専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

札幌医科大学附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

第4内科(消化器グループ)

分野

消化器・一般内科

特色

当科は当院における腫瘍、血液内科の分野を担っている。外来や入院などにおける診療は、腫瘍(消化管)、腫瘍(肝)、腫瘍(胆膵)、血液と、専門化した4グループによって担当されている。それぞれのグループは、いわゆる標準的な治療法、分子標的薬や新規抗がん剤などはもとより、自主臨床試験としてより先進的な医療を積極的に提供している。

症例数

★消化管グループの入院数は406人(08年度)である。なかでも食道がん(23人)、胃がん(58人)、大腸がん(48人)は症例が多い。食道がんに対しては、化学放射線療法を積極的に施行し、独自の臨床試験(DNF-R)を進めており、良好な結果が得られている。胃がんに対しては、切除不能な症例においてドセタキセルとCDDPとTS-1の3剤を併用した化学療法(DCS療法)を開発し、高い奏効率(87%)と多くの治癒切除例が得られ、注目されている。また、外来化学療法も積極的に行っている。上部下部内視鏡検査は2,626件(08年度)であるが、ダブルバルーン小腸内視鏡やカプセル内視鏡を用いての、小腸腫瘍や出血の検査・治療が多いのが特徴である。早期胃・食道・大腸がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)はもちろんのこと、胃がん、食道がんや難治性の放射線性直腸炎に対するアルゴンプラズマ焼灼治療などでも良好な結果を得ている

★肝グループは、肝腫瘍(08年度入院者数110人)、肝炎(同30人)、肝硬変症や門脈圧亢進症(同25人)の診断と治療を担当している。肝がんの治療では、内科的治療が困難な例に対しても造影超音波下の経皮的ラジオ波凝固療法、腹腔鏡下ラジオ波凝固療法、新たな肝動注化学療法(奏効率76%)、肝動脈亜区域塞栓術などの、より確実に腫瘍制御が得られる方法を積極的に施行している。難治性C型肝炎に対しては、血液濾過法とブースター療法を併用した新たなインターフェロン療法や、部分的脾動脈塞栓術後のインターフェロン療法も行っている。また除鉄療法については15年間にわたり当科独自の鉄制限食事療法を併用して行っており、良好ながん予防効果(年次発がん率0.9%)を得ている。門脈圧亢進症に対しては内視鏡的治療はもちろんのこと、血管造影手技を用いた治療(B-RTO、PTOやPSEなど)を病態にあわせて選択している

★胆膵グループでは、造影エコー、超音波内視鏡、管腔内超音波、胆管鏡、膵管鏡などの特殊検査を加えることで診断能を上げている。最近では超音波内視鏡下に行う穿刺吸引細胞診を行い、病理学的診断のもと治療を行うことを原則としている。がんに対しては、動注化学療法という局所の抗がん剤投与の様々な臨床研究を行っている。また、特殊な治療としてがん性疼痛に対する超音波内視鏡下の腹腔神経叢ブロックも行っている。膵・胆道炎はドレナージ治療が必要になるが、これまで行われてきた経Vater乳頭処置や経皮的処置に加え、超音波内視鏡下にドレナージを行うことで開腹によるドレナージを回避できるようになった。09年の実施件数は10月までで、超音波内視鏡:76件、ERCP:211件、経皮的処置:61件、超音波内視鏡下穿刺細胞診:29件、超音波内視鏡下ドレナージ:3件、超音波内視鏡下腹腔神経叢ブロック:12件である。

医療設備

電子ファイバースコープ(上部消化管、小腸、下部消化管、ERCP、経皮的胆道鏡)、超音波内視鏡、穿刺用超音波内視鏡、超音波・カラードプラ超音波装置、CT、MRI、RI、PET、AGなどの画像診断装置、無菌室1床、末梢血幹細胞採取装置・保存システム、外来化学療法室、全身放射線照射装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第1内科(消化器グループ)

分野

消化器・一般内科

特色

消化管、肝臓、胆・膵、膠原病・アレルギー、血液の各専門外来を設け、当科の担当する疾患は内科疾患の主要な部分を網羅し、HIV感染症にも対応している。道内外の厳選された教育指導病院等での臨床経験豊富な専門医が診療にあたり、特に消化器、がん、免疫疾患は当科の診療の中心である。

症例数

年間の内視鏡検査・治療件数:上部消化管内視鏡1,600件、大腸内視鏡800件。早期胃がんに対する粘膜下層切開剥離術20件、早期大腸がん・ポリープ切除術70件。その他:早期食道がんの内視鏡治療、消化管止血術、胃瘻造設術、小腸カプセル内視鏡、小腸ダブルバルーン内視鏡。一般的な消化器病診療としては食道・胃・大腸がん(早期がんの内視鏡治療、進行がんの化学療法)と炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)を中心に行っている

★肝胆膵疾患に関しては、慢性肝炎や肝硬変を背景に発生する肝細胞がんに対して、ラジオ波焼灼術を年間20~30件、カテーテルを用いた経動脈的治療は年間70~80件に対して治療を行っている。また、肝硬変に合併しやすい食道静脈瘤に対する内視鏡的治療も年間10件前後、胃静脈瘤に対するIVR治療も年間4~5件行っている。胆、膵疾患においては、主に診断を目的とした超音波内視鏡検査を年間100件程度、診断および治療目的の逆行性胆道造影は年間120件程度施行している。特に膵がんにおいては全身化学療法、あるいはワクチン併用全身化学療法を年間20~30件行っている。

医療設備

CT、MRI、PET、内視鏡(上部、下部)、カプセル内視鏡、超音波内視鏡、超音波診断装置などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2外科(呼吸器外科チーム)

分野

呼吸器外科

特色

心臓血管外科と呼吸器外科を専門とする科であり、心臓血管外科領域の知識と手術、術前後管理に関する豊富な経験を有す。肺がん手術では時に肺血管処理に難渋することがあるが、心臓血管外科の知識を基に安全な手術を目指している。また、第3内科(呼吸器内科)、放射線科との密接な連携により、診断治療方針が特定単科の方針に偏りにくいシステムとなっている。手技的には、積極的に胸腔鏡手術を施行(最近3年間では、肺がんの肺大切除術の90%以上)し、胸壁への手術侵襲を軽減している。この際、通常の開胸手術と同様リンパ節郭清を施行している。肺部分切除症例では、独自の適応基準を満たせば胸腔チューブを留置していない。また、症例によっては両側同時手術も施行している。胸郭異常では、特にロート胸に対するナス手術の経験が豊富である。また、北海道の地理的特殊性から、当院スタッフの出張手術(術者、あるいはスーパーバイザー)も行っており、08年では道内7病院で78例であった。

症例数

08年の当院での年間手術数は270例であった。内訳は、原発性肺がん約105例、転移性肺がん約22例。良性腫瘤性肺疾患17例、気胸・肺膿胞性疾患34例、縦隔腫瘍・重症筋無力症22例、胸壁腫瘍5例、ロート胸関連手術27例などである

★原発性肺がんでは、胸腔鏡下手術においても、肺葉切除と縦隔リンパ節郭清を標準術式としている。ただし、腺がんでがんの直径が20mm以下で、かつ胸部CT上すりガラス陰影の比率の多いがん、扁平上皮がんで直径が20mm以下の末梢に存在するがんに関しては、縮小手術(肺切除範囲あるいはリンパ節郭清範囲の縮小)も考慮している。縮小手術のうち、肺区域切除に関しても積極的に胸腔鏡手術を施行しており、これまでに76例を超えた(出張手術を含めると103例)。早期肺がんでは、根治度を落とさずに、極力肺機能を温存している。過去3年間の原発性肺がんに対する肺葉切除例での平均手術時間204分、出血量は248cc、輸血率は2.2%、手術関連死亡率(退院不能で死亡)は1.3%で、在院日数は12日間であった。00年以降の手術症例で、肺がん以外での死亡も含めた全死亡をエンドポイントとした5年生存率は、病理病期IA:88%、IB:78%、IIA:73%、IIB:52%、IIIA:41%、IIIB、IV期症例には5年以上の長期生存例はなかった。体力的に手術に耐えられないと判断された早期肺がん患者に対しては、放射線科で積極的に定位放射線照射療法を施行している

★転移性肺がんでは、肺病巣が予後規定因子である場合で、かつ完全切除が可能であれば、個数に関係なく切除する方針である。転移性肺がんでは手術関連死はなく、平均在院日数は5日間であった。楔状切除術の35%に胸腔チューブを留置しなかった

★縦隔腫瘍では、40mm以下の良性前縦隔腫瘍、重症筋無力症に対する拡大胸腺摘除術に対しても胸腔鏡手術が導入され、再発例はなく、また術後クリーゼの発症もなく良好な結果を得ている

★気胸・肺膿胞性疾患では、高齢者、合併症を持たない症例では、入院同日ないしは翌日手術が可能で、再発例、初回でもCTでブラが確認された症例では可及的に胸腔鏡手術を施行している

★胸郭異常では、特にロート胸に対するナス手術を121例経験しており、関東以北最多の症例数である。術後満足度も90%を超えており、3点固定法を導入後は、バーの変位も1.4%に低下した。

医療設備

64列マルチスライスCT、PET-CT、MRI、DSA、電子内視鏡、超音波内視鏡、各種シンチグラフィ、定位放射線照射装置、低電圧組織凝固切開装置、超音波組織凝固切開装置、ラジオ波組織焼灼装置、マイクロ波組織凝固装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2内科(循環器グループ)

