神戸市立医療センター中央市民病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

神戸市立医療センター中央市民病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

外科・移植外科

分野

消化器・一般外科

特色

当科の診療内容は、消化器外科・乳腺外科・救急外科・移植外科と広範囲にわたっている。スタッフ医師が各々の専門性を十分に発揮できるようにサブスペシャリティーを設けて、各専門分野において診断・手術・集学的治療の成績向上とともに臨床研究や学会活動の核になっている。外科領域でのコモンキャンサーと称される大腸癌・胃癌・乳癌は、早期癌の手術長期成績が良好なことが特徴で、それだけに、より低侵襲手術や機能温存手術が求められる。内視鏡手術に代表される低侵襲治療(MIT:minimally invasive therapy)は大きな時流にのった治療概念で、当科ではこういった治療に積極的に取り組んでいる。大腸癌手術や胃癌手術での腹腔鏡下手術、乳癌手術での乳房温存手術やセンチネルリンパ節生検がこれにあたり、とくに乳癌では、術前化学療法の導入により乳房温存手術率は80%台に達している。当院は日本外科学会と消化器外科学会の専門医修練施設であるが、肝胆膵領域でも、08年から日本肝胆膵外科学会の高度技能専門医修練施設に認定されている。

症例数

09年の外科手術件数は、入院手術1,266件、外来手術44件の合計1,314件であった。過去5年間で手術件数に大きな変化はないが、緊急手術は年々増加し、09年1年間で330件(全体の25%)と過去最高を記録した。私たち外科スタッフは、予定手術だけでなく、救命救急手術にも全力で取り組み、病院の使命である「断らない救急」に寄与している

臓器別大別=手術件数の多いベスト4は、大腸切除が224例、胆石手術が146例、乳腺手術が131例、胃切除が113例だった。高度の外科手術手技を要する食道切除が27例、肝切除が48例、膵切除が44例だった。腹腔鏡下手術の手術件数は年々増加し、272例に達した

食道癌=食道癌切除25例の術式をみると、胸腔鏡+腹腔鏡補助下手術が12例、開胸+腹腔鏡補助下手術が12例、通常の開胸開腹手術が1例であった。食道癌手術は高度な手術手技と慎重な術後管理を要する手術であるが、当科では低侵襲治療を目指して、胸腔鏡(腹臥位VATS)+腹腔鏡補助下手術(HALS)を積極的に導入し、これが基本的な術式となっている

胃癌=胃切除を行った113例の内訳では、腹腔鏡下胃手術が43例、開腹手術が70例であった。早期胃癌に対する低侵襲治療法の柱は、内視鏡下切除(ESD、胃カメラで病変を取り除く手技)と腹腔鏡下胃切除術である。当院では、外科手術と消化器内科が扱う内視鏡下手術は、胃癌の進達度や組織型などからその適応を厳密に定めて対応し、両者の件数はほぼ同数となっている

大腸癌=大腸癌に対する大腸切除術を行った220例の内訳は、開腹手術が126例、腹腔鏡下手術が94例(43%)であった。直腸癌に対する腹腔鏡下前方切除術は31例で、開腹手術を含めて肛門機能存手術を82%に施行した

肝癌=肝切除術は48例で、原発性・転移性肝癌に対する肝切除術が38例、大腸癌の同時性肝転移切除例が6例、胆道癌などの胆道再建併施例が4例であった。原発性肝癌の切除に際しては、残存肝機能評価を行いつつ可及的に系統的切除を心がけ、最近5年間の切除例の5年生存率は68%である

膵癌=膵切除術は44例で、その内訳は膵頭十二指腸切除術が25例で膵体尾部切除術が14例、膵全摘術4例、膵中央切除術1例であった。当院は全国的に見ても膵癌症例数の多い専門施設の一つで、過去10年間の膵癌切除例の累積5年生存率は29%で、組織学的治癒切除の得られた110例の5年生存率は39%に達している

生体肝移植=当院では05年から、生体肝移植手術の世界的権威である田中紘一先生を技術顧問としてお迎えし、移植外科スタッフも充実させ、自治体病院では全国で初めて生体肝移植手術を開始した。5年間で36例の成人生体肝移植手術を実施した。

医療設備

MRI、CT、MD-CT、DSA、マンモトーム、腹腔鏡下手術装置、その他(新病院では、内視鏡専用手術室4室、ハイブリッド手術室1室)。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

