ピアスカイ注340mgの基本情報

作用と効果

体内に侵入した細菌などの外敵を攻撃し感染症などから自分を守る免疫系ではたらくタンパク質の一つである補体C5の活性を阻害し、血管内で赤血球が壊れることを防ぎます。
通常、発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療に用いられます。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。髄膜炎菌感染症にかかっている、または髄膜炎菌感染症にかかったことがある。感染症にかかっている、または感染症が疑われる。

妊娠または授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

通常、1日目に1回点滴で静脈内に注射し、2、8、15、22日目に各1回、皮下に注射します。29日目以降は4週ごとに1回、皮下に注射します。

この薬の作用により感染症にかかりやすくなる可能性があるので、感染予防のため、原則、この薬を使用する少なくとも2週間前までに髄膜炎菌ワクチンを接種してください。

医療機関において注射方法のトレーニングを受け、適切に注射できると医師が判断した人は在宅自己注射（皮下に注射）が可能です。

皮下に注射する場合は使用する前に室温に戻してください。

皮下に注射する場合は原則として腹部に行い、1箇所あたり1バイアルを注射してください。注射する場所は毎回変更し、前回注射した場所から2.5cm以上離すようにしてください。

皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位（傷、発疹、発赤、硬結など）には注射しないでください。

予定していた日に注射できなかった場合は、前回注射からの期間や体調によって診察が必要な場合もあるので、まずは医師に相談してください。

使い忘れた場合は、次回の注射予定日前日までに気付いた場合は、すぐに忘れた分を注射し、次回の注射については予定通りのスケジュールで注射してください。次回の注射予定日以降に気付いた場合は、注射し忘れた分をまとめて2回分注射することはせず、すぐに直近の投与回における不足分だけを注射してください。絶対に2回分を一度に使用してはいけません。

誤って多く使用した場合は、医師に相談してください。

医師の指示なしに、使用を中止したり、量を加減しないでください。

副作用

主な副作用として、感染症、免疫複合体反応などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

・発熱、頭痛、首のうしろがこわばり固くなって首を前に曲げにくい、吐き気、嘔吐、錯乱、発疹、出血性皮疹、まぶしい、意識の低下、血圧低下 [髄膜炎菌感染症]

・発熱、寒気、脈が速くなる、体がだるい [感染症]

・関節の痛み、腕や脚などに赤や紫の発疹やじんま疹のような発疹などができる、発熱、体に力が入らない、疲れる、お腹の不快感、頭痛、むくみ、血尿、尿量が減る、高血圧 [免疫複合体反応]

・呼吸困難、意識の低下、意識の消失、まぶた・唇・舌のはれ、発熱、寒気、嘔吐、咳、めまい、全身のかゆみ、じんま疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しい、頭痛、筋肉の痛み [インフュージョンリアクション、注射に伴う全身反応]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

保管方法

子供の手の届かないところで、外箱に入れた状態にて、直射日光、凍結を避けて冷蔵庫で保管してください。やむを得ず室温（30℃以下）で保管した場合は、可能な限り速やかに冷蔵庫にいれ、再び室温で保管することはせず、7日以内に使用してください。室温（30℃以下）での保管が7日を超えた場合は使用しないでください。

薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄方法がわからない場合は受け取った薬局や医療機関に相談してください。他の人に渡さないでください。

この薬を在宅自己注射するにあたって、使用済みの注射器などは再使用せず、そのまま廃棄ケースなどに入れて子供の手の届かないところに保管し、医療機関の指示に従って安全に廃棄してください。

自己注射をした時に副作用と思われる症状があらわれた場合は、ただちに医師または薬剤師に相談してください。また、自己注射を続けられないと感じた場合は、すぐに医師に相談してください。