百日咳
ひゃくにちぜき
百日咳とは?
どんな感染症か
百日咳菌の飛沫感染(くしゃみなど)で起こります。日本では1981年以降、世界に先駆けて副反応の少ない精製ワクチンが使われ、小児の患者さんの数は着実に減ってきています。一方、10歳以上の思春期、成人、高齢者の患者さんが増えてきています。
症状の現れ方
鼻水や咳など、かぜの症状から始まります。かぜ薬をのんでいても、1~2週間で咳がひどくなります。顔を真っ赤にして途切れなく続く咳込みと、そのあと急に息を吸い込むために笛を吹くような音が出てきます。熱はないことが多く、咳き込んで吐くこともあります。
ワクチンを接種していない1歳未満の乳児では、咳で呼吸ができず、唇が青くなったり(チアノーゼ)、けいれんが起こることがあります。肺炎や脳症などの重い合併症で死亡することもあります。
検査と診断
診断方法には、血液検査と菌の培養があります。特徴的な咳があり、白血球数が15000/μL以上、リンパ球70%以上であれば診断できます。鼻の奥からの百日咳菌の分離が決め手となります。パラ百日咳菌感染症やアデノウイルス感染症との区別が必要です。
治療の方法
多くの抗菌薬が有効です。特有の咳が出てきてから治療を始めても症状はよくなりませんが、他人への菌の拡散は防止できます。
予防接種が有効です。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTP三種混合ワクチン)として、生後3カ月から接種できます。3~8週間隔で3回、1年~1年半後に追加接種します。
病気に気づいたらどうする
百日咳は、乳幼児だけの病気ではありません。小中学生や大人の百日咳が増えてきました。特徴的な咳がないため、百日咳と診断されず、乳幼児への感染源になっていることが問題です。
大人で4週間以上咳が続いている場合は、家族内に咳をしている人がいないかどうかに注意してください。百日咳のことがあります。受診する専門科は、子どもなら小児科、大人なら呼吸器科や内科がいいでしょう。
百日咳に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、百日咳に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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キョウニン水<ハチ>
鎮咳去たん剤
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セフジトレンピボキシル細粒10%小児用「日医工」
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
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クレマスチンシロップ0.01%「日医工」 ジェネリック
抗ヒスタミン剤
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アンペック注50mg(1%製剤)
あへんアルカロイド系麻薬
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エリスロマイシン錠200mg「サワイ」 ジェネリック
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
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クロフェドリンS配合錠
鎮咳剤
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メテバニール錠2mg
あへんアルカロイド系麻薬
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リン酸コデイン散1%「ホエイ」
鎮咳去たん剤
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エリスロシン錠100mg
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
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コデインリン酸塩錠5mg「シオエ」
鎮咳去たん剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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