東邦大学医療センター大森病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

東邦大学医療センター大森病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器センター(内科)

分野

消化器・一般内科

特色

大森病院では9年前に診療科の再編成が行われ、消化器は内科、外科そして内視鏡部門が一つになって消化器センターを構築した。これにより、内科と外科の距離が一気に縮まり、両者の知識・技術を必要とする各種消化器疾患の診療がスムーズとなった。さらに内視鏡部門も含まれていることにより、検査→診断→治療の流れが効率的となり、近年ますます多様化複雑化しつつある治療も合同カンファレンスで詳細に検討され、適切に選択されるようになった。特に最近では、内科、外科ともに内視鏡的治療の進歩が著しいが、その分野のリーディングスタッフがそろった当センターでは、安全にかつ積極的にをモットーに、この苦痛の少ない先進的治療に取り組んでいる。消化器疾患の診療に欠くことのできない超音波検査やCT、MRI、血管撮影、シンチグラフィーなど各種画像診断に関しては、それぞれの部門に配属された専門家と、消化器内科の医師が共に検査に携わることにより、先進的技術と患者の目線にたった医療が融和し柔軟な診断ができるようシステムを整えている。救急患者に対しては昼夜を問わず対応しているが、特に消化管出血や肝腫瘍破裂など専門の救急処置が必要な疾患に対しても、医局員全員交代制で止血チームを構成し、対応している。肝癌を含む消化器系の癌に対しては、専門の治療チームにより、局所治療、局所化学療法、全身化学療法、放射線治療など、患者のQOL(生活の質)を考慮した集学的治療が行われている。

症例数

10年の年間外来患者数は21,950人、入院患者数2,155人、常時100人前後の入院患者がおり、 上部消化管内視鏡検査6,051例、上部消化管内視鏡治療393例、下部消化管内視鏡検査2,397例、下部消化管内視鏡治療459例、超音波内視鏡検査373例、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査654例、緊急内視鏡検査156例、胃・大腸X線透視検査1,081例、腹部超音波検査9,853例、腹部CT検査4,211例、腹部血管造影検査284例を行っている

上部消化管=NBIなどを応用した精度の高い内視鏡診断を行っている。早期癌に対しては積極的に粘膜切除術(ESD)など内視鏡的治療を行い、進行癌で手術適応のない症例には専門家による抗癌剤化学療法と放射線による集学的治療が行われQOLの向上が得られている。静脈瘤を含む消化管出血に対しては前述のごとく24時間体制で止血チームが稼働しており、EVL、クリップ、EISなどの内視鏡治療やBRTO、TAEなど経血管的治療を駆使して治療に当たっている。内科的止血成功率は現時点で96%である。ヘリコバクター・ピロリ陽性患者には除菌療法を行い、1次、2次あわせて96%以上の除菌率を得ている

下部消化管=拡大内視鏡などを応用した精度の高い内視鏡診断を行っている。また、早期癌に対しては従来のEMRに加え07年度からESDも行っている。また、炎症性腸疾患とくに潰瘍性大腸炎やクローン病の治療にも積極的に取り組んでおり、各種ステロイド治療はもとより顆粒球除去療法や抗生剤による腸内細菌抑制療法なども臨機応変に施行し、良好な成績を得ている

肝疾患=ウイルス性慢性肝疾患に対するインターフェロン治療を積極的に実施しており、著効率を上昇させるために様々な試みも行っている。血液ダブル濾過法を用いたウイルス減量療法も近く再開する予定にしている。劇症肝炎に対する人工肝補助療法の歴史も長く、これまでの救命率は75%である。門脈圧亢進症に対しては、内服治療、BRTO、内視鏡的治療など様々な方法を取り入れ治療を行っており、一方基礎的研究を通して新たな治療法の開発にも取り組んでいる。肝細胞癌にはラジオ波凝固、エタノール凝固、肝動脈塞栓術、リザーバー化学療法などを組み合わせた集学的治療法を行うことにより、70%を超す5年生存率を得ている

胆・膵=内視鏡的採石術、超音波結石破砕などを組み合わせた胆石・膵石の除去・良性・悪性胆管膵管狭窄に対するステント挿入術、膵嚢胞の内視鏡的ドレナージ術、十二指腸乳頭部腺腫に対する内視鏡的切除術など、先進的医療に取り組み、その技術は他基幹病院から依頼を受けるに至っている。

医療設備

CT、MRI、コーンビームCT血管撮影、SPECT、各種内視鏡、各種超音波装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

当科はすべての呼吸器疾患を対象に、最新の治療を行い、患者や近隣施設から信頼される医療の提供を目指している。肺癌、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症候群、呼吸器感染症などを対象に、以下のようなトップレベルの診療を行っている。地域医師会との密な連携も行っている。日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本睡眠学会の認定施設である。

症例数

10年度の年間外来患者数は25,466人、入院患者数は1,308人を数える。入院患者症例の内訳は、悪性腫瘍(肺癌など)35%、呼吸器びまん性肺疾患(間質性肺炎など)13%、感染症(肺炎、肺化膿症など)12%、睡眠時無呼吸症候群5%、気管支喘息4%、COPD 4%、自然気胸4%、胸膜中皮腫1%などである。当院には結核病棟がないため、隔離の必要性があれば他院に紹介している

