[知っておきたい!ニュースな言葉] 2016/02/05[金]

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知っておきたい!ニュースな言葉

今月のテーマ「確定申告で“忘れがちな”医療費控除」

 みなさん、こんにちは。看護師兼保健医療福祉ニュースウォッチャーのTSUBAKIです。
 『確定申告はお早めに』年度末が近づき、こんな文言を見かけるようになりました。そこで知っておきたいのが、医療費控除。以前にもお伝えしましたが(知っておきたい!「確定申告の医療費控除」について)、今回はその中でも見落としがちな「出産」「眼の治療」「歯の治療」について調べてみました。

出産時のタクシー利用 控除される?されない?

 出産した場合、加入している健康保険組合や国民健康保険から、「出産育児一時金」として、1児につき原則42万円(2016年2月現在)の支給があります。これを差し引き、10万円を超えた額が医療費控除の対象となるわけですが、入院費以外に次のような費用も控除対象となることをご存じでしょうか。

  • 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、通院費
  • 出産で入院するときに使ったタクシーの代金
  • 入院中の食事代

 通院費用については、領収書がない場合も多いのですが、家計簿に記録するなど、実際にかかった費用をまとめておくと、説明資料として使うことができます。入院時のタクシー代が控除対象となるのは、入院が出産という緊急時であり、通常の交通手段によることが困難だと考えられているためです。また、入院中に病院から出される食事は入院費に含まれますので、医療費控除の対象になります。

 一方で、実家で出産するために帰省する交通費や、妊婦用の下着やマタニティ服など身の回りの品を購入した費用、入院中の出前や外食の代金は含まれません。

図1:出産費用の医療費控除

レーシックやオルソも“視力回復のための治療”で控除対象に

 次に、眼科疾患の治療に関する費用では、

  • 視力回復レーザー手術(レーシック手術)の費用
  • オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)の費用

も控除対象となることが意外と知られていないようです。

 オルソケラトロジー治療とは、近視や近視性乱視の患者が寝るときにコンタクトレンズを装用(装着)することで、角膜形状を変化させ、脱着後の裸眼視力を改善させる治療法です。

 一方で、メガネの購入費用は、基本的に控除対象となりません。近視や遠視などで日常生活に必要であるため購入されるものは、視力を回復させる治療の対価ではないと判断されています。

 ただし、斜視、白内障、緑内障などで手術後の機能回復のために短期間装用するものや、幼児の未発達視力を向上させるために装用するメガネなどで、治療のために必要であるとして医師の指示で装用するものは、医師による治療の一環として直接必要な費用ですので、控除対象に含まれます。

虫歯治療や歯列矯正は材料や目的次第で

 最後に、歯科治療の費用はどのようなものが控除対象となるのでしょうか。

歯の治療の医療費控除
対象 対象外
虫歯治療 金やポーセレンといった
一般的に使用されている治療材料費
一般的な水準を著しく超える高額な治療材料費
歯列矯正 不正咬合など子どもの成長を阻害しないための費用 容貌を美化するための費用
通院費 子どもの通院に付き添うための交通機関などの費用 自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代
QLife編集部作成

 虫歯治療については、保険の効かない、いわゆる自由診療によるものや、高価な材料を使用する場合に治療代が高額になる場合があります。このような場合、一般的に支出される水準を著しく超えると認められる特殊なものは医療費控除の対象となりません。

 歯列矯正に関しては、発達段階の子どもの成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などから見て歯列矯正が必要と認められる場合の費用は控除対象になります。一方で、容貌を良くするための歯列矯正は対象となりません。

 また、治療のための通院費も控除対象となります。幼い子どもの通院に付き添いが必要なときは、付添人の交通費も通院費に含まれます。通院費は、診療券などで通院した日を確認し、金額も記録しておくことが大切です。ただし、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代は対象となりませんので注意が必要です。

 会社員だとあまり意識しない確定申告ですが、家族全員分の1年間の医療費を合計すると、結構な額になるかもしれません。赤ちゃんが生まれた年や子どもの歯列矯正に費用がかかった年には、医療費を確認してみてはいかがでしょうか。

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