出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
すべて
病名
 × 

ジフテリア
じふてりあ

ジフテリアとは?

どんな感染症か

 ジフテリア菌の飛沫感染(くしゃみなど)で起こります。

 日本は世界に先駆け、1981年以降に副反応の少ない精製ワクチンを使ってきました。患者さんの数は着実に減少し、数年に1名にまでになっています。

 感染症法2類感染症に属します。

症状の現れ方

 のどや鼻に菌が感染して、鼻みず(血が混じった粘液膿性)、高熱、のどの痛み、犬が吠えるような咳などが出てきます。牛の首のように、首が大きくはれてくるのが特徴です。

 のどに偽膜と呼ばれる白い膜ができて、窒息することもあります。菌の出す毒素によって、心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるので注意が必要です。

検査と診断

 疑わしい症状の時は、早急な治療が必要なので、早期診断が大切です。

 正確な診断にはジフテリア菌を分離する必要がありますが、これには時間がかかります。ジフテリア・破傷風百日咳の三種混合ワクチン(DTP三種混合ワクチン)を接種していれば、ほぼ発病することはありませんから、ワクチン接種歴を母子手帳などで確認しておくことが大切です。区別する病気としては、鼻腔異物、連鎖球菌による偽膜性扁桃炎、伝染性単核球症などがあります。

治療の方法

 ジフテリア菌の出す毒素を中和することが重要です。このために、できるだけ早期に抗毒素を注射する必要があります。抗毒素は全国に数カ所備蓄しています。

 予防接種が発病予防に有効です。DTP三種混合ワクチンとして、生後3カ月から接種できます。3~8週間隔で3回、1年~1年半後に追加接種します。11~12歳でのジフテリア・破傷風追加接種(II期)は最後の接種です。忘れずに接種してください。

病気に気づいたらどうする

 疑わしい症状のある時は、できるだけ早く小児科または内科を受診してください。

ジフテリアと関連する症状・病気

(執筆者:国立病院機構福岡病院統括診療部長 岡田 賢司)

ジフテリアに関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ジフテリアに関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

ジフテリアに関連する可能性がある薬をもっと見る

おすすめの記事

ジフテリアに関する医師Q&A