栃木県立がんセンター(栃木県宇都宮市)が名医に推薦されている分野
専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域
栃木県立がんセンターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。
※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表
外科(胃)
分野 |
消化器・一般外科 |
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特色 |
早期胃癌、進行胃癌、切除不能胃癌等をはじめ、すべての胃癌症例に対し外科、内科、病理など関連する全科でカンファレンスを行い、治療方針の検討を行っている。つまり、胃癌そのものの進行度、患者の年齢、全身状態などより根治性、治療後のQOLを考慮し、病気そのもの、患者の状態で最適と考えられる治療法を選択している。さらに治療前に患者自身と十分に話し合いを行い、インフォームド・コンセントにより治療法の選択を行っている。 |
症例数 |
年間の胃悪性疾患治療症例数は増加傾向にあり、現在、年間約292例である。内視鏡切除が70例、手術症例164例、その他、化学療法単独など46例である ★2007年においては、手術症例の内訳は、胃全摘手術は41例、幽門側胃切除術62例、噴門側胃切除術1例、腹腔鏡切除33例などである ★早期胃癌症例に対する切除術式においては、術後QOLの保持、すなわち胃切除後障害を最小限にとどめることを目的とし、迷走神経温存、幽門保存幽門側切除、噴門側切除を積極的に行い、良好な結果が得られている ★進行胃癌に対しては、拡大郭清を伴う手術治療が主体である。手術のみで治癒が難しいと考えられる症例に対しては、術前・術後の化学療法を伴う集学的治療を行っている。また手術不能な症例に対しては、全身状態に応じて抗癌剤治療を行っており、多剤併用療法においては50%以上の奏効率を得ている ★胃癌切除症例における5年生存率:Ia期93.6%、Ib期86.7%、II期69.5%、IIIa期57.0%、IIIb期31.0%、IV期20.4% ★術後のフォローアップも当センターにおいて系統的に行い、早期再発診断を心掛けている。再発症例に対しても、患者の全身状態、再発形式、インフォームド・コンセントにより、手術治療、抗癌剤治療などを集学的に選択している。 |
医療設備 |
CT、MRI、超音波内視鏡など。 |
「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)
外科(大腸)
分野 |
消化器・一般外科 |
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特色 |
都道府県がん診療連携拠点病院として地域における大腸癌治療の中核的病院の役割を果たしている。インフォームド・コンセント(IC)のもとに、個々の症例の病態に応じて、癌の根治性とQOLに配慮した最適な治療法を選択している。再発癌や高度進行癌に対しても、外科療法を中心とする集学的治療を行い、予後の改善を得ている。 |
症例数 |
初発大腸肛門癌の年間手術件数は130~140例 ★早期癌には内視鏡や腹腔鏡を用いた低侵襲治療を行う。高度進行癌には治療の利益と不利益を考慮しながら、骨盤内臓器全摘術のような拡大手術を含めた各種治療法を取り入れている。肝・肺などの遠隔転移に対しても積極的に切除を行っている ★大腸癌手術例の5年生存率:結腸癌はI期92.1%、II期88.2%、III期78.1%、IV期11.2%、直腸肛門癌は、順に91.0%、87.3%、71.1%、14.0%。術後補助化学療法はICのもとに病期に応じて行っている ★初発治療後の再発や再発治療後の再々発に対しても、可能な限り切除を行っている。また、他院で治療を受けた後の再発治療も受け入れている ★切除不能な再発・進行癌に対しては、腫瘍内科、放射線治療部等と連携しながら対症的手術、抗癌剤、放射線などを組み合わせた治療を行っている。治療の全期間を通じて疼痛緩和、心理面のケア、社会的問題に対する対応等を緩和ケアチームや相談支援センターと連携しながら行っている ★大腸癌研究会による大腸癌全国登録事業の実務を担当し、集計成績を定期的に報告している。 |
医療設備 |
術中照射室、MRI、CT、エコー、内視鏡、血管造影、核医学検査、画像ファイリングシステム、リニアック、体腔内照射、温熱治療、レーザーなど。 |
「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)
呼吸器内科
分野 |
呼吸器内科 |
