専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

北海道消化器科病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

内科

分野

消化器・一般内科

特色

消化器科の単科専門病院で、消化器疾患全般に高度な診断・治療を行っている。スタッフ全員が、専門医・指導医の資格を有する消化器疾患のスペシャリストである。吐血・下血の緊急内視鏡体制も整備されている。がんの診断治療には特に力を入れているが、消化管(胃・大腸)では、適応となるがんには内視鏡的粘膜切除術(EMR)やITナイフを用いた内視鏡治療(ESD:粘膜下層剥離術)を行っている。大腸がんの早期発見のために、MDCTによる3D-コロノスコピーにも取り組んでいる。肝臓がんではラジオ波焼灼療法・肝動脈塞栓術・リザーバー動注療法などの種々の内科的治療を行っている。難治性が高いとされる膵臓がん・胆道がんにおいても、放射線化学療法・リザーバー埋め込み動注療法を行い、良好な成績を得ている。日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本大腸肛門病学会、日本超音波学会、日本臨床腫瘍学会、日本がん治療認定機構の認定・指導施設である。

症例数

病床数は211床。すべて消化器病患者で、わが国でも有数のベッド数といえる。年間の検査数は、上部内視鏡検査約5,500件、下部内視鏡検査3,600件、腹部超音波検査4,400件。潰瘍のピロリ菌除去療法、肝炎ウイルスに対するインターフェロン療法、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)には血球成分除去療法やレミケード、食道・胃静脈瘤には内視鏡的治療やB-RTOなどの治療を行っている

内視鏡治療=早期胃がんに対しては、胃がん診療ガイドラインの適応に準じ、ITナイフによる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っている。本法300例以上の検討では、その完全治癒切除は89%であった。早期大腸がんについても同様に積極的に内視鏡治療を行っており、08年度の施行例は早期大腸がんにEMRは68例、ESDは27例であった

小腸検査=これまで診断治療が困難とされてきた小腸疾患に対し、小腸内視鏡・カプセル内視鏡により、高い診断率と有効な治療手技が確立されつつある。内視鏡検査はこれまで500例、カプセル内視鏡検査は120例で、発見された病変は小腸がんを含む腫瘍性病変50例、潰瘍・血管性病変が40例であった

膵臓・胆道=08年の内視鏡的膵胆管造影(ERCP)は525回で、黄疸や砕石のための治療ERCPは460回であった。内視鏡的胆道ドレナージは334回、胆管結石砕石術は98回施行した。急性胆のう炎の経乳頭的胆のうドレナージ40例。超音波内視鏡検査は08年512回施行し、診断のための内視鏡下生検やがん疼痛に対する神経節ブロックも施行している

肝臓がん=ラジオ波焼灼療法(RFA)については255回施行しており、当院ではRFAは原発性肝がんの主要な内科治療の柱となっているが、3cm、3個以下の肝がん初回治療例の治療成績は、1年、3年、5年、7年生存率はそれぞれ96.6%、81.8%、61.1%、48.4%であった。RFAを行う際の工夫として、人工胸水・腹水の作成や造影超音波・CTガイドなどにより、安全・確実な治療を目指している。サイズの大きいがんには、焼灼範囲の拡大を得るために血流遮断下RFAも施行している

IVR治療=カテーテルを用いての治療を種々の疾患に対して施行している。08年の施行例では、肝臓がんへの肝動脈塞栓術は50件、肝動注リザーバー療法は25件。門脈圧亢進症の治療として部分的脾動脈塞栓術15件、バルーン閉塞下胃静脈瘤塞栓術5件、急性胆のう炎や黄疸に対しての経皮的ドレナージは32件。その他、消化管ステントや胃ろう造設なども行っている。当院では難治性が高い膵・胆道がんに対し、動注リザーバーを用いた動注化学療法を積極的に施行しているが、切除不能進行膵がんに対する本法の成績は、奏効率55.4%と非常に良好な成績を得ている。

医療設備

各種電子内視鏡、小腸カプセル内視鏡、小腸内視鏡、超音波内視鏡、デジタル超音波診断装置、4列・64列MDCT、MRI、ESWL、RI、PET、血管造影装置、放射線治療装置。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