分野

循環器科

特色

1963年(昭和38年)に北海道で最初の循環器疾患専門講座として独立し、以後、「患者様を中心とした、幅広くかつハイレベルの医療の実践」をモットーとして教室員一同が一丸となり診療、研究を重ねてきた。今日では専門分野の循環器疾患領域だけではなく、腎臓疾患、内分泌疾患、糖尿病や脂質異常症などの代謝性疾患をも担当している。これらの疾患は互いに合併することが多く、結果として多臓器疾患を抱える高齢者は年々増加している。当科では一部の病気のみの診療にとどまらず、複数にわたる疾患に対しても極力対応し、全人的な医療を提供していると自負している。また院内の高度救命救急センター、機器診断部門、放射線医学講座とも、当科出身のスタッフを中心として密接に連携しており、協力して診療を行っている。

症例数

上記のように循環器疾患、腎臓疾患、内分泌疾患、糖尿病、脂質異常症などの代謝疾患を中心に総合的な診療を行っている。51床の病棟で年間の入院患者数は800人を超え、平均在院日数は約21日、病床稼働率は95%である。また、1日平均約180人と札幌医大病院内で最も多くの外来患者を診療している

★08年の実績では心臓カテーテル検査は654件、ステント留置を含む経皮的冠動脈形成術は157件、経皮的末梢血管形成術は12件と多くのカテーテルインターベンションを行った。また、経胸壁心エコー2,618件、経食道心エコー197件、血管エコー257件、心臓核医学検査685件、ホルター心電図1,175件など非侵襲的検査も数多く施行している。さらに、新たに導入された64列MDCTによる非侵襲的な冠動脈造影の件数も飛躍的に増加してきている。こういった、外来で施行できる検査の充実は入院日数の短縮に貢献している。また、不整脈に対する根治治療であるカテーテルアブレーションは133件であり、特に難易度が高い心房細動に対するカテーテルアブレーション(肺静脈隔離術)も44件含まれる。さらに、重症心室性不整脈による突然死予防のためのICD(植え込み型除細動器)を21件、除細動機能に加えて左右両室ペーシングにより重症心不全の改善効果も併せもつCRTD(両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器)を13件施行している

★腎臓病に関しては、年間約110例の透析例、特に合併症の多い症例を担当し、糸球体腎炎などによる一次性の腎疾患だけではなく、糖尿病や自己免疫疾患に伴う続発性の各種腎臓疾患の診療にもあたっている。こういった循環器疾患、腎臓疾患の多くは高血圧、糖尿病、脂質異常症などの疾患を基礎に持っている。当科では、心血管疾患、腎疾患、脳血管疾患の一次予防および二次予防のため、外来、入院のいずれにおいても血圧、血糖、コレステロール値の管理を重視している。食事療法、運動療法の指導に加えてガイドラインに沿った治療を中心に、最新の治療薬も用いてこれらを至適レベルに維持することに努めている。殊に糖尿病に関しては日本糖尿病学会認定教育施設であり、院内他科からの診察依頼も多い。周術期で心不全、腎不全などのリスクの高い合併症を有する症例の糖尿病を、合併疾患と併せ治療している。

医療設備

心臓超音波装置(経胸壁、経食道)5台、トレッドミル運動負荷装置、ホルター心電計、64列MDCT、MRI、心筋シンチグラフィ、心臓カテーテル装置2台、透析室6床など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2外科(胸部心臓血管外科グループ)

分野

心臓血管外科

特色

当教室は58年に日本で最初に胸部外科教室として開講した。その後、外科学第2講座と呼称が変わり、09年で設立52年目を迎える。06年には第4代目教授として樋上哲哉が就任し、臨床技量に長けた新生心臓血管外科チームに生まれ変わった。開設以来の50年間に行ってきた心臓血管手術は、心臓手術6,800例、大血管手術1,000例、胸部疾患手術19,000例を超え、現在、当科では心臓弁膜症、冠動脈疾患などの後天性心疾患、大血管・末梢血管・静脈疾患、先天性心疾患、肺・縦隔・胸壁疾患の各専門領域を、公的資格を有する専門医が高度先進医療を含めた充実の専門医療を行っている。特に、我がスタッフ全員が『医療は患者さんのためのみにある』を信条に、質の高い医療の提供と、患者さんとともに生き抜くことを共有の認識とした人間味のあるチーム医療を実践している。3次救命救急センターとして24時間救急体制をとっており、紹介病院からの対応はすべて専門医が行っている。年間300例以上の心臓血管手術を含め、当科での総手術数は年間600例以上に増加している。http://sapmed-geka2.jp

症例数

年間手術概数は、成人心臓手術120例、大動脈手術160例、末梢血管手術40例、先天性心疾患その他の手術40例である

冠動脈外科=98年に内胸動脈採取法(超音波メスによる内胸動脈スケレトナイゼーション法)を開発したことにより、長期開存性に優れた左右の内胸動脈グラフトを中心とした全動脈グラフトによる心拍動下冠動脈バイパス術を安全かつ容易に行うことが可能となった。この新しい概念、新しい手法に基づく心拍動下冠動脈バイパス術の成績は極めて安定しており、99%以上の救命率と良好な長期グラフト開存が実証され、5年以内の狭心症再発率は3%以下と、従来法に比べて格段に良好な遠隔成績を獲得するに至っている

弁膜症外科=僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流)に対する手術では、自己弁温存による僧帽弁形成術をほぼ全例で成功させている。04年に開発した術中逆流評価法(逆行性心保護による心拍動下評価法)は、大動脈を遮断しながら心臓を動かして逆流の残存を確かめる画期的な方法で、この評価法を用いることにより、僧帽弁形成の仕上がりをより完璧にすることができ、現にほとんどの例で残存逆流ゼロを実現するに至っている。大動脈弁狭窄症に対する手術では、超音波破砕装置による弁輪の石灰除去を行い、最適なサイズの人工弁選択を可能にしている。原則として70歳以上では生体弁、他は機械弁を用いている。大動脈弁閉鎖不全症では、大動脈基部再建とともに形成術を行い、良好な成績を得ている

大動脈外科=大動脈瘤治療に対して、人工血管置換術とステントグラフト内挿術ともに道内最多の手術症例数と治療実績をもち、高度な大動脈瘤治療に24時間対応している。胸部大動脈瘤に対して、開胸手術でも独自の確実な脳保護法と吻合法により、術後出血や脳合併症を回避でき、極めて良好な成績が得られるようになった。一方00年より、術前併存疾患を有する高齢者などのハイリスク例において、カテーテルを通してバネ付きの人工血管(ステントグラフト)を大動脈内に留置する血管内治療を開始した。適応を厳密に守ることで、極めて低侵襲で高い治療効果が得られている。腹部大動脈瘤においても、人工血管置換術とステントグラフト内挿術を厳密な適応基準で選択して、最大の治療効果を挙げている。

医療設備

3D心エコー装置、MRI、MDCT、CT、PCPS、IABP、人工心肺装置、自己血回収装置、ABI、サーモグラフィ、超音波メス、超音波破砕装置、超音波血流計、シネ血管造影装置、人工透析装置、血漿交換装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第2内科(腎臓・高血圧グループ)

分野

腎臓内科

特色

札幌医大附属病院第2内科は、内科の中で腎臓・高血圧内科、糖尿病・内分泌内科、循環器内科の3部門を担当している。生活習慣病などにはこの3部門の疾患を合併するケースが多く、当科では、それぞれの専門医がその発症予防から重症に至った症例の治療まで、幅広く診療にあたっている。腎臓疾患では、急性または慢性の糸球体腎炎・ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症・膠原病などに伴う続発性の腎症などの疾患を中心に診療しており、急性血液浄化療法や維持透析の管理も専門的に行っている。

症例数

★ネフローゼ症候群や慢性糸球体腎炎などに対しては積極的に腎生検を行い、腎組織所見に基づいた治療を行っている。また、腎臓病カンファレンスを開催し、診断と治療方針を検討している

★高血圧症については、疫学・病態・治療まで広汎なテーマで研究を行っており、本邦のオピニオンリーダーの役割を担っている。また、原発性アルドステロン症などの内分泌疾患による2次性高血圧の診断、治療経験も豊富である

★糖尿病性腎症については、糖尿病・糖尿病性腎症の発症の予防、食事指導・内服薬・インスリン療法などによる治療により、発症後の病状進行の防止に取り組んでいる

★血液浄化療法については、急性期の治療に必要な持続緩徐式血液透析濾過療法、慢性腎不全の血液透析・腹膜透析の導入、維持透析の管理を専門的に行っている

★血漿交換や各種吸着療法は、各科の専門医師や臨床工学技師などと連携して行っている

★腎移植については、泌尿器科医師と連携して行っている。

医療設備

血液透析6床(入院患者のみ、透析導入後は関連病院を紹介)、血漿交換用装置、CT、MRI、PET、血管造影装置、超音波装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿生殖器がんに対しては腹腔鏡手術に代表される低侵襲手術の他、難治性がんに対する集学的治療(化学療法および外科療法)も積極的に行っている。いずれも豊富な症例数を有し、技術には定評がある。悪性腫瘍以外では副腎疾患、尿路感染、性機能障害、性同一性障害、腎移植などの各疾患について、専門医師を配してハイレベルな治療を提供している。

症例数

08年度の総手術件数は531件。最近数年の主な手術件数(年間)は、根治的膀胱摘除術40例、根治的前立腺摘除術50例、根治的腎摘除術40例、腎部分切除術25例、腎尿管全摘術25例、副腎摘除術20例程度である

