神奈川県立こども医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

神奈川県立こども医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

心臓血管外科

分野

小児医療

特色

当センターは、70年に小児総合医療・福祉施設として設置され、同年心臓血管手術を開始した。全国でも2番目に古い小児医療センターで、心臓血管外科は40年の歴史をもつ。新体制で診療を始めた最近の9年間に、約3,500例の全身麻酔下心臓血管手術(開心術2,000例)を行った。新生児、特に胎児診断され母体搬送で当院を紹介される症例が増えている。

症例数

週4日の予定手術日で1日平均2例の手術を行っている。11年は388例の心臓血管外科手術(開心術236例)を行った。うち新生児例は116例である。以下のように医療の質の向上を目指して診療を行っている

無輸血手術=人工心肺回路の小型化を推し進め、無輸血率76%である(体重5kg以上では86%)

低侵襲心臓手術=小さな目立たない傷で手術を行っており、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症のすべてにおいて適用している

新生児開心術=動脈スイッチ手術、ノーウッド手術、大動脈弓離断症、総肺静脈還流異常等すべてに良好な安定した成績を挙げている。11年の新生児心臓手術例数は116例で全国一の症例数である

平均在院日数の短縮=このような手術成績の向上は在院日数の短縮となって表われており、患者満足度を上げている。心房中隔欠損閉鎖術では術後3日目に、心室中隔欠損閉鎖術では術後4日目に退院している。ファロー四徴症根治術でも術後5日目、フォンタン手術でも術後10日目で大多数の患児が退院している。

医療設備

心カテーテル・血管造影検査装置、人工心肺装置、補助人工心臓、近赤外線脳酸素飽和度モニター、自己血回収装置、心エコー、経食道心エコー、CT、MRI、心筋肺RI検査などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

アレルギー科

分野

小児医療

特色

小児のアレルギー疾患全般に対して専門医を中心に対応している。初診時に十分な時間をとって既往歴、治療歴、生活環境などを問診する。アレルゲンを各種検査、負荷試験で特定し、生活指導、生活支援を行う。重症の気管支喘息やアトピー性皮膚炎の症例では1カ月間程度、併設の養護学校に通いながら行うコントロール入院を行い、成果をあげている。アトピー性皮膚炎は、積極的にステロイド外用剤を使用して皮膚の状態を早期に回復させることを目指している。鼻アレルギー、花粉症の免疫療法に力を入れており、食物アレルギーに対する経口耐性誘導療法を試みている。

症例数

患者数は月に700人ほどで、アレルギー疾患の患者を集中的に専門的に診察している

★気管支喘息の診療が主体であったが、近年はアトピー性皮膚炎、食物アレルギーの症例が増加している。血液検査(特異IgE、ヒスタミン遊離テスト)、皮膚テスト(プリックテスト、皮内注射、パッチテスト)、呼吸機能、画像診断(胸部、副鼻腔)、症例によって気道過敏性(アセチルコリン、ヒスタミン、運動負荷)の評価、食物負荷試験、細胞診(鼻汁、喀痰、便)などを行う

★治療面では、まず問題となるアレルゲンの特定に努め、その結果に応じて詳細な生活指導を実施し、確実な薬物療法を組み立てる。喘息では日記を必ず渡し、ピークフローモニタリング、定期的肺機能検査を行う。鼻アレルギー、花粉症には免疫療法(通常は入院して急速法で)を行う。近年は、食物アレルギーに対して経口耐性誘導療法による積極的治療に取り組んでいる。必要に応じて皮膚科、耳鼻咽喉科、心理部門、精神科などと連携する。

医療設備

X線装置、CT、MRI、各種肺機能検査、運動負荷テスト、気道過敏性検査、鼻汁・喀痰検査、皮膚テスト、食物負荷テスト、呼気NO測定装置。併設養護学校。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

