歯周炎
ししゅうえん
- 歯科
- 診療に適した科
歯周炎とは?
どんな病気か
歯肉炎から歯周炎に進行すると考えられています。歯周炎になると、歯周組織(歯肉、セメント質、歯槽骨、歯根膜、図30)が徐々に破壊されます。
歯肉に炎症がみられることはいうまでもありませんが、歯と歯周組織を連結している付着機構(歯肉-セメント質およびセメント質-歯根膜-歯槽骨)が壊れ、次第に歯槽骨も吸収します。歯肉ポケットは、歯周ポケット(真性ポケットともいう)となり、歯周病の原因となる細菌がすむのに格好の環境が形成されます。
症状の現れ方
病変が進行すると、歯がぐらぐら揺れ始め、食べ物が噛みにくくなり、噛み合わせると痛みが出ることもあります。うみの袋ができて、痛みが激しくなったり、よくはれたり、出血しやすくなり、口臭を伴うなどの症状が顕著になってきます。重症になると歯を保つことができなくなり、抜くことになります(図33)。
治療の方法
歯周炎の原因は、歯肉炎と同様に口腔常在菌がつくるプラークですが、歯周炎の病気の型によって、ある種の特定の細菌(歯周病原細菌)が関係しています(表2)。これらの細菌の多くは、空気を嫌う性質があるので、歯肉の上よりも歯周ポケット内のほうが定着・増殖するのに適した環境になります。
したがって、歯周炎の治療も、プラークコントロールを基盤としたものになりますが、スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根研磨)などの基本治療から、進行の程度によっては(中等度以上)小さな歯周外科手術を行う場合もあります。
重症になると、歯がぐらついてくるので、補強するためにその部分を冠などによって連結します。治療不可能で歯を抜いた場合は、その部分に固定式あるいは取り外しのできる部分入れ歯を入れる必要があります。
病気に気づいたらどうする
歯周炎も、初期のうちは歯肉炎同様に症状が軽度か、あるいは無症状で経過します。歯周病がかなり進行した状態になってから歯科医を受診する人が多いので、手遅れ(治療効果なし)と診断され、抜歯しなければならないことも少なくありません。
歯周病は治らないものだと考えている人も多くみられますが、すべての病気と同様に、早期発見、早期治療が歯周病にもあてはまります。歯周炎の軽度の段階なら、かなりの確実性をもって完治させることができるので、近隣の歯科医を早めに受診しましよう。
歯周炎と関連する症状・病気
歯周炎に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、歯周炎に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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セフジトレンピボキシル細粒10%小児用「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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アモキシシリンカプセル250mg「日医工」[ヘリコバクター・ピロリ除菌] ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ロキシスロマイシン錠150mg「日医工」 ジェネリック
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
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セファクロル細粒小児用10%「JG」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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セファクロルカプセル250mg「サワイ」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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リグロス歯科用液キット600μg
その他の歯科口腔用薬
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セフジニル錠50mg「サワイ」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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オラセフ錠250mg
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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ラリキシンドライシロップ小児用10%
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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クラリシッド錠200mg[一般感染症・非結核性抗酸菌症]
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
奥歯が痛くて歯医者に行ったら歯肉炎だと思うとのことで詳しい検査をしたら、グラ付きは無しの歯周炎中程…