★腹腔鏡手術が年々増加する傾向にあり、08年度は年間70例を超えた。従来は副腎摘除術、根治的腎摘除術および腎尿管摘除術を中心として行っていたが、最近では腎部分切除術や根治的前立腺摘除術に適応を広げ、術式はほぼ確立している

★筋層非浸潤性膀胱がん(表在性膀胱がん)に対する治療の基本は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)である。再発例や上皮内がん(CIS)に対しては、BCGや抗がん剤膀胱腔内注入療法を行う。さらに、これらの治療が無効な場合には、がんワクチンによる再発予防療法を臨床試験として行っている

★筋層浸潤性膀胱がんに対しては、根治的膀胱摘除術を標準治療として行う。膀胱全摘術時には、根治性を高めるために拡大リンパ節郭清を行っている。症例により術前化学療法を施行する場合がある。膀胱全摘後の尿路再建術のほとんどは、回腸導管または自排尿型代用膀胱造設術である。術後はWOC看護認定看護師(ウォックナース)を中心とした専門スタッフが、ストーマや代用膀胱の管理方法を親切に指導している。また退院後もストーマ外来での定期ケアを行っている

★転移を有する尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂・尿管がん)に対しては、GC療法(またはMVAC療法)を標準化学療法として行い、無効例にはTIN療法を二次化学療法として施行している。さらに化学療法無効例にはがんワクチン療法の臨床試験を行っており、最近はインターフェロン併用療法を開始した

★前立腺がんに対する根治的前立腺摘除術は、開放手術、腹腔鏡手術ともに術前PSA値、生検病理結果を基に勃起神経温存術の適応を決定している。神経温存例に対しては術後EDリハビリテーションを行い、性機能の回復をフォローしている。なお、外照射(IMRT)や密封小線源療法などの放射線療法は放射線科で行っている。内分泌療法に抵抗性を示すホルモン不応性前立腺がんに対しては、ドセタキセルを用いた化学療法を行っている。外来化学療法が施行できる体制も整っている

★転移性腎細胞がんに対してはインターフェロン-α、IL-2を用いたサイトカイン療法の他、分子標的治療を積極的に行っている。副作用を厳重に管理しながら治療を遂行するよう努め、安全性と治療効果の両立を図っている

精巣腫瘍に対する集学的治療=難治例には二次・三次化学療法に最新レジメンを採用している。後腹膜リンパ節郭清術は根治性を優先して積極的手術を行っているが、適応により神経温存(射精機能温存)の術式をとることもある

★性同一性障害に対する性別適合手術を行う、全国でも数少ない施設の一つである。08年はFTM(女性から男性)4例、MTF(男性から女性)6例であった

★尿路感染症および性感染症に関しては、起因病原体を正確に同定した上で適切な抗菌化学療法を行っている。より短期間での治癒を目指すとともに、耐性菌を出現させないよう努めている

★腹圧性尿失禁、膀胱瘤に対してはTVT、TVM手術を施行し、低侵襲で早期回復な治療を提供している。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、3DCT、PET-CT、カラードプラ超音波、腹腔鏡手術機器など内視鏡設備。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

泌尿器科

分野

腎移植

特色

当施設では長年にわたり悪性腫瘍手術を中心に、年間500例あまりの手術を行っているが、腎移植部門を03年に新たに創設した。以降、基礎研究にも積極的に取り組んでおり、これまで新規免疫抑制剤の開発にかかわる研究を行い、この成果は英文誌に掲載された(Tanaka T et al. Transplant Immunology, 2007)。07年より現体制となり、わが国を代表する腎移植施設である新潟大学泌尿器科、東京女子医科大学腎センター泌尿器科などでトレーニングを受けたスタッフにより、術前評価、手術、術後管理を行っている。状況に応じて新潟大学泌尿器科、および東京女子医科大学腎センタースタッフのサポートも得ており、困難な症例や特殊な症例への対応が可能である

★生体腎移植術におけるドナーについては、併存症、腎機能などを詳細に評価し、健常者であるドナーの腎提供後の生活に支障が生じないよう最大限に努めている。腎摘出は腹腔鏡手術技術認定医による腹腔鏡下手術にて行っている。腎移植後の管理は、腎臓内科医、病理医などと綿密な連携の上で行っている

★また当科は以前より感染症の基礎研究および臨床研究において有数の業績を残しており、移植後管理においてもこのノウハウが生かされている。また、現在のところ移植患者数が限られているため、患者さんの都合に合わせ柔軟に外来受診日を設定し、また1回の診察に十分に時間をかけることが可能であることも当施設の特色と言える

★移植前の検査では、透析施設と綿密に連携し、必要な検査を透析施設に依頼することで、移植前の外来受診の回数をできるだけ少なくするよう配慮している。他の施設にて腎移植を受けられた患者さんの外来管理も行っている。当科医師は24時間体制で当直しており、移植患者さんの緊急時の対応も可能である。当施設自体の症例数はまだ少ないが、関連施設である八雲総合病院、砂川市立病院での腎移植に際して当科のスタッフを派遣しており、当グループ内では最近7年間で計16例の腎移植を行っている。

症例数

07年8月に現体制で1例目を施行、以来09年末までに3例の生体腎移植術を行っている。現在のところ大きな合併症はなく、生着率も100%である。免疫抑制剤はシクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、メチルプレドニゾロン、バシリキシマブの4剤を使用している。シクロスポリンに換えて、タクロリムスの使用も可能である。シクロスポリン、タクロリムスは院内で血中濃度測定が可能であり、当日中に結果が得られ、用量の調節が可能である

★ABO血液型不一致腎移植では、合併症予防のため移植腎に少量の放射線照射を行い、良好な結果が得られている。ABO血液型不適合腎移植についても対応可能であり、脾臓摘出を行わず、リツキシマブを投与するプロトコールが当院審査委員会にて承認済みである。抗体除去療法として、二重濾過血症分離交換および血漿交換を施行できる。拒絶反応治療薬として、塩酸グスペリムス、ムロモナブCD3の使用も可能である。腎移植を受けられる方の入院期間は4~6週間を標準としているが、遠方の患者さんにおいてはより長期の入院でも対応している

★献腎移植はこれまでに行っていないが、献腎移植登録施設となっており、体制は整備されている

★ドナー腎摘出では、腹腔鏡下手術にて良好な状態での腎採取が可能である。これまでの症例では、いずれも問題となるような合併症を認めず、手術の傷が小さく痛みも少ないことから、ドナーは術後1週間で退院、2週間後には多くの方が社会復帰されている。

医療設備

MRI、CT、カラードプラ超音波、血管造影、シンチグラム、血液透析、二重濾過血漿分離交換器、放射線治療施設など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

整形外科

分野

整形外科

特色

札幌医科大学整形外科学教室は、51年(昭和26年)に河邨文一郎教授により開設され、01年に開講50周年を迎えた。各分野でそれぞれの専門スタッフを中心として診療と臨床研究にあたっている。各専門領域におけるより先駆的な治療法と高いレベルの医療提供を目指すとともに、他診療科との連携による複合的治療を行うことで治療成績の向上に努めている。

症例数

08年の外来患者数は1日平均125人、入院ベッド数は50~60床、手術総数は約700例である

脊椎・脊髄=椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊髄症を中心とした脊椎変性疾患をはじめ、脊椎・脊髄腫瘍、感染症、側彎症など、一般病院では治療が困難な疾患の治療を行っている。また、顕微鏡や内視鏡を応用した低侵襲脊椎手術を積極的に導入している。年間手術件数は180例

手・肘関節=手・手関節・肘関節の変性疾患や外傷性疾患、末梢神経損障害や腱・靭帯の陳旧性損傷から上肢先天異常疾患を含んだ幅広い疾患を対象に診療を行っている。特に手関節・肘関節疾患に対しては、関節鏡を用いた低侵襲手術を積極的に行っている。年間手術件数は160例

肩関節=肩関節脱臼や肩腱板断裂に対して関節鏡視下手術を中心に行っている。肩関節鏡視下手術件数は年間60例

股関節=人工関節置換術や骨切り手術が多く、その中でも人工関節置換症例では感染やゆるみなどの難治症例の紹介が多いこと、骨切り手術では臼蓋回転骨切術(RAO)が多いことが特徴である。最近では、股関節鏡を用いた手術も積極的に行っている。年間手術件数は120例

膝関節・足=変性疾患を対象とした人工関節置換術や、矯正骨切り手術とスポーツ外傷を対象とした靭帯再建手術を中心に行っている。特徴として、人工関節置換手術でナビゲーションシステムを用いた方法を取り入れ、前十字靭帯再建手術では最新の術式を用いて積極的に治療にあたっている。年間手術件数は130例

骨軟部腫瘍=良性・悪性を含め、幅広い骨軟部腫瘍疾患を対象として治療を行っている。特に、悪性骨軟部腫瘍の手術治療においては、北海道における基幹病院となっており、多くの紹介症例を有する。また、札幌医科大学で独自に開発した骨肉腫・滑膜肉腫に対する免疫ワクチン療法の臨床応用が開始され、全国的に注目を集めている。年間手術件数は140例

骨折・その他=年間手術件数は約30例。特徴的な外来として慢性疼痛外来とスポーツ外来を開設している。慢性疼痛外来では難治性の疼痛患者を対象にリハビリテーション科、精神神経科、麻酔科と連携し、学際的な難治性疼痛疾患の治療に取り組んでいる。スポーツ外来では脊椎・肩・膝のスポーツ外傷を中心に、整形外科専門医と理学療法士による総合外来を行っており、JOC(日本オリンピック委員会)と連携するなどして、トップアスリートを対象とした現場に密着したスポーツ診療を目指している。