血液・再生医療科

分野

小児医療

特色

血液腫瘍疾患のすべてが対象。血液疾患の中で急性骨髄性白血病の治療法の開発を中心に行っている。06年にオープンしたクリーン病棟は病棟内がクラス1万、4室の個室がクラス100、3室の個室がクラス1,000(1部屋が陰陽圧変換可能)、クラス1万の2人部屋が4室で計15床からなる。家族の面会、授業の継続、無菌食を使わず、拘束感の少ない方法で造血幹細胞移植を実施。悪性固形腫瘍はTumor Boardで関係各科が集まり、治療方針を決定し、化学療法はすべて当科が行い、造血幹細胞移植を併用した超大量化学療法などを実施する。血友病は早期定期補充療法の導入と家庭注射、自己注射への教育を行う。緩和医療も治療早期の苦痛をとる段階から終末期の疼痛緩和まで、緩和ケアチームとして実践している。

症例数

入院を要する血液腫瘍疾患の新患者数は60人前後、常時40人前後が入院。82年に骨髄移植を行って以来300例を超えた。急性骨髄性白血病の治療成績はAML99で長期生存率約75%、急性リンパ性白血病はTCCSGのプロトコールを行い、約80%である。脳腫瘍の治療も積極的に行い、髄芽腫/PNETで長期生存率は70%以上に向上した。骨肉腫は患肢温存術を可能な限り目指し、初診時遠隔転移がなければ長期生存率約75%である。横紋筋肉腫はIRSIII後はJRSGプロトコールを行い、進行例には自家造血幹細胞移植も併用し、長期生存率約88%である。その他の国内のプロトコールも実施している。進行神経芽腫の成績向上を目指し計画的2回移植も行い、生存率60%以上の成績が得られている。RISTによる前処置も疾患と病期を考慮して実施。キャリーオーバー例の対応も移行期として個別対応中。血友病は午後の注射枠で定期補充を行い、ナースの作成した手順で自己注射までのスケジュールを効率的に行っている。

医療設備

長期フォローアップも導入しつつある。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

整形外科

分野

小児医療

特色

一般の病院では対応が難しい小児整形外科疾患に対し、他科と密接な協力で適切な早期診断・早期治療を行い、その後の発育期間の長期にわたり観察、治療を行っている。外来は完全紹介予約制で、紹介状を紹介医または患児の家族が当センターの医事課宛に送付して頂くと、医事課職員が家族の方に電話連絡し、初診日を決めるシステムとなっている(そのため必ず家族の連絡先を明記して頂きたい)。また外傷、炎症、悪性腫瘍の患児で当センターでの緊急の診療を要する場合には、紹介医より直接電話連絡を頂ければ、当日または数日以内に早急に対応している。入院設備は一般病棟の入院と肢体不自由児施での入所がある。1カ月以内の短期入院や悪性骨軟部腫瘍は一般病棟の入院で治療する。長期の入院療養を要する整形外科患者は肢体不自由児施設に入所し、併設された養護学校に通いながらここで手術、リハビリテーションを含めた腰をすえた治療を行うことができる。

症例数

年間の新患者数は約950人で、小児におけるすべての整形外科疾患(骨・関節疾患)が含まれる。年間手術数は約250件である

★先天性内反足(年間新患数約30人、)に対しては、早期のギプス矯正と後内側解離術(年間約15件)の併用によって、機能的な足を再建、維持している(以下、年間新患数、年間手術件数の約を省略)。15歳以上に達した先天性内反足50例の調査では1割のみマラソンが困難だが、学校の体育ができないものはいなかった。また中学、高校で運動系のクラブ活動をしていたものが半数以上であった。先天性多発性関節拘縮症に伴う重度の先天性内反足では距骨摘出術(年間2件)を行い足底接地可能な足を再建している

★先天性股関節脱臼(年間新患数40人)は、装具にて整復不能なものには入院牽引治療を行い整復している(年間12人)。それでも整復位が保てないものや2歳以降で発見されたものに対しては手術を行っている(年間4件)。臼蓋形成不全が残存するものでは5歳くらいで骨盤骨切り術や大腿骨減捻内反骨切り術を行っている(年間3件)。手術例でも重度な骨頭壊死の発生はみられない