地域医療支援病院の使命のもと、あらゆる呼吸器疾患のとくに重症難治例に対して24時間365日対応し、病診・病病連携により地域全体の医療に貢献することをモットーとしている。エビデンス(科学的根拠)に基づく最新の診断治療を展開することを基本とし、かつ常に問題意識を忘れずそれらを解決すべく治験、臨床試験にも多く参画し、学会活動、論文執筆などを通じて常に若い医師たちが切磋琢磨できる場としている。

症例数

年間総入院延べ患者数は毎年約1,500人で、疾患別にみると約50%が肺癌、20%前後が肺炎、以下喘息、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患などである。入院患者の半数以上が救急経由の緊急入院で、その多くは急性呼吸不全状態である。ここ4~5年の間に人工呼吸を要する患者の90%以上をマスクによる非侵襲的換気療法で管理しており、急性呼吸不全全体の死亡率を約50%減少させている。当科スタッフは院内全体のチーム活動を率先して行い、緩和ケアチーム、感染対策チーム、呼吸ケアチームの柱として活動している

肺癌など腫瘍性疾患=当院呼吸器外科、放射線科、さらには先端医療センター総合腫瘍科と連携し、術前化学放射線療法に引き続く手術、3次元定位放射線治療、腔内照射、分子標的薬や新規抗癌剤を駆使した最新の化学療法など、あらゆる治療の可能性を探りながら症状緩和や生活の質の維持など患者さんのニーズに応え、見捨てることのない最善の癌治療を展開している。兵庫県下でトップクラスの患者数を抱え、外来化学療法件数は年間延べ700件となっている

間質性肺炎をはじめとするびまん性肺疾患=診断・治療に難渋するこれらの疾患に対して、必要に応じて気管支鏡や胸腔鏡下肺生検を行い、診断や病態把握の上免疫抑制剤や抗線維化剤の適応を吟味しながら治療を選択している。薬剤性肺障害や膠原病関連肺疾患まで含めて、呼吸器の枠にとらわれない総合的な視野を堅持している

肺炎など感染症=新型インフルエンザに代表されるような新規感染症、輸入感染症、さらにはAIDSなどの免疫不全患者感染症に対しても積極的な関わりを持ち、常に地域の核として頼れる存在であり続けるよう努力している

気管支喘息=先進的に吸入ステロイド療法を導入し、喘息死減少に大きく貢献してきたことは周知のとおりであるが、地域医療連携を進める中とくに重症難治例への介入を重点的に進め、これらの残された患者の生活の質改善に貢献している

慢性閉塞性肺疾患(COPD)など慢性呼吸不全=在宅酸素療法や非侵襲的換気療法(NPPV)を要する重症患者の、とくに急性増悪入院をメインに診療している。入院から在宅への円滑な移行について、現在地域医療連携パスを構築中である

睡眠呼吸障害=生活習慣病との関連が大きい閉塞型睡眠時無呼吸のみならず、心不全などに起因する中枢型睡眠時無呼吸の診断、治療も他科と連携しながら行っている。

医療設備

マルチスライスCT、MRI、PET-CT(先端医療センターと連携)、核医学検査、気管支鏡、気管支超音波、内科的胸腔鏡、ポリソムノグラフィーなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

肺癌の他、転移性肺腫瘍・縦隔腫瘍、気胸・膿胸・胸部外傷など呼吸器外科手術全般を行っている。肺癌の治療方針は呼吸器外科・呼吸器内科・放射線科医師が参加する合同カンファレンスで決定される。病期的には手術適応があっても、年齢・心肺機能などで体力的に問題があれば、術前の呼吸リハビリや縮小手術を行う、または放射線定位照射も考慮している。早期肺癌で手術を希望されないケースでは、まず放射線定位照射を行い、再発時に手術を施行するという選択肢も提案している。

症例数

年間手術数は約250例で、肺癌100例、気胸50例、縦隔腫瘍20例、このうち胸腔鏡手術は130例ほどである

★肺癌では臨床病期I・II期には胸腔鏡補助下に肺葉切除・リンパ節郭清を通常開胸にほぼ移行することなく行っている。径2cm以下の早期肺癌では区域切除などの縮小手術も行っている。IIIa期、特にN2 症例では術前に導入療法(抗癌剤・放射線療法)を原則的に行い、手術を施行している。術直後はICU管理だが、当日に一般病棟に移り、翌朝より食事を開始、早期離床に努めている。術創は吸収糸による埋没縫合を行うため抜糸が不要で、胸腔ドレーンを抜去できれば退院は許可している。早い方では術後3日、最近では1週間以内に多くの方が退院する。09年の術後平均在院日数は9.9日である。95~09年の病理病期別5年生存率はIA期:86.5%、IB期:80.8%、IIA期:65.9%、IIB期:57.2%、IIIA期:36.4%