★気管支鏡検査数は年間約428件である。MDCTによる高解像度CT撮影により、肺癌やびまん性肺疾患の診断・治療の精度向上に努めている

びまん性肺疾患=間質性肺炎やびまん性汎細気管支炎などのびまん性肺疾患に関しては、本間教授が厚生労働省のびまん性肺疾患調査研究班、ANCA関連血管炎の治療法開発に関する研究班、ARDSに関する研究班などのメンバーとして活動しており、さらに「特発性間質性肺炎の画期的治療に関する臨床研究」班のコアメンバーとして参加するなど、多くの研究実績があり、今後も継続される。診断に際しては気管支鏡検査や、呼吸器外科の協力を得て胸腔鏡下肺生検を行っており、間質性肺炎に対する最新の治療法としてはステロイドや免疫抑制剤の他に、ピルフェニドンなどの新規薬物療法に加えて、早期例にはN-アセチルシスティン吸入療法も多くの導入実績がある。また急性増悪時にはエンドトキシン吸着療法なども行っている

肺癌=画像検査の他、確定診断のために気管支鏡検査、EBUS(気管支腔内超音波断層法)やCT下肺生検を行い、適切な治療方針を決めている。PET検査も連携施設で積極的に行っている。検査の結果手術可能な場合は、呼吸器外科へ転科し、手術不能例には化学療法や放射線療法を行っている。当科は肺癌の化学療法についての多くの実績があり、またクリニカルパスを用いた短期入院や外来化学療法、腺癌においてはEGFRミューテーションの有無による分子標的薬の選択、新規抗癌剤の導入など症例ごとに最適なテーラーメイド治療を行っている

呼吸器感染症=肺炎ガイドラインに基づいた診断治療を行い、我が国で有数の感染症研究施設である微生物学教室とも連携を図り、最適な抗菌療法を行っている

COPD=薬物療法や禁煙指導の他に、生活の質や呼吸困難の改善が期待できる呼吸リハビリテーションを、当院リハビリテーション科との連携のもとに積極的に導入している。ワクチン接種などの感染予防と共に、急性増悪時にはNPPV(非侵襲的陽圧換気)療法の導入や、慢性期には薬物療法や在宅酸素療法なども行っており、在宅酸素療法の通院症例数は我が国でもトップクラスである

睡眠時無呼吸症候群=診断に必須である終夜睡眠ポリグラフ検査や、重症患者に対する第一選択である経鼻的CPAP療法を導入し、多くの診療実績があり、約440人程度のCPAP療法の通院症例がいる。簡易無呼吸検査装置を用い、いくつかの睡眠センターとも連携し、初診時には顎顔面形態のリスク評価を行い、診断時にはメタボリックシンドロームなど、生活習慣病の合併対策も含め症例ごとに最適な治療法を選択している

気管支喘息=薬物療法に加え、入院症例にはピークフロー日誌の導入教育を行っている。多くの外来通院治療患者がいる

悪性胸膜中皮腫=地理的に工場地帯に隣接していることより、石綿暴露による肺障害が昔から問題になっており、当科でも多くの症例に対し迅速な診断と化学療法を常時行っている。

医療設備

CT(MDCT)、MRI、核医学検査、気管支ファイバースコープ、EBUS、胸腔鏡、簡易無呼吸検査、睡眠ポリソムノグラフィー、呼吸機能検査、NPPV機器(急性期・慢性期用)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

当科では、呼吸器内科医、放射線科医、病理診断医、リハビリテーション科など他部門と連携を保ちながら、経験をつんだ医師を中心に多角的な診療を進めている。また、地域医師会や近隣の大病院の先生方とも勉強会を通じて連携を深め、医療の質の向上に努めている。

症例数

10年度の手術総数は242件で、原発性肺癌95例、縦隔腫瘍17例、転移性肺腫瘍23例、膿胸・胸壁腫瘍10例、気胸・嚢胞性肺疾患41例、気管・気管支狭窄19例、気管支内異物2例、びまん性肺疾患9例などを取り扱った

体に優しい外科療法=胸腔鏡下手術を半数以上の患者様に行った。手術後の痛みも少なく術後早期に歩行可能で、術後合併症が少なくなってきた

肺癌の早期発見と多角的治療=高分解能CTによる早期診断に努め、早期癌では縮小手術を、病期III期以上の肺癌では、化学療法と放射線治療の併用療法後に手術をしている。肺癌手術後の5年生存率は、Ia期80%、Ib期60%、II期25%、IIIa期20%、IIIb期12%、IV期13%

高齢者に対する治療=リハビリテーション科で、全身機能を回復させた上で、無理のない治療を第一選択としている

気管支内視鏡下治療=軟性鏡(ファイバースコープ)や硬性鏡による治療をしており、ステント留置も数多い

クリニカルパスに基づく早期退院=入院中は病状にあわせ段階的に進める方法で管理されている。退院後はご紹介いただいた先生を中心に、患者様を支援している

禁煙外来=予防医学の面から禁煙療法を保険診療下で積極的に進めている

アスベスト(石綿)外来=胸膜中皮腫をはじめとするアスベスト関連疾患の問診から胸部X線検査を行っている。

医療設備

気管支鏡(軟性鏡、硬性鏡)検査、胸腔鏡下手術、肺シンチグラム、気道過敏性試験、ヘリカルCT、MRI、アルゴンプラズマ凝固装置、リニアック。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