★軟骨無形成症や化膿性関節炎後の成長障害、脛骨列欠損、腓骨列欠損などの四肢変形・短縮に対しては、長期間を要するため肢体不自由児施設に入所させ、イリザロフ創外固定器を用いた矯正・延長を行っている(年間8件)

★脳性麻痺による四肢変形(年間新患数50人)ではリハビリテーション科と協力して評価、訓練を行い、股関節や膝周囲の筋解離術(年間15件)や下腿三頭筋のフラクショナル延長、エパンス手術などの足部の手術(年間10件)を行っている

★二分脊椎(年間新患数15人)では内反尖足や外反踵足など高度な足部変形に対し足の組み合わせ手術(年間10件)を行っている。歩行訓練などのリハビリテーションを含め、長期の入院を要するため肢体不自由児施設に入所させることが多い。術後5年以上経過し15歳以上に達した21例の調査では、褥瘡形成はみられなかったが、足関節の関節裂隙狭小化を1例のみ認めた

★特発性側彎症(年間新患数40人)では、発育期20°以上で装具療法を行い、装具で維持できず、50°を超えた例では手術療法(年間20件)を行っている。脊髄モニタリング下、ロッド回転システムで矯正率は約60%である

★ペルテス病(年間新患数20人)に対しては、肢体不自由児施設入所にて、徹底した免荷を行うことによって、骨頭の圧壊を防止している。入所にて保存治療を行った56例の良好成績群(スタルバーグ分類のI・II型)の頻度は83%であった。骨頭変形が強い7歳以上の患児に対しては大腿骨内反回転骨切り術を施行し良好な結果を得ている(年間3件)

★骨肉腫(年間新患数2人)に対しては、血液・腫瘍科医師により化学療法を行い、可能な限り人工関節置換やローテーションプラスティなどの患肢温存手術を施行している。

医療設備

MRI、CT、シンチ、無菌手術室、誘発脊髄電位。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

泌尿器科

分野

小児医療

特色

乳幼児~小児の腎臓、膀胱を中心とした尿路、および外陰部、生殖器の異常に対し、専門的な外科治療を中心に診療を行っている。基本的に手術は手術当日の入院であり(喘息などの合併症患児は前日の入院)、ほとんどの手術症例(尿道下裂、膀胱尿管逆流症、水腎症など)は2泊3日以内の短期入院で施行している。停留精巣・陰嚢水腫などは日帰りで行っている。12年度からは水腎症に対しても腹腔鏡を利用した手術を導入し、子どもに少しでも負担の少ない術式を常にめざしている。完全紹介制であるが神奈川県外からの受診も数多く受け入れており、宿泊滞在施設「リラのいえ」などの協力を得て患者家族の負担軽減を図っている。小児の専門施設であり麻酔科・放射線科などもすべて小児に特化しており、入院病棟は年齢別に乳児・幼児・学童以降で分けられている。

症例数

手術症例は年間400~450件。11年度泌尿器科手術件数417件。全平均入院期間4.4日

★停留精巣に対する精巣固定術141例、尿道下裂に対する尿道形成術61例、膀胱尿管逆流症などにおける膀胱尿管新吻合術42例、水腎症に対する腎盂形成術12例

★これらの疾患は診療水準を一定に保つためにクリニカルパスが導入されている。二分脊椎児に対する膀胱拡大術、ミトロファノフ式導尿路造設術、洗腸路造設術(MACE)、先天性副腎過形成児に対する女児外陰形成術、小児の尿道外傷に対する尿道再建術など比較的まれな外科治療も数多く施行している。腎摘出術では腹腔鏡による摘出を基本としており、精巣を触知しないなどの性腺の異常も内視鏡診断・治療を第一選択としている。高度の尿道下裂では一期手術と二期手術を使い分けている。二分脊椎児に対しては新生児期より継続的な排尿管理、排便管理を成人期まで長期にわたり行っている。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、ビデオウロダイナミクス検査装置、核医学検査装置、手術動画説明。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

