出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
急性小児片麻痺
きゅうせいしょうにへんまひ
急性小児片麻痺とは?
どんな病気か
体の片側のけいれんが続いたあとに、あるいは何の前触れもなく、片麻痺を来す病気です。6歳以前の乳幼児にみられます。
症状の現れ方
かぜの症状や発熱に伴って、主に半身のけいれん(手足を急に何度も曲げ伸ばしする型の不自然な動き)が現れ、それが治療の有無にかかわらず数時間続いたあとで片麻痺(半身の筋力低下)が起こります。前触れがなく突然に片麻痺を来すこともあります。前者は原因不明、後者は脳血管障害によるものが多くを占めます。
検査と診断
片麻痺があることで診断します。基礎疾患を調べるため、血液、髄液、脳波、脳・血管画像、心臓超音波などの検査が必要です。
治療の方法
入院して全身管理をしながら、けいれんに対して抗けいれん薬を使用し、脳浮腫の治療(輸液制限、濃グリセリン・果糖の点滴)も行います。基礎疾患があればその治療もします。
片麻痺の小児の20%は回復しますが、80%は回復せず、麻痺した手足は次第に硬くなるためリハビリテーションが必要です。精神発達の遅れやてんかんを伴うことがあります。
病気に気づいたらどうする
半身のけいれんが現れたら、救急車を呼んで小児科を受診してください。突然の片麻痺に気づいたときも、小児科を受診してください。
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