国立がん研究センター東病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

国立がん研究センター東病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化管内科・内視鏡科

分野

消化器内科

特色

消化管癌に対する内視鏡診断・治療、薬物療法の専門家が多数在籍。食道・胃・大腸癌、消化管間質腫瘍(GIST)など消化管の癌に対する先端的治療および新しい内視鏡機器・新規抗癌剤開発に積極的に取り組み、11年には国の「早期探索的臨床試験拠点」に癌分野で唯一選定。新しい抗癌剤の治療実績では国内最多。

症例数

11年の当科での入院患者総数1,741人、新規入院患者数は818人、うち薬物療法420人、内視鏡治療398人

薬物療法=当科では、外科、放射線科との緊密な連携の下で最新の治療法を提示し、患者さんに十分な説明・同意を得た上で患者さん個々に最良の治療を行っている。当院では、抗癌剤による治療はすべて薬物療法を専門とした内科で行っており、消化管癌切除不能例に対する薬物療法だけでなく、外科手術前後の補助化学療法や放射線との併用などの集学的治療もすべて当科で担当している。11年の実績では、食道癌118人、胃癌182人、大腸癌220人、GISTなどその他 27人の新規症例の治療を行っている。薬物療法は外来を主体として行っており、看護師・薬剤師、ソーシャルワーカーなどとチームを形成して患者さん個々に細やかな対応を行い、安全かつ患者さんの日常生活を極力保てるような配慮を行っている。また、既存の治療で効果がなくなった患者さんに対しては、当センターを含む国内外で開発された新しい抗癌剤の開発治験への参加も積極的に提示しており、11年の新規抗癌剤第I相試験への登録数は190例と国内最多である。当院はわが国の新規抗癌剤開発拠点として位置付けられており、欧米や韓国などの先端施設・企業の研究者とのネットワークもすでに構築し、世界の最新の治療法を提供できるように積極的に取り組んでいる

★内視鏡診断・治療:11年の内視鏡検査総数は10,830件、うち上部消化管6,048件、下部消化管検査2,225件、超音波内視鏡検査,63件。当院が中心となって開発し世界に普及したNarrow band imaging(NBI)による新しい内視鏡診断法により、頭頸部、食道、大腸などの早期癌の診断症例数が飛躍的に増加し、その後の内視鏡切除を行うことで臓器温存をしたままで治癒が得られている。早期癌に対する内視鏡切除件数は頭頸部36件、食道185件、胃204件、大腸121件(腺腫を含むと800件)と国内有数の実績を誇っている。また、食道癌に対する化学放射線療法後の遺残症例に対する光線力学療法(PDT)も当院で開発され、食道温存治療成績の向上に大きく貢献している。熟練した専門医と専門技師のチームワークにより、合併症の発生を最小限に抑え、安全かつ苦痛の少ない内視鏡治療を実施している。さらに、低酸素イメージングやプラズマの応用など他の大学や内視鏡機器メーカーとの医工連携による新しい内視鏡診断機器、デバイス開発にも積極的に取り組んでおり、わが国の内視鏡機器開発の中心拠点としての役割も果たしている。

医療設備

各種内視鏡機器、拡大内視鏡、NBIシステム、レーザー照射システム、最先端CT、MRI、PETなど。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

肝胆膵内科

分野

消化器・一般内科

特色

癌診療、研究、研修の専門機関。初診受付は他医療機関からの紹介を原則とする。肝臓癌、胆道癌、膵癌の診断および内科的治療を担当している。治療方針は当科および外科、放射線科と合同カンファレンスにて検討し、最適最善な医療を目指している。その他、定期的に公開カンファレンスを開き、近隣の医師と症例検討を行っている。

症例数

当科の年間の実績は、入院(延べ数):肝癌 約700例、胆道癌 約100例、膵癌 約250例であった

★肝癌に対して、ラジオ波焼灼療法(RFA)/エタノール注入療法(PEI)約100症例、肝動脈塞栓術(TAE)約280症例、肝動注化学療法 約100例、全身化学療法 約130例、陽子線治療 約5例を行った

