専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

熊本市立熊本市民病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

全科を擁する総合病院の中で、各科との緊密な連携のもと、患者や家族に納得のいく説明を心掛けながら、上下部消化管、肝胆膵などの正確な診断、治療に努めている。消化管出血に対する止血術を始め、胆管結石排石術、早期の胃癌や大腸癌に対する内視鏡的治療、閉塞性黄疸に対してのドレナージ術、肝癌に対して腫瘍血管塞栓術(TAE)、超音波ガイド下での加療なども積極的に行っている。

症例数

上部消化管内視鏡4,500例、大腸内視鏡1,600例、ERCP180例中で、食道癌21例、胃癌92例、大腸癌142例であり、それぞれ4例、41例、51例の早期癌が発見され治療した。消化管出血110例についてはクリップ結紮術、エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固*療法、などで大多数の例で止血可能であった。胃ポリペクトミーを約60例、大腸ポリペクトミーを約150例行っている。総胆管結石では、乳頭切開による排石術が施行されているが、大きすぎるものでは、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)で、小さく砕いてから、施行している。ESWLは、膵石症にも有効性を認めている。手術不能の閉塞性黄疸例に対しては、放射線療法やステント留置によるQOLの改善を図っている。慢性C型肝炎の治療では、PEG-IFN+リバビリン併用療法で60数%の著効率を認めている。年間約60例の肝癌例についても、症例に応じて肝切除のほかラジオ波焼灼療法(RFA:約20例)や経皮的エタノール注入療法(PEIT)、TAEなど、適切な治療法を選択している。ヘリコバクター・ピロリ陽性潰瘍や、近年増加している逆流性食道炎、炎症性腸疾患に対する治療にも力を注いでいる。患者さんのニーズの高い外来化学療法(注射)も週に8~10例施行している。

医療設備

電子スコープ、超音波内視鏡、レーザー内視鏡、腹部超音波、CT、MRI、シンチ、ESWL、リニアック、血管造影装置。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

呼吸器科

分野

呼吸器内科

特色

肺癌、気管支喘息やCOPD、間質性肺炎、サルコイドーシスなどを中心として、呼吸器疾患全般を診療対象としている。特に気管支喘息やサルコイドーシスは多くの患者さんが通院中である。また、病院自体が救急医療に力を入れていることもあり、急性呼吸不全患者の人工呼吸管理(NPPV、気管内挿管下)なども多数行っている。

症例数

入院患者数は年間600〜700名であり、疾患別の延べ入院患者数は、肺癌が約200例、肺炎が約200例、喘息発作が約50例、間質性肺炎が約50例、自然気胸が約30例などである

★肺癌診断のために呼吸器内視鏡検査(年間約150例)やCTガイド下生検などを行っている。肺癌治療は当院外科や放射線科と連携しながら手術や放射線治療を行い、また、化学療法は最新のプロトコールに則り行っている。最近では外来化学療法も数多く行っている。緩和ケアにも精通しており、診断から終末期医療までバランスのとれた医療を提供している。市中肺炎や胸膜炎、さらには誤嚥による嚥下性肺炎が増えている。診断が困難な胸膜炎では、局所麻酔下での胸腔鏡を積極的に行っている

★気管支喘息は約400名の患者さんが通院している。国際ガイドラインに従い、吸入ステロイド剤や長時間作動性β刺激剤吸入を中心とした治療を行っている。また、必要に応じ喘息日誌をつけていただきピークフロー管理を行っている。その成果として、定期的に通院している患者さんが喘息発作で入院することはほとんどない。一方、他院通院中で治療不十分な患者さんや医療者側の指示に従わない患者さんが喘息悪化のために入院することが多い

★呼吸不全患者さんに、急性期や慢性期のNPPV(非侵襲性陽圧換気療法)を積極的に導入している。気管内挿管をせずに人工呼吸が行えるため患者さんのQOLやADLは著明に改善している。間質性肺炎には膠原病性、薬剤性、特発性などがあるが、種々の検査で的確に診断しステロイド剤や免疫抑制剤、新薬のピルフェニドンなどでの治療の適応を決定している。サルコイドーシスは100例以上の患者さんが通院しており、その診断や治療適応、管理法に精通している。