★気胸・転移性肺腫瘍・良性肺腫瘍では胸腔鏡下手術が一般的で、術後3~4日程度で退院となる。他疾患にも積極的に胸腔鏡を用い、低侵襲手術を心がけている。

医療設備

HR-CT、MDCT、MRI、PET-CT、放射線定位照射・腔内照射、レーザー、気道ステント、縦隔鏡、EBUS。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

当科では、心臓血管外科、臨床検査技術部生理検査部門、放射線技術部などとの協同のもとに、日々、心臓・血管疾患の質の高い診療を提供している。入院診療においては、心臓血管外科との連携で病棟を共有して循環器センターを形成、心臓・血管疾患の内科的治療から外科手術までをスムーズに提供できるよう努めている。対象となる疾患の特徴からも、また、本院が神戸市の基幹病院、救命救急センターであることからも救急患者が極めて多く、循環器内科への年間入院 患者の約半数は、救急病棟およびCCU経由の救急患者が占めている

★新しい医療の提供にも積極的に取り組んでおり、冠動脈造影に比べてより低侵襲的な検査として64列MDCTによる冠動脈病変の検査法も早期に導入、①高い陰性的中率を活用して非典型的胸痛の患者さんの冠動脈疾患の除外に、②冠動脈インターベンション(PCI)前の冠動脈造影の代わりに、③PCI後のフォローアップの冠動脈造影や冠動脈バイパス手術(CABG)後の確認冠動脈造影の代わりにと、従来は冠動脈造影検査が必須とされていた領域に適応を拡大している

★冠動脈疾患の診療に関しては、クリニカルパスを積極活用し1泊2日、または日帰りでの冠動脈造影診断、2泊3日の冠動脈インターベンション治療も行っている。さらに、ペースメーカー、植え込み型除細動器の植え込み、心不全に対する心臓再同期治療(両心室ペーシング)や僧帽弁狭窄に対する経皮的バルー ン拡張術などの冠動脈疾患以外の非薬物治療にも積極的に取り組んでおり、07年末からは待望であった不整脈のカテーテルアブレーションによる治療も開始。もちろん、冠動脈疾患や心不全における生活習慣の改善や症例ごとの最適な薬物治療の重要性には異論の余地がなく、心臓リハビリテーションでの総合的な患者指導を行っている

★また、先進的な医療を早くから提供できる体制と意識を常に維持するよう、リアルタイム3次元心エコー法、経胸壁的冠動脈血流の評価、冠動脈内ドプラガイドワイヤーによる冠血流速計測、血管内エコーなどを用いた臨床研究の成果を国内外の学会で発表。また、先端医療センターと連携し、閉塞性動脈硬化症や重症虚血心筋の血管再生治療に関する治験を実施母体として推進している。さらに、今日の日常診療で行われている治療について、その医 学的エビデンスの構築のために、PCI、CABG後の長期予後調査などの多施設共同研究にも積極的に参加している。

症例数

09年4月~20年3月集計:トレッドミルまたはエルゴメーター負荷試験 730件、ホルター心電図1,640件、経胸壁心エコー5,800件、 経食道心エコー 200件、安静時心筋血流シンチ(BMIPP、MIBGは含めない) 26件、運動負荷心筋血流シンチ 319件、薬物負荷心筋血流シンチ 336件、肺血流シンチ 134件、血管MRI 55件、ペースメーカー植え込み件数 (新規) 46件、ペースメーカー植え込み件数 (交換)40件、 植え込み型除細動器植え込み(新規)19件、植え込み型除細動器植え込み(交換):心臓血管外科との連携による 1件、心カテーテル検査(冠動脈造影を除く)679件、冠動脈造影検査 1,049件、経皮的冠動脈インターベンション 570件。

医療設備

CCU 4床、心臓カテーテル装置2台(PCPS、IABP、CHDF、IVUS、冠動脈フローワイヤー、電気生理学検査)、心臓超音波診断装置6台(経胸壁超音波冠動脈測定、組織ドプラ測定、経食道心エコー)、心臓核医学検査装置、心肺機能測定装置、トレッドミル負荷心電図、ホルター心電図、冠動脈造影用64列MD-CT、MRI&PET(先端医療センター)、心臓リハビリテーション室(エルゴメーター6台)。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