★膵癌に対する初回化学療法は約110例、胆道癌(胆嚢癌、肝内胆管癌、肝外胆管癌、乳頭癌を含む)に対する初回化学療法は、約40例であった

★抗癌治療に付随する処置は、腫瘍生検 約400件、閉塞性黄疸に対する胆道ドレナージ 約200例、胆道ステント留置 約120例などであった

★化学療法ではプロトコールを作成し、それに基づいて実施している。また、年間20件を超える抗癌剤の治験や臨床試験も行っている

★全症例で癌告知を行い、また治療方針についてはインフォームド・コンセント(IC)を得ている。画一的治療となりがちであるので、できる限り患者さんのニーズを聞く努力をしており、また、癌性疼痛などの症状の緩和に関しては緩和ケア科と、癌告知や治療に伴う精神的な問題は精神腫瘍科の医師とともに解決を図っている。

医療設備

超音波診断装置、MDCT、PET、MRI、陽子線治療装置など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

上腹部外科

分野

消化器・一般外科

特色

上腹部外科は肝臓・胆道・膵臓・胃の腫瘍を扱っている。スタッフは全員外科学会、消化器外科学会の指導医あるいは専門医。守備範囲が広く、経験症例数も豊富で、上腹部の癌の外科治療に精通している。進行癌ではしばしば必要になる周辺臓器の合併切除や肝転移の切除など上腹部臓器の切除はすべて同一術者で対応可能である。開院以来治療方針の決定は腫瘍内科医、放射線診断・治療医との合同カンファレンスで行われるため日常的にEBM(科学的根拠に基づく医療)が集学的に行われている。病院の性格上、将来有望な治療法の開発を含めた臨床試験も数多く行われており、その成果が期待されている。また近年急速に広がっている鏡視下手術にも積極的に取り組み、現在胃切除、肝切除、膵体尾部切除に対して行っており、今後は根治性と安全性を保った上でさらなる適応拡大を図っていく予定である。

症例数

★年間手術症例数(11年)は胃癌268症例(うち腹腔鏡手術118例)、肝胆膵腫瘍に対する手術は肝癌44例、肝転移72例、膵腫瘍65例、胆道腫瘍41例であった。術式別では肝切除総数が147例(うち腹腔鏡手術19例)であり、膵頭部領域腫瘍に対する膵頭十二指腸切除が39症例、膵体尾部切除が18例(うち腹腔鏡手術4例)であった。膵頭十二指腸切除は比較的合併症が多いとされるが、年間50例以上(11年のみ39例)というhigh volumeを保っているのみならず、術式、ドレナージなどの様々な工夫の積み重ねにより、安全性も飛躍的に向上した

治療成績=胃癌手術例の5年生存率は全体で70%、stageIAは99.3%、IBは91.4%、IIは81.4%、IIIAは68.2%、IIIBは37.1%、IVは18.5%である。膵癌に関しては、通常型に限るとその5年生存率は22.5%と不良である。この治療成績を向上させるため術前、術後の化学療法を中心とした様々な臨床試験が行われている。原発性肝癌の切除成績は5年生存率48.5%であり、また転移性肝癌(大腸、胃)に対しては適応を拡大して積極的切除を行っており、多発転移例を含めた大腸癌肝転移切除例の5年生存率は56.6%と非常に良好な成績をあげている。画像診断機器はすべて充実しており、的確な進展度診断による適正な手術を心掛けている。

医療設備

超音波内視鏡、PET-CT、CT、MRI、アンギオCT、リニアック、陽子線治療装置など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

下腹部外科(大腸骨盤外科)

