国立病院機構 九州医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

国立病院機構 九州医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

呼吸器外科(呼吸器センター・外科部門)

分野

呼吸器外科

特色

肺癌をはじめ、すべての呼吸器疾患について呼吸器センター内科部門及び放射線部と連携をとり診断から治療まで行う。より高度な集学的治療を目指しており、当院の特徴は、合併症が少ないこと、術後退院が早い事などがある。治療方針の選択に際しては、インフォームド・コンセントを十分に行い、セカンド・オピニオンの依頼に対しても客観的に答えている。

症例数

2008年度の手術症例は223例で、肺癌109例、転移性肺腫瘍20例、縦隔腫瘍28例、気胸、嚢胞疾患25例などである

★肺癌:標準術式に加え、胸腔鏡下手術から正中切開による拡大リンパ節郭清(三井記念、羽田方式)まで患者さんに応じ施行しており、人工心肺等を用いた拡大手術も積極的に行っている。肺癌の病期別術後5年生存率(完全切除症例)では、IA期:83.5%、IB期:74.6%、IIA期:76.2%、IIB期:49.5%、IIIA期:44.2%、IIIB期:41.1%となっている。手術療法のみならず、化学療法、放射線療法、気道内ステントやレーザー治療などを併用した集学的治療も行っている

★転移性肺腫瘍:従来の手術適応を広げ、可能な限り積極的に手術を行っている。術式は従来局所再発が多く認められたステープラーの替わりにYAG-レーザーを用いている。両側肺転移症例は、両側同時に切除術を行っている

★縦隔腫瘍:縦隔悪性腫瘍(胸腺癌、胸腺腫III、IV期症例)を除く殆どの縦隔腫瘍に対し、胸腔鏡下手術を施行し、開胸移行例は、111例中1例である。特に胸腺腫I、II、III(心膜、肺浸潤)期症例や重症筋無力症に対し、独自の開胸しない胸骨吊り上げ法による胸腔鏡下拡大胸腺摘出術を施行している

★気胸、嚢胞性肺疾患:1992年10月より胸腔鏡下手術を施行している

★手術後の疼痛は、持続硬膜外鎮痛剤投与等により、積極的に軽減している。

医療設備

MRI、CT、DSA、各種レーザー、リニアック、胸腔鏡、縦隔鏡、各種シンチなど。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

すべての泌尿器科疾患に対応することを原則としている。診断・治療にあたっては、技術的には最先端の高度医療を目標としているが、決して医療者側の考え方ばかりにとらわれず、常に患者の側に立った医療を重視するようにしている。03年1月から腎・泌尿器・血管センターを立ち上げ、それぞれの専門医が共同で入院患者を診療している。また、院内に外来化学療法センターを備え、通院による癌化学療法も行っている。

症例数

年間入院患者は年々増加しており、08年度新入院患者数675名、平均在院日数6.6日である。外来患者の紹介率91.5%で、新患者数と入院患者数はほぼ同数、すなわち紹介されて外来を受診される患者のほとんどが入院を必要とする。08年の手術総数328例(体外衝撃波結石破砕術を除く)で、腎がん25例、膀胱がん96例、前立腺がん46例

★腎がんは手術療法以外の的確な治療法がないため、根治性を重視して術式を考える。根治的腎摘除19例(開放手術5例、鏡視下14例)、腎部分切除6例。入院期間は10日、5年生存率StageI(100例) 100%、StageII(10例)88%、StageIII(23例)65%、Stage IV(10例)25%。膀胱がんの大部分は表在性腫瘍であり内視鏡手術を行っているが、浸潤性膀胱がんで従来であれば膀胱全摘が必要とされる患者に対しては抗がん剤動注併用化学療法により膀胱温存が可能となる症例がある。97年~08年3月までの39名を治療し、著効17名のうち16名で膀胱温存、88%が再発なし(12~117カ月)、有効8名のうち3名に膀胱温存(再発なし)が可能であった(温存率48.7%)。やむをえず膀胱全摘が必要な症例に対しては可能な限り自然排尿型代用膀胱を造設して術後の生活の質を向上させている(女性患者でも可)。転移のない限局性前立腺がんに対しては、根治療法として前立腺全摘術あるいは放射線治療(小線源療法:ブラキテラピー)を行っている。手術は入院期間11日、自己血貯血400ml。小線源治療は低リスクの患者ではヨウ素を用いた密封小線源療法を、リスクの高いケースではイリジウムを用いた高線量率ブラキテラピーを使い分けて行っている。2種類の治療が単一施設で可能なところは少ない。高線量率ブラキテラピーの治療成績は低リスク群で100%再発なし(最長観察期間30カ月)、中リスク群で98%再発なし(同48カ月)、高リスク群で76%の非再発率(同45カ月)となっている。手術、放射線治療とも重篤な副作用、合併症は認めていない。放射線治療の入院期間は3日。その他、治療を選択する際には、十分なインフォームドコンセントのもとに、必要あれば積極的なセカンドオピニオンや資料提供を行った後、納得のいく形で最良・最適の治療を患者とともに行っていくことを原則としている。

