[病院を知ろう!プロジェクト] 2013/08/20[火]

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 高知県四万十市で8月12日に観測史上国内最高気温となる41.0度を計測するなど、何かと「記録破り」な2013年夏の猛暑。熱中症にかかる患者さんの数も、2000年以降最も多かった2010年夏を大きく上回るペースで増加しています。気象庁が2013年8月16日に発表した異常天候早期警戒情報でも、8月末にかけて全国で高温傾向、特に関東甲信・北陸以西では、「かなり高い」状態が続くとされており、2013年夏は「近年例を見ない猛暑」となることがほぼ確実視されています。
 そこでQLifeは、クリニックなどで一般内科の外来を担当する医師を対象に、2013年夏の猛暑による熱中症などの健康被害状況について緊急アンケートを実施しました(有効回答243名)。その結果をご紹介します。

▼調査主体
株式会社QLife(キューライフ)
▼実施概要
(1)調査対象:外来患者を診療している一般内科の医師 (2)有効回収数:243名 (3)調査方法:インターネット調査
(4)調査時期: 2013/8/15~2013/8/16

3人に2人の医師※1が熱中症患者を診察 うち15%が重症※2

この夏、熱中症の患者さんを診察したか聞いたところ、3人に2人の医師が「診察した」と回答。そのうち15%の医師が「重症患者を診察した」と答えました。

※1 一般内科の外来を担当する医師
※2 アンケート上での症状定義は以下の通り
「軽症」: 入院を必要としないもの 「中等症」:重症または軽症以外のもの 「重症」:3週間の入院加療を必要とするもの以上

内科医師1人あたり平均13.5人の熱中症患者を診察

熱中症患者さんの医師一人あたりの症状別人数をみると、軽症が最も多く10.4人(77.2%)、中等症が2.6人(19.4%)、重症は0.5人(3.4%)で、合計13.5人に上ります。この数値は8月中旬のシーズン途中のものなので、最終的にはさらに増加するものと考えられます。2012年夏との比較でも、半数以上の医師が患者は「去年より多い」と回答。「同じ」「去年より少ない」と答えた医師の数を上回りました。

「扇風機を使っても」「老人ホーム内でも」発症したり、「ダイエット」原因も

印象に残った実際の症例を挙げてもらったところ、横紋筋融解症や腎不全に至る「重症」のケースや、扇風機をつけたり老人ホーム内にいたにも関わらず発症した「対策が機能していない」ケースがありました。また「水分補給不足」の原因として、「認知症」「嚥下障害」などのほか、夏休みの宿題のプレッシャーやダイエットが原因となるなど、熱中症の原因や症状が多様に広がっていることが分かりました。代表的なコメントを以下に紹介します。

医師のコメント

  • 横紋筋融解症など複雑な病態を呈しており熱中症の診断が難しかった。(千葉県)
  • 認知症の方で、締め切った自宅の中で布団にくるまって高体温になってしまったケースがありました。(青森県)
  • トタン屋根の上で作業していて熱中症から急性腎不全となり搬送された例が印象に残っています。補液を大量に行って回復しました。(北海道)
  • 高齢者の家庭では、そもそもエアコンがないと言われ、再発予防の指導が難しかった。(高知県)
  • 嚥下障害のある患者さんが、水分の追加補充が十分でなく、自宅で重度の脱水を来し、横紋筋融解を合併しました。(熊本県)
  • 就寝時、窓を開け、扇風機を使用したケースでも発症した。(香川県)
  • 老人ホームの室内温度が上がって熱中症になったと思われる症例がありました。老人ホームにいても安心出来ない。(北海道)
  • 高校生で、夏休みの宿題がたまっており、そのプレッシャーから食事や水分がのどを通らなかったため熱中症を発症。(鹿児島県)

熱中症の予防のために、行政は、社会はどうすればよいのか

熱中症予防のために社会が取り組むべきことについて、最も意見が多かったのが行政やメディアによる「より一層の情報提供」を求める声でした。以下に代表的なコメントを紹介します。

医師のコメント

  • 単に「こまめに水分補給を」や「塩分補給を忘れずに」と言わず、もっと具体的に水分量を提示したり、本当にすべてに塩分補給が必要かを、明確に指導すべき。(神奈川県)
  • 対策の内容について啓蒙活動を絶やさず続ける事。(東京都)
  • まず正しい知識での啓蒙活動と教育。具体的な予防策や豆知識も含めて。(熊本県)

その他には、「高齢者への見回り対策を強化すべき」という意見や、「夏の昼間は電力料金を抑制してクーラーを使いやすい環境にすべき」という意見も挙げられました。また、若年層向け対策として「甲子園での高校野球をはじめ、8月の屋外での学生スポーツは実施基準を早急に作るべき」と部活動に対する警鐘もありました。

熱中症だけじゃない!この夏急増した意外な病気とは

猛暑が診察室に及ぼしている影響は、熱中症以外でも大きいようです。「この夏、急増している病気や怪我は?」と聞いたところ、特に多かったのが「ハチ刺され」です。一般的に暑い日が続くと、ハチの活動が活発化する傾向にあります。体質によっては、単なる虫刺されでは済まずにアナフィラキシーショックを呈することもあるので注意が必要です。代表的なコメントを紹介します。

医師のコメント

  • ハチにさされた人が例年より多いと思いました。(兵庫県)
  • 蜂やダニに刺された方が多くみえてます。(北海道)
  • 蜂刺されによるアナフィラキシーショック患者が増加している。(北海道)

ほかには、流行が拡大した手足口病や、猛暑で冷やし過ぎたことによる夏風邪、ゲリラ豪雨での低体温症などが、今夏に急増した症状として複数の医師から挙げられました。

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