分野

消化器・一般外科

特色

癌に対する手術療法を担当し、大腸外科と泌尿器科が協力し骨盤内臓器の温存、機能温存手術を行う。結腸癌直腸癌に対する腹腔鏡下手術、下部直腸癌に対する肛門温存術式(内肛門括約筋切除)、前立腺癌に対する神経移植前立腺全摘、高度浸潤癌に対する膀胱温存直腸前立腺切除などを積極的に行っている。http://www.east.ncc.go.jp

症例数

11年の総入院数は950人、総手術数は約500例で大腸癌、腎癌、前立腺癌、膀胱腫瘍、後腹膜腫瘍、精巣腫瘍に対する切除や生検を担当している

★大腸癌の手術症例数は結腸癌切除約150例、直腸癌切除約200例、他の手術(人工肛門造設術、一時人工肛門閉鎖術、腸閉塞解除術など)が約120例である。直腸癌に対する切除術の内訳は前方切除86例、自然肛門を温存する内肛門括約筋切除(部分的切除含める)が47例、ハルトマン6例、経肛門的局所切除5例、骨盤内臓器全摘3例、肛門を切除する直腸切断術15例となっている。直腸癌の手術症例数は年々増加している、下部直腸の高度進行例では直腸切断術がやむを得ない症例はあるが、再発切除の場合も含めて骨盤内臓全摘術(直腸肛門切除+膀胱前立腺全切除)は可能な限り回避している

★腹腔鏡下手術は早期癌進行癌合わせて189例と増加し大腸癌全体の60%、結腸癌切除の56%を占めている。直腸癌に対する腹腔鏡下手術は前方切除56例、内肛門括約筋切除66例となっている

★泌尿器科領域の手術症例数は126例で前立腺全摘25例、腎摘17例(うち腹腔鏡下小切開手術6例)、腎尿管全摘9例、膀胱全摘11例、精巣切除7例、経尿道膀胱腫瘍切除59例、前立腺生検他が61例である

★治療成績:大腸癌初回切除後のstage別5年生存率を99年~05年までの症例(5年以上経過した最近の5年間)でみると結腸癌stageI:100%、 II:95%、IIIa:86%、IIIb:65%、IV:15%。直腸癌はstage I:99%、II:90%、IIIa:84%、IIIb:62%、IV:24%である

試験的治療法として機能温存手術や低侵襲手術普及の目的で現在以下の4つの術式で行っている。①内肛門括切除(ISR)=肛門縁から直腸癌までの距離が約5cm未満(歯状線から3cm未満)で外肛門括約筋や前立腺への浸潤がない方、一般的には直腸切断術(永久人工肛門)となる患者で、肛門の温存を強く希望した場合に内肛門括約筋までを切除し外肛門括約筋と肛門を温存する手術を行っている。縫合不全に対処するため一時的な人工肛門の造設は必須である。肛門機能(絞める力)はやや低下するが自然肛門が温存できるメリットが大きい。②経肛門的局所切除=下部直腸癌(肛門縁から直腸癌まで距離が7cm程度)で深達度が筋層内までにとどまる大きさ3cm以下の隆起型の患者で縮小手術を強く希望した場合に行う。肛門から腫瘍のみを切除し病理診断結果をみて抗癌剤+放射線療法を追加する。リンパ節の切除ができない危険を伴うが肛門機能や直腸機能(頻便の回避)の温存は良好である。③腹腔鏡下手術=早期大腸癌では一般的に行われる治療であるが、進行癌に対しても結腸と上部直腸までで、他臓器浸潤や同時性の肝転移がなく大きさ7cm以下で、腸閉塞状態や大きな手術既往のない症例に行っている。腫瘍の取り出しと吻合のため約5cmの皮膚切開と操作のための直径0.5cm/1.2cmの傷が3~4カ所必要である。傷が小さく術後の回復が良好で治療成績はほぼ開腹手術と同等と推定される。④前立腺全摘症例の神経移植=性機能の温存の希望の強い症例に前立腺を全摘し、左足の腓骨神経を移植する