医療設備

CT、MRI、各種シンチ、呼吸機能検査など。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

循環器科

分野

循環器科

特色

厚生労働省臨床研修指定施設、日本循環器学会専門研修施設および植え込み型除細動器の認定施設である。循環器疾患全般の診療を行い、特に虚血性心臓病、心臓弁膜症、不整脈治療に力を入れている。内科的治療だけでなく心臓外科グループと連携し虚血性心疾患、大動脈瘤など救急疾患への外科治療も行っている。

症例数

CCU 2床、病床数24床、08年度の入院患者数は692人。検査および治療症例数は、心臓カテーテル件数約700例、心エコー検査約5,000例、経食道心エコー約160例、ホルター心電図約1,000例、ペースメーカー約30例、植え込み型除細動器(ICD)は通算約20例である

★心筋梗塞に対しては緊急冠動脈造影を行い、PTCA(経皮的冠動脈形成術)、ステント留置を行う。バイパス手術も緊急時実施する

★不整脈では、各種心電図検査後、電気生理学的検査にて方針を決定している。致死的不整脈には植え込み型除細動器を利用する。ペースメーカー植え込み後はペースメーカー外来にてアフターケアに万全を尽くしている

★神経内科と協力し、超急性期の脳梗塞例に経食道エコーや頸動脈エコーを行い、早期治療を進めている

★消防局の高規格救急車と連携し、救急医療に対応している

★総合病院の特色を生かし、各科と緊密な連携、分担を実施している。

医療設備

2方向心血管撮影、心拍同期CT、DSA(血管造影)、心臓核医学、MRI、頸動脈エコー。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

心臓血管外科・小児心臓外科

分野

心臓血管外科

特色

成人対象の心臓血管外科と小児心臓外科との2つの部門から構成され、新生児から高齢者まであらゆる年齢層の心疾患に最善の外科治療を目指している。麻酔科、循環器内科、小児循環器科、新生児科との綿密な連携の下、循環器センター・小児循環器センターとして総合診療体制をとっている。特に小児については、南九州全域から多数の紹介患者を受け入れている。

症例数

2008年度の手術例数は232例で、手術死亡率は1.7%であった

★先天性心疾患は151例で、内訳は1歳未満が31%、新生児症例が5%(8例)であった。手術は開心術が118例を占め、ジャテネ手術、総肺静脈還流異常症などの新生児例のほか、ファロー手術やフォンタン型手術などの複雑心疾患に対する乳幼児期手術を行い、良好な成績を得ている。非開心術は33例で、大動脈縮窄および離断症複合に対する大動脈形成術や体肺動脈短絡手術などを行っている。また、小児専用の人工心肺装置導入による無輸血開心術も積極的に取り組んでいる

★後天性は81例で、内訳は冠動脈バイパス術46例、弁膜症15例、大血管4例、その他心臓手術2例、腹部大動脈瘤7例、その他7例であった。冠動脈バイパスでは動脈グラフトを多用し、積極的に心拍動下バイパスを施行している。弁膜症では自己弁を温存する弁形成術を積極的に行っている。予定手術では可能な限り自己血貯血を行い、無輸血手術を目指している。

医療設備

ICU、CT、MRI、2方向心血管造影装置、術中心エコー、NO、N2療法装置。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

腎臓科

分野

腎臓内科

特色

腎炎・ネフローゼ、腎不全、透析療法など腎疾患全般の専門診療を担当している。臨床病理科(有馬部長)と共同で光学顕微鏡、免疫染色、電子顕微鏡検査を腎生検全例で行っている。代謝内科(戸高医長)、リウマチ科(木村部長)と連携協力し、総合的に腎疾患の治療に当たっている。血液浄化センターにおいて外来並びに入院の血液透析はじめ各種血液浄化療法を行っている。当院はすべての診療科が整った総合病院であり、各診療科と連携して透析患者の全合併症を治療している。