形成外科

分野

小児医療

特色

小児に特化した専門性の高い疾患を扱い、チームアプローチを重視した集学的治療を行っている。先天異常、特に口唇口蓋裂が多く、術前顎矯正法・ファロー法による口蓋形成術/歯槽歯肉粘骨膜形成術などの手術術式を含めた最新のシステムを確立し実施している。頭蓋顎顔面症例に対しても、経験豊富な各科と連携し、顔面骨延長法を用いて治療を行っている。

症例数

全身麻酔による手術件数は約300~340件/年

唇顎口蓋裂(新患者数90~100人)=当科の特徴である口唇口蓋裂に関しては、初診時(生後2週目以前が望ましい)より、顎矯正プレートなどの顎矯正装置 (哺乳改善を目的としたホッツ床と概念が異なる) を駆使して、顎裂の発育誘導・狭小化を行っている。顎裂狭小化後に口唇・顎・口蓋形成術(口蓋裂手術はファロー法)を同時に行っている。ほとんどの症例は、顎発育と言語について良好な成績を得ており、成人に至るまで1~3回の手術ですむ。合併症のある症例でも経験豊富な各科(新生児科、遺伝科、耳鼻咽喉科、言語治療科、歯科、矯正歯科、遺伝カウンセラー、ソーシャルワーカー、保健師等)とのチームアプローチによる集学的治療を行っている

頭蓋顎顔面症例(新患者数15~20人)=脳神経外科と連携し、クルーゾン病やアぺール症候群などの先天性頭蓋顎顔面疾患に対して、骨延長法などを駆使した治療を行っている。その他の顎顔面症例(鰓弓症候群・小顎症・顎変形症など)についても、幼小児から他科と密接に連携した集学的治療を行っている

小耳症(新患者数10~20人)=10歳時に、本人の肋軟骨を用いた耳介再建術と耳介挙上術の計2回の手術を行っている。

医療設備

MRI、3DCT、手術用顕微鏡など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

耳鼻咽喉科

分野

小児医療

特色

当センターは専門的な医療を包括的に行う総合小児病院であり、当科は小児耳鼻咽喉科疾患全般を取り扱っている。初診は医療機関、保健所などからの紹介状が必要であり(緊急は電話連絡で)、再診も予約制をとっている。当科では喘息、けいれん、心疾患、知的障害、肢体不自由、気管切開などの合併症を持つ小児の診療を多数行っている。診療では十分な病態説明と安全性の確保を重視し、短い入院期間を目指している。

症例数

全身麻酔下の手術は年間約420件である

★小児病院の特徴として睡眠時無呼吸の原因となっている口蓋扁桃肥大、アデノイド増殖に対しての扁桃摘出術、アデノイド切除術、滲出性中耳炎に対しての鼓膜チューブ留置術が多く、合わせて全体の60%を占めている

★真珠腫性中耳炎、鼓膜穿孔、慢性中耳炎、中耳奇形等の耳疾患の手術は約50件である。真珠腫性中耳炎に対しては段階的鼓室形成術を行い、良好な成績を得ている。鼓室形成術は術後5日目の退院である

★新生児、乳児の喘鳴や呼吸困難、小児の嗄声(かすれ声)の診断と治療を積極的に行っている。乳幼児の気管切開を多数施行。気管切開の在宅例に対しても充実した術後管理を行っている。声門下狭窄、気管内肉芽に対して喉頭気管形成術やレーザー手術を実施し、良好な成績を得ている

★患者の両親との十分な相談の上、重症の誤嚥例に対して喉頭気管分離術を行い、患者のQOL(生活の質)の改善を目指している

★小児の副鼻腔炎に対し鼻内内視鏡手術を行っている

★鼓膜チューブ留置術や舌小帯形成術等では日帰り手術を実施している。喘息などの合併症のない小児では手術当日入院の全身麻酔手術も行っている

★乳幼児を含め小児難聴の早期診断と聴覚管理を積極的に行っている。遺伝科と協力して難聴遺伝子の検査も行っている。

医療設備

MRI、CT、レーザー装置、ABR、ASSR、OAE、幼児聴力検査装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