研究=以上の試験的治療法以外にも様々な研究的活動を行っており、治癒切除後の定期検査の適正化のための研究、stageIII治癒切除後の予防的抗癌剤投与の研究、肝転移切除後の予防的抗癌剤投与の研究など、患者本人への十分な説明のうえ同意が得られた症例に積極的に実施し、日本のがん治療の前進のための努力を行っている。

医療設備

陽子線治療装置、PET-CT 2台、リニアック 4台、腹腔鏡手術 6台、胸腔鏡手術 2台、手術用顕微鏡、内視鏡治療レーザー、血管造影装置 2台、血管造影CT 1台、ヘリカルCT 4台(320列、128列、64列、16列)、MRI 2台(3テスラ、1.5テスラ)。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

国立がん研究センター東病院呼吸器内科はスタッフ7人とがん専門修練医、レジデントで構成され、呼吸器(肺、胸膜、胸腺)の化学療法(抗癌剤治療)、集学的治療(手術、放射線治療と化学療法の併用)、気管支鏡検査、CTガイド下生検、レントゲン、CTの胸部画像診断を担当している。スタッフはいずれも関連学会で中心的な役割を担う肺癌診療のエキスパート。治療方針は毎週、呼吸器外科医、放射線治療医と一緒にカンファレンスを行い、グループで話し合って最適な治療法を検討している。個々の患者さんに対して現時点で考えられる最善の治療を提供するとともに、新しい治療法を開発するための臨床試験を積極的に行っている。新薬の治験も数多く実施しており、国内の中心的な研究病院である。

症例数

初回入院患者数(06年、07年、08年、09年、10年、11年)=肺癌:365、 351、371、361、361、361。胸腺癌:5、4、6、4、1、5。胸腺腫:3、0、3、3、1、2。中皮腫:3、5、7、4、4、4。治療=肺癌:根治的化学放射線療法、切除不能進行癌・術後再発癌に対する化学療法、術前・術後の補助化学療法。悪性胸膜中皮腫: 化学療法。胸腺腫、胸腺癌:化学療法、化学放射線療法。それぞれの癌に対する標準的化学療法および新規薬剤を含む臨床試験を行っている。放射線治療部と連携して陽子線治療と化学療法の併用も行っている。外来化学療法、分子標的薬による治療も積極的に行っている。また、癌に伴う症状に対する治療や、地域病院との連携を行いながら緩和ケアへの移行のサポートを行っている

診療内容の特徴と診療実績=肺癌、悪性胸膜中皮腫、胸腺腫瘍に対する初回化学療法の多くを短期入院で行っている。2次治療以降の化学療法の多くは外来通院である。現在の病状、治療法の選択肢について納得いくまでお話した上で、患者さんにとって最善の治療法を一緒に考えている

04年~08年に治療された患者さんの1年、2年、3年、4年、5年の各生存率(%)=非小細胞癌III期(化学放射線療法255人)、78、49、36、32、26。非小細胞癌IV期(化学療法830人)、47、27、15、9、5。小細胞癌LD(化学放射線療法87人)、80、40、24、17、17。小細胞癌ED(化学療法138人)、33、2、2、2、0。

医療設備

CT、MRI、PET-CT、核医学検査、超音波検査、気管支鏡、リニアック、陽子線。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

国立がん研究センター東病院の呼吸器外科では、92年7月の開院当初からグループ診療を行ってきた。取り扱う疾患は肺癌を中心に、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫、胸壁腫瘍の他、肺癌と鑑別が難しい様々な疾患の診断と治療を行っている。肺癌に対する手術は癌の大きさ、発生部位、画像所見、進行度などを十分に検討した上で、縮小手術~周囲臓器の合併切除を伴う拡大手術まで対応している。PET-CT、陽子線などの新しい医療機器を活用し、適格な診断と治療を行っている。