医療設備

MRI、CT、DSA、リニアック、前立腺がん小線源治療装置、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

小児外科

分野

小児外科

特色

病院そのものが九州の基幹病院であり、高機能が付与されている。小児科はこれまでは周産期医療が中心であったが、現在は一般小児医療の充実も目指している。小児外科科長は20年以上前より腹腔鏡を手掛けているのみならず、一般外科の腹腔鏡手術の責任者も兼任しており、この手技を小児外科疾患にも反映させる努力をしている。しかし、腹腔鏡手術を施行するか否かは、あくまでも患者さんとその家族の希望を最優先させている。

症例数

日常の手術は小児外科スタッフ2名と必要に応じて一般外科や他科の応援を得て行っている。手術数が一番多いのはソケイヘルニアで約60%であり、その過半数は腹腔鏡下ヘルニア根治術(LPEC法)である。このLPEC法は臍内に5~6mm、側腹部または下腹部に2~3mm、ソケイ部に1mm(針穴)の傷で治療し、術後は全く手術の跡がわからないと言ってもいいくらいである。美容面でも優れ、かつ、反対側出現防止にも有用なため女児ではほぼ全員の方の希望が多いが男児でもかなり増加して来ている。手術時間は片方で20~25分、両方で25~30分程度である。急性虫垂炎に対する虫垂切除術も現在は腹腔鏡下でほとんど行っている。ソケイヘルニアも急性虫垂炎もご家族と話し合いの上で従来法か腹腔鏡利用かを最終決定している。

医療設備

CT、MRI、腹腔鏡、術中照射。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

口腔癌、良性腫瘍、骨折、インプラント、口唇口蓋裂、炎症、粘膜疾患、顎関節症、顎変形症、抜歯など全ての口腔外科的疾患を受け入れている。口腔癌の治療は当院が癌治療を行う高度総合医療施設である特色を生かし、関連各診療科と協力して治療を行っている。毎週木曜日は放射線科と放射線・化学療法を含む治療内容についてカンファレンスを行っている。

症例数

2008年の初診患者数は1,182人でありそのうち854人は口腔外科疾患である。口腔外科の紹介率は80%を超えている。入院患者は152人である。病院歯科口腔外科という性質上、基礎疾患を有している患者が多いのが特徴である。その割合は73%を占める。基礎疾患は循環器が最も多く405人(25.9%)、続いて内分泌199人(12.7%)、消化器187人(10.0%)の順である。当科は院内感染対策に力を入れており、外来診療室は個室でスタンダードプリコーションを実践している。外来局麻下の手術例数は約600例で、埋伏智歯抜歯が最も多く、その他外傷処置、嚢胞手術や消炎処置などである。入院下での手術は120例である。全身麻酔下での手術は、57例で悪性腫瘍が最も多く15例で、その他良性腫瘍10例、嚢胞疾患9例などである。インプラント手術は原則として中央手術室を使用し、静脈内鎮静下に行っている。基礎疾患を有する患者については各科と連携し専門医を交えて総合的な治療を行っている。悪性腫瘍については放射線科と協議の上、術前治療としては放射線・動注化学療法を基本とし、再建は形成外科との協力で行っている。顎顔面補綴は当科で対応している。