心臓血管外科は、臓器別センター化の診療科再編により、循環器センターの一員として診療を行っている。この再編により循環器内科とシームレスな関係となり、あらゆる循環器疾患に対して最新・最良・最適な治療をタイムリーに行えるよう、システムを構築している。さらに大学病院として、すべての診療科を備えているため、多彩な疾患を有する患者さんであっても、最終引き受け病院として機能している。われわれが最も大切にしていることは、一人ひとりの患者さんに対して、EBM(科学的根拠に基づく医療)にとらわれることなくテーラーメイドの医療を提供することである。そのため循環器センターのみならず、救命救急センター、総合周産期母子医療センター等、すべての診療科と連絡を取り合ってチーム医療を提供し、退院後は、地域の先生方と密接に連携をとって診療している。

症例数

冠動脈バイパス手術=狭心症や心筋梗塞に対する外科手術としての冠動脈バイパス手術は、直近の6年間では256例の手術を行い、予定手術死亡率は0.39%、緊急手術を含めても1.56%と極めて良好な成績である。97年より人工心肺を使用しない冠動脈バイパス手術を導入し、今日では予定単独冠動脈バイパス手術のほぼ100%で、オフポンプバイパス手術が可能となった。手術侵襲が低減されたため、今までは手術が困難とされた透析患者、80歳以上のご高齢者、担癌患者や様々な合併症を有する患者さんにも外科治療が可能となった

弁膜症手術=最近の弁膜症はリウマチ性の弁膜症から、動脈硬化による大動脈弁狭窄症や変性による僧帽弁閉鎖不全が外科治療の中心となっている。大動脈弁狭窄症はご高齢の患者さんが多く、抗凝固療法に起因する出血性合併症のリスクを低減するため、生体弁による弁置換術を積極的に行っている。僧房弁閉鎖不全症に対しては可能な限り僧房弁形成術を行い、心臓の予備能力の温存に努めている。この6年間では215例の手術を行い、予定手術死亡率は1.86%、緊急手術を含めても3.26%と極めて良好な成績である

先天性心疾患手術=小児に対する心臓手術は、肉体的・精神的負担を最小限にとどめるため小切開で手術を行い、輸血を行わない無輸血手術を心がけている。あらゆる複雑心奇形に対して、小児循環器グループと連携し、新生児から今日注目されている成人期に達した成人先天性心疾患まで幅広く対応している。この6年間では258例の手術を行い、予定手術死亡率は1.55%、緊急手術を含めても3.49%と極めて良好な成績を収めている

胸部大動脈手術=胸部大動脈瘤や急性大動脈解離に対する外科治療は、最も難易度の高い手術とされている。私どもは救命救急センターと緊密な連携をとり、最先端の医療機器を用いて高度な医療を提供できる体制がとれている。この6年間では107例の手術を行い、予定手術死亡率は4.67%、緊急手術を含めても11.21%と極めて良好な成績となっている

腹部大動脈・末梢血管手術=腹部大動脈や末梢血管手術は、6年間で370例の手術を施行している。腹部大動脈瘤に対しては、カテーテルによるステントグラフトを導入し、実績を上げている。近年増加している閉塞性動脈硬化症に対しては、カテーテル法によるバルーンおよびステント治療を積極的に行っている。また、下肢静脈瘤に対しては、硬化療法やストリッピング手術を患者様の病状に合わせて選択している

ペースメーカー治療・ICD植え込み=徐脈に対するペースメーカーの植え込みは年々増加しているが、今日では植え込み型徐細動器(ICD)や両心室ペーシングによる心不全治療も施行しており、あらゆる病態に対応できる体制となっている。この6年間で473例に及ぶ治療を行っている。

医療設備

人工心肺装置2台、補助人工装置、PCPCS、IABP(大動脈内バルーンパンピング)、自己血回収装置、経食道心臓超音波、術中冠動脈造影装置、血管内超音波装置、CT、MRIなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

腎センター(内科系)

分野

腎臓内科

特色

腎臓病は蛋白尿、血尿から始まり、時に急性の経過を、また時に慢性の経過を辿りながら、末期慢性腎不全に至り、透析療法・腎移植を必要とする疾患で、小児~成人まで幅広く起こり得る。わがセンターは、この絶え間ない腎臓病の生涯医療を、専門性の高い同じスタッフで診療する「内科」「外科」で構成された日本で唯一の腎臓病総合医療機関である。

症例数

腎炎・ネフローゼ症候群=診断に必要な腎生検は年間約200例(移植腎プロトコール腎生検を含む)行っており、その診断に基づいて薬物療法を選択している

慢性腎臓病=腎不全に対する腎保護療法では食事療法、血圧管理を中心に治療を行っている。外来通院患者数は延べ18,000人とたくさんの方が通院されている。他の診療科からも年間約900件の依頼を受け、急性・慢性の腎疾患に対応している。また、毎週木曜日には腎臓病教室を開催し、患者自己管理を支援している

末期腎不全に対する腎臓代行医療=適切な選択ができるよう血液透析、腹膜透析、腎移植すべてを行っている。腎移植は同一機関で行っており、ABO適合腎移植5年生存率・生着率は96%・94%で、血液型不適合腎移植5年生存率・生着率は100%・95%であった

★血液透析と腹膜透析は患者が能動的な意思によって選択できるよう支援し、年間血液透析約60~70例、腹膜透析約10例の透析導入を行っている。この3療法の選択に対しては、療法選択外来を設けて時間をかけて説明する方法をとっている

★入院主治医は腎臓内科、腎不全外科が合同で1チームを構成しており、蛋白尿から移植までの生涯医療を担当する。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