症例数

11年の呼吸器外科の手術件数は454件で、原発性肺癌の手術が337件であった

★手術の適応はI期、II期およびIIIA期で、手術方法の選択にあたっては根治性と安全性を重視している。IIIA期肺癌の治療は呼吸器内科との合同カンファレンスで手術あるいは放射線化学療法が選択される。手術は開胸手術と胸腔鏡併用手術あるいは完全鏡視下手術を癌の大きさ、進行度、発生部位などを考慮し選択している

★また、手術ができるかできないかの境界領域の進行肺癌については、外科医、内科医、放射線科医が手術と抗癌剤治療、放射線治療あるいはこれらの組み合わせによる治療を比較検討し、その患者さんに最も適切と考えられる治療法を選択している。肺癌の外科治療に関連して早期に死亡する患者さんは極めて少なく、1%以下である

★切除例の5年生存率は、病理病期別にIA期88%、IB期67%、IIA期54%、IIB期42%、IIIA期37%である。

医療設備

CT、MDCT、MRI、骨シンチ、PET-CT、各種内視鏡、マイクロトロン、陽子線治療装置など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

形成外科

分野

形成外科

特色

がんセンターという病院の特殊性から、悪性腫瘍切除後の組織欠損に対しての、マイクロサージャリーを用いた遊離組織移植による再建手術が中心である。術後の嚥下、構音、咀嚼などの口腔機能や、四肢の機能温存を考慮した再建を行うことによる、患者のQOL(生活の質)の向上を第一の目標としている。また、頭蓋顔面部の組織欠損においては整容面に配慮した再建を行う。常に患者サイドの視点に立ち、オーダーメイドのより良い医療の提供を目指している。

症例数

年間の再建手術件数は約180件。頭頸部悪性腫瘍切除後の再建が最も多く約120件、次いで乳房再建が約30件、他に、食道外科、肝胆膵外科、泌尿器科、大腸外科など、他科との共同手術が大部分を占め、チーム医療を重視している

★術式としては、マイクロサージャリーによる遊離組織移植が最も多く年間約110件で、移植組織の生着率は96~97%である。有茎皮弁移植による再建が20件、肝動脈再建、腸管の付加血管吻合など、その他のマイクロサージャリーが5件、ほか局所皮弁や局所麻酔手術などである

★移植組織の種類は腹直筋皮弁が最多で35件、次いで、遊離空腸40件、大腿皮弁20件、腓骨皮弁7件、広背筋皮弁5件などである

★再建方法の選択は年齢、性別、職業などの社会的背景を基準として個々の患者に合わせて行われる

★また、直腸腟瘻孔や、食道瘻孔などの悪性腫瘍治療後の合併症の治療や、近年では前立腺癌切除後の勃起神経再建やリンパ管静脈吻合などの新しい治療にも積極的に取り組んでいる。

医療設備

3DCT、MRI、PET、手術用顕微鏡2台など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

頭頚部外科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

頭頸部悪性腫瘍の治療を専門としており、根治性と同時に機能温存を目指し、治療後の生活の質(QOL)の保持に努めている。喉頭・下咽頭癌に対する咽頭温存術では多数の経験を持つ。インフォームド・コンセントを治療の出発点と考え、疾患・治療に関する十分な説明を心がけている。当院は頭頸部腫瘍科として頭頸部外科、頭頸部内科、放射線治療科、再建外科により構成され他関連診療科との連携も緊密であり、外科治療だけでなく放射線治療や化学療法もスムーズに行える診療体制となっている。

症例数

主な症例の内訳は舌癌50例、舌以外の口腔癌40例、喉頭癌30例、下咽頭・頸部食道癌50例、中咽頭癌20例、上咽頭癌10例、鼻・副鼻腔癌10例、甲状腺癌30例など。年間の悪性腫瘍新患者数は約270例である。総手術件数は約500件、そのうち約90件は再建手術を伴う