医療設備

MRI、CT、リニアック、CO2レーザー、マイオモニター、インプラントシミュレーションシステムなど。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

膠原病内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

当院の基本理念に沿って、患者・家族の気持ちを尊重した診療を行うことを第1としている。膠原病は一般にはなじみの薄い疾患であるが、丁寧な説明と応対に努め、患者・家族と医療チームとの十分な信頼関係の構築を目標としている

★当科は九州における数少ない膠原病の専門内科であり、豊富な経験と知識に基づく的確な診断と最新の高度専門医療に努めている

★膠原病は皮膚関節などの局所症状を呈すると共に、肺、腎臓、消化器、中枢神経など全身のあらゆる臓器を障害する全身病であるとの認識に立ち、臨床各科との連携を深め、総合的医療に努めている。

症例数

年間におけるリウマチ膠原病の外来患者数(2008年)は1,158人。主な疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)235人、関節リウマチ(RA)414人、強皮症(SSc)110人、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)69人、混合性結合組織病(MCTD)46人、その他、血管炎症候群、ベーチェット病、成人発症スチル病等様々な自己免疫疾患を扱っている。入院患者(2008年)は年間593人。常時約30人が入院している

★膠原病の治療においては、ステロイド療法が一般的であり、疾患活動性に応じて、少量~大量投与を行っている。難治性の場合には、ステロイドパルス療法や各種免疫抑制剤、免疫吸着療法、血漿交換療法なども試みている。関節リウマチに関しては生物学的製剤の登場により、治療成績は格段に向上しているが、当科でもレミケード、エンブレル、アクテムラ、ヒュミラ等計100人以上に使用し、良好な成績をあげている。一方では、治療に関連した感染症、ステロイド性糖尿病の有害事象なども発生するため、これらのコントロールもリウマチ膠原病治療における重要なポイントとなってきている

★厚生労働省の政策医療「免疫異常ネットワーク」に参加し、リウマチ・膠原病等免疫異常を原因とする疾患の専門医療施設として、高度医療、特に難病に対する専門的医療の充実を目標として努力している。さらに医師、看護師、薬剤師、栄養士等、各分野のスタッフによる膠原病教室を毎週開催し、患者数育にも力を注いでいる。

医療設備

CT、MRI、骨量測定装置(DXA)、リハビリテーション施設、血液透析装置等。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

脳血管内科

分野

神経内科

特色

脳血管障害を全身の血管病として捉え、神経・循環器・代謝・老年学などに精通した内科医。脳卒中の予防から急性期および救急神経疾患全般が主たる診療領域。脳神経外科との完璧なチーム医療は全国のモデルとなっており、共通の基準により治療方針を決定。24時間対応、治療優先主義を掲げ、頭頸部血管の超音波検査、急性期MRIを駆使して脳卒中の高度先進医療に取り組んでいる。

症例数

08年の外来患者は5,178人(新患率33%)、入院患者数は1,201人(病床数40床、脳卒中集中治療室あり)で、うち急性期脳梗塞379人、TIA29例、脳出血71例、頸動脈および脳動脈の精査616例

★脳梗塞:急性期患者は全例入院当日MRアンギオおよび頸部血管エコーを用いて主幹動脈病変の有無をチェック。脳梗塞病型を直ちに決定し(t-PA血栓溶解療法は17例)、症状変動、神経重症度を加味したクリニカルパスフローチャートに基づいた計画的な治療を行っている

★頸動脈狭窄症・頭蓋内脳血管閉塞疾患:循環器・腎高血圧・代謝内分泌・血管外科など高度総合診療施設の横断的診療体制で質の高い集学的精密検査を行い、治療方針を決定。血栓内膜剥離術および頸動脈ステント適応例は脳外科へ

★意識消失発作:心疾患、てんかん、TIA、椎骨動脈狭窄、その他の原因の鑑別と総合的治療

★脳血管性認知症:内科対応例の外来精密検査

★未破裂脳動脈瘤:当院脳外科で年間約65例の手術。

医療設備

3D-CT、IVR-CT、MRI、脳血流シンチグラフィー、脳血管超音波検査装置。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

