会員限定この記事を読むと10pt 進呈!!

新規会員登録(無料) ログイン

[知っておきたい!ニュースな言葉] 2015/08/27[木]

いいね!つぶやく はてなブックマーク
知っておきたい!ニュースな言葉

今月のテーマ 「くる病」について

 みなさんこんにちは。看護師兼保健医療福祉ニュースウォッチャーのTSUBAKIです。
 この7月に、「子どものくる病が増えている」という新聞報道がありました。日本では、栄養状態のよくなかった過去の病気であると考えられていましたが、近年、また患者数が増えているようです。今回はこの「くる病」と、子どもたちの生活との関係を調べてみました。

くる病ってどんな病気?

 丈夫な骨を作るためには、カルシウムだけではなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが必要です。そのため、ビタミンDが不足すると、カルシウムを多くとっても身体に効率よく取り込むことができず、骨は正常に発達することができません。
 くる病は、ビタミンDの作用不全やリンが欠乏することにより、子どもの成長期にしっかりとした骨が作られない病気です。主な症状としては、成長障害、下肢の骨の変形、背骨のゆがみ、関節の腫れなどがあり、特に乳幼児の場合は、頭蓋骨全体が固くならない、あるいは大泉門(頭蓋骨に生まれつき空いている隙間)が埋まらない、などの症状もあります。

なぜ近年増えている?

 くる病の原因には、ビタミンD依存症や低リン血症といった遺伝性のものや、薬剤が影響しているものがありますが、ビタミンDの不足によるビタミンD欠乏症によるものが近年増加しています。ある調査結果では、京都市内で2006~2007年の1年間に出生した新生児1,120人のうち、22%にビタミンD欠乏症を示唆する頭蓋ろう(頭蓋骨を指で押すとピンポン玉のようにへこむ状態)が認められました。この時代になぜ?と思うかもしれませんが、そこには、いくつかの要因が絡み合っていることが分かってきました。

◆母乳栄養の推奨
母乳は人工乳と比べてビタミンDの含有量が少なく、母乳のみの場合はビタミンDが不足しがちになります。カナダで行われたある調査では、くる病を発症した赤ちゃんのうち、ほぼ全員が母乳で育っていたことが分かりました。
◆日光浴時間の減少
ビタミンDのうち、骨の形成に効果があるのはビタミンD2とビタミンD3です。皮膚にはプロビタミンD3と呼ばれる物質が多く含まれており、紫外線を浴びることでビタミンD3に転換されます。しかし、紫外線を過剰に浴びることは皮膚がんの原因になることがわかり、母子健康手帳の「日光浴をさせる」という記載が、1988年からは「外気浴」に変わっています。その結果、「日光を浴びない赤ちゃん」が多くなったことも、くる病が増えてきた原因の一つと考えられています。
◆食生活の変化
ここ数年、さまざまなアレルギーを持つ子どもたちが増えており、離乳食の進め方に慎重になる母親も多いようです。例えば、卵には元々ビタミンDが多く含まれていますが、卵アレルギーがあると食事から十分なビタミンDをとることが難しくなります。他にもビタミンDを多く含む食品はありますが、アレルギーが1つあると、他の食物を試すことも慎重になる傾向があるようです。

 これらの要因が複雑に絡み合うことでビタミンDが不足し、カルシウムが吸収されにくくなり、結果的にくる病を発症する子どもが増えているようです。

家庭での見分け方の目安

 「くる病」の診断は、専門医でないと分からないこともあります。しかし家庭でも、「もしかして…?」という疑いを持つことはできます。そのポイントをあげてみましょう。

  • O脚・X脚
    乳幼児には生理的湾曲の時期があり、2歳頃まではO脚(膝間で3cm以内)、その後5歳頃までは逆にX脚傾向がある。それ以上の場合、病的な可能性も。
  • 頭蓋骨が柔らかい
    頭蓋骨を指で押すと軽い力でもへこむ状態だったり、頭頂部にある大泉門の閉鎖が遅れている
  • お座りやハイハイ、歩きだす時期が遅い
    個人差もありますが、お座りやハイハイができる目安は生後6~8か月ごろ、1人立ちや伝い歩きは10か月~1歳半ごろ。これよりも半年以上遅い場合は注意
  • 跛行
    足が大きく左右に開き、重心の変動が大きい歩き方をする
  • (幼児の場合)脊椎が歪んでいる
    うつぶせあるいは立位で、身体や背骨がまっすぐにならない

予防するには

 くる病の予防にもっとも効果的なのは、バランスの良い食事と、適度な日光浴です。食事では、カルシウムと共にビタミンDを多く含む食事を与えます。特に母乳のみで育児をしている場合は、時々ビタミンDが添加されたミルクをあげたり、卵アレルギーがある場合は、肉よりビタミンDの多く含まれるサケ、マグロ、サバといった魚の回数を増やすなど、いろいろ工夫をしてみましょう。


図1 1日に必要なビタミンDを体内で生成するために必要な日光浴の時間

 上記は国立環境研究所が、健康な生活を送るのに必要な1日のビタミンDを体内で生成するために必要な日光浴の時間を研究した結果です。すべて日光浴によって体内で生成させるとした場合の仮定ですが、7月の晴天日の12時には、札幌4.6分、つくば3.5分、那覇2.9分で、必要量のビタミンD生成を行うことができる計算です。一方、12月の晴天日の12時では、那覇7.5分、つくば22.4分に対し、太陽高度の低い札幌では、76.4分という時間が必要となることがわかりました。南北に長い日本では、北と南でこれだけの差があり、特に冬季の北日本では食事からのビタミンD摂取と併せて、積極的な日光浴が推奨されます。

記事を読んでポイント獲得!

10pt 進呈!!

この記事を読んで
簡単なアンケートに回答すると、
"Amazonギフト券に交換できる"
QLifeポイントを獲得できます!

おすすめの記事

くる病に関する
この記事を読んだ人は
他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。