内科的腎・尿路疾患全般および関連疾患を対象としている。糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全、全身疾患に伴う腎炎、妊娠腎、腎性高血圧、腎尿路感染症等、多岐にわたる。救命救急センターを併設している関係上、急性腎不全や慢性腎不全の急性増悪例等、急性症例が他の病院に比べて多い。血液浄化は血液透析のみならず、症例に応じて血漿交換、血液吸着、CHD、CHDF、CAPD、APD等きめ細かな治療を行っている。泌尿器科と連携して生体腎移植も実施している。当科は、地域基幹病院としての使命を果たすべく高機能医療の拡充に努力し一定の成果をあげている。今後もさらに地域における高度医療を行える腎センターとして機能を整備し、透析室の拡充、腎移植の推進、難治性腎炎・ネフローゼ症候群への取り組みに力を入れる。日本腎臓学会認定研修病院、日本透析学会認定研修病院。

症例数

★外来患者数は週に約150人、入院患者数は常時約25人

★CAPD導入は年間約12人、外来CAPD患者数は約55人。通常外来とは別に、毎日、血液浄化外来(CAPD外来を含む)を実施

★血液透析ベッド数は7床で、年間約40人の新規導入がある。外来維持透析は実施していないので、安定すれば関連透析病院を紹介している。合併症を有する患者が半数以上を占める。急性腹症・ACバイパス術等の手術、心カテ、血管造影等の検査、人工血管によるシャント作製等、総合病院としての責任を果たしている

★腎生検は適応を限定してエコー下に実施しており、年間約40件。糖尿病性腎症、ループス腎炎等難治性症例が多い

★91年10月から生体腎移植を開始し最近は年間4例を実施している

★当院、西市民病院、西神戸医療センターの3病院が中心となって年2回、神戸腎疾患カンファレンスを実施。他院やクリニックの医師、看護師、技師も参加して活発な討論をしている。

医療設備

MRI、CT、アイソトープ、カラードプラエコー装置他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

全国有数の総合病院であることを生かして、腫瘍・周産期・内視鏡・救急など産婦人科全般の高度医療を行っている。日本婦人科腫瘍学会認定修練施設、婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構参加病院、地域周産期母子医療センター、母胎・胎児専門医制度暫定研修基幹病院、日本産科婦人科内視鏡学会認定医指導施設であり、最新のガイドラインおよびプロトコールに準じた治療を行っている。また兵、庫県最多の婦人科腹腔鏡実施施設であり低侵襲・機能温存手術を心がけている。当院は3次救命救急センター・がん拠点病院でもあり、救急部・診療他科もレベルが高く緊急手術・合併症手術にも強い。

症例数

09年の手術件数は867件、うち悪性疾患87件、腹腔鏡233件、分娩件数717件 うち帝王切開261件

悪性腫瘍=09年新規登録患者94例。子宮頸癌には早期癌は妊孕性温存手術を、進行期癌には準広汎および広汎子宮全摘・リンパ節郭清まで条件がそろえば腹腔鏡でも対応している。広汎子宮全摘出術は神経温存・浮腫低減手術を基本としている。また、術前化学療法による機能温存手術・手術困難症例への手術適応や化学療法放射線同時併用療法も行う。子宮体癌には前癌状態・初期癌には子宮鏡・ホルモン治療による妊孕性温存治療を、進行期癌に対しては腹腔鏡手術も積極的に行っているが、傍大動脈リンパ節郭清を含めた拡大手術も必要になる。卵巣癌には初期では妊孕性温存手術も可能である。進行癌では化学療法や他科協力による拡大手術により腫瘍摘出を目指す。その他、外来化学療法センター・リンパ浮腫外来・緩和ケア外来がある。治療成績(96~2000年):5年生存率:子宮頚癌=0期100%、Ia期100%、Ib期97%、II期87%、III期66%。子宮体癌=I期98%、II期100%、III期65%。卵巣癌=Ia期100%、Ic期83%、II期80%、III期45%

良性腫瘍=内視鏡手術・保存的手術を積極的に行っている。大型筋腫の腹腔鏡手術・子宮鏡下切除術や重症の子宮内膜症手術など、ほとんどの良性疾患は腹腔鏡または子宮鏡による低侵襲・短期入院手術で対応している