乳腺センター

分野

乳腺・内分泌外科

特色

九州医療センターに2006年7月より乳腺センターが新たに開設された。乳腺センターは、当院の乳腺外科、放射線科、病理、看護部、薬剤部、連携室などの関連各部署が連携し、乳腺疾患、特に乳癌における診断、治療、リハビリテーション、生活指導など、多岐にわたる高度な医療技術を提供する総合的乳腺診療センターである。患者さんとご家族を中心として乳腺センターの全メディカルスタッフが互いの職務を理解し、目的を共有して協力、連携を計る「乳癌チーム医療」を推進することにより、乳癌の治癒、延命と高いQuality of Lifeの維持を目指している。

症例数

年間の乳腺疾患手術症例数は総数が約150例で、このうち乳癌症例が約120例であり、乳癌手術における乳房温存率は約60%である。センチネルリンパ節生検は色素法単独で施行しているが、年間のセンチネルリンパ節生検の症例数は約90例である。2008年の同定率は99%であり、偽陰性症例も1例のみであった。診断面では乳腺センター開設時よりマンモトームシステムが導入され、乳腺外科、放射線科、放射線部がチームをつくりマンモグラフィガイド下(プローンタイプ)および、エコーガイド下に施行している。年間のマンモトーム症例数は約40例で、非常に早期の乳癌である非浸潤癌の発見に威力を発揮している。外来化学療法は外来総合治療センターで行っており、年間の総利用患者数は約800例と増加傾向にある。乳癌の治療成績は、病期別の5年生存率をみてみると、stage0:100%、stageI:95%、stageII:93%、stageIII:66%、stageIV:42%であり、特にstage 0、I、IIの治療成績は良好である。乳房再建は当院の形成外科と連携をとり、患者さんの希望があれば積極的に行っている。また特記すべきこととして、最近、内視鏡を使った手術を手がけており、乳癌の根治性はもちろんのこと、整容性も重視している。内視鏡補助下に乳房温存術を行うと、腋窩と乳輪の小さな切開で乳房部分切除が可能であり、術後にほとんど傷が目立たない治療も可能となった。このように、患者さんやご家族に満足していただけるように、最新でエビデンスに基づいた診断、治療をチーム医療で行っている。

医療設備

マンモグラフィ、乳房エコー、マンモトーム、MRI、CT、核医学検査、放射線治療装置など。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

放射線科

分野

放射線科

特色

通常業務として内視鏡を含むすべての画像の診断を行い、レポート作成を行っている。当院では病棟、外来ともセンター化がはかられ、内科、外科、病理と我々が一体となった徹底したチーム医療を実践している。日々の密接なコミュニケーションやカンファレンスを通じた情報の共有化はもとより、合議による担当診療科の決定、個々の患者に最も適切な治療法の選択を行っている。放射線科病棟には放射線治療患者、複雑な手技や診断法の必要な症例を受け入れている。ホームページhttp//www.kyumed.jp

症例数

08年度の当科における主たる検査および処置件数はMRI:12,145、CT:21,900、RI:3,665、超音波検査(各診療科における精密検査などを除く)9,575、消化管X線検査801、消化管内視鏡検査5,701 (上部消化管3,764、大腸鏡1,592、EUS:115、ERCP:115等)、心臓を除く血管造影検査607、その他乳管造影、唾液腺造影、サーモグラフィ等41、vascular IVR:254(脳血管内治療88、動注化学療法93等)、non-vascular IVR:284、胆道ドレナージ75例、生検25例等)、内視鏡治療746(ポリペクトミー、粘膜切除術265、食道静脈瘤治療144、胆道ドレナージ28、止血術226、胆石除去12、レーザー治療10、拡張術18、胃瘻造設5等)。放射線治療:外照射292、小線源治療28、TBIが8、SRSが3、IORが8である。

医療設備

1.5T MRI 2台、CT 3台(16ch MD-CT 1台、64chMD-CT1台、治療計画用CT1台)、IVR-CT、アンギオ装置、IVR透視装置、SPECT3台、X線エネルギー可変型リニアック、高線量イリジウムRALS、レーザー治療装置、ドプラUS、結石破砕装置、マンモトーム、サーモグラフィ、画像ネットワークシステム等。

「医者がすすめる専門病院 福岡」(ライフ企画 2009年8月)

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