医療設備

CT、3DCT、MRI、骨シンチグラフィ、筋電図、骨塩定量装置(DXA)、超音波エコー、リハビリテーション施設など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

札幌医科大学附属病院リハビリテーション科は、新生児から高齢者まで、また、手足の運動機能、脳、心臓、呼吸器、種々のがん、そして加齢に伴う心身の変化など医療のほぼすべての領域にわたって、各診療科と連携して診療にあたっている。臓器の治療だけでは必ずしも良くならない症状について、リハビリテーションの専門知識と技術を駆使して、生活機能と生活の質を高めるべく治療を行う。常勤医師はすべてリハビリテーション科専門医であり、また、当大学保健医療学部から理学療法・作業療法学科の教員の診療参加も得て、高い専門性を持つ計画的なリハビリテーションを行っている。

症例数

対象は、低出生体重児など新生児、発達遅滞、脳性麻痺、脊髄損傷を含む脊椎脊髄疾患、関節リウマチなど骨関節疾患、切断、脳卒中、脳腫瘍、外傷性脳損傷、神経筋疾患、呼吸器・循環器疾患、種々の疾患の手術前後、安静臥床に伴う廃用症候群、慢性疼痛、リンパ浮腫、高次脳機能障害、スポーツ外傷などを扱う

★08年度に新患としてリハビリテーションを実施した患者数の概数は、脳卒中・脳外傷等の脳疾患1,550人、脊髄損傷とその他脊椎脊髄疾患450人、リウマチ等骨関節疾患350人、神経筋疾患300人等、脳性麻痺等小児疾患80人であった

★理学療法では上記対象の全般に対応するが、新生児から小児、肺気腫など呼吸器疾患、スポーツ外傷については、他科専門外来-リハビリテーション科-保健医療学部理学療法学科の連携によって外来フォローも含めて専門グループで対応している

★作業療法では、整形外科と連携したハンドセラピーをはじめとする上肢機能のリハビリテーションを得意としている。仮装具の作製から手指の可動域訓練を経て日常生活動作の回復、復職に至るまでしばしば長期間を要する手のリハビリテーションの全過程を担う。この他、認知リハビリテーションにも専門の作業療法士が対応する

★高次脳機能障害は教授の専門領域であり、作業療法士、言語聴覚士、保健医療学部教員と協力して、多岐にわたる症状の評価とリハビリテーションを実施している。脳卒中に伴う、失語、失行、失認、半側空間無視、外傷性脳損傷による注意障害、記憶障害、遂行機能障害などに対して急性期から在宅/復職に至るまで、入院・外来を問わず「継続は力なり」という姿勢で対応している

★慢性疼痛については、整形外科、麻酔科と協力して、当科入院を含めた診断・治療を行っている。ブロックや薬物療法に限らず、理学療法や作業療法などを併せて行う集学的治療を取り入れ、生活機能を高める方向を目指す

★痙縮は、脳性麻痺や脳卒中片麻痺で筋緊張が異常に高まってうまく動かせない症状である。これに対しては、短期間の入院を含めて、ブロック療法、装具療法を行うが、その際に3次元動作分析による客観的評価を含めて、科学的根拠に基づいた診療を行っている

★嚥下ならびに摂食機能については、当科医師が病院内の栄養サポートチーム(NST)のメンバーとなり力を入れている。言語聴覚士と協力して、嚥下造影を含めた嚥下障害の評価を行い、経口摂食を目指した嚥下訓練を実施する

★義肢装具療法は、北海道工業大学教員と連携して、新しい技術を積極的に取り入れ、症状に最も適した義足・装具の作製を行う。また、シーティングクリニック(車いす外来)を北海道立心身障害者総合相談所の協力の下で実施しており、脳性麻痺、脳卒中、脊髄損傷、神経筋疾患等に対するシーティング、車いす処方を行っている

★リハビリテーション入院は当院急性期患者様が主に対象となるが、概ね3~4週間の再強化入院や1週間未満のブロック療法、高次脳機能評価等の入院も受け入れている。在宅までに長期間を有する見通しの場合には、当科の協力病院回復期病棟等へ紹介する。

医療設備

MRI、CT、PET、SPECT、3次元動作分析装置、床反力計、筋力測定器(サイベックス)、重心動揺計、筋電図・誘発電位計測装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

形成外科

分野

形成外科

特色

体表先天異常、特に小耳症の治療では全国的に有名で、日本中から多数の患者が受診している。口唇裂・口蓋裂のチーム医療にも力を入れている。札幌医大ホームページ内の形成外科の項から、小耳症、口唇口蓋裂の同施設の治療方法についてのホームページを閲覧でき、メールによる相談にも対応する。高度救命救急センターと連携し、熱傷(やけど)の治療(ロシアからコンスタンチン君やニキータ君の治療を受け入れたことで知られる)や外傷、またそれらの後遺症の治療で多くの経験を持つ。多種のレーザーによりアザの治療も行う。マイクロサージャリーの手術も多く、頭頸部がんの再建、乳房再建も多数行う。専門外来として、国内でもまだ少ないまぶたの外来(月曜)を開設している。

症例数

年間手術件数は入院手術約450件。外来手術約200件。専有ベッド20床

★小耳症は、小学5、6年生頃に肋軟骨移植術と耳介挙上術の2回の手術で行う。年間手術件数は90~100件(肋軟骨移植術が40~50件。うち道外患者が7割)。体の負担の少ない肋軟骨採取法を開発し、また立体形態が綺麗にできる独自の肋軟骨の組立方法で正常に近い形態を得ることが可能。その他の耳介先天異常を含め、年間約130件

★生まれつきの耳の変形に対しては、熱可塑性樹脂を用いた装具を開発し、手術せずに外来で装具矯正による治療を積極的に行う

★口唇裂、口蓋裂の手術は年間20~30件。チーム医療として、同病院歯科口腔外科、耳鼻咽喉科、小児科、リハビリテーション科(言語聴覚士)と連携して集学的治療を行っており、同日(毎水曜日)に効率的に複数科の診察を受けるシステムを取っている。手術時期は口唇裂は生後3~6カ月に、口蓋裂は生後1歳3カ月~6カ月頃。成長に伴って生じた口唇や鼻の変形に対する修正術にも力を入れる

★手足の先天異常としては、多指症、合指症などの様々な疾患があり、傷跡が目立たず、綺麗な形態と機能が獲得できる手術法により治療をしている

★乳房再建は、外科と連携し、状況に応じて、乳がん切除時に同時に乳房形成を行う即時再建と、後日行う二期的再建両方に対応している。主に自分の体の組織を利用した再建を行い、背中の脂肪を利用した方法(広背筋皮弁)、またはお腹の脂肪を利用した方法(腹直筋皮弁)により治療する

★熱傷、交通事故などによる外傷、顔の骨折、またそれらの後遺症(変形や醜状、機能障害など)に対する手術を年間100件程度行っている

★眼瞼下垂や、まぶたの腫瘍、顔面神経麻痺による閉瞼障害などのまぶたの疾患に対しては、09年10月よりまぶたの外来を開設しており、患者数が急増している

★皮膚の良性・悪性腫瘍に対しては、顔面の大きな腫瘍に対しても、機能的整容的に優れた数多くの術式を開発しており、口唇や鼻など目立つ部位の腫瘍に対し、質の高い再建術を行っている

★頭頸部の再建は年間80件程度で、これは主にマイクロサージャリーによる血管吻合による組織移植術である

★アザの治療は効果に応じ、レーザー治療や手術を行っている。幼少児に対する全身麻酔によるレーザー治療にも対応する

★美容外科は行っていないが、美容外科による治療後の各種合併症に対しては治療を行う。手術の執刀は、各疾患に対する専門医が担当し、あらかじめ患者の同意を得て行う。

医療設備

アレキサンドライトレーザー、色素レーザー、超音波検査、MRI、ヘリカルCT。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

当院は大学病院であると同時に、地域の中核病院として機能しており、北海道各地から紹介患者を受け入れている。産婦人科は婦人科病棟49床と内分泌・産科周産期科病棟32床からなり、婦人科では主に婦人科良性・悪性腫瘍および子宮脱などの婦人科疾患を診療し、産科周産期科では周産期医療および不妊治療とそれに関わる子宮内膜症などの良性婦人科疾患を担当している。婦人科では従前から腟式手術に力を入れ、国内のみならず世界的にも知られている。開腹せずに子宮を摘出する腟式子宮全摘出術ではこれまで約12,000例の手術実績がある。悪性腫瘍の手術では、早期子宮頸部がんに対して腟式に開腹せずに、がんを含めて子宮の周囲組織を摘出する腟式準広汎性子宮全摘出術を行い、良好な成績を収めている。さらにこれまで腟式手術の適応から除外され、開腹で行っていた症例に対して、腹腔鏡で補助することにより腟式手術が可能になった。

症例数

年間総手術は婦人科と産科を合わせて700件。腹腔鏡手術は、子宮筋腫や子宮内膜症の良性婦人科疾患を中心に増加傾向にあり、年間200件が腹腔鏡下に行われている

婦人科腫瘍=年間の婦人科がんの手術件数は160例。子宮頸がん手術は80例で、上皮内がんとIa期がんの円錐切除術および単純子宮全摘術が合わせて35例で、広汎子宮全摘出術は45例行っている。92年以降に治療された患者さんの5年生存率は、FOGO分類によるI期91.5%、II期77.2%、III期47.2%、IV期17.5%となっている。子宮体がん手術は50例で、基本術式としては準広汎子宮全摘出術+両側付属器(卵巣)摘出+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清を行っているが、術前画像診断でリンパ転移のリスクが少ない症例に対してはリンパ郭清の範囲を縮小し、リンパ浮腫などの術後合併症の防止に努めている。子宮体がんの5年生存率はFOGO分類によるI期96.0%、II期94.7%、III期70.4%、IV期15.4%となっている。卵巣がん手術は45例で基本術式としては単純子宮全摘出術+両側付属器(卵巣)摘出+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清を行っているが、進行症例に対しては術前化学療法を施行した後、根治手術を行う場合もある。卵巣がんの5年生存率はFOGO分類によるI期93.0%、II期66.3%、III期37.8%、IV期10.0%となっている