症例数

血尿・蛋白尿の初診患者では、患者の症状、尿・血液検査および腹部エコー検査などで泌尿器科疾患との鑑別を行い、泌尿器科疾患は泌尿器科(桑原医長)にて精査・治療を行っている。内科疾患患者には、外来で1日蓄尿を行い、腎機能、蛋白排泄量、塩分や蛋白の摂取量などを検査し、腎生検の適応を決めている。毎日随時エコーガイド下で腎生検を行う体制をとり、年間約30例の腎生検を実施している。治療は、腎機能障害の程度、組織所見(組織型、病変の活動性、病期など)をもとに、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づいた医療)に沿って行っている。腎機能低下患者には、末期腎不全への進行を予防する医療(栄養療法、薬物療法、生活指導)をEBMに基づいて、栄養士、薬剤師、看護師と協力して行っている。定期的に腎炎・腎機能低下の患者のための教室を開催している。透析療法は血液浄化センター(20床)で血液透析とCAPDを行っている。透析導入患者には透析療法についての基本的な知識(食事療法、薬物療法、生活指導など)について栄養士、薬剤師、看護師と協力して指導している。透析患者のすべての合併症に対して治療している。急性多臓器不全に対する特殊血液浄化療法はICU(城部長)と連携し、24時間体制で行っている。

医療設備

超音波診断装置、CT、MRI、血管造影装置、血液透析装置、血漿交換装置。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

整形外科

分野

整形外科

特色

地域の基幹病院として、あらゆる医療機関と連携し、整形外科全般の疾患を対象とした診療体系をとり、リハ施設を完備し、早期リハを行い、早期社会復帰を目指している。特に、股関節、膝関節の荷重関節外科、脊椎外科、救急(骨折外傷)、小児整形外科を重点的に扱っている。また、リウマチ科、リハビリテーション室が併設されており、一貫した整形外科疾患の治療が可能である。

症例数

ベッド数約53床で、2008年の延べ外来患数は18,272人、延べ入院患者数は19,384人で手術数は約800例であった。この内、下肢の手術が約550例を占め、人工関節が140例であった

★股関節外科は、先天性股関節脱臼から高齢者の関節症までの全てを治療している。軽度~中等度例の変形性股関節症は寛骨臼回転骨切り術等で、重度例には骨盤骨切り術に大腿骨骨切り術を併用するか、人工股関節で治療している。大腿骨頭壊死などの難病例も、できる限り、大腿骨頭回転骨切り術等で対処している。手術は、自己血輸血法を導入し、無菌手術室で行い、合併症もなく、良好な成績を維持している。2008年の股関節手術数は,人工股関節96例、骨切り術21例であった

★膝関節外科は、若年者は、早期社会復帰、早期スポーツ復帰が可能な関節鏡視下での治療を主にし、また、重症例の変形性膝関節症の治療も、鏡視下に関節内処置後骨切り術か、より重度例には人工膝関節で治療している。2008年の膝関節手術数は人工膝関節44例、膝関節手術32例、その他25例であった

★脊椎外科は保存的治療を原則としており、重度の脊椎疾患には、インスツルメンテーション等を使用した手術療法も採用し、安定した成績をあげるように努力している

★大腿骨頚部骨折例を含め、高齢者の2008年の手術数は約350例であった

★小児整形外科の治療は、保存的治療を原則としている。

医療設備

無菌手術室(2室)、手術顕微鏡、MRI、CT、RI、超音波、リハビリテーション室。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

産婦人科全般を診療しているが、婦人科診療では特に悪性腫瘍には力を入れており、熊本県の癌拠点病院である。産科診療においては母体胎児集中治療室と新生児科で新生児集中治療室を有し、熊本県の総合周産期病院に指定されている。一方、ユニセフから「あかちゃんにやさしい病院」の認定をうけている。