周産期=09年の分娩取り扱い極小未熟児10例、超未熟児13例、多胎妊娠24例。小児科NICUと専門各科などの協力体制のもと、1,000g以下の超未熟児出産が予想される(切迫)早産、多胎妊娠、循環器・血液疾患・内分泌疾患などの合併症妊娠の管理・母体搬送の受け入れを積極的に行っている。胎児超音波診断のための専門外来(産科超音波外来)も行っている。また、両親学級・助産師外来・妊婦相談室を設けており、妊婦さんの妊娠・出産・育児の疑問・不安解消に努めている

不妊症=腹腔鏡下子宮内膜症手術61件、腹腔鏡下筋腫核出術33例、開腹筋腫核出術43例、子宮鏡手術22件など、子宮内膜症などへの腹腔鏡レーザー手術・子宮筋腫核出術などによる妊孕性の回復・温存手術の紹介症例を多く手がけている

女性外来=月経困難症・月経不順・更年期障害など女性特有の病状に対して女性医師による専門外来を開いている。

医療設備

4D超音波、ハイビジョン腹腔鏡、CCDヒステロスコープ、処置型子宮鏡、KTPレーザー・アルゴンレーザー、超音波メス、高周波血管シーリングシステム、MR、MDCT、PET-CT(先端医療センター)、LINAC、RALS、ガンマナイフ・放射線定位照射(先端医療センター)。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

当院眼科は、神戸市および近隣の地域医療をになう中核病院として堅実な標準的医療を高い水準で行うと同時に、西日本を代表する高度先進医療機関として、最先端の高度眼科医療に取り組んでいる。専門分野では伝統的に白内障、緑内障、および網膜硝子体疾患に強く、斯界の先進的役割を果たしてきた。さらに近年は、神経眼科の診療体制も充実し、網膜色素変性および網膜遺伝性疾患、角膜分野においては第一人者を非常勤医師として招聘し、専門性の高い充実した診療活動を展開している

★当科のスタッフは厳重な審査の上で本邦最高水準の人材を集めており、当科の出身者から7人の現職眼科教授をはじめ日本の眼科界を代表する多数の逸材を輩出している。また、大学以外の施設としては数少ない眼科専門医研修プログラム施行施設に認定されており、全国から優秀な研修医を公募して若い眼科医の育成・教育にも力を注いでいる。医学生の臨床実習や見学も受け入れて指導にあたっている

★診療にあたっては病診連携を重視しており、当科の診療機能を必要とされる紹介患者さんの受け入れを優先し最大限の配慮を行っている。兵庫県眼科医会と共催で毎年1回開催の「神戸市立医療センター中央市民病院眼科オープン・カンファレンス」は既に29回を数える。これに加えて、最近では年に5~6回程度の「神戸市立医療センター中央市民病院臨床懇話会」を開催し、ゲストスピーカーによる眼科医向けの教育講演と当科専門外来の活動報告を行い病診連携を密にしている

★当科の理念として以下の3点を掲げている。①通常の眼科診療を堅実かつ高水準で行っていくことで、受診患者さんおよび地域の住民と医療施設の信頼に応えていく。②最新の眼科診断・治療法を採り入れ、さらに世界の眼科学の進歩に貢献する成果を発信していく。③地域と日本の眼科医療をささえ、世界の眼科学界を背負っていく人材を育成する

★なお、08年より先端医療センター眼科、10年より神戸市立医療センター西市民病院眼科を一体運営している。

症例数

09年の手術件数は2,307件(同時手術はまとめて1件としてカウント、レーザー手術および外来での小手術は除く)。その内訳は、網膜硝子体手術(硝子体注射を除く)475件、硝子体注射346件、網膜剥離バックリング手術8件、緑内障手術104件、白内障手術1,677件(同時手術を含む)、その他となっている。また同年に実施した加齢黄斑変性に対する光線力学療法は102件であった

緑内障=当科伝統のお家芸とも言える分野であり、特に東洋人に多く失明リスクの高い原発閉塞隅角緑内障の診療では我が国のリーディングクリニックである。手術はあらゆる術式に対応しているが、開放隅角緑内障の手術では、合併症のリスクが高い濾過手術をなるべく避け、安全性の高い流出路手術に眼圧下降作用を強化した術式を主に採用している