★産科は大学病院の性格上、対象症例は妊娠中毒症など産科特有の合併症の他、あらゆる合併症妊婦の管理・分娩を担当している。分娩数は年間300件で、そのうち約100件が他院からの搬送入院である。また、極早期の切迫早産、前期破水症例の管理、多胎妊娠管理の他、産科救急(前置胎盤による出血・常位胎盤早期剥離によるDICなど)の搬送に対応している。新生児部門は、NICUが6床であるが、同9床の道立小児保健センターとの密接な連携のもとに、多数の未熟児新生児の管理を行っている。また新生児外科手術の必要な症例に関しても、小児センターとの連携で対応している

不妊症=現在の産科・周産期科は総合リプロダクション科としての性格を強め、当科では、一般的な不妊治療で妊娠が困難な場合に生殖補助医療ART(artificial reproductive technology)を実施している。一般的な体外受精の他、乏精子症に対して顕微授精(精巣内精子を使ったTESE-ICSIを含む)、split(通常の媒精による体外受精と顕微授精の併用)、胚凍結などを実施している。当科の特徴は、比較的年齢の高い不妊婦人が多い点で、また合併症を持っている方の割合も一般病院よりも多く、糖尿病、甲状腺疾患、循環器疾患、膠原病などの内科疾患を持った方の紹介も多くなっている。これは、妊娠後すぐに産科や他科との連携が必要な場合も多いからである。また、各種悪性疾患治療後の妊娠希望の方も多く受診されている。また当科の特徴として、不育症治療も同じ外来で対応しており、不育症から不妊症へシフトしてしまった症例の対応も可能である。また、性同一性障害専門外来を開設し、同疾患に対しても積極的に取り組んでいる。

医療設備

パワードプラ、3DCTスキャン、PET-CT、IMRT放射線照射装置、RALS。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

小児科

分野

小児医療

特色

札幌市のほぼ中心に位置する中核病院として、出生直後から思春期完了の18歳までの、小児のほとんどすべての病気を診療する。また、北海道唯一の小児病院である北海道立子ども総合医療・療育センター(愛称:コドモックル)を関連病院として有しており、親密な協調体制を築いて全道の子ども達の診療に当たっている。また、北海道では初めての試みであるが、07年4月より当院の神経精神科と連携して「児童思春期こころと発達外来」を立ち上げ、18歳未満の小児を対象として、児童精神の疾患に幅広く対応している。

症例数

公称病床数は小児科病棟41床。産科周産期科にはNICU 6床を含めた新生児未熟児病棟12床がある。ここ数年の入院患者数は、年間小児科病棟550人前後であり、その半数を血液・腫瘍性疾患が占めている。09年の外来患者数は1日平均約50人である

ウイルス感染症、免疫、膠原病=堤教授、要藤講師、辰巳助教を中心に入院・外来を問わず、抗原検査、PCR検査、血清学的検査等で病原診断に努めている。RSウイルス、パルボウイルスB19、ロタウイルス、ノロウイルスの診断治療、臨床研究に実績がある。また、若年性特発性関節炎などの小児リウマチ性疾患に、生物製剤を積極的に使用し成果を挙げている

血液・腫瘍疾患=鈴木准教授、畠山講師、山本助教、五十嵐診療医が担当。白血病の診断・治療はもとより、脳腫瘍、骨軟部腫瘍など固形腫瘍の治療を活発に行っている。年間10例以上の血液幹細胞移植を行っており、現在までの移植数は約150症例に及ぶ。GVHD(移植片対宿主病)の基礎・臨床研究は国際的な評価を得ている

内分泌代謝=鎌崎助教、竹内診療医が担当。糖尿病、低身長、甲状腺疾患をはじめ、各種内分泌疾患の治療を行っている。先天代謝異常症の診断治療は、長尾非常勤講師と共同で行っている。また、酵素補充療法を2例に行っている。最近はリハビリテーション部、栄養課とチームを組んで、小児生活習慣病外来を立ち上げている。糖尿病のサマーキャンプにも参加している

循環器=畠山助教、堀田助教が担当。先天性心疾患の診断、内科的治療、管理が主体で、川崎病は主に難治例を扱う。先天性心疾患の手術例については、コドモックルと連携している。札幌市の学校児童生徒心臓病健診の紹介病院である

神経・筋疾患=大屋講師と二階堂助教が担当。24時間脳波計を駆使したてんかんの診断治療に実績がある。さらに筋疾患についても遺伝子診断の実績がある

児童精神=須見診療医、国重診療医が発達障害、摂食障害、不登校などの児童思春期のこころの疾患に幅広く対応している

予防接種=要藤講師を中心に、健常小児だけでなく、基礎疾患を有する小児を対象に、各種予防接種に対応している

新生児未熟児=小林助教を中心に未熟児、病的新生児の診断、治療を行っている。札幌市の周産期救急医療システムの3次医療機関である。

医療設備

中央部門にMRI、SPECTをはじめ、あるゆる検査機器が揃っているが、小児科病棟にもビデオカメラ付き24時間脳波計と心エコー機器が常備されている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

眼科

分野

眼科

特色

北海道の基幹病院としてあらゆる眼疾患に対し、それぞれの専門スタッフが対応できる診療体制にある。北海道特有の広い医療圏をカバーするために、関連病院も多く緊密な連携のもとにスタッフが出向して最先端の医療を地域に提供している。また、全身管理の必要な眼疾患では、大学病院の特徴を生かし、他科との連携も密に行われている。

症例数

08年度の外来患者数は33,501人、入院患者数は12,251人であり、手術件数は1,300件を超える

★神経眼科外来では、多発性硬化症による脱髄性視神経炎や、高齢者に多い虚血性視神経症などの各種視神経疾患の他、脳神経麻痺による眼球運動障害、バセドウ病や橋本病にみられる内分泌異常に伴う甲状腺眼症など、脳神経および眼窩部疾患を幅広く取り扱っている。専門外来のある月曜の午後は、CT、MRIによる画像検査が眼科の枠として組まれており、CT、MRI共に眼科の患者数はそれぞれ年間延べ300件近くにのぼる。撮影時には神経眼科専門医が放射線スタッフと共に画像診断を行い、撮影後その場で患者さんに画像説明を行っている。また、中枢性神経疾患においては、脳神経外科、神経内科との密接な連携のうえ診療にあたっている

★弱視斜視専門外来は、医師と5人の視機能訓練士が連携して小児の弱視に対する屈折矯正、遮蔽治療を行っている。斜視手術件数は北海道の眼科で最も多く、小児、大人問わず多数の斜視手術を行っている。また、内反症や眼瞼下垂などの外眼部手術も積極的に行っている

★緑内障外来は、大黒教授をチーフとし、6人の専門医師が診療にあたっている。緑内障の病型、進行度に応じて線維柱帯切除術、非穿孔線維柱帯切開術、線維柱帯切開術、ビスコカナロストミー、隅角癒着解離術といった、多種にわたる緑内障手術を幅広く行っている。また、セプラフイルムを用いた難治性緑内障への応用など、新しい術式の検討も行われている

★角膜外来では、角膜ヘルペスやアカントアメーバ角膜炎などの感染症をはじめ、多彩な角結膜疾患を取り扱っている。また、当院は北海道アイバンクの拠点として、積極的に角膜移植手術を行っており、安定した術後成績を残している

★ロービジョン外来は、網膜疾患、視神経疾患などの重度視覚障害患者を対象とした外来で、より快適な日常生活を送れるように工夫された拡大鏡やルーペなどの使用を積極的に指導している

★網膜硝子体外来では、網膜硝子体、ぶどう膜疾患全般に対応している。検査機器ではフーリエドメイン光干渉断層計、眼底血流画像解析装置(レーザースペックル)など最新機器が導入されており、より精度の高い臨床診断に心がけている。また、手術に関しては小切開硝子体手術(25ゲージ)をほぼ全例行っており、以前よりも低侵襲な手術を施行している。硝子体手術件数は年間250~300件行っており、網膜剥離(網膜復位術)、加齢黄斑変性症に対する抗血管内皮凝固因子(VEGF)抗体硝子体腔注射や光線力学療法(PDT)など最新の治療法も積極的に行っている

★白内障手術は年間約700件で、その大部分は小切開超音波白内障手術で、ほぼ全例に眼内レンズが挿入されており、安定した術後成績を得ている。また、アトピー性皮膚炎やぶどう膜炎併発の難易度の高い白内障に対しても、術前後の徹底した管理体制の下で対応し、良好な成績を得ている。

医療設備

光干渉断層計、眼底血流画像解析装置(レーザースペックル装置)、角膜内皮細胞顕微鏡、超音波生体顕微鏡、ヤグレーザー、各種レーザー光凝固装置、各種自動視野計、多局所網膜電位図、視覚誘発電位図、経角膜電気刺激装置、3テスラ高解像度MRI装置、ヘリカルCTなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 