外科

分野

消化器・一般外科

特色

当院は消化器科に特化した病院であり、外科においても消化器に関連した手術のみを行っている。消化管では食道から肛門までの、主に悪性疾患を中心に扱っているが、食道の機能性疾患に対する内視鏡下手術や痔核に対するALTA(ジオン)硬化療法なども行っている。当科では低侵襲を目的に内視鏡下手術に積極的に取り組んでおり、全身麻酔手術症例の約6割を内視鏡下手術が占めている。また胃切除後のパウチ(代用胃)再建術や、直腸がんの肛門温存手術(超低位前方切除・内肛門括約筋切除など)など、機能温存・機能再建手術も数多く行っている。一方で、肝胆膵の高難度手術にも積極的に取り組んでおり、日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設にも認定されている。

症例数

08年の年間手術症例数は906例で、そのうち全身麻酔手術症例数は628例であった。主な悪性疾患に対する症例数は、食道がん8例、胃がん88例、大腸がん140例、肝がん23例、胆道がん11例、膵がん22例などであった

=胃切除術式は通常の幽門側胃切除・胃全摘のほかに、機能温存を目的に幽門保存胃切除や噴門側胃切除なども行っている。また胃切除後の50%の症例に、機能再建を目的に空腸パウチ再建が施行されている(幽門側胃切除後30%、噴門側胃切除後90%、胃全摘後70%)。胃切除における腹腔鏡下手術の累積症例数は220例である。腹腔鏡下手術の適応は、現在のところはT1N0(がんが胃の粘膜下層までに限局し、リンパ節転移がないもの)としている。さらに腹腔鏡下手術でのパウチ再建にも取り組んでいる

大腸=大腸切除における腹腔鏡下手術の累積症例数は680例で、その適応は上部直腸(Ra)までは進行がんも適応としており、開腹手術と同等のリンパ節郭清を行っている。下部直腸(Rb)では深達度MP(筋層)までを適応としている。それ以深の下部直腸がんに対しては開腹による神経温存の側方郭清を標準術式としている。結腸がん・直腸S状部がんの累積5年生存率はStageI:93%(開腹91%・腹腔鏡94%)、II:88%(開腹84%・腹腔鏡90%)、IIIa:86%(開腹77%・腹腔鏡90%)、IIIb:57%(開腹50%・腹腔鏡67%)、IV:20%であった。下部直腸がん(Rb)では超低位前方切除(経肛門吻合)や内肛門括約筋切除(ISR)などを取り入れ、肛門管にかかる病変に対しても、可及的に肛門温存に取り組んでいる。また潰瘍性大腸炎や大腸腺腫症などに対する大腸全摘術も腹腔鏡下手術を基本とし、再建はJ型回腸パウチ肛門吻合(IAA)を行っている

肛門=痔核、痔瘻などの肛門疾患も多数手がけており、内痔核手術はその8割が術後の痛みの少ないALTA硬化療法へ移行している

肝胆膵=胆石症などの良性胆嚢疾患に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術は累積3,600例を数え、創感染などの合併症も1%以下である。3mm径の鉗子や吸収性のクリップなどを用い、整容性と安全性に配慮している。胆道がん・膵頭部がんに対する膵頭十二指腸切除術は、年間20例前後に行われている。切除の基本術式は亜全胃温存膵頭十二指腸切除とし、消化管再建をRoux-Y式にすることで、早期から良好な食事摂取が可能となっている。膵がん手術は術後の補助化学療法を積極的に行い、切除例(膵頭十二指腸切除・膵体尾部切除)の5年生存率は23%である。胆嚢がんに対しては深達度別に術式を変更しており、進行胆嚢がんに対しては肝床部肝切除・リンパ節郭清を基本術式としている。5年生存率(他病死を含む)はStageI:86%、II:85%、III:34%、IVa:11%である。これらの肝胆膵手術のうち、肝胆膵外科学会の指定する高難度手術症例数は年間40例を超え、高度技能医修練施設として認定されている。