症例数

2008年の手術例は612例(産科286例、婦人科326例)。分娩数は473例で、そのうち帝王切開は237例である。その他、頚管縫縮術22例、子宮外妊娠根治術8例である。最近は多胎妊娠やハイリスク妊娠の増加に伴い、低出生体重児や帝王切開術が増加している。原則として人工妊娠中絶は行っていない。婦人科手術で主なものは、子宮良性腫瘍が86例、そのうち子宮筋腫核出術20例、単純性子宮全摘出術66例である。子宮頸癌は円錐切除術16例、単純性子宮全摘出術10例、広汎性子宮全摘出術3例である。子宮体癌は単純性子宮全摘出術18例である。子宮膣部異型上皮は28例で、レーザーによる円錐切除術27例、子宮全摘出術61例である。卵巣悪性手術は16例、良性腫瘍手術は75例である。子宮下垂・脱の手術は28例である。婦人科悪性腫瘍に対しては積極的に放射線療法や化学療法を行っている。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、ヤグレーザー、マンモグラフィ、カラードプラ。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

良性の疾患を中心に、特に耳下腺腫瘍の手術に工夫を凝らしている。皮膚切開、腫瘍摘出の方法、Frey症候群の予防など。また、眼科との連携により、経鼻腔内視鏡的鼻腔涙囊開放術などを積極的に行っている。もちろん、口蓋扁桃摘出術など基本的な手術も行っている。

症例数

過去5年(2004年から2008年)の手術室での手術症例数は350から380例であり、スタッフ2人で分担して手術している。口蓋扁桃摘出術約80例、内視鏡下鼻腔手術約80例、唾液腺疾患約40例は熊本県内耳鼻咽喉科施設では、症例数が多い。手術後合併症も3%以下で安定している。良性の小手術は、外来日帰り手術を取り入れており、患者さんのQOLも考慮し、なるだけ希望通りに手術施行している。熊本県内の紹介が多く、他科開業医からの紹介も多い。救急症例では、めまい症例が最も多く、年間平均60例が緊急入院している。小脳梗塞の否定のためMRIを積極的に取り入れている

★難治性の特発性鼻出血に対しては、以前は、経動脈的血管塞栓術を放射線科の協力を得て施行していたが、現在では、出血点を内視鏡下に同定し、確実に焼灼止血しており、患者さんの負担軽減に努めている。場合によっては、全身麻酔下の手術にて止血する。もちろん経動脈的血管内塞栓術も可能である

★唾液腺疾患、甲状腺疾患では、まずは超音波検査にて判断し、悪性が疑われる症例のみ細胞診、MRI、CTを施行している。不要と思われる検査は極力施行せずに治療方針を立てるようにしている

★顔面骨骨折は、当院で形成外科が廃科になったことから症例数が10年前と比べて減少している。しかし、眼窩骨折などは審美的に考慮し内視鏡下に整復術施行している

★手術後出血の合併症は、過去5年間で1例のみで、口蓋扁桃摘出術の2次性出血を全身麻酔にて止血した。避けられない合併症の1つであると考える

★手術症例数としては、2人のスタッフのみでは現状維持を考えている。もちろん緊急手術症例は例外である。悪性疾患は当科での診療は無理があり、専門施設の紹介している。

医療設備

MRI、CT、ABR(聴性脳幹反応検査)、頸部エコー、KTPレーザー、電子内視鏡。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

代謝内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病、脂質異常症、甲状腺疾患、副腎疾患などを専門的に診療している。特に糖尿病は、病診連携を基本に患者の個性を大切にした対応を心掛けている。また、当病院は総合病院であり、他科に入院した患者に対しても併診にて専門的な診断、治療を行う体制をとっている。糖尿病、内分泌疾患を合併した外科系・内科系患者の管理を多数行っている。

症例数

糖尿病=2型糖尿病を中心に月間約900人の外来患者の診療を行い、年間約120人のインスリン導入を実施している。1型糖尿病患者も多数通院中である。原則として外来管理のスタイルでチームアプローチを行っておりフットケアなど指導にも力を入れている。また、当院では産科・新生児医療にも特色があり、当科と協力して患者に安心していただけるよう妊娠糖尿病の管理を行っている。各種合併症に関しては眼科、腎臓科(血液浄化センター)、皮膚科、神経内科、血管外科、循環器科、心臓血管外科など各専門科と連携している。加えて、医師・糖尿病療養指導士を中心に看護師・栄養士・薬剤師・理学療法士によるチーム医療を目指し、院内のレベルアップに努力している。スタッフ一同で全身に配慮し個性を重視した糖尿病管理をモットーに日常診療を行っている。また、生活習慣病講座や糖尿病教室、糖尿病出前講座(院外で無料講演を行う)を実施することで糖尿病の予防も啓蒙している