腎センター

分野

腎移植

特色

腎臓内科医、外科医が一緒になって腎移植前から腎移植後まで患者さんを管理する腎臓ユニットとして専門的なセンターである。腎移植後3カ月、1年、3年、5年、7年と移植腎生検を含めた精査を行い、臨床では分からない拒絶反応や、薬剤による腎毒性を観察し、その度に免疫抑制剤を調節している。また合併症の予防や悪性腫瘍の早期発見も行い、移植患者のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指している。本邦最低体重成功例(移植時6.7kg)や、血液型不適合最長生着例は現在でも腎機能正常である。ドナーの腎摘術には、内視鏡手術により負担を軽減している。臨床腎移植学会の腎移植認定医制度、小児腎移植研究会の事務局が設置されている。

症例数

現在までに生体腎移植541例、献腎移植61例、計602例の移植を行った。00年から11年まで行われた生体腎移植の1、3、5、7年生着率は、生体腎移植284例で97.7%、96.2%、95.5%、93.8%である。献腎移植14例ではそれぞれ100%、100%、87.5%、87.5%である。免疫抑制療法はバジリキシマブで導入し、タクロリムスやシクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、ステロイドを投与するが、小児や心疾患系、骨の合併症がある患者さんは、ステロイドを中止するか、隔日投与にして減量している。

医療設備

CT、MRI、腎シンチグラフィー、超音波など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

整形外科

分野

整形外科

特色

東邦大学医学部整形外科は、54年(昭和29年)に開設され、関節外科、脊椎外科を中心に治療を行っている。大学病院としての教育機関として良き臨床医の教育と研修を総合的に行っている。教育研修とともに高い医療レベルを構築し日常診療を行っている。地域連携を積極的に行い、優れた医療を目指している。専門外来を構築し、関節疾患としては、膝関節外来、リウマチ外来、股関節外来、上肢・手の外科外来、脊椎・脊髄外来、スポーツ外来、骨軟部腫瘍外来を開設し、高い専門的治療を行っている。

症例数

外来患者数は1日平均300人、入院ベッド数は約100床、手術件数は年間約1,100例である

関節リウマチの治療=当大学では関節疾患の中心に関節リウマチを置き、生物学的製剤を積極的に用い、完全治癒を目的としている。生物学的製剤使用症例は30%以上となっていることから、維持療法期間は、受け持ち医(家庭医)に依頼している。関節破壊が進行した症例に対しては、人工関節置換術を行い優れた成績を獲得している。生物学的製剤使用可での機能再建術は100例を超え、感染症などの合併症もなく、良好な成績を得ている。年間の手術症例は約200例。この他、リウマチ専門医により保存的治療を行っている。外来登録患者数約2,500人

膝関節外科=高齢社会を迎え、変形性膝関節症の患者さんが増えており、膝関節外科は、関節外科の中心となりつつある。治療法としては適応を厳格化し、独自の人工関節の開発にて正座可能な人工膝関節手術を行っている。人工膝関節の年間手術症例数は150件、鏡視下手術は50件、脛骨高位骨切り術は20件、その他あわせて220件の手術を行っている

股関節外科=日本人に多い二次性変形性股関節症の治療は、地域連携を実施し、保存的療法と手術的療法を加味し行っている。手術療法の股関節棚形成術を行い、本来の股関節機能を温存している。末期股関節症に対しては、人工関節置換術を行っている。年間人工股関節手術症例は約70例以上である

脊椎外科=頸椎から腰椎までの脊椎・脊髄疾患を対象としている。疾患は頸髄症、椎間板ヘルニア、脊椎狭窄症などの多岐にわたる。椎間板ヘルニアに対しては早期から内視鏡による摘出術を導入している。また、脊柱管狭窄症に対しては、各種低侵襲除圧術・固定術を取り入れ、術後早期からの離床を行っている。外傷性脊椎・脊髄損傷に対しては救急で対応している。年間手術数は平均約250例である

腫瘍外科=小児から成人まで、腫瘍性疾患はすべて治療の対象とし、小児骨腫瘍の代表は骨肉腫とユーイング肉腫である。本学では小児化学療法班と共同で術前術後の化学療法を行うことで治療効果をあげている。腫瘍摘出術からさらに発展させ、術後四肢機能の再建を行っている。年間手術数は120例

手の外科=地域の特殊性から外傷による手の疾患が多く、常に機能再建が必要となる症例が多い。年間手術数は約175例

スポーツ整形外来=スポーツ外傷を中心に診療を行っているが、疾患の特殊性から膝関節の靭帯損傷や半月板損傷が多い。サッカー選手の靭帯損傷や足関節靭帯損傷など、多くの治療を行い優れた成績を得ている。年間手術数は50例。スポーツ指導は、サッカーチーム、オリンピックチームなどの指導を行っている

骨粗鬆症外来=骨粗鬆症の増加と圧迫骨折は大きな社会問題となっている。骨粗鬆症に対する保存療法としてホルモン療法、薬物療法、装具療法を行っている。

医療設備

MRI、CT、MDCT、RI、骨密度測定装置、電気生理学的検査機器、血流測定装置、無菌手術室、ナビゲーションシステム装置、手術用顕微鏡装置、関節鏡視下手術装置、内視鏡脊椎手術装置などの機器をそろえている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

形成外科

分野

形成外科

特色

「より良いQOL(生活の質)を目指す」というわれわれ形成外科の基本理念を念頭におき、患者さん一人ひとりのニーズを踏まえ、その社会的・精神的背景を含めて洞察し、最も適した治療法を選択している。