皮膚科

分野

小児医療

特色

初診時0~15歳の小児を対象に、小児皮膚科全般にわたって診断と治療を行っている。特に近年受診の増加傾向がみられる、母斑、血管腫などのいわゆるアザのレーザー治療は年齢が若いほど効果がみられるため、全身麻酔によらない早期治療に力を入れている。

症例数

他院からの紹介・予約制をとっており、1日平均外来者数約40~50人、年間新患者数約1,000人、年間外来レーザー治療件数約900件、入院手術件数40~50件。新患の8割以上が1歳未満の乳児であり、小児の皮膚科疾患として多いのは、母斑・母斑症、血管腫などの先天性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎や乳児湿疹・おむつ皮膚炎などの湿疹・皮膚炎、伝染性膿痂疹・伝染性軟属腫・カンジダ症などの感染性皮膚疾患が3本柱である

★特に母斑・血管腫の占める割合が数年前から増加の一途をたどり、母斑のレーザー治療に力を入れている。母斑のレーザー治療で多いのは、ポートワイン母斑・イチゴ状血管腫(早期病変のみ)に対する色素レーザー治療、異所性蒙古斑・太田母斑に対するQスイッチ・アレキサンドライトレーザー治療であり、生後1カ月から外来で局所麻酔のみで行っており、治療開始が早ければ早いほど良好な結果を得ている

★その他の小児に多い母斑や腫瘍は、色素性母斑、脂腺母斑、石灰化上皮腫、血管拡張性肉芽腫などであるが、それらに対しては、急激に増大する場合や目立つ部位にあって切除を急ぐような場合を除いて、7歳以降に局所麻酔下で日帰り手術を行っている

★アトピー性皮膚炎に対しては、丁寧なスキンケアとステロイドや免疫抑制薬含有軟膏などを中心とする外用療法を徹底させる指導に努め、必要な患児にはアレルゲンの検索と回避の指導を行っている。

医療設備

色素レーザー、Qスイッチ・アレキサンドライトレーザーなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

小児外科

分野

小児医療

特色

当センターは70年(昭和45年)に開設され、小児病院に加え重症心身障害児施設と肢体不自由児施設を併設し、総計419床の入所施設をもつ。小児3次救急対応施設であると同時に総合周産期母子医療センターの神奈川県基幹病院および小児がん拠点病院となっている。対象者は新生児(胎児から)から基本的に15歳未満(新患者)の小児(産科は別)。センター内の30すべての診療科(内科系専門医療部門、外科系専門医療部門、総合医療部門、こころの医療部門、周産期医療部門)において紹介予約制が維持されている。子どもの外科系専門診療科(外科、心臓血管外科、泌尿器科、耳鼻いんこう科、眼科、整形外科、リハビリテーション科、形成外科、脳神経外科、産婦人科、歯科、放射線科、麻酔科)がすべてそろい、年間4,000件の手術を行う

★外科は外科系専門医療部門のなかで、頚部(甲状腺、正中頚のう胞、側頚瘻など)、胸部(肺、気管、食道、縦隔、胸壁など)、腹部(腹腔内、後腹膜、骨盤腔内臓器や腹壁)など非常に広範な臓器組織の外科疾患(奇形、腫瘍、炎症など)とその手術を担当している。また、分野別では新生児・乳幼児外科、腫瘍外科、小児一般外科、移植外科の4つを担っている。小児の外科疾患は成人とは異なり個々の疾患の頻度は少ないが、1970年開設以来の症例の蓄積と前述したあらゆる分野に専門特化された各診療科・専門家のサポートに支えられ、全人的に小児外科疾患の治療が行える体制にある。これは手術のみならず、生活のケアを含めた術前術後の医療が複数他科・部門の連携で実施できることを意味する