内分泌=甲状腺疾患、副腎疾患を中心に耳鼻科、外科とも連携をとり、専門的診断治療を行っている。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、シンチグラフィ、DSA、超音波検査、血管造影装置など、総合病院としての設備を有する。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

血液・腫瘍内科

分野

血液内科

特色

造血器腫瘍をはじめ、白血球・赤血球・血小板系疾患、出血・血栓疾患など、広範囲の血液・免疫疾患に対応可能。常に世界最先端の医療に目を向け、高いレベルの診療を提供できるよう努力している。血液疾患は全身性疾患であり、殆どすべての診療科が揃っている本院では、各専門科と協力しながら診療を行うことができる。また、患者さんの立場に立ち、わかりやすい説明と、納得のいく治療を心がけている。セカンドオピニオン外来有り。日本血液学会認定施設、日本臨床腫瘍学会認定研修施設、日本がん治療認定機構研修施設。

症例数

常に25名前後の患者さんが入院中である。この2年間の平均で年間新入院数は245名。内訳は、悪性リンパ腫60例(成人T細胞白血病を含む)、急性骨髄性白血病35例、多発性骨髄腫28例、骨髄異形成症候群23例、特発性血小板減少性紫斑病13例などである

★悪性リンパ腫の治療は、DLBCLなど標準治療の確立された病型ではそれに従い(R-CHOPなど)、未確立の病型では最新知見に準じあるいは臨床治験にも参加している

★急性骨髄性白血病などの白血病の治療はJALSG(日本成人白血病研究グループ)に参加し、そのプロトコールに準じて行っている。最近では高齢の患者さんが増加しており、身体的負荷の少ない治療(CAG療法等)によってQOLの改善を目指すことも少なくない

★多発性骨髄腫の治療は、日本骨髄腫研究会の治療指針を基本とし、ボルテゾミブなどの新規薬剤治療も積極的に取り入れている

★造血幹細胞移植療法に関してはJSCT研究会に参加している。自己末梢血造血幹細胞移植は1992年からの実績があり、最近では多発性骨髄腫を中心に年間5例程度施行している。同種造血幹細胞移植の適応症例は、熊本医療センターと連携して行っている。

医療設備

無菌病室4室、簡易無菌装置数台、血球成分分離装置(PBSCH用)1台。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

リウマチ科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

リウマチの治療上最も重要な点は、抗リウマチ剤の適切な処方にある。 当院では患者の背景因子(血液検査結果や臨床症状など)を総合的に解析した上で、各患者に最も治療効果の期待できる抗リウマチ剤を選択して処方している。 その結果、リウマチのコントロール率が向上し、治療開始後比較的早期に症状軽快するため、手術を余儀なくされる症例は少ない。 その他、リウマチの患者さんは種々の合併症に罹患されるが、当院は総合病院であるため、あらゆる合併症に対して即時対応可能である。

症例数

月間延べ外来患者数約300人

★保存的治療 :抗リウマチ剤の投与を中心とした薬物療法を主に行っている。病勢が強く抗リウマチ剤によるコントロールが困難な症例には、生物学的製剤も使用している

★手術的治療:当院整形外科スタッフと連携し、各種関節の滑膜切除術や関節形成術、関節固定術、人工関節置換術など殆どの関節外科手術に対応している。 薬物療法の工夫により治療成績が向上した結果、手術症例は著しく減少し、年間手術件数は約30件である。

医療設備

無菌手術室、MRI、CT、骨密度測定装置、リハビリテーション室、透析、その他高度医療機器を備えている。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

感染症科

分野

感染症

特色

①第I種感染症指定医療機関として、一類(2床)および二類(10床)の感染症患者の収容と治療およびその管理指導を行う。②三類感染症および四類感染症に対する診断と治療を行う。③換気設備が独立した陰圧室を有し、空気感染対策も十分対処可能である。④エイズ拠点病院であり、HIV感染者の相談室を備えている。専門医師が他に1人いる。

