ピノルビン注射用30mgの基本情報

作用と効果

がん細胞のDNAの合成を阻害して、がん細胞の増殖を抑えます。
通常、頭頸部がん、乳がん、胃がん、尿路上皮がん（膀胱がん、腎盂・尿管腫瘍）、卵巣がん、子宮がん、急性白血病、悪性リンパ腫の治療に用いられます。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。心機能に異常またはその既往歴がある。ドキソルビシン、ダウノルビシンなどのアントラサイクリン系薬剤による治療をうけたことがある。骨髄抑制がある。水痘またはその他の感染症にかかっている。腎機能障害、肝機能障害がある。

妊娠または授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

頭頸部がん：通常、1日1回を1週間間隔で2～3回静脈内へ注射し3～4週間休薬することを繰り返します。または、通常、1日1回を3～5日間連日静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。動脈内注射の場合は1日1回を連日または隔日に動脈内に5～10回注射します。
乳がん、胃がん：通常、1日1回静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。または、通常、1日1回を1週間間隔で2～3回静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。
卵巣がん、子宮がん：通常、1日1回静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。
尿路上皮がん（膀胱がん、腎盂・尿管腫瘍）：通常、1日1回静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。または、通常、1日1回を2日間連日静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。膀胱がんの動脈内注射の場合は、通常、1日1回を連日または隔日に動脈内に5～10回注射します。また、膀胱内注入の場合は、通常、1日1回を週3回膀胱内に注入することを2～3回繰り返します。
悪性リンパ腫：通常、1日1回静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。または、通常、1日1回を3～5日間連日静脈内に注射し3～4週間休薬することを繰り返します。
急性白血病：通常、1日1回を5日間連日静脈内へ注射し、骨髄機能が回復するまで休薬することを繰り返します。

効果を見ながら使用期間を決めています。具体的な使用期間については、医師にお聞きください。

副作用

主な副作用として、肝障害、食欲不振、吐き気・嘔吐、口内炎、脱毛、全身倦怠、頻尿、排尿痛、血尿、発熱などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、すぐに医師の診療を受けてください。

・動悸、息切れ、胸が苦しい、足のむくみ [心筋障害]

・貧血症状、発熱、出血傾向 [骨髄抑制]

・顔面蒼白、冷汗、立ちくらみ [ショック]

・発熱、から咳、呼吸困難、頭痛、全身倦怠感 [間質性肺炎]

・頻尿、排尿痛、発熱、出血傾向 [萎縮膀胱]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。