会員限定この記事を読むと10pt 進呈!!

新規会員登録(無料) ログイン

[知っておきたい!ニュースな言葉] 2015/11/26[木]

いいね!つぶやく はてなブックマーク
知っておきたい!ニュースな言葉

今月のテーマ
「ノーベル生理学・医学賞受賞『イベルメクチン』が救った病気」

 みなさんこんにちは。看護師兼保健医療福祉ニュースウォッチャーのTSUBAKIです。
 2015年のノーベル生理学・医学賞に大村智・北里大学特別栄誉教授が選ばれたことはまだ記憶に新しいと思います。今回は、この受賞理由となった「イベルメクチン」という薬が救った病気について探ってみたいと思います。

10億人もの命を救ってきた「イベルメクチン」とは

 アフリカや東南アジア、中南米など、熱帯地域に住む10億人もの人々を救ってきた抗寄生虫薬「イベルメクチン」。これは、大村氏が1974年にゴルフ場の土から発見した「エバーメクチン」という物質から作られたものです。イベルメクチンが有効性を示す疾患のうち、特効薬として広く使用されているのが、オンコセルカ症とリンパ系フィラリア症の2つです。

◆オンコセルカ症(河川盲目症)
回旋糸状虫による感染症で、川などでブユに刺されることで感染します。感染者の99%は、サハラ以南のアフリカで発生。ラテンアメリカ地域でも感染が確認されています。回旋糸状虫は、ヒトの体内に入ると、皮膚の下に小結節(こぶ)をつくり、ミクロフィラリア(被鞘幼虫)を産出。特にミクロフィラリアが死滅する時に、激しい炎症反応を誘発し、激しいかゆみなどのさまざまな皮膚症状を起こします。また、眼の周囲で小結節を作ることもあり、視覚障害や失明してしまうケースもあります。感染が確認された場合は、イベルメクチンを年1回以上投与することが、WHOにより推奨されています。1974年から2002年にかけて行われたオンコセルカ症感染制御計画(OCP)の活動では、広範囲でイベルメクチンの配布が行われました。
◆リンパ系フィラリア症(象皮症)
フィラリアと呼ばれる寄生虫を保有する蚊がヒトを刺し、寄生虫が体内に入ることで感染します。現在、58か国、約12億3千万人に、リンパ系フィラリア症の感染リスクがあり、1億2千万人以上が感染しているといわれています。感染は通常、小児期に起こります。多くの場合は症状が出ませんが、まれにリンパ系組織に障害を起こすことがあります。その場合、成人になってから発熱と疼痛を伴う急性の炎症が起こると、四肢のリンパ浮腫や皮膚や組織が肥厚する象皮病や、精巣の周囲に液体がたまる陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)などを誘発。外見を著しく変形させる障害を起こすことがあります。現在のところ、予防策は蚊の駆除しかなく、治療にはイベルメクチンを含む2種類の薬剤に効果があるとされています。

図1 イベルメクチンと関連のある疾患の流行地域

イベルメクチンの恩恵は日本でも

 日本でもイベルメクチンが、ヒゼンダニが皮膚に寄生することで感染する疥癬(かいせん)の内服薬として2006年から保険適応となっています。
 さらに最近の研究では、アメリカなどの研究チームが、イベルメクチンを「マラリアの発症を減らす新たな有効性がある可能性」と米熱帯医学会議で発表しています。
 ゴルフ場の土が10億人の命を救う。そんな物語に日本人が関わっていることに誇りが持てますね。

記事を読んでポイント獲得!

10pt 進呈!!

この記事を読んで
簡単なアンケートに回答すると、
"Amazonギフト券に交換できる"
QLifeポイントを獲得できます!

おすすめの記事

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。