出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

かぜ症候群
かぜしょうこうぐん

もしかして... はしか  麻疹

つぶやく いいね! はてなブックマーク

かぜ症候群とは?

どんな病気か

 発熱、鼻みず、咳、時に下痢などの胃腸症状を伴う病気で、さまざまな種類のかぜウイルスが原因です。かぜウイルスの種類は無数にあるので、1回かかったらもうかからないというわけにはいきません。何回でもかかります。

 よく、「赤ちゃんはお母さんの免疫があるから、かぜをひかない」という言葉を聞きますが、間違いです。なぜならば、お母さん自身もかぜをひきます。そのお母さんの免疫をもらうのですから、赤ちゃんもかぜをひいて当然です。赤ちゃんがかかりにくいのは、はしか麻疹)など、通常1回かかればもうかからないと考えられている病気に限られます。

 ただし、3カ月未満の赤ちゃんの場合、かぜであってもこじらせやすかったり、かぜと思っていたら別の病気だったりすることもあります。そのような場合は、何日も自宅で様子をみるのではなく、病院を受診することをすすめます。

検査と診断

 かぜを証明する検査はありません。問診や診察を行って、他の悪い病気ではなさそうだと判断できればかぜと診断します。しかし、前述したように、かぜであれば数日で治るはずですから、治らない場合はこじらせてしまっていたり、別の病気である可能性があります。病院への受診をすすめます。

治療の方法

 まずは安静と睡眠、そして十分な栄養をとることです。かぜに抗生剤は不要です。また、かぜ薬といわれるものは症状を和らげる薬なので、症状が激しい場合は使用しても構いませんが、かぜ薬をのんだからといって、早く治ることはありません。

 解熱薬は、発熱を一時的に和らげてくれます。しかし、発熱はウイルスを排除しようとする自分の免疫反応ですから、無理に下げようとして、薬を飲みすぎるのもよくありません。

 しかし、高熱でぐったりしている、食事もとれない、眠れないなどの状態であれば、体力の消耗につながるので、医師の指示どおりに解熱薬を使いましょう。高熱の場合は、たとえば40℃が39℃程度に1時間くらい下がっただけで、また高熱になることもよくありますが、強い解熱薬の使用は脳炎や脳症になる率を高めます。

 小児ではアセトアミノフェン(アンヒバ、カロナールなど)という、安全な解熱薬を使うことをすすめます。

(執筆者:大分大学医学部地域医療・小児科分野教授 是松 聖悟)

急性上気道炎に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、急性上気道炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

急性上気道炎に関連する可能性がある薬をもっと見る

おすすめの記事

かぜ症候群に関する医師Q&A