★外科治療では、発声機能、嚥下機能を極力温存する。郭清術も原則として保存的頚部郭清術(筋、神経、血管を温存する術式)や部分的頚部郭清術を行い、根治性と同時に治療後の生活の質(QOL)の保持を目指している。拡大切除例には再建外科を積極的に導入し、発声機能、嚥下機能の保持に努めるとともに整容面にも配慮する。再建法は微小血管吻合を用いた自家遊離組織移植による再建手術が中心で欠損形態に応じて再建材料の選択を行う。放射線治療は上咽頭癌、咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌等に根治治療法として用い、必要に応じて術後治療として行う。近年では化学療法併用放射線治療(科学放射線治療)により機能温存が可能となる症例が多い。鼻副鼻腔悪性腫瘍には陽子線治療で良好な成績を得ている。支持療法にも力を入れており、治療前の口腔ケアによる合併症の予防、化学放射線治療中の栄養管理や疼痛対策は治療の完遂と治療成績の向上につながっている。頭頸部癌は多重癌合併の頻度が約20%と高く、他科との連携を緊密に行い治療に当たる。02年より咽頭表在性癌に対する内視鏡治療を消化器内科と連携して行っている

★口腔癌では、病期I・IIは部分切除、病期III・IVは拡大切除・即時再建を行う。進行癌においても浸潤のない限り咽頭は温存する。喉頭癌の治療は早期例では根治照射または部分切除、進行例では喉頭全摘ないしは化学放射線療法。下咽頭・頚部食道癌に対しては下咽頭全摘出・遊離空腸による咽頭食道再建が中心となるが、化学放射線治療、喉頭温存手術により喉頭の温存を目指す。中咽頭癌は病期・病型により手術ないしは放射線治療を選択する。拡大切除例には再建手術を行う。上顎洞癌は手術・放射線治療・化学療法の集学的治療が主体である。甲状腺癌は手術治療。進行甲状腺癌や甲状腺癌再発症例に対しても喉頭は原則として温存する方針である。頚部リンパ節の治療では予防的頚部郭清は原則として行わず、術式は頚部転移陽性例に対しても保存的頚部郭清術とし神経、筋、血管を可能な限り温存。切除不能進行頭頸部癌に対しては科学放射線治療

★5年生存率は舌癌では、病期I:90%、病期II:80%、病期III:60%、病期IV:40%。進行舌癌手術症例での音声温存率は90%。喉頭癌の5年生存率は88%。喉頭癌では部分切除を導入することにより、早期喉頭癌の喉頭温存率は90%。III期喉頭癌の拡大部分切除での喉頭温存率は710%。下咽頭癌の5年生存率は45%。下咽頭癌に対する咽頭温存手術での咽頭温存率は90%。中咽頭癌・頚部食道癌の5年生存率はそれぞれ60%、27%。甲状腺癌の5年、10年、15年生存率はそれぞれ94%、91%、87%である。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、PET-CT、IMRT、陽子線治療棟等。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 〇

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

集学的なアプローチによる乳癌治療の個別化を実践し、患者に優しい医療を目指している。

症例数

原発乳癌手術数は年間300例前後(92年開院から4,000例以上)を施行している。11年症例(285例)では、乳房温存率が72% 、腋窩温存率が65%、実地医療としてセンチネルリンパ節生検施行216例、術前薬物療法施行63例。93年から05年症例(1,977例)における手術症例の病期別10年全生存率(他病死を含む生存率)は、0期93%、I期94%、II期80%、III期51%、IV期11%

★癌治療は、外科、放射線科、化学療法科、臨床腫瘍病理部、精神腫瘍科、形成外科、乳癌専門看護師との連携によるチーム医療が基本である。患者情報の共有により適切な治療を施行する。特に乳房温存術はもとより、センチネルリンパ節生検、高度医療としてのラジオ波焼灼術など低侵襲治療を積極的に導入している。また術後の整容性も重視し、温存術後の評価や全切除後の乳房再建術を形成外科とともに取り組む。薬物療法、特に化学療法は血液・化学療法科にて施行される。術前薬物療法では、腫瘍の薬剤感受性を考慮、治療効果予測マーカーを用いた方法で薬剤の選択が行われる