症例数

★三類感染症は細菌性赤痢を主として年間3~4人を収容している

★MRSA感染は月間20~30人認められるが、発症者は12人である

★一般感染症診断の一助となる細菌検査は、年間約12,000検体より有意な菌として約40%(4,800件)が検出され、すべて感受性テストを施行している。抗菌薬使用マニュアルを作成し、薬剤感受性の分析を参考に、適切な抗生剤使用を行っている

★病院感染対策委員会は毎月開催され、感染サーベイランスの検討やMRSA感染対策などを常時行っている。ICTが常時ラウンドしている。日常診療は呼吸器科(他に3人の専門医)と一緒に行っている。肺炎などの呼吸器感染症を多数診ている。またエイズ(HIV感染者)の相談は専門医が随時対応している。発熱外来は常設している。

医療設備

感染症病棟には、一類対応の陰圧室2室2床と二類対応の陰圧室3室6床を有している。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

神経内科

分野

神経内科

特色

脳卒中を専門とする神経内科医として、脳卒中、特に脳梗塞の診断と治療について先端機器を用いて高度先進医療を行っている。薬剤師・管理栄養士と週3回の回診も行っている。脳炎・髄膜炎、ギランバレー症候群、てんかん・けいれんなどの救急神経疾患の診療を行っている。また頭痛診療にも力を注いでおり、片頭痛や薬物乱用頭痛の外来診療、脳脊髄液減少症の入院治療も多い。神経難病や認知症の外来診療も行っている。かかりつけ医との連携もよく、多数の患者さんが紹介されて来院している(原則、主治医はかかりつけ医)。またリハビリテーション専門病院との連携もよく、電話1本で転院先を決めている。救急病院とリハビリテーション専門病院との連携は「熊本方式」として知られている。専門医が短期集中的に十分な力を発揮できるシステムを構築している。

症例数

年間550例前後の入院がある。そのうち300例程度が脳梗塞である。CT・MRI、超音波検査などの機器を駆使して脳梗塞の正確な診断を行い、積極的な治療を行っている。死亡率は3%である。脳神経外科とも緊密な連携をとり、手術成績もよい。紹介患者は院内で一番多く、かかりつけ医のみならず他の公的病院からの紹介も多い。脳梗塞では2〜3週間の入院で半数が自宅退院、半数がリハビリテーション専門病院へ転院し、早期の家庭復帰・社会復帰をめざしている。脳脊髄液減少症に対してはRI脳槽シンチグラフィ検査を用いて精密検査を行い、治療としてはブラッドパッチや生理食塩水の持続注入を麻酔科の協力を得て行っている。外来受診時は紹介状持参が望ましいが、紹介状がなくても同じように診療している。

医療設備

X線CT、MRI・MRA(24時間稼働)、神経超音波検査(頸部と頭部)、脳血管造影、脳血流シンチグラフィ(SPECT)、心エコー(経胸壁、経食道)、脳波、RI脳槽シンチグラフィ。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

乳腺・内分泌外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

乳腺疾患の診断と治療を中心に行っている。単なる乳癌の診断ではなく、悪性度を見極めた診断、そして各個人・個性に応じた手術前・後の治療とフォローが重要と思われる。特に、Ki67による増殖能評価を全例に行い、治療に応用している。手術法は乳房温存手術が約70%に施行されている。また、センチネルリンパ節生検を行い、不要なリンパ節郭清の省略を行っている。

症例数

1年間の乳癌手術例は350例。再発症例は他施設での症例も多く、化学療法や放射線治療などの集学的治療を行っている

★初回手術例のうち、乳房温存手術は約70%に施行し、これまでに1,800例を超えている。5年生存率は92%で、全例での累積10年再発率16%である。乳房内再発は放射線治療や全身療法の改善により、最近の10年間ではそれ以前に比べて明らかに減少している(5年:7%から1.5%)。乳房温存手術後の放射線治療は重要であるが、現在、厚生労働省の班研究として、放射線治療のより必要な症例、逆に不要な症例の見極めに努めている

