会員限定この記事を読むと10pt 進呈!!

新規会員登録(無料) ログイン

[知っておきたい!ニュースな言葉] 2014/08/08[金]

いいね!つぶやく はてなブックマーク
知っておきたい!ニュースな言葉

今月のテーマ「もしもクラゲに刺されたら?」について

 みなさんこんにちは。看護師兼保健医療福祉ニュースウォッチャーのTSUBAKIです。日本列島は夏真っ盛り!海や山へ出かける機会も増えますよね。
 今回は、この時期に報告例が増える「もしもクラゲに刺されたら?」について、調べてみました。

いつごろからクラゲが増えるの?

 そもそもクラゲとは、刺胞動物(刺胞という毒液を注入する機能をもつ動物)に分類され、海水や淡水で浮遊生活をする生き物です。まず母体(雌)の中で受精卵が成長し、プラヌラ幼生になり、母体から離れて岩や海草に付着してポリプになり、次にくびれのあるストロビラとなり、くびれているところから1枚づつはがれてエフィラになります。水中に飛び出したエフィラはプランクトンなどを食べて成長し、やがてクラゲの傘の部分と触手の部分が出来上がり、成体(=クラゲ)となります。

 日本では夏から秋にかけて、クラゲに刺される「クラゲ刺傷」の報告例が多くなります。一般的にはお盆過ぎから秋ごろまでが最も多いようです(地域差もあります)。クラゲの種類によっても違いますが、海水温が上昇し始める6月頃から9月頃までの3ヵ月くらいが最も成長し、数も増える時期です。春からの漁業に合わせて海の中の魚の絶対量が減ってくるので、魚のえさとなるプランクトンが増え、これを餌とするクラゲが成長しやすい状況になるようです。

クラゲにさされたら刺されたらまず何をすればいい?

 クラゲに刺された時は、その直後から刺された場所を中心として、激しい痛み、湿疹、発赤がみられます。クラゲの触手がなぞる様に触れた場合には、特徴的な線状の腫脹(みみず腫れ)がみられます。海水浴の途中などで急にこれらの症状がみられた場合は、まず「クラゲに刺された」ことを疑い、応急処置をしましょう。

【クラゲに刺された時の応急処置】
  1. 刺された場所を直接触らない:刺激により刺胞を肌に擦りこませ、毒が体内に入りこむ可能性がある
  2. 海水で洗い流す:真水は絶対に使用しない(真水は浸透圧の影響により刺胞が刺激され、さらに刺胞から毒針を出すかも知れません)
  3. 棘や触手の除去:ゴム手袋を装着して丁寧に取り除く(押しこんではダメ)
    ※ライフセーバー詰所などに助けを求めるのが一番手っ取り早いです

 最低限、ここまでの応急処置を行い、近くの医療機関を速やかに受診しましょう。全身の症状があれば、救急車を呼ぶことも必要です。
 クラゲ刺傷の治療は、多くの場合は局所症状のみで、これに対する軟膏薬の処方などで済みます。中等症になると局所症状に加えて、全身のしびれ・胸の絞扼感(締めつけられる感じ)などもあり、ステロイド剤・抗ヒスタミン剤などの注射や、経過観察が必要な場合もあります。重症になると、おう吐・呼吸困難・歩行困難・頭痛やめまいなどもあり、全身のショック症状などに対する治療と、適切な呼吸循環管理が必要となることもあります。特にカツオノエボシはアナフィラキシーショックを起こすこともあり、死に至るケースもありますので、たかがクラゲと侮ることなく、すみやかに適切な処置を受けましょう。

「クラゲに刺されたら酢をかけろ」はほんと?うそ?

 ところで「クラゲに刺されたら酢をかけろ」というのは、大部分では本当です。クラゲの種類はとても多いのですが、人が刺されて問題になるのはおよそ70種類、その中でも日本近海で多くみられるのは数種類程度のようです。

  • ミズクラゲ:日本近海では最も数が多く、毒性は弱い(刺されても気付かない程度)
  • ハナガサクラゲ:日本の中南部沿岸でみられ、毒性は中等度
  • アカクラゲ:日本南部では冬から春、日本海では春から夏、北海道では夏に多くみられ、毒性は強い
  • アンドンクラゲ:日本全域で夏に多くみられ(南では早く北では遅い)、毒性は強い
  • キタカギノテクラゲ:東北・北海道などに多くみられ、毒性が非常に強い
  • アマクサクラゲ:日本中南部で夏に多くみられ(九州天草地方周辺)、毒性は強烈
  • カツオノエボシ:日本近海で夏から秋にかけて多くみられ、毒性はきわめて強力(図1)

 (以上、日本中毒情報センター 保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報【腔腸動物(刺傷)】より改変)


図1 カツオノエボシについて

 いずれのクラゲに刺された場合でも「4~6%の酢酸溶液で30秒以上洗い流す」などの処置がとられます。「食酢に30秒浸す」でも良いです。しかしカツオノエボシだけは別です。
 ある海外の研究によると、「オーストラリアハコクラゲによる刺傷には食酢による洗浄は有効だが、カツオノエボシによる刺傷では毒の放出を促進する」というデータがあります。つまりカツオノエボシによる刺傷の場合は酢で洗うのは逆効果なのです。ちなみにアンドンクラゲはハコクラゲの仲間なので、食酢での洗浄が有効のようです。
 一方で、「40℃以上のお湯に浸すと患部の痛みが和らぐ」という研究もあり、アメリカ心臓協会のガイドラインでは、「クラゲ刺傷の除痛には出来るだけ高温のお湯に20分以上浸す」ことが推奨されています。しかしこれは(海水では難しいので)ある程度処置が進んでからになると思われます。

 いずれにしても、クラゲの毒に対する有効な治療法は確立されておらず、対症療法が主となります。クラゲに刺された!と思ったら、どこで、いつ頃(なるべく正確な時間)、何に刺された(と思われる)か、この3点については、救急隊や医療機関に確実に伝えましょう。特に「カツオノエボシだったのか」という情報は必要かもしれません。

記事を読んでポイント獲得!

10pt 進呈!!

この記事を読んで
簡単なアンケートに回答すると、
"Amazonギフト券に交換できる"
QLifeポイントを獲得できます!

アナフィラキシーに関する
この記事を読んだ人は
他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。