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特色 |
呼吸器領域の画像診断および原発性肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍など呼吸器領域の腫瘍を中心に治療を施行している。治療方針の決定は、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線治療医を含めた総合カンファレンスで決める。手術、化学療法、放射線治療を含めた集学的治療を目指している。進行性肺癌の治療については、国立がんセンターを中心とした肺癌腫瘍グループと連携して臨床試験プロトコールに基づく治療を行っている。スタッフに加え、随時数人のレジデント、任意研修生とともにチームを構成している。 |
症例数 |
2007年の呼吸器科の新規入院患者は241例、そのうち205例(85%)が原発性肺癌で、非切除例は128例で小細胞癌22例、非小細胞癌106例 ★非小細胞癌の治療は、切除不能III期症例では抗癌剤と放射線治療の併用療法を行い、IV期症例では化学療法のみでプラチナ系(シスプラチン、カルボプラチン)を中心として新規抗癌剤(タキソール、タキソテール、ナベルビン、ジムザール)との併用療法を行っている。また分子標的薬剤も積極的に取り入れている。IV期の成績は奏効率50%、平均生存期間11カ月、1年生存率45%である ★小細胞癌の治療は、限局型では抗癌剤と放射線治療の併用療法、進展型では多剤併用化学療法を行い、いずれの成績も標準的治療成績基準を凌駕している ★高齢者の肺癌が年々増加傾向にあり、現在高齢者肺癌を対象に放射線治療、化学療法を含め臨床試験を施行中である ★さらに再発肺癌の治療に対しても、積極的に臨床試験を進めている。 |
医療設備 |
マルチスライスCT、MRI、マイクロトロン、脳定位照射、腔内照射。 |
「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)
呼吸器外科
分野 |
呼吸器外科 |
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特色 |
肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍などの胸部の腫瘍性疾患を対象に、専門的な診療を行っている。各疾患とも、その病態に最も適した治療方法を、呼吸器内科医・放射線治療医と検討し、手術療法のみならず、進行癌例には化学療法・放射線治療も含めた集学的治療を行うよう努めている。また再発の早期発見・治療のため、計画的な術後の経過観察を行っている。 |
症例数 |
年間の全手術症例数は約120例 ★原発性肺癌症例の治療は正確な病期診断に基づいて、各病期ごとに患者個人の状態を勘案して最適な治療法を選択し施行している。肺切除術を中心とした手術療法以外に、上皮内癌には腔内照射、進行癌には集学的治療を行っている。リンパ節転移を認めないI期症例では、疼痛が少なく回復が早い胸腔鏡下手術を積極的に行っている。また術後の計画的フォローアップにより再発の早期発見に努め、肺・脳転移再発例に積極的な治療を施行している。原発性肺癌切除例5年生存率:IA期86%、IB期71%、IIA期75%、IIB期36%、IIIA期50%、IIIB期28% ★転移性肺腫瘍はCT上、個数が数個までの症例に、小径少数例には胸腔鏡手術、両側多発例には胸骨横切開術など、方法を工夫して手術療法を施行している。大腸癌肺転移例の5年生存率は59% ★縦隔腫瘍:胸腺腫例では、I期~III期には手術療法±放射線治療を、進行III期~IV期には化学療法を含めた集学的治療を行っている。5年生存率は、I期~III期89%、進行III期~IV期70%、悪性胚細胞性腫瘍に対しては、強力な化学療法後に手術療法を施行している。 |
医療設備 |
MRI、CT、マイクロセレクトロン、マイクロトロン。 |
「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)
血液内科
分野 |
血液内科 |
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特色 |