★腫瘍径3cm以上の症例に対しては、化学療法を行うことで腫瘍の縮小を図り、乳房温存手術を目指した治療を積極的に行っている

★特にその効果発現予測に関する研究を行い、より的確な治療方針の決定に努めている。これは手術後の補助療法にも応用しており、各症例に応じた治療法の検索に努めている。また、新薬開発治験や質の高い臨床試験には積極的に参加し、新しい、より良い治療の提供を旨としている

★再発治療は基本的にはQOL維持・向上を中心に行っているが、症例によっては積極的な治療も行っている。しかし、重要な点は、化学療法施行に際しての副作用の予防や軽減であり、専任の薬剤師、看護スタッフとともにチーム医療として取り組んでいる。

医療設備

MMG、US、高分解能MRI、CT、放射線治療装置。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

放射線科

分野

放射線科

特色

地域基幹病院の一翼として総合画像診断と放射線治療を行っている。院内の各診療科や外部との病診連携を密に、要望に応じて最新の医療機器を駆使した高度先進医療の展開に努めている。癌の総合診療を主体として得られた医療情報から患者さんと共に適切な治療方向を考え、開かれたやさしい医療を行っている。

症例数

08年度の検査件数は一般撮影47,803、消化管造影検査579、CT 15,520、MRI 4,260、超音波2,025、核医学947、血管造影303である。03年4月より16列マルチスライスCTが稼働し、05年4月からは核医学SPECT検査装置が更新され、09年度中にMRIも更新予定で、一層精密な三次元画像診断が可能となっている。血管造影中約100例は動脈塞栓化学療法や抗癌剤動注療法、リザーバー留置、血管拡張術等の治療目的で、緊急時には血栓溶解術や止血のための動脈塞栓術も迅速に施行されている

★放射線治療件数は1日平均38人、年間367人である。乳癌関連が最も多く、次いで頭頸部癌、悪性リンパ腫、肺癌、子宮癌が上位を占めるが、対象はほぼ全域に及び、半数近くが外来通院照射で行われている。放射線治療専門医による治療後の治癒状態や放射線障害のチェックが一貫してなされ、再発や重複癌の発見に結びついている。再発例に対しても積極的に取り組んでいる。

医療設備

一般撮影装置、1.5T MRI2台、診断用CT2台、血管造影装置2台、核医学診断装置(SPECTシンチカメラ)、超音波装置2台、治療専用CT、マルチリーフ装着外照射装置リニアック、腟内照射装置RALS、マンモグラフィ、マンモトーム、ESWL、骨塩定量。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

救急診療部

分野

救急医療

特色

当院は病床数556床の総合病院である。救急医療、周産期医療、生活習慣病医療、がん医療を4つの柱として、新生児から高齢者まで全診療科が総合力を結集して診療を行っている。2000年4月からは救急診療部専従医を置き、救急隊や他の医療機関からの搬入依頼を受け入れている。時間外・休日には全診療科の協力を得て3名の当直医体制で、救急搬送患者や直接受診患者を受け入れている。専従医のいるICU(6床)では重症患者や術後管理患者を24時間受け入れ、各科の協力のもとに重症患者の救命を目指している。しかし、救急患者、手術症例の増加に伴いICUの収容力に限界が生じたため、2002年6月にあらゆる重症度の救急患者に24時間対応できるように「救急センター」(15床)を開設した。救急センターでは、患者の重症度・年齢を問わず緊急入院を受け入れ、重症度に応じて呼吸・循環・代謝管理を総合的に行い、救急患者の救命、早期回復を目指している。また、院内で重症化した患者の転棟も受け入れており、ICUとともに重症患者の受け皿となっている。

症例数

2008年1月~12月の救急外来受診患者数は13,469名、救急搬送患者数は4,149名であった。同時期の心肺停止(CPA)患者の搬送数は84名で、心拍再開して入院となった患者は32名(38%)であった。適応ありと考えられる患者には脳低温療法を行っている。救急外来から入院した患者は2,727名で、救急センターへの入院は1,600名であった。診療科の内訳は内科857名、小児科113名、整形外科182名、脳神経外科191名、外科116名などであった。救急センターでの死亡は48名(約3%)であった。

医療設備

人工呼吸、血液浄化、IABP、体外式心肺補助、脳低温療法など重症患者治療に必要な設備を備えている。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

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