特色

北海道の地域性もあり、耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般の診療を行っている。耳科領域では人工内耳埋め込み手術や各種聴力改善手術から急性中耳炎、滲出性中耳炎まで幅広く診療している。鼻副鼻腔疾患ではアレルギー性鼻炎に対する診断、治療、研究に重点を置いている。また副鼻腔炎等に対する内視鏡下鼻内手術を行っている。咽頭疾患では反復性扁桃炎、病巣性扁桃炎に対する扁桃摘出術を積極的に行っている。唾液腺疾患では、IgG4関連疾患として注目されているミクリッツ病の診断に重点を置いている。頭頸部がんでは、進行がんに対して微小血管吻合を要する遊離皮弁移植を用いた再建手術を行う一方、喉頭温存を考慮し化学療法併用放射線治療も行っている。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設。

症例数

年間手術件数は約500例

★中耳手術では慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対して鼓室形成手術を行っている。鼓室形成手術年間約40例。また耳硬化症に対するアブミ骨手術年間10例前後。人工内耳埋め込み手術は早期から積極的に行っており、3歳以下の先天性難聴に対しても効果をあげている。また言語聴覚士と連携して術後のリハビリテーションまで一貫した治療を行っている。人工内耳埋め込み術年間約20例

★突発性難聴は高度難聴症例では入院にて治療を行っており、ステロイド、ビタミン剤、プロスタグランジン製剤などの薬物療法の他に、症例に応じて高圧酸素療法や星状神経節ブロックなども併用している

★顔面神経麻痺はステロイド、抗ウイルス薬などによる保存的治療の他に、予後不良と考えられる症例に対しては顔面神経減圧術も行っている

★アレルギー性鼻炎に対しては専門外来を開設しており、薬物治療の他、外来にて日帰りの炭酸ガスレーザー治療を行っている

★鼻副鼻腔手術では鼻ポリープ、副鼻腔炎、副鼻腔嚢胞の多くは鼻内内視鏡手術により治療を行っている。また症例に応じてナビゲーションシステムを使用し、より安全な手術を目指している。再発が多いとされる内翻性乳頭腫においても、積極的に鼻内内視鏡手術を行い再発率の低下に努めている。鼻内内視鏡手術年間約50例

★咽頭手術では反復性扁桃炎の他、掌跡膿胞症やIgA腎症などの病巣性扁桃炎に対する扁桃摘出術を、皮膚科や循環器内科と連携しながら積極的に行っている。扁桃摘出術年間約50例。小児のいびき、無呼吸に対するアデノイド切除、扁桃摘出術も行っている

★睡眠時無呼吸症候群に対しては、終夜睡眠ポリグラフ検査などの諸検査にて診断をしたのち、患者様の病状に応じて生活習慣の改善からCPAP治療や外科手術まで、総合的に治療を行っている

★咽喉頭逆流症に対しては詳細な問診、内視鏡検査などで診断し、プロトンポンプ阻害剤による薬物療法を行っている

★胸部外科手術後などが原因となる反回神経麻痺による声がれに対しては、音声改善手術として甲状軟骨形成術を行っている。言語療法士による術前の音声評価や術後のリハビリテーションも併せて行っている

★唾液腺疾患では、耳下腺腫瘍の手術においては顔面神経の温存に留意しつつ、腫瘍の根治性とのバランスを考え切除範囲を決定している。また、IgG4関連疾患として最近注目されているミクリッツ病の診断と研究を内科と連携して行っている

★頭頸部がん治療では、早期がんでは放射線治療を中心とした治療を、進行がんでは手術を中心とした治療を行っている。特に進行がんでは、形成外科や外科と共同で遊離前腕皮弁や腹直筋皮弁、遊離空腸などの自家組織移植を要する再建手術を行っている。手術の術式に関しては、がんの根治切除のみでなく術後の発声、構音、嚥下などの機能温存を念頭に置いて決定している。また進行がんでも喉頭温存を希望される患者様に対しては、化学療法併用放射線治療も行っている。5年生存率は中咽頭がん64.8%、下咽頭がん60.2%。

医療設備

MRI、CT、PET、超音波、耳科用顕微鏡、各種内視鏡、各種聴力検査機器、平衡機能検査機器、高圧酸素療法室、電気味覚計、嗅覚検査、終夜睡眠ポリグラフ検査、炭酸ガスレーザー、ESSナビゲーションシステム、マイクロデブリッダー、バイポーラーシザーズ。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

口腔がん、顎変形症、口唇口蓋裂、顎顔面外傷、顎顔面領域の炎症・嚢胞性疾患、顎関節疾患、唾液腺疾患、歯・歯周組織疾患など多岐にわたる疾患を対象としている。また、ドライマウス、味覚障害、口臭症、口腔粘膜疾患などの口腔内科疾患の治療にも取り組んでいる。隣接関連診療科と密接に連携を図り、高度で先端的な口腔外科医療を提供することを目標としている。また、近隣診療所・病院との医療連携にも積極的に応需している。

症例数

08年の新患者数は2,793人、手術日は月・木曜日の週2日。手術件数は529件、入院数は677人。外来日帰り手術は、月~木午後に埋伏智歯(親知らず)の抜歯やインプラント手術などを多数行っている。外来では当院入院中の患者や、全身管理が必要な患者を対象にした歯科治療も行っている

口腔がん=40人(08年の初診)で、入院手術件数は65件。咀嚼、嚥下、言語などの口腔機能と形態を考慮した器官温存治療に取り組んでいる。進行・再発口腔がんは、拡大切除後の後遺障害が問題となることが多かったが、最近では形成外科との合同手術による即時再建が主流となり、術後の形態と機能回復も図られるようになっている。また、超選択的動注化学療法と放射線治療との併用により、極めて高い治療効果が得られるようになり、手術を回避しての根治も可能となっている。全体の5年累積生存率は86.0%で、Stage別ではStageI:100%、II:91.6%、III:100%、IV:59.4%である。さらに根治不能な進行・再発口腔がん患者に対しては、サバイビン2Bペプチドワクチンによる免疫療法の臨床試験を行っている

顎変形症=57人(同年初診)で、入院手術件数は55件。顎矯正手術前後の矯正歯科治療を含めた一連の咬合管理を、近隣矯正歯科医との病診連携により行っている。下顎運動解析診断総合コンピューターシステムを導入し、下顎運動や筋電図を多角的に計測、解析して診断ならびに術式選択に用いている。最近では、上・下顎骨の同時骨切り術や骨延長術の割合が増加している。さらに口唇口蓋裂やヘミフェイシャル・マイクロソミアなどの難症例にも取り組んでいる。術後は顎間固定期間の短縮を図り、早期の社会復帰が可能となっている

口唇口蓋裂=11人(同年初診)で、入院手術件数は5件。形成外科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、小児科とのチーム医療が行われ、毎週水曜午前に連携して診療にあたっている。当科では主にHotz哺乳床の作製、口蓋形成術や顎裂部骨移植術などの外科治療や矯正歯科治療による咬合管理を行っている

インプラント義歯=26人(同年初診)で、入院手術件数は18件。顎骨の過度の吸収や顎顔面外傷による歯の欠損、頭頸部腫瘍手術後の顎骨欠損例では、従来の床義歯(入れ歯)による咬合・咀嚼機能の回復は困難であり、インプラント義歯による先進医療を実施している。近隣歯科医院からのインプラント体埋入や埋入のための歯槽骨増生、骨移植の手術依頼も受け入れている

顎顔面外傷=112人(同年初診)で、うち入院手術件数は52件。当院高度救命救急センターあるいは近隣医療機関から急患を受け入れている。上・下顎骨骨折などに対して積極的に手術を行い、早期の機能回復、社会復帰が可能となっている。また、顔面多発骨折や下顎関節突起骨折など、難易度の高い手術も行っている

★その他、骨粗鬆症やがんの多発性骨転移などに使用されるビスフォスフォネート製剤の投与および心臓血管外科手術、造血幹細胞移植、抗がん剤投与あるいはステロイド薬投与を必要とする免疫抑制性疾患に対する口腔ケア、顎変形症や口唇口蓋裂患者などの難症例を中心とした矯正歯科治療も行っている。

医療設備

CT、MRI、PET-CT、超音波エコー、半導体レーザー、口臭測定検査、咬合力測定検査、下顎運動解析診断総合コンピューターシステム、インプラントシステム。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

当科は、乳児から高齢者にわたる幅広い年齢層における様々な皮膚疾患を扱うと同時に、大学病院の使命でもある先進的かつ高度な医療を積極的に行っている。診療には患者とのコミュニケーションを大切にし、患者満足度の高い診療を心がけている。当科は難治性皮膚疾患の治療経験が豊富で、多数の外来および入院患者を診療している。高齢化社会を迎えて皮膚がんの増加が著しいが、当科は皮膚がんの中でも特に悪性黒色腫(メラノーマ)の先進的な診断と治療に力を注いでいる。豊富な皮膚がん診療の経験を有し、可能な限り先進的な外科的治療を行うが、年齢や病状に応じて化学療法、集学的治療、個別化治療を行い、道民のニーズに応えている。

症例数

1日の平均外来患者数約120人、1日の入院患者数25~30人、年間手術件数約350例、このうち皮膚がんは約110例である。木曜日が手術日で外来手術が半数、入院手術が半数である。外来では特別の専門外来を設けることなく、真菌症から膠原病まで幅広い皮膚疾患を扱っている。発疹と病歴から診断がつかない場合には積極的に皮膚生検を行い、病理組織学的に診断している。また、外来抗原によるアレルギーが疑われる患者にはスクラッチテスト、パッチテストを行い原因検索に努めている。外来には、中波長と長波長の全身紫外線照射装置があり慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、尋常性白斑、皮膚リンパ腫の治療に役立てている