★ナショナルセンターとしての使命を果たすべく、乳癌に対する先進的な治療法の開発を行う。患者さんへの説明と同意を得て、乳癌の臨床試験、臨床研究、並びに基礎研究を多数行っている。最近の研究課題は、センチネルリンパ節生検の適応拡大、ラジオ波焼灼治療、効果予測マーカーによる術前薬物治療、術後薬物治療、QOL(生活の質)評価、乳癌の転移機序の解明、悪性度診断、精神腫瘍学的介入研究など。

医療設備

マンモグラフィ、造影マンモグラフィ、US、MRI 、マンモトーム、ガンマプローブ、放射線治療装置、MDCT、PET-CT、ガンマカメラ などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

放射線部治療科

分野

放射線科

特色

頭頸部癌・肺癌・食道癌・乳癌・肝胆膵癌・前立腺癌などの患者が多く、関連各科とのカンファレンスを定期的に行い、治療方針を検討している。当院には陽子線治療装置があることが最大の特徴でもあり、高度先進医療の許可を得ている。陽子線治療は頭頸部癌・I~III期非小細胞肺癌・肝細胞癌・前立腺癌・骨軟部腫瘍などを対象に治療を行っている。また、数多くの臨床試験を行っているが、すべて倫理審査委員会の審査を経たものであり、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の臨床試験にも参画し、日本のスタンダードな放射線治療の構築を目指している。

症例数

11年の新患数1,456人(うち陽子線治療200例)。疾患別では、頭頸部280人、肺411人、乳腺264人、消化管228人などで、特に頭頸部癌、食道癌、肺癌が多いのが特徴である

★頭頸部癌では、化学療法併用による機能温存治療、陽子線による低侵襲治療などを行っている。喉頭全摘を要する下咽頭癌に対する化学療法併用加速多分割照射による成績では2年喉頭温存率は82%であった

★食道癌も化学療法併用による非外科的治療が積極的に行われており、5年生存率はI期65%、II~III期33%、IVa期12%と外科治療と同等である。I期非小細胞肺癌、肝細胞癌に対する陽子線治療では2年局所制御率それぞれ93%、96%ときわめて良好である。

医療設備

リニアック4台、陽子線治療装置(2ガントリー)、治療専用CTシミュレーター2台、治療計画装置5台、線量計など品質管理用機器多数。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

化学療法科

分野

癌化学療法

特色

欧米では、抗癌剤治療を中心とした内科治療はすべての癌を対象として腫瘍内科医が行っている。化学療法科は、臓器横断的な内科的治療を行う科として診療および研究を行っている

★化学療法科が対象とする癌は、造血器腫瘍としては、悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫などを、固形癌としては、乳癌・婦人科癌・泌尿器科癌・原発不明癌および各種の肉腫などを主に診療している。初めての抗癌剤治療の場合は、肺癌については呼吸器科で、食道癌・胃癌・大腸癌・頭頚部癌などは消化器科で、胆管癌・膵臓癌などは肝胆膵内科で治療を行うことが多いが、治療抵抗性になった肺癌・消化器癌・胆管癌・膵臓癌などは化学療法科の対象になる場合もある。診療は、血液チームと固形チームに分けて、チーム医療を行っている

★診療方針は、一般診療として、化学療法が有用であるすべての癌に対する標準的治療を実践することである。また、治療成績の向上を目指したより良い標準的治療を確立するための臨床研究、より効果的で安全な抗癌剤の使用方法を確立するための臨床研究や、新規抗癌剤開発などの研究的治療も行っている。http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/index.html