症例数

低浸襲かつより良いQOLを目指した手術および薬物療法を併用し、意欲的に臨床・先端的研究に取り組んでいる。年間の全手術数は約550例。皮膚軟部組織悪性腫瘍は約20例。四肢では患肢温存を基本原則とし広範切除・一期的再建を行う。唇裂口蓋裂・手足・その他の先天異常は約40例で、チームアプローチと最新知見を導入した再建と長期フォローを行う。漏斗胸、髄膜瘤などの躯幹先天異常は10~20例で、漏斗胸ではNuss法などの治療を行い安定した成績を得ている。顔面骨骨折、顔面軟・硬組織欠損は40~50例。母斑・血管腫・良性腫瘍・色素異常は約300例で、適応症例にはレーザー治療を行っている。ケロイド・肥厚性瘢痕・瘢痕拘縮は約50例で、薬物療法およびZ形成術や皮弁術などの手術療法を併用している。顔面神経麻痺は約30例で、静的・動的再建にて、より自然な表情の獲得を目指している。褥瘡、難治性潰瘍は約30例で、早期離床、QOLの向上を図る。熱傷、顔面・四肢外傷は約40例で、植皮、皮弁移行術、ティッシュエキスパンダー法等で治療。腋臭症、眼瞼下垂、シミ・シワなど美容外科領域の症例も対応している。

医療設備

MRI、3DCT、Qスイッチレーザー、実体モデル作製システムなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

小児医療センター・小児科

分野

小児医療

特色

東京都城南地区で唯一、24時間の小児救命救急が行える施設であり、受診するすべての救急(1次~3次救急)に対応している。小児に関連する他の診療科の協力も得て、すべての小児疾患に最新医療レベルの診療で対応する大田区では1次から3次まで対応できる一基幹病院。身体的・精神的健康を守るため、小児の「総合診療科」として社会に貢献することを目指している。専門外来は循環器(先天性心疾患、肺高血圧症、心筋症、成人先天性心疾患など)、血液腫瘍(白血病・リンパ腫、固形腫瘍、再生不良性貧血など)、神経(けいれん性疾患、筋疾患、精神遅滞など)、腎疾患(腎炎、ネフローゼなど)、アレルギー(気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など)、内分泌疾患(低身長、甲状腺疾患など)、消化器疾患(肝胆道疾患、消化性潰瘍など)、川崎病、膠原病、児童心理など、幅広い疾患に対応できるようエキスパートをそろえている。外来は、小児センターで小児科と小児外科の医師が並列して行い、小児外科疾患にも円滑に対応している。小児循環器については、循環器センターで外来診療を行っている

★循環器は、肺高血圧症の治療ガイドラインを作成し成果をあげており、全国からの受診患者が多い。国内での心肺移植の患者登録で活動している。先天性心疾患へのカテーテル治療も行っている。川崎病の患者も多く年間約60人が入院する。冠動脈瘤の頻度を減らすよう、厚生労働省科学研究班のRAISE studyを主催している

★血液・腫瘍では、白血病治療の全国統一治療プロトコールを作成し、最先端の治療を行っている。また、再生不良性貧血の治療も全国の症例を集計して検討している。小児病棟は無菌室を設置した日本骨髄移植推進財団認定の骨髄移植施設となっている

★当院の腎臓学教室は、小児の腎移植を多数施行している代表的施設でもある。全国の多施設で腎移植後に共通の免疫抑制プロトコールを使用して、術後10年での移植腎生着率90%近い成績をあげている

★内分泌は、低身長に対する成長ホルモン療法等、成長障害の診療を広く行っており、特に骨年齢による成長の評価方法の改善について数多くの報告をしている。慢性腎不全等の基礎疾患を持つ低身長児の成長障害の改善の全国的な研究にも参加している

★消化器は小児内視鏡検査を行い、小児のヘリコバクター・ピロリ陽性の消化性潰瘍の除菌療法の治療ガイドライン作成に参加した。劇症肝炎の治療や生体肝移植への橋渡しも行っている

★アレルギーは、毎年大田区の喘息患児のサマーキャンプを主催し、地域の医師と大田区喘息勉強会も開催しており、小児アレルギー疾患治療を主導している

★糖尿病は毎年夏に患児と共にキャンプを行い、治療効果をあげている

★神経は発達障害、てんかんを特に専門としている。また、近年増加している小児の心の問題についても、文部科学省の心の発達機構の研究に参加している。他に慢性呼吸器疾患を有する患児のためのRSウイルス専門外来や、児童心理士による心理検査・指導も行っている。地域の小児科医との連携を大切にしており、紹介された患児の診断や治療法を討論する大田区小児科医会を年2回開催し、近年の小児救急医療の対策を検討している。地域の医師にもオープンにした各専門分野の講演会(meet the expert)も多数行っており、大田区市民講座も開催している。また、地域開業医師の小児科医療研修も受け入れている。この教室の基本は、患者側の立場をよく理解し、その子どもに最適な医療を与えられるよう心がけることである。そのためにも、若い頃にそれぞれの一線級の専門病院・研究機関へ出張し、他人の釜の飯を食い、知識と技術そして経験を積み、大学病院に還元することを続けてきた。また教室内や病院内では、Collaboration、Communication、とCoodinationを大事にしている。患者には柔軟性のあるチーム医療、新しい研究には多くの画期的な意見を吸収できるよう心がけている。