網膜硝子体・黄斑疾患=網膜硝子体および黄斑疾患については各分野の専門家と最新鋭の機器を擁し、高い診断力を誇る。治療は内科的治療から外科的治療まで幅広い選択肢を有し、各々の患者さんに最良の治療を提供可能

網膜剥離=京大学派の流れを汲み、伝統的に網膜硝子体手術のあらゆる術式を駆使できる強みを持っている。近年は23G硝子体システムをいち早く導入し、より安全で患者さんの負担が少ない手術を目指している

黄斑疾患と網膜循環疾患=最新鋭の診療機器を導入して重点的に取り組んでおり、加齢黄斑変性に対しては光線力学的療法、種々の抗VEGF療法、レーザー光凝固、硝子体手術など幅広い選択肢から最適な治療方法を選ぶことができる

糖尿病網膜症=当院糖尿病内科と密接に連携しつつ、薬物、レーザー、手術治療と現行のあらゆる治療オプションを提供している

網膜色素変性症=先端医療センターと連携して遺伝子診断やカウンセリング等、現在行い得る最良の診療を行っている

神経眼科=地域の診療施設が診断と治療に苦慮する神経眼科症例を引き受けられる臨床能力抜群の専門外来を擁している

白内障=本邦における眼内レンズ(人工水晶体)移植手術黎明期以来の膨大な手術件数を誇っている。近隣施設から紹介される多数のハイリスク症例も引き受け、常に安定した成績を得ている。近年は、従来の球面眼内レンズによる球面収差の問題を解消するために、新たな非球面レンズによる眼内レンズ移植を中心に行っている。また、先端医療センターと連携して先進医療認定を取得し、遠近両用の多焦点眼内レンズの移植も行っている

角膜疾患=角膜分野の国内最高レベルの専門家を非常勤医として招聘し、先端医療センターと連携して最先端の治療を提供している。

医療設備

ハイデルベルクOCT(スペクトラリス)、トプコン3次元眼底OCT、網膜神経線維層解析装置(GDx)、ハイデルベルクレチナアンギオグラフ(HRA2)、トプコンカラー眼底カメラ/FA・IA蛍光眼底カメラ、前眼部OCT(VISANTE)、超音波生体顕微鏡(UBM)、ペンタカム(先端医療センターで実施)、A/Bモード超音波診断装置、IOLマスター、トプコンウェーヴフロントアナライザー、ERG、多局所ERG(先端医療センターで実施)、ゴールドマン視野計、ハンフリーフィールドアナライザー、大型弱視鏡、光線力学的療法レーザー装置、マルチカラーレーザー光凝固装置、YAGレーザー装置、眼科手術用顕微鏡、白内障手術装置、硝子体手術装置、その他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

手術が必要な口腔外科疾患(口腔腫瘍、顎変形症、外傷など)のみならず、粘膜疾患、顎関節症、歯性感染症、インプラント前外科など口腔外科全般について行っている。日本口腔外科学会認定指定研修施設でもある。

症例数

09年度の初診患者数は3,601人であり、うち紹介患者数は1,125人であった。外来手術件数は884件、入院手術件数は245件であった

★口腔癌の診療はこの4月より頭頸部外科が診療科として開設されたことにより、頭頸部外科で行われることになった

★顎関節症は年間約400例。薬物療法の後、MRI検査で関節円板の位置を確かめたうえでスプリント療法を行う例が大半である。痛みが取れない例や開口障害が強度の例では、関節腔穿刺の後にパンピングマニュピレーションを行うが、それでも改善しない例では下顎骨垂直骨切り術を行うこともある

★顎変形症手術は年間150例近く実施している。矯正歯科医と連携して口腔内から顎骨を切断して下顎前突や上顎前突などを治す外科的矯正術で、多くの場合、上顎はルフォーI型、下顎は下顎枝の矢状切断か垂直切断で同時に形成し、オトガイ形成を追加することもある。固定はミニプレートとスクリューである。術前に輸血が必要な場合には自己血貯血を行うが、原則輸血はしない方針で行っている。入院期間は約10日と比較的短い