症例数

★造血器腫瘍としては、悪性リンパ腫がもっとも多く、年間100例を超えている。中悪性度非ホジキンリンパ腫ではCHOP療法という抗癌剤を併用した治療法が標準的治療として確立しており、B細胞性リンパ腫ではCHOP療法と抗体療法としてリツキサンを併用して治療しているが、新しい治療法を確立するための大規模臨床研究への参加もしている。また、再発して救援化学療法が効果のあった場合には、造血幹細胞移植を併用した大量化学療法が標準的治療であり、対象になる患者さんでは自家末梢血造血幹細胞移植を行っている。一方、進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫は、現状では治癒は難しく標準的治療も存在していないので、経過観察・抗体単独・抗体と抗癌剤の併用・臨床研究への参加などの治療選択を提示して治療方針を決定している。一方、再発例や治療不応例などのように確立した標準的治療がない場合には、新薬の治験を含む研究的治療も行っている。ホジキンリンパ腫・急性白血病・慢性白血病は年間計10~20例、多発性骨髄腫は年間10数例である。同種造血幹細胞移植は行っていないが、適応となる場合は適切な施設に紹介している

★固形癌では、乳癌が最も多く、年間250例を超えている。乳癌に対しては、アンスラサイクリン系抗癌剤やタキサン系抗癌剤、ハーセプチンなどを中心にして、術前化学療法や術後補助療法を行うとともに、再発乳癌に対する化学療法も多く手がけている。胚細胞腫瘍ではBEP療法、卵巣癌ではタキソールとカルボプラチン併用療法などのように標準的治療として確立したものはその治療法を実施し、治療効果が不十分であっても二次治療として確立または、期待できる治療法については、その情報を提供して治療を行っている。原発不明癌のように標準的治療法が確立していない癌については、治療効果と副作用の情報を十分に提供し、研究的治療も考慮した上で、本人などとの相談により治療方針を決定している

★より良い治療法の確立を目指した全国的な臨床研究グループが活動しており、悪性リンパ腫・多発性骨髄腫では日本臨床腫瘍グループ(JCOG)に、乳癌ではJCOGや乳癌臨床研究支援事業による臨床研究に、白血病では日本成人白血病研究グループ(JALSG)に参加して、研究的治療を行っている

★すべての研究的治療は、治療実施手順書(プロトコール)が作成され、国立がんセンター倫理審査委員会で承認された後、開示文書を用いて徹底したインフォームド・コンセントに基づいて実施されている

★多くの抗癌剤治療は、通常の日常生活を送りながら治療が継続できるように、通院治療センターでの外来通院治療が主体となっている。

医療設備

クリーン病室(クラス10000)8室。CT、MRI、RI、PETなど、癌専門診療設備は完備。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

緩和ケア病棟

分野

緩和ケア

特色

自宅療養継続の障害となる身体・精神症状の可能な限り早く対応できるよう、急性期型の緩和ケア病棟を目指している。症状緩和のための放射線治療や難治性疼痛に対して脊髄鎮痛法なども積極的に行っている。また当院には精神腫瘍科があるため、精神腫瘍科医、心理士等と協力のうえ、患者・家族の精神心理的ケアにも積極的に取り組んでいる。「癌になっても安心して暮らせるまちづくり」を目標に、地域緩和ケアモデルの構築に取り組み、近隣の病院、診療所、訪問看護ステーション、調剤薬局、居宅介護事業所と緩和ケアに関する勉強会を継続的に開催している。また、病院外に「がん患者・家族総合支援センター」(http://gankanwa.jp/region/kashiwa/center.html)を運営し、患者・家族の相談支援、様々なサポートプログラムを開催している。

症例数

年間入院患者約350人、自宅へ退院される方が約30%。平均在院日数は約20日。

医療設備

個室25床(うち差額室12床)。デイルーム、キッチン、家族宿泊室。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

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