症例数

外来には年間約6万人が来院し、うち4分の1は救急患者である。救急外来は1次から3次に対応できるよう、24時間体制をとっている。平日の準夜救急は、東京・大田区医師会の小児科標榜医の先生方の協力により行われている。かかりつけ医との連携により、地域における小児の救急診療体制の確保・充実を図り、医療の向上を目指している。小児病棟は59床、年間新入院数は約900人である。看護体制は完全看護で、看護師65人、チャイルドライフスペシャリスト1人、保母1人で対応している。外来平均患者数は1日約170人。年間外来新患者数1万人、他院からの紹介は年間1,000人を超し、うち200人以上が入院加療となっている。小児病棟では看護スタッフと専任保母が患児の世話にあたり、特殊な場合を除き付添は必要としない。また、遠隔地から入院される難病の患児のご家族のために、院内に5室の宿泊施設を確保している

循環器=先天性心疾患、川崎病、心筋炎・心筋症等の診療を行っている。心臓カテーテル検査は年間約100例施行している。カテーテルインターベンションで心房中隔欠損や動脈管開存を治療している。また、心臓血管外科医と連携し、手術症例の術前術後管理も行う。原発性肺高血圧症治療は全国の先駆けとして行ってきたPGI2、シルデナフィル、ボセンタン療法が優れた成績をあげている

★川崎病のガンマグロブリン不応例への治療法の改善を検討し、冠動脈瘤発生率の減少に努めている

血液・腫瘍=多数の小児がん、白血病、再生不良性貧血の患児を多施設で統一されたプロトコールにより治療している。年間数例の造血幹細胞移植を行い、また、骨髄バンクからの依頼による非血縁者ドナーからの骨髄採取も月1例施行している。悪性腫瘍の患児の治療成績のみでなく、治療後の小児の長期経過後に生じる晩期合併症についても検討しており、これらの一環として、毎年夏に「がんの子供と家族のためのサマーキャンプ」も開催している

神経=特に専門としている発達障害以外に、多数のてんかん、脳性麻痺、自閉症、代謝・変性疾患、筋疾患など幅広い神経疾患を診療している。大田区内の保健所とも密に連携し、地域の発達障害を有する乳幼児の診断・フォローアップ、新生児学教室と連携して未熟児の長期発達のフォローアップも行っている

腎臓=学校検尿異常、慢性腎炎・難治性ネフローゼや慢性腎不全の保存期治療、腎尿路奇形を有する反復性尿路感染症の管理などの診療を行っている。年間10例程度の腎生検検査が行われ、組織診断を下に適切な治療を選択している。腎臓学教室の小児泌尿器科グループにより乳幼児の泌尿器科手術を要する症例にも対応できる。慢性腎不全では内科的治療のみならず、腎臓学教室での腎移植では好成績をあげている。02~03年に10例の小児腎移植が行われ、全例移植腎は生着し、生後10カ月という国内最年少の乳児例も成功した

内分泌・代謝=低身長の成長ホルモン治療の他に、思春期早発症などの性ホルモン異常、甲状腺・副甲状腺機能異常、副腎疾患や尿崩症なども診療している。成長ホルモン分泌不全のない低身長の小児に対しても、有効な治療法を検討している

消化器=食道、胃、十二指腸等の消化管のみでなく、肝臓、胆嚢、膵臓を含めた消化器疾患全般の診療を行い、小児の内視鏡検査や肝生検の依頼も受けている。劇症肝炎の急性期管理、C型肝炎に対するインターフェロン療法、ヘリコバクター・ピロリ陽性の消化性腫瘍に対する除菌療法、クローン病・潰瘍性大腸炎等、小児に比較的少ない消化器疾患も専門的に診療を行っている

アレルギー=数多くの気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーに対応している。家庭での環境整備、在宅吸入療法などにより気管支喘息のコントロールに努めている。重篤なアトピー性皮膚炎や食物アレルギーも増えている。アレルギーを持つ患児の予防接種にも対応している

糖尿病=インスリン依存性糖尿病の治療の他に、学校検尿の尿糖陽性者の精検と糖尿病の診断を行っている。毎年、糖尿病患児を対象としたサマーキャンプにも参加し、理解と生活管理等の啓蒙を行っている

呼吸器=未熟児で出生した慢性肺疾患を有する患児や、在宅酸素療法を必要としている患児などを多数診療している

心理=2人の心理療法士がおり、小児の知能・心理テストを行い、心理的な相談にも応じている

乳児健診=大田区内の各保健所に医師を派遣し、地域の乳児健診に貢献している。保健所における健診後の経過観察、発達指導、両親学級にも参加している

小児救急=地域の小児科医と共に土・日曜の医師会診療所での休日診療を行い、小児救急体制の改善に努力している(大田こども救急)。

医療設備

各種迅速検査、CT、MRI、各種超音波検査、脳波、ABR、心電図、呼吸器機能検査、シンチ、SPECT、骨密度測定装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

第1耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

耳鼻科領域の疾患は外部からの観察が困難なため、内視鏡を積極的に使用した耳・鼻・咽頭・喉頭の観察と手術を基本とし、安全で患者さんの負担の少ない低侵襲医療を目指している

★診療記録にはビデオカメラでの撮影を導入しているため、診療現場での医療行為の実際を患者さんに視覚的に説明可能である。手術や入院治療がなぜ必要かを説明するときにも、これらの視覚素材を用いたインフォームド・コンセントができるように、わかりやすい説明を心がけている。最近ではインターネットによる疾患に対する医療情報を、患者さんや家族がすでに調べてから来院するケースも増加しているため、セカンドオピニオン専用の外来も設置している