レーザー治療=生まれつきの「アザ」の治療に対して、最新鋭のレーザー機器を駆使して数多くの赤アザ(血管腫)、青アザ(太田母斑、異所性蒙古斑、伊藤母斑)、茶アザ(扁平母斑)を、年間100例以上精力的に治療している

薬剤アレルギー・重症薬疹=薬剤アレルギーの患者に対し、パッチテスト、スクラッチテスト、内服テストを行い、使用可能な薬剤を決定している。スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群などの重症型薬疹に対し、ステロイドパルス療法、血漿交換療法を行い、良好な治療成績を得ている

重症アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、乾癬=外用療法、PUVA、ナローバンドUVB療法、内服療法を組み合わせて治療し、全症例改善ないし寛解させている

自己免疫性水疱症=天疱瘡および水疱性類天疱瘡の患者に対して免疫抑制剤、ステロイドパルス療法、血漿交換療法を行い、良好な治療成績を得ている

帯状疱疹=重症型を直ちに診断し、早期に抗ウイルス薬療法を開始し、帯状疱疹後神経痛の残らないよう、早期にペインクリニックに受診してもらっている

褥瘡、下腿潰瘍、糖尿病性潰瘍=血管炎の有無、血流評価、感染治療を行った上で、βFGFを用いた潰瘍治療を行っている

色素性病変=受診患者の多い色素性病変に対しては、ダーモスコピーによる正確な診断を心がけている

皮膚がん=悪性黒色腫には先進医療であるセンチネルリンパ節生検を行い、選択的なリンパ節郭清を行っている。進行期の悪性黒色腫、有棘細胞がん、乳房外パジェット病、血管肉腫に対し標準的な化学療法、放射線療法、肝動注療法など集学的治療を行っている。新しい治療法も積極的に取り入れ、自主臨床研究として悪性黒色腫に対するナノ粒子を用いた化学温熱免疫療法、イミキモドクリームによる皮膚がんの治療も行っている

皮膚リンパ腫=菌状息肉症に対しては、病期に応じて光線療法、インターフェロン療法、化学療法を選択して治療している。

医療設備

サーモグラフィー、UVAおよび選択的UVB全身照射装置、小型紫外線照射装置、Qスイッチ・ルビーレーザー、Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー、色素レーザー、ジェントルレーザー、炭酸ガスレーザー、ダーモスコピーなどを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第4内科(血液内科グループ)

分野

血液内科

特色

当科は当院における腫瘍、血液内科の分野を担っている。外来や入院などにおける診療は、腫瘍(消化管)、腫瘍(肝)、腫瘍(胆膵)、血液と、専門化した4グループによって担当されている。それぞれのグループは、いわゆる標準的な治療法、分子標的薬や新規抗がん剤などはもとより、自主臨床試験としてより先進的な医療を積極的に提供している。

症例数

白血病を含む血液疾患の入院患者数は常に20人を超えており、年間延べ入院患者数は160人ほどである。この他、化学療法室と連携し外来化学療法を施行しており、月間外来化学療法延べ患者数は20数人ほどである。その内訳は、急性白血病24%、慢性骨髄性白血病4%、悪性リンパ腫44%、多発性骨髄腫8%、骨髄異形成症候群8%、再生不良性貧血4%、その他、骨髄増殖性疾患および特発性血小板減少性紫斑病などである

★急性白血病は、日本成人白血病研究グループ(JALSG)に基づいた化学療法を行っている(完全寛解率は約80%、5年生存率約50%)。慢性骨髄性白血病に関しては、グリベックをはじめとした分子標的療法により高い治療成績をあげている。グリベックに不耐用・耐性性では、第二世代のチロシンキナーゼ抑制剤の導入を行っている

★悪性リンパ腫に関しては、入院・外来でリツキサン併用化学療法を施行している。多発性骨髄腫に関しては、化学療法の他、サリドマイドおよびボルテゾミブを用いた分子標的療法を行い、良好な成績をあげている

★骨髄異形成症候群では、血液形態学的所見に染色体分析を加味した国際予後判定基準に基づいて診断し、個々の患者に最適な治療法を決定している。輸血依存性の骨髄異形成症候群および再生不良性貧血患者には、厚生労働省難治性疾患研究班(特発性造血器障害に関する調査研究班)に基づき、重症患者には免疫抑制療法と造血刺激因子による治療を行う他、輸血後鉄過剰症を発症した患者に対しては、新規鉄キレート剤デフェラシロックスを用いることにより、良好な治療成績をあげている

★鉄欠乏性貧血や悪性貧血患者では、貧血の診断・治療のみならず、消化管を含めた全身スクリーニングを実施し、貧血の原因となった基礎疾患の発見に努めている。また、他科と連携し、白血球減少の強い化学療法を骨軟部腫瘍などに対して行っている。この他、化学療法に伴う好中球減少時に、肺炎を含めた重症感染症を併発することがあるため、細菌感染のみならず真菌感染の定期的スクリーニングを行うとともに、感染症が発症した際には積極的に感染症の治療に取り組むことによって予後の改善に努めている

造血幹細胞移植=同種造血幹細胞移植(血縁・非血縁者間骨髄移植、臍帯血移植)・自家末梢血幹細胞移植を含む、造血幹細胞移植を施行している。症例数は年間10~20症例程度。多くは他院からの紹介患者であり、経過が良好な場合は、再び紹介元の病院での診療をお願いしている。地元に戻ることで患者・家族にもストレスの少ない状態で治療継続ができるように配慮している。移植法としては近年では、移植前の前処置強度を弱めた、非血縁者間骨髄非破壊的移植(ミニ移植)の頻度が増えている。当科では、白血病・骨髄異形成症候群等の血液悪性疾患に対する移植治療の他にも、非ホジキンリンパ腫に対するミニ移植を臨床試験として大学に申請し、許可を得て試みている。

医療設備

電子ファイバースコープ(上部消化管、小腸、下部消化管、ERCP、経皮的胆道鏡)、超音波内視鏡、穿刺用超音波内視鏡、超音波・カラードプラ超音波装置、CT、MRI、RI、PET、AGなどの画像診断装置、無菌室1床、末梢血幹細胞採取装置・保存システム、外来化学療法室、全身放射線照射装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第1内科(リウマチ・膠原病グループ)

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

日本リウマチ学会・日本アレルギー学会認定施設。関節リウマチを代表とする各種膠原病を診療対象とする。特に近年脚光を浴びているミクリッツ病などのIgG4関連疾患に関しては国内有数の診療実績を有している。また、同科には消化器・血液グループが併存していることから、多臓器疾患である膠原病に対し、より多面的に取り組むことができる。

症例数

外来患者数は約900人/月、新患者数は30~50人/月、年間入院患者数は約100人。市内はもとより、北海道全域からの患者に対しても、地域の医療機関と連携しながら診療を行っている。疾患内訳は関節リウマチ(約50%)に加え、全身性エリテマトーデス、強皮症、シェーグレン症候群、成人スティル病などである。また、IgG4関連疾患は既に50人以上の診療を行っている。関節リウマチに対するTNF阻害療法を代表とする生物学的製剤による治療にも積極的に取り組んでおり、新規治験薬を含め他種類の生物学的製剤を使用している。治療に関しては、膠原病が慢性疾患であることを見据え、常にリスク・ベネフィット(危険性と便益)を考慮し、患者への十分な説明の上、決定することを心がけている。特に、膠原病診療に欠かせないステロイドの使用に関しては、留意すべき副作用である感染症や骨粗鬆症、耐糖能障害などに対して細心の注意を払っている。早急に治療を要する感染症合併例には各種医療機関と連携した迅速な対応に努めている。

医療設備

CT、MRI、超音波、RI検査、PET、骨密度測定装置、上下部内視鏡、血液浄化装置(血漿交換、血液透析など)。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第3内科(アレルギーグループ)

分野

アレルギー科

特色

成人気管支喘息、アスピリン喘息、職業性喘息、過敏性肺炎、チャーグ・ストラウス症候群、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性肺炎、膠原病に伴う肺病変を治療している。当科は日本アレルギー学会認定の教育施設になっている。特に力を入れているのは、長引く咳(慢性咳嗽)の診断と、個人個人にあった喘息治療薬の選択(オーダーメイドの治療)である。これらの鑑別において、先進的な検査方法[呼気中一酸化窒素測定、impulse oscillometry(IOS)を用いた呼吸抵抗]をこれまでの検査方法に加えて行っている

★当科独特の研究として、アレルギーの原因の抗原(かび、きのこ胞子、くらげ)を独自に作成し、その抗原を用いて沈降反応、IgE抗体の検出を通じて過敏性肺炎、アレルギー性鼻炎、慢性咳嗽の診断を行っている

★北海道内の多数の病院と連携を取り情報交換をし、97年、03年、09年に30以上の病院と協力して、3,000人規模の喘息アンケート調査を繰り返し行い、治療内容、自覚症状、喘息のコントロール内容などの年次変化について細かく調査し、喘息治療改善に努めている。環境因子が原因の呼吸器アレルギー疾患(ぜんそく、アレルギー性鼻炎)を研究しており、これまでに酸性霧、きのこ栽培工場におけるきのこ胞子の吸入によるもの、さらにコンブ業者にみられるヒドロゾアというクラゲ蛋白の吸入でおこる喘息も手がけている。一方、保健医療学部と共同で、呼吸リハビリを行っている。