医療設備

MRI、64列MDCT、RI(PET、SPECT)、血管造影装置(DSA)、デジタルX線TV、各種電子内視鏡(上部・下部・小腸内視鏡・カプセル内視鏡など)、超音波内視鏡、内視鏡外科手術装置、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)、放射線治療装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

内科

分野

癌化学療法

特色

当院は消化器疾患のみを扱う専門病院であり、診断から治療まで一貫した診療を行っている。消化管がん(食道がん、胃がん、大腸がん)の化学療法についてはevidence(根拠)に則った標準的治療を行う一方で、北海道大学第3内科を中心に組織された北海道消化器癌化学療法研究会(HGCSG)に参加し、臨床試験にも積極的に参加している。肝臓がんに対しては、ラジオ波焼灼療法(RFA)、TAE(肝動脈塞栓術)に加え、肝動注化学療法、最近では分子標的治療薬を用いた治療も行っている。胆道がん・膵がんについては、標準治療に加え、放射線併用化学療法や動注化学療法を施行し、治療成績の向上に努めている。

症例数

08年度に当科にて化学療法を施行した患者数は、大腸がん75人、胃がん57人、食道がん7人であり、そのうち新規患者数は大腸がん43人、胃がん33人、食道がん5人であった

大腸がん=切除不能もしくは術後再発大腸がんの一次治療としては、5FU、オキザリプラチン、アイソボリンを組み合わせたFOLFOX療法が20人と最も多く、次いで07年に承認された分子標的薬のベバシズマブをFOLFOX療法と併用した治療法を12人に施行している。その他、北海道大学が主体となって開発したTS-1+CPT11による治療を9人、5FU、CPT11、アイソボリンを併用したFOLFIRI療法を2人に施行した。また、3次治療以降の治療薬として08年に承認された分子標的薬のセツキシマブについても6人に用いている。そのうち4人はCPT11と併用し、2人は単独で使用した。我々も参加したHGCSGの臨床研究において、ベバシズマブを併用した1次治療の成績は奏効率が60.2%、無増悪生存期間が13.1カ月と良好な結果が報告されている。今後は、5FUの持続静注投与の代わりに、カペシタビン等の経口抗がん剤を用いた治療へ移行していく予定である

★胃がんの治療には、07年に発表された本邦からの臨床試験の結果を受け、当院でもTS-1とシスプラチンを用いた治療法を一次治療に据えている。08年度の新規切除不能もしくは再発胃がん患者のうち、23人にTS-1+シスプラチン療法を施行し、腎障害等にてシスプラチンの投与に適さないと判断した患者にはTS-1単独療法、もしくはタキサン系抗がん剤との併用療法を施行した

★食道がんの新規治療患者数は5人と少ないが、術前化学療法として有効性が高い5FUとシスプラチンによる治療を施行している。また、手術適応のない患者にはタキソテールを併用した治療法を施行している

★肝臓がんについては、手術、RFA、経カテーテル的肝動脈塞栓術の適応がない症例に対し、肝動注リザーバーを用いた肝動注化学療法を積極的に行っている。5FUとシスプラチンを用いたLow dose FP療法を年平均15例に対して行い、奏効率は約50%であった。また、5cm以上で門脈腫瘍栓を有する肝細胞がん症例6例に対し、5FUとアイエーコール、リピオドールを用いたnewFP療法を試み奏効率75%と良好な成績であった。さらに最近では、分子標的治療薬であるネクサバールを用いた治療にも取り組んでいる

★胆道がん・膵がんに対しては、ジェムザール単独による化学療法の他に、ジェムザール+S-1併用療法を施行している

★切除不能局所進行膵がん(肝転移の有無は問わない)18例に対し、膵周囲動脈塞栓術、膵動注化学療法を試み、奏効率55.6%(StageIVaでは71.4%、StageIVbでは45.6%)、平均生存期間12カ月と良好な成績となっている。さらに放射線療法も併用し、さらなる治療成績の向上を目指している。

医療設備

64例MDCT、MRI、PET、RIなどの最新診断機器を完備、また放射線照射装置も設置している。外来化学療法室も完備。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 北海道」(ライフ企画 2010年6月)

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