★外来や入院のカルテは全症例電子カルテ内に記録、保存されている。電子カルテには、病院全体の総合カルテとして、すべての受診歴、入院、手術、検査情報が保存されているため、過去の医療情報をもれなくいつでも確認することが可能である。カルテ入力に対する人的労力や費用の問題はあるが、客観的なカルテ記録の有用性は医療行為の最重要項目である。また、電子カルテ内の個人情報保護のためには、厳重なコンピューター使用規定と入力IDや外部からの侵入防止などに対して何段階もの安全策が設置されている

★大森病院の特徴は、大正14年の開学以来、80年以上の歴史を現在の大森地区で培ってきている点である。病院全体としての目標は、安全で質の高い医療を広く提供するための良き臨床医の育成を目指している。これらの取り組みに対して、日本病院機能評価機構から最新条件(ver 5)での数少ない認可施設に認定されている。詳細は病院のホームページhttp://www.omori.med.toho-u.ac.jp参照。

症例数

1年間の耳鼻科外来受診患者総数は約25,000人、入院患者数は平均7,000人で平均在院日数は18日である。入院患者さんの全身麻酔で行う手術数は年間300例を超え、聴力改善手術が全体の約40%と一番多く、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、側頭骨の外傷性骨折、顔面神経麻痺、耳硬化症、人工内耳手術など、多くの難治性耳疾患や他施設からの多数の紹介症例にも対応できるように努めている。そのためには内視鏡手術、ナビゲーション手術など最新の高度医療器具を積極的に導入して、患者さんの負担が少なく安全な手術の向上を目指している

★また当施設での最大の特徴は、小児や乳幼児の耳の手術数が年間20例以上ときわめて多いこと。小児の難聴診断は成人と異なり困難な場合が多いが、言語の発達のために大変重要で専任のスタッフが担当している。滲出性中耳炎などの鼓室内チューブ挿入などの外来手術も内視鏡を積極的に使用して、幼児でも怖がらずにできるように局所麻酔でも痛みが少なく、家族には手術内容が理解できるようにとビデオ記録を使って説明するなどしている

★耳の手術以外にも、慢性副鼻腔炎などの副鼻腔疾患への内視鏡手術(25%)、喉頭癌や舌癌などの頭頸部の悪性腫瘍(18%)、生体ポリープなどの音声改善のための喉頭手術(7%)、小児の扁桃腺手術(10%)と耳鼻咽喉科の高度医療から一般標準的な手術まで幅広く行っている

★大田区では、喉頭癌検診が公的な補助のもとに10年以上前から行われてきている。一般診療所から、悪性の疑いのために当耳鼻科を紹介受診され、精密検査を行っている。

医療設備

検査機器はMRI、CT、超音波検査、内視鏡検査、乳幼児のための他覚的聴覚機能検査(ABR、OAEなど)、平衡機能検査などを外来に設置している。特にワークスステーションを使用したCTによる耳の構造の3次元立体画像の作成では本邦のパイオニアとして多くの研究報告を挙げてきている。手術器具では光学式ナビゲーションシステム、耳・鼻用内視鏡手術器具、顔面神経刺激器、炭酸ガスレーザー、ハーモニックス・カルぺルなどを標準整備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

糖尿病代謝内分泌科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

当センターでは、糖尿病(1型、2型)、脂質異常症、高度肥満、通風などの代謝性疾患、および視床下部―間脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、骨代謝異常、電解質異常、性腺などの内分泌性疾患を加療している。糖尿病部門では日本糖尿病学会認定施設であり、糖尿病認定医、同認定指導医が主として外来を担当しており、糖尿病の診断から治療、さらに合併症の管理まであらゆる領域をカバーしている。高度肥満の治療についても日本肥満学会認定施設となっている。一方、内分泌疾患部門では日本内分泌学会認定施設であり、内分泌学会および甲状腺学会専門医が主として外来を担当しており、地域連携による紹介患者の内分泌疾患の診断と治療に当たっている。特に、1型糖尿病に対する強化インスリン療法、患者教育、糖尿病性腎症の管理、糖尿病合併妊娠の血糖管理、脂質異常症の厳密な管理、高度肥満の改善などに力を入れており、院内の眼科、腎センター、産科と緊密な連携を持ち、ハイレベルの診療の維持に努めている。

症例数

糖尿病=現在定期的に通院中の糖尿病患者数は約2,000人、うち1型糖尿病は約10%。外来管理では食事療法のみは20%程度、経口剤によるコントロールは40%で、いずれも安定すれば可能なかぎり近隣の医療施設に病診連携を通じてフォローを依頼している。インスリン治療は30%ほどで、特に力を入れており、強化療法が約半数である。最近はインスリン治療と経口剤療法の併用による血糖コントロールも採用しており、個々の症例の日常生活によりマッチした治療を模索している。入院は同時に20床以上は可能で、教育入院は予約制で実施している。軽症糖尿病については平日受診が困難な方への対応として、毎月の第2土曜日をはさむ金曜日夜から日曜日昼までの週末を利用した2泊3日の短期教育入院システムも導入している。糖尿病の慢性合併症対策として、三大合併症のみならず足病変(壊症)、動脈硬化性疾患(冠動脈・脳血管・末梢血管障害)の早期診断・治療を行うべく、院内の関連各科と密接な連携を保ち、患者のQOL(生活の質)の向上に努めている。糖尿病妊婦・妊娠糖尿病については、当院産科および眼科と密接な連携を取り、計画妊娠および出産のサポートを行っている。糖尿病教室は、主として糖尿病専門医、糖尿病療養指導士の資格を持つ栄養士、薬剤師、看護師、臨床検査技師など専属スタッフにより毎週(第1~4週)火曜日に開催され、4回受講すると糖尿病療養に必須の基礎知識を習得できるようなシステムとしている。一方、メタボリックシンドローム・高度肥満・痛風・低血糖症などの診療も行っているが、特にメタボリックシンドロームの早期介入、および入院による超低カロリーダイエット(VLCD)を利用した高度肥満に対する積極的な減量対策に取り組んでいる