症例数

当科は、呼吸器(間質性肺炎、肺腫瘍、COPD、結核、非結核性抗酸菌症、サルコイドーシスなど)と呼吸器アレルギー疾患(喘息、過敏性肺炎など)を中心に行っており、月間約1,200人の外来通院者を診察しており年々増加している。そのうち喘息、アレルギー性鼻炎合併喘息、過敏性肺炎など呼吸器アレルギー疾患は約500人である。ベッド数は結核病床を含め51床。気道過敏性試験は年間約50件、呼吸機能検査は1,000件以上、気管支鏡検査は300件以上である

★当院第1内科にも膠原病・リウマチ領域の専門医2人、耳鼻咽喉科に専門医1人も常勤しており、協力して食物アレルギー、薬物アレルギー、化学物質過敏症、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎など幅広く対応している。減感作療法は当院耳鼻咽喉科で受けられる。喘息の治療では、すべての種類の吸入ステロイド薬がそろっており、ピークフローメーターや喘息日記を用いたガイドラインを遵守した治療は言うまでもなく、重症喘息の治療にも力を入れており、抗IgE抗体を用いた治療も行っている

★治療の主体は外来で、年間入院が必要な症例は数例となっている。長引く咳(慢性咳嗽)は、胸部レントゲン写真で全く異常陰影はなく8週間以上続く咳のことであり、最近その数が急増している。しかし、有用なかつ初診日にすぐ診断できる方法はないため、当教室ではその診断法の確立を目標に、スパイロメトリー、IOSおよび呼気中一酸化窒素の測定の3つを用いた新しい診断方法を確立しつつあり、現在その有用性について検証中である。その中で、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎を合併している症例が半数以上あり、これらの疾患を同時に治療しなければ慢性咳嗽が改善しないことが判明している

★研究面では喘息の末梢気道病変を、CTとIOSを用いて新しい指標を発見し、喘息治療効果判定に役立てている。一方、きのこ胞子から蛋白を精製し、そのアミノ酸配列を決定して、その蛋白を職業性アレルギー疾患の診断に用いている。

医療設備

気管支鏡、CT、PET-CT、MRI、呼吸機能検査(拡散能、クロージングボリュームまですべて)、気道過敏性検査(アストグラフ)、IOS(呼吸抵抗とリアクタンス)、呼気ガス分析(一酸化窒素、一酸化炭素)、血液ガス分析、抗原吸入誘発試験、環境中抗原に対する沈降反応。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

神経内科

分野

神経内科

特色

06年10月に着任した下濱教授の専門は、アルツハイマー病などの認知症疾患および神経変性疾患である。従来からの電気生理診断と各種神経難病の診療に加え、アルツハイマー病の画像診断などに関する多施設全国共同研究であるJ-ADNIに北海道で唯一参加しており、市民公開講座を開催するなど、認知症の診断と地域連携に積極的に関わっている。市内病院と提携し、PETによる診断に力を入れており、脳神経外科医、診療放射線技師および放射線専門医の協力を得て質の高い神経放射線診断体制を維持しているのも特色である。脳卒中・血管内治療では脳神経外科、認知症では神経精神科と協力し、研究の分野では、神経再生医学講座、薬理学講座、神経科学講座の協力を得て、神経幹細胞の分化や神経再生の研究と臨床応用、脳磁図など最先端の医療技術の開発に力を入れている。

症例数

年間の神経内科入院患者総数は約260人。平均在院日数は約27日

神経変性疾患=パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症をはじめとする神経変性疾患の呼吸管理や栄養管理、生活の質向上に努め、脊髄小脳変性症など種々の疾患の遺伝子診断も行っている

免疫性神経疾患=多発性硬化症の診断と治療は、MRI診断に加え、血液中および脳脊髄液中の抗体の検索を他大学と共同で進め、重症筋無力症では、単線維筋電図(single fiber EMG)を駆使し感度、特異度の高い診療を誇る

★末梢神経疾患・ニューロパチーの診断は、血中の各種抗体検索の他、神経伝導速度検査や誘発電位を駆使して行い、ステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量療法、血漿吸着など各種治療法を適用している

アルツハイマー病・レヴィー小体型認知症=下濱教授が着任後、新たに力を入れている分野で、「もの忘れ患者」の早期診断に努めている。各種認知症バッテリー検査の他、一般の病院では実施が難しい脳血流SPECTやMRI画像による海馬の萎縮評価などを、かかりつけ医からの紹介に基づき行い、結果を返送するなど、地域で認知症を診る体制に参加している。当科は、閉鎖病棟や不穏に十分対応できる病棟を持っていないため、各種神経疾患との鑑別や確定診断、MCI(軽度認知低下)や早期の認知症診断に現在は重点を置き、各種治療研究の登録を進めている

★脳血管障害では脳神経外科と協力体制が確立している。急性期脳卒中の救急搬入には現在対応していないが、内頸動脈狭窄症に、頸動脈エコー検査を導入し、脳神経外科で行っている血管内ステント治療との連携を進めている。また、脳卒中の診療・予防・リハビリテーションを北海道広域医療連携研究会のDASCH(Databank of Seamless Care in Hokkaido)や札幌市脳卒中地域連携パス協議会らと協力して推進している

★大学病院である本院の主たる役割を、高次機能病院としての特別な診断技術と新しい治療方法の提供と位置づけている。従って、地域のかかりつけ医からの紹介に対して、診断・治療方針確定後の情報の返信、逆紹介や継続加療のお願い、急性期治療以降のリハビリ病院や療養型病院への転院・加療継続などの依頼を行う一方で、かかりつけ医、地域医師会に所属する医師からの紹介・依頼に対応する時間や検査枠を随時確保している。

医療設備

CT、MRI、MRA、脳血流SPECT、末梢神経伝導速度検査、針筋電図、誘発電位、脳波、筋生検、頸部血管エコー。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

第4内科(腫瘍内科グループ)

分野

癌化学療法

特色

当科は当院における腫瘍、血液内科の分野を担っている。外来や入院などにおける診療は、腫瘍(消化管)、腫瘍(肝)、腫瘍(胆膵)、血液と、専門化した4グループによって担当されている。それぞれのグループは、いわゆる標準的な治療法、分子標的薬や新規抗がん剤などはもとより、自主臨床試験としてより先進的な医療を積極的に提供している。

症例数

がんに対する薬物療法のみならず、有害事象を軽減する支持療法の進歩により、現在、多くの患者が外来通院で治療を受けている

★外来化学療法は社会的ニーズの高まりとともに、患者のQOL(Quality of Life:生活の質)維持する意味でも極めて重要な診療と位置づけられている。当院でも、札幌医科大学腫瘍診療センター外来化学療法管理室の管轄のもと、外来化学療法専用のブース(外来化学療法室、10床)を07年より開設した。以後、利用者は年々増加傾向にあり、開設時の年間利用実績が約2,400人あったが、08年度は年間約2,600人、09年度は月間約300人に増加しており、年間利用実績が3,000人に達する見込みである。この背景には、がん患者が増加傾向にあることや、がん薬物療法の進歩に伴い、がん患者の延命による患者数の増加が関わっている

★当院では化学療法プロトコール委員会を設置し、プロトコールを審査・承認後、院内オーダリングシステムに登録して(09年8月現在、125プロトコールが登録されている)各プロトコールを各診療科で共有するとともに、病棟担当医や外来診療医のみならず、がん専門薬剤師がいる薬剤部や、化学療法室に常駐するがん専門認定看護師が連携し、安全でかつ確実ながん薬物療法を提供しうる体制が整備されている。また、当科からは外来化学療法管理室の担当者(室長、副室長)を2人配属し、がん薬物療法が円滑に運営されるよう配慮している。さらに、外来化学療法から病棟での治療への移行、逆に病棟から外来治療への移行に際しては、外来化学療法室常駐の専門看護師が患者ごとの個別のプロファイルを作成し、円滑な診療を可能にしている。また、病棟、外来、ならびに外来化学療法室で共通のクリニカルパスを用いて、抗がん剤投与に伴うリスクの軽減を図る安全管理を行っている

★外来化学療法室では、患者教育のためのオリエンテーション、副作用対策などの指導を担当看護師が随時行い、診療のサポートを行っている。さらに、日々の化学療法室の運営には、担当診療科ごとに主治医が関われる体制をとっており、各診療科ごとに夜間や休日の救急対応も行っている。当科の外来化学療法室利用実績はその約半数で、消化器がん(大腸がん約200人、胃がん約20人など)、造血器腫瘍(多くは悪性リンパ腫、他に多発性骨髄腫など約200人)、原発不明がんおよび肝胆膵がん患者(肝がん約100人、膵がん約50人)が利用している

★特に当科では、大腸がんに対するベバシツマブ+mFOLFOX6療法、FOLFIRI療法、XELOX療法、セツキシマブ+CPT11療法など約150件、悪性リンパ腫に対するR-CHOP療法、多発性骨髄腫に対するベルケード療法など約100件、胆膵領域では当科で臨床試験中である5FU+ジェムザール動注化学療法約50件、肝がんに対する5FU+シスプラチン動注化学療法10件など積極的に外来化学療法室を活用している。

医療設備

電子ファイバースコープ(上部消化管、小腸、下部消化管、ERCP、経皮的胆道鏡)、超音波内視鏡、穿刺用超音波内視鏡、超音波・カラードプラ超音波装置、CT、MRI、RI、PET、AGなどの画像診断装置、無菌室1床、末梢血幹細胞採取装置・保存システム、外来化学療法室、全身放射線照射装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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