★口腔インプラントは20年以上の経験があり、現在はパラゴン、アストラを用いている。術前にはCT画像を用いてコンピューターソフト上で十分なシミュレーションを行って綿密な計画を立てたうえで、正確を期するため外科用ステントを用いて手術を行っている。また、快適・清潔な環境で手術を受けていただくために、少数歯の場合は鎮静下の日帰り手術で、多数歯の場合は全身麻酔下で、2泊3日の入院で行っている。インプラントの治療成績は最近の10年で98.1%(483本)で、脱落例6本は高齢女性の大臼歯部に多かった。この成績は海外を含めた他施設と比較しても同等以上である。また、歯槽骨が不足しているために通常ではインプラント治療が行えない症例に対して、骨移植や骨延長術などを用いた歯槽骨再生術も積極的に行っている

内視鏡下手術=口腔外科領域では全国に先駆けて顎顔面の外傷や唾石の摘出に応用し、低侵襲外科を心掛けている

特報=ワーファリンやパナルジンなど抗血栓療法を受けておられる患者さんの抜歯はこれらの薬剤を中止することなく、局所止血処置を原則に抜歯するのが安全です。是非ご相談ください。

医療設備

CT、MRI、レーザーメス、内視鏡、インプラントシステムなど、最新のあらゆる検査機器、治療設備が備わっている。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

糖尿病内分泌内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

内分泌領域では、甲状腺、下垂体、副腎、副甲状腺などすべての疾患の豊富な治療経験を有し、特に甲状腺癌のアイソトープ(ヨード-131)治療では、日本でも有数の実績を有している。糖尿病領域では、数多くの患者さんに対して診断・教育・治療・合併症の予防と治療を外来と入院で行っているが、すべてチーム医療を基本としている。教育入院では医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・歯科衛生士による個人および集団指導に加え、循環器内科・神経内科・腎臓内科・眼科と連携して精密検査および治療にあたっている。本院では年間35,000人の救急患者を診療しているので、糖尿病内分泌領域の救急患者も多く診療経験は豊かである。http://www.kcgh.gr.jp/index.html

症例数

当科の外来患者数は、糖尿病患者は約2,000人、内分泌患者は約1,700人である。入院ベッド数は約30床で、年間約320人の糖尿病患者さんと約200人の内分泌疾患の患者さんが入院されている。平均在院日数は11.0日である

★内分泌外来で最も多い疾患は甲状腺疾患であり、バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍(良性と癌)などの診断・治療を行っている。入院は甲状腺腫瘍(良性と癌)の比率が高い。その他の内分泌疾患、下垂体・副腎・副甲状腺・性腺等の腫瘍と機能亢進症と機能低下症の診断および内科治療の経験も豊富である

★甲状腺癌の遠隔転移に対するヨード-131治療には特殊な治療室が必要であり、多くの医療機関からの紹介を受け30年間で490人の治療を行っている。転移部位はリンパ節・肺・骨が多く、治療効果は治癒29.1%、改善23.9%、変化なし9.0%、悪化6.0%、死亡20.2%、判定不能11.9%であり、遠隔転移における治療としては良好な成績である

★糖尿病患者の主な治療目的は、血糖値のコントロールを良くすることによる合併症の予防であり、食事療法・運動療法の指導を行い、個々の膵内分泌機能とインスリン抵抗性を考慮し、内服薬やインスリン自己注射による治療法を検討している

★教育入院には1週間コースと2週間コースがあり、クリニカルパスを用いて教育・食事と運動体験・血糖コントロール・合併症精査を効率よく行っている。教育入院の効果は大きく、長期間の良好な血糖コントロールが可能になり合併症の発症率も減少している。一方、専門医以外による十分な教育なくしての安易な内服治療が行われることによる低血糖性昏睡例が急増していることも大問題である。さらに糖尿病発症予防は重要な課題であり、境界型糖尿病患者への積極的な介入は今後全国的に行われるであろう

合併症=進展した糖尿病で問題となる合併症については、他の科と連携して精密検査および治療にあたっている。糖尿病性腎症で進行した腎不全では腎臓内科と、虚血性心疾患の評価・治療では循環器内科と、糖尿病性網膜症の評価・治療では眼科と密に連携をとっている

★メタボリックシンドロームは、生活習慣と密接な関係を持ち、肥満・糖尿病・高脂血症・高血圧・高尿酸血症などを合併し、動脈硬化に伴う心筋梗塞や脳梗塞を高率に発症し、突然死の最も多い原因である。肥満を中心にした治療が必要であり、生活指導に力を入れている

★毎月第1水曜日午後1時30分から糖尿病教室(4回シリーズ)を開催している

★糖尿病も内分泌疾患も慢性疾患であり、患者数が多いので本院単独で診療を行うには限界があるため、地域医療機関(開業医)との連携を積極的に行っている

★日本内科学会認定医制度教育病院、日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会内分泌代謝科認定教育施設、日本甲状腺学会認定専門医施設