栃木県立がんセンターは栃木県の都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、血液内科は白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫等の血液がんを中心に診療を行っている。年間の新規血液患者数は悪性リンパ腫60-70名、白血病約20名、多発性骨髄腫約15名で、その他骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病等で常時35-40名が入院している。外来診療は血液内科専門医が連日(月—金)行っている。悪性リンパ腫や白血病は適切な治療により治癒するものが少なくなく、できるだけ早く診断し治療開始することが重要である。患者さんに正確な情報を提供しインフォームド・コンセントを得た上で最適な治療を進めることを基本方針としている。 |
症例数 |
悪性リンパ腫は高齢の非ホジキンリンパ腫、また、病期の進行した患者が多い。治療は患者の状態により異なるがR-CHOP療法やより強力な化学療法が中心で、必要に応じて放射線治療や自己末梢血幹細胞移植を加えた抗がん剤の大量療法を行っている。その結果、過去20年の悪性リンパ腫患者の5年生存率は60%以上である。白血病はJALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)に参加しており、原則としてJALSGの治療プロトコールで治療を行っている。急性リンパ性白血病は治療成績の良い本センターのプロトコールを採用している。本センターで治療を遂行できた急性骨髄性及びリンパ性白血病患者の5年生存率は約40%である。重症再生不良性貧血患者の5年生存率も80%以上である。多発性骨髄腫は化学療法中心だが65才以下では自家骨髄移植を積極的に行っており、5年生存率は約30%である。 ★お願い:血液がんは他のがんと違い、かなり急速に進行するケースが多く、一般状態が悪くなってから紹介、来院されることが少なくない。非常に進行した場合でも治癒することもあるが、迅速に診断し治療を開始した方が治療成績がよいのは当然である。患者さんはできるだけ早く遠慮せずに本センター血液内科専門医に相談してください。 |
医療設備 |
血液内科病棟は40床で一般病棟が28床、無菌病棟が12床である。無菌室はNASAのクラス100の無菌室2床とクラス10000の無菌室10床(個室)があり、無菌病棟で急性白血病の治療や自己末梢血幹細胞移植を積極的に行っている。病院の中央部門には診断や治療に必要な最新のMRI、CT、IVR、血液成分分離装置、放射線治療装置があり、日常の診断治療に役立てている。 |
「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)
緩和ケア
分野 |
緩和ケア |
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特色 |
緩和ケアは、治癒不可能な状態にある患者および家族のクオリティーオブライフ(QOL)の向上のために、様々な専門家が協力して行われるケアを意味している。そのケアは、患者と家族が可能な限りその人らしい生活を送れるように提供されるものである。 |
症例数 |
★緩和ケア病棟:当センターには癌の積極的な治療が困難となった患者さんの諸症状を緩和し、穏やかな時を過ごしていただくための緩和ケア病棟が設けられている。病床数は個室16、4床室2の計24床である。入棟基準は「患者本人の入棟希望があることを原則とする」を基本にし、「患者さんが希望すれば、誰でも入棟できる」と謳っている。2008度入院患者実数243人、入院患者延べ数5,586人 ★緩和ケアチーム:がんの診断時から終末期までのあらゆる時期の患者・家族を対象にしている。一般病棟入院患者を中心に、緩和ケアのニーズのある患者・家族の支援、および医療者の支援のために、院内を横断的に活動するコンサルテーションチームである。患者さんが「こころ」と「からだ」の調和を保ちながら、その人らしく過ごせるように、さまざまな視点からサポートする。例えば痛みを和らげるための「くすり」の使い方や処置について専門的立場から提案し、希望に応じて日常生活環境を整える工夫や心理的支援も行なう。緩和ケア医師 ・心療内科医師・緩和ケア認定看護師・がん性疼痛看護認定看護師・薬剤師、管理栄養士などで構成され、主治医とともにチーム医療で患者の医療とケアにあたる。平成20年度支援依頼数209件 ★日本緩和医療学会認定研修施設:緩和ケアの研修プログラムは、癌診断初期の支持療法から終末期緩和医療まで、末期医療に限定しない緩和ケアの習得を目的としている。 |
「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)
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回答者:30代 女性 勤務先:病院(200床以上)
2015年12月19日投稿
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