★日帰り鼠径ヘルニア手術(デイサージャリー)は82年から始まり、現在では毎年約300人あまりが日帰り手術をうけている。新生児手術はその大部分が出生前診断されている現状である。このような胎児は産科外来へ紹介されるか母体搬送され、周産期部門と外科系内科系部門の合同カンファレンスにおいて一人ひとり治療方針を検討し、出生前から治療計画をたて、出生時には万全の体制で治療に取り組んでいる。腫瘍外科は小児がん拠点病院を支える外科部門として腫瘍カンファレンスに参加し、中心静脈カテーテル挿入から原発巣や転移巣の摘除まであらゆる役割(肝移植も可能)を果たしている。小児一般外科には様々な手術が含まれるが、栄養サポートチームとともに取り組んでいる重症心身障害児(者)のQOLを高める手術(逆流防止手術、胃瘻造設など)もそのひとつである。当院の移植外科は胆道閉鎖症の患児の救命手段として導入したが、先天性代謝疾患や肝悪性腫瘍などの患児にも重要な治療の選択肢として提案・提供している。移植外科に関連する血管外科技術はまれな血管奇形(門脈大循環シャント、門脈欠損、肝外門脈閉塞など)の治療にも応用している。 一方、様々な分野の手術で内視鏡手術(胸腔鏡、腹腔鏡、縦隔鏡)を導入している。この日進月歩の技術のメリット・デメリットを見すえつつ適応を判断している

★当センターは日本外科学会や日本小児外科学会認定施設基準を満たしている。外科には本外科学会指導医2人、日本小児外科学会指導医3人、同専門医1人、がん治療認定医3人、小児がん認定外科医1人、内視鏡外科学会技術認定医(小児外科)1人、移植学会認定医2人などが在籍している。なお、泌尿器疾患は小児泌尿器科という別診療科が、年間400件の手術を行っている。気管切開、喉頭気管分離手術は耳鼻いんこう科が担当し、総合診療科、神経内科等がともに児の生活支援を行っている。

症例数

外科では年間約800~850件の小児に対する手術を行っている。新生児手術は約70件で、代表的なものでは先天性腸閉鎖・狭窄症、超・極低出生体重児の消化管穿孔・腹膜炎、食道閉鎖や横隔膜ヘルニアがある。出生前診断例や低出生体重児はNICUにおいて術前・術後の管理が行われる。胆道閉鎖症は年間3~5例ではあるが過去40年の蓄積があり、葛西手術から生体肝移植までシームレスの一貫治療を行っている。生体肝移植は当センターと県立がんセンターの2施設協同体制で1995年以来行っており、これまでに59例60回実施している

★内視鏡手術(腹腔鏡、胸腔鏡手術)は様々な装置の工夫によりいろいろな疾患に適応可能となってきた。とくに重症心身障害児に対する逆流防止手術や栄養経路としての胃ろう造設には欠かせない手技である。総胆管拡張症手術、脾臓摘出術なども行っている。重症筋無力症に対する胸腺切除も縦隔鏡で行っている。目立たぬ手術創で、薬物療法の軽減・離脱効果がある。開腹の際に臍を用いる手術を盛んに行っている。肥厚性幽門狭窄症をはじめ、腸閉鎖、腸回転異常など疾患に応じて工夫をしている

★すべての小児がん(神経芽腫、肝芽腫、ウイルムス腫瘍、横紋筋肉腫など)は腫瘍カンファレンス(外科、血液・再生医療科、放射線科、病理科、その他関連各科)が開かれ、一人ひとりの治療方針が検討され、手術・化学療法・放射線治療・骨髄移植を含めた集学的治療が行われる。外科医は腫瘍生検あるいは摘出手術を担当し、後続治療や術前の治療は血液・再成医療科が担当する。

医療設備

NICU 43床(加算病床:21床)、PICU 8床、産科30床(MFICU 6床)、クリーン病棟(15床)あり、CT、MRI、超音波検査、RI、消化管内視鏡、気管支鏡、膀胱鏡検査ができ、胸・腹腔鏡手術機器、消化管内圧測定検査、食道pHモニタリング、人工肺、人工心肺補助装置、各種人工呼吸器、血液濾過・透析装置などが整っている。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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