★病院の基本理念はすべての市民に最善の医療を提供することであり、そのため医療従事者の医療水準を向上させ、高度先進医療を提供、24時間体制で救急医療に取り組み、市民の要請に応えることを目標としている。

医療設備

病床数830床(11年7月オープンの新病院700床)、診療科21を数える基幹病院としての設備を整えている。日本医療機能評価機構認定病院であり、あらゆる先端医療設備を完備している。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

救命救急センター

分野

救急医療

特色

当救命救急センターは、76年にセンター指定を受けて開設されて以来、34年余りにわたって地域の救急医療の中核を担ってきた。診療圏人口は、神戸市150万人など200万人に及ぶ

★当センター第一の特徴は、初期から3次まであらゆる緊急病態患者を選別をせずに受け入れることである。重症重篤患者のみを受け入れる他の多くの救命救急センターとの大きな違いであり、北米ER型救急医療機関と称されるゆえんである。神戸消防および近隣消防からの3次救急要請はもちろん、地域医療機関からの救急紹介転送依頼は原則全例受け入れることとしており、「断らない救急」を病院の方針としている。そのために全科が24時間体制をとり、強力な救急支援・チーム診療体制をつくった。病床は救命救急センター30床を含めた全病床912床をあたかも救命救急センター病床としても機能させ、地域救急医療の中核機能を果たしてきた。また、2次救急・初期救急医療機関との密接な連携体制構築にも努力しており、病院完結型ではなく地域完結型の救急医療を目指している

★第二の特徴は、阪神淡路大震災の被災経験をふまえて、災害拠点病院としての機能整備を救命救急センターを中心に行ってきたことである。神戸空港および神戸ヘリポートに隣接した病院立地は、消防防災ヘリコプターを用いた普段の広域救急患者搬入のみならず、多数傷病者発生時の広域搬送拠点機能(搬出・受け入れ)としての整備を行っている。「災害に強い病院」とは、災害の時に壊れない病院のことではなく、災害時に役に立てる病院として災害備蓄などの準備や、災害対応医療チームなどの訓練をしている病院である。平時は救命救急センターのスタッフはドクターカーに乗り組み、必要があればヘリコプターにも同乗し、現場へ急行して病院前救護活動を行っている

★第三は、第一種感染症指定病院として新型インフルエンザなどの重大な感染症の救急対応体制を有していることである

★第四は、これら救急・災害医療の研修・教育も担い、救急救命士や若手医師の救命救急センター研修を広く受け入れている

★第五は、脳卒中センターを立ち上げ、専門家集団による脳血管障害の超急性期対応がシステム化されており、血管内治療・開頭・集中治療が行われており、見学・研修希望が絶えない

★当センターへの連絡=大代表電話から救急受付へ。また脳卒中ホットライン、胸痛ホットラインなどが地域医療関係者に、専門医24時間コンサルテーションラインとして活用されている。

症例数

年間取り扱い救急患者数40.390人、うち救急車搬入者数6.938人、救急入院患者数5.737人、来院時心肺停止者数240人、ドクターカー搬入数248人、緊急手術1.171件、緊急CT 5.025件、緊急MR 479件、緊急血管造影225件うち血管内治療109件、緊急内視鏡上部消化管551件、下部消化管121件、膵胆管102件、重症多発外傷から小外傷まで多数、重症熱傷28件、四肢・指再接着50件、中毒42件、脳卒中570件、急性心筋梗塞・心不全402件など

重篤重症者診療=初療を担当する救急部に加えて、専門診療科主要13科が通年の当直体制を組み、各臓器固有の救急病態にチームとして専門対応している。

医療設備

CT、MRI、各種血管撮影、内視鏡、血液浄化装置、経皮的補助循環装置、薬物分析器、手術室14室、救急患者治療諸室(ICU/CCU/SCU/NICU/HCU)および救急専用病棟30床、救急初療室4区画、救急外来診察処置観察ブース(専用眼科・耳鼻科・産婦人科含む)12室。センター入口には除染設備を有し、汚染被災者受入も可能。常時稼働状態にある。ドクターカーは神戸市消防局と連携しワークステーション方式で運用。救急トレーニングラボを整備し、on/off the job trainingを行っている。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

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