいけないと思っています。これはCOMLの手柄ではなく、それだけ意識の高い方が多いということなんです。一つのことを知ると、もっと多くのことを知りたくなります。そうやっていろんな情報を得ることで『病院にも、そんな裏事情があったんだ』と分かります。すると疑問や不信感ではなく、『問題があるなら、自分達は何をすれば良いのだろう』と意識が変わっていくんです。ボランティアをやりたい人々の高い意識を、どうやって具体化していくか、プラスに転じていくか大切。我々がそのお手伝いをさせていただくことで、医療の現場をより良く変えていく人が、これからもっともっと増えるといいなと思います」。
 COMLでは来年3月にもこの特別集中講座を開く予定で、その他金沢でも出張講座を行うという。7回講座は来年度も6月から開催の予定。詳しくは以下から。

⇒医療で活躍するボランティア養成講座

■COMLの長年の電話相談ノウハウから生まれた事例記事が当サイトにて連載中。『実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣』をご覧ください。

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