内分泌疾患=バセドウ病を代表とする甲状腺疾患、成長ホルモン過剰による先端巨大症、プロラクチノーマ、尿崩症などの下垂体・視床下部疾患、カルシウム異常を引き起こす副甲状腺疾患、クッシング症候群、アジソン病、褐色細胞腫、アルドステロン症、副腎偶発腫などの副腎疾患、そして男性ホルモン低下症などの性腺疾患の診断と治療を行っている。学術的にも大変貴重な症例を多く経験しており、学会では活発な症例報告を行っている。

医療設備

本センターの所属する東邦大学医療センター大森病院は、特定機能病院としてあらゆる最先端医療設備を備えている。本病院の基本理念、概要、設備、各科の詳細はホームページ(http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/)に掲載されている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

リウマチ膠原病センター

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

日本リウマチ学会認定施設。当センターは、04年4月より大森病院に新設された膠原病科の外来診療を核として、広くリウマチ膠原病を診る目的で05年7月に発足した。関節リウマチの診療は、整形外科の先生方は以前から整形外科外来でかかわっていたが、患者様に分かりやすいように一緒に診療していくことになった。すなわち膠原病科と整形外科の綿密な連携により、リウマチ膠原病の諸疾患の治療を総合的に行うように計画して作られた。

症例数

月間外来患者数は約1,200人、月間外来新患者数は約50人。年間入院患者数(膠原病科)は約250人。当センターの対象疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症(強皮症)、皮膚筋炎/多発性筋炎、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、リウマチ性多発筋痛症、血管炎症候群といったリウマチ膠原病疾患である。完全治癒は依然として多いとは言えないが、治療成績は以前より大きく前進したと言える。特に関節リウマチでは、関節破壊の進行をも抑えることが期待される有望な新薬(生物学的製剤)が次々と登場している。それらは他の膠原病疾患にも応用されるようになってきており、リウマチ膠原病疾患全体として患者様のQOL(生活の質)はこのところ著しく向上した。当科では生物学的製剤を積極的に使用し、良好な治療成績をあげている。また難治例、治療抵抗例に対しては呼吸器内科、腎センター、皮膚科等の医師と密な連携を取り治療にあたっている。

医療設備

CT、MRI、RI等の各種画像検査。各種生理検査も充実。ICU、CCU等も完備。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

心療内科

分野

心療内科

特色

主に心身症を取り扱う。心と体の調和と、その相互作用(心身相関)に重点を置いた研究ならびに臨床的な立場にたって、気管支喘息・起立性調節障害・胃・十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群・頭痛・神経性頻尿・更年期障害・めまい症など心身症疾患についての診察・治療を行っている。その他に摂食障害や、軽症うつ、パニック障害などの疾患の診察を行っている。外来診療が主体であるが、状況によっては入院加療を行うこともある。

症例数

初診患者は年間約1,300人。再診患者の月当たりの延べ人数は約1,500人。「心身症」といわれる病状がある患者さんに対して、心身両面からのアプローチを行っている。主に薬物療法と心理療法を併用した治療を行っている。また片頭痛の患者に対してはバイオフィードバック療法を行っている。大学病院における心療内科という特性を生かし、頭部MRI・脳波・脳スペクトなど様々な検査を施行することが可能である。心理検査としてはWAIS-R、ロールシャッハテストなども行っている。

医療設備

当科の設備としてはバイオフィードバックシステムなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

救命救急センター

分野

救急医療

特色

羽田国際空港近くに位置する。大学病院に併設された3次救命救急センターで、78年に運営が開始された。総合診療急病科が核となり、集学的に治療を行っている。災害拠点中核病院としての使命もあり、東京DMAT(災害医療派遣チーム)病院に認定され、DMAT隊員も医師、看護師総勢15人になり、重症外傷や多人数傷病者発生現場へ出動している。日本DMATとしても東日本大震災に出動した。災害広域搬送の拠点としての活動が期待されている。東京都消防庁第二方面救急隊症例検討会も30回を超え、救急隊員のメディカルコントロールとしても地域救急に邁進している。

症例数

10年度の重症者入院数は1,206人で、92%は救急車により搬送されている。重症外傷(Max AISが3以上または緊急手術施行例)は77例で約6.4%を占める。急性冠症候群172例、重症心不全53例、大動脈解離または破裂28例、消化管出血71例、急性腹症が16例、脳血管障害は102例、重症呼吸不全24例、重症急性中毒35例であり、入院例の約42%であった。救命初療室搬送の心肺停止例は454例、そのうち心拍再開例は12例。心肺補助装置、心血管造影検査、血管形成、低体温管理、血液浄化法を行った者が24例、退院・社会復帰した者が12例あった。適応のある症例には積極的にこの重症管理(eCPR)を施行していく方針である。心肺停止例を除くと全体の死亡率は9.7%である。重症感染症、膵炎、肝不全にはもとより多臓器不全に対しても血液浄化療法・血漿交換や人工呼吸器など、最新のME機器を駆使して積極的に重症疾患に対し取り組んでいる。

医療設備

大学病院としての設備は整備されている。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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