フォリスチム注900IUカートリッジの基本情報

作用と効果

女性の卵巣に働きかけ、卵胞を刺激する作用により排卵を誘発します。
通常、生殖補助医療における調節卵巣刺激、視床下部－下垂体機能障害に伴う無排卵および希発排卵における排卵誘発に用いられます。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。エストロゲン依存性悪性腫瘍（例えば、乳癌、子宮内膜癌）およびその疑いがある。卵巣、下垂体または視床下部に腫瘍がある。診断の確定していない不正出血がある。多嚢胞性卵巣症候群に起因しない卵巣嚢胞または卵巣腫大がある。血栓塞栓症の既往歴、家族歴がある。甲状腺または副腎機能不全がある。

妊娠、妊娠している可能性がある、授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

生殖補助医療における調節卵巣刺激：通常、1日主成分として150または225国際単位を4日間皮下または筋肉内に注射します。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整され（75～375国際単位を6～12日間）、卵胞が十分に発育するまで継続されます。
視床下部－下垂体機能障害に伴う無排卵および希発排卵における排卵誘発：通常、1日主成分として50国際単位を7日間皮下または筋肉内に注射します。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整（卵巣の反応性が低い場合は、原則として、7日間ごとに25国際単位を増量）されます。卵胞の十分な発育を確認後、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤などにより排卵を誘起します。
本剤は1本中に主成分として900国際単位を含有します。いずれの場合も、必ず指示された使用方法に従ってください。

医療機関において、適切な在宅自己注射教育を受けた患者さんまたは家族の方は、自己注射できます。

本剤の使用に際しては、必ず専用のペン型注入器の取扱説明書を読んでください。

注射針を刺したとき、激痛を感じたり、血液が逆流するのをみた場合は、直ちに針を抜き部位をかえて注射してください。

繰り返し注射する場合は同一部位を避けてください。

本剤は専用のペン型注入器を用いて使用し、使い捨て注射針は必ずJIS T 3226-2が規定するA型専用注射針を使用してください。

1本のカートリッジを複数の人で使用しないでください。

本剤のカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられた場合、または液が変色した場合は使用しないでください。

本剤のカートリッジにひびが入っている場合は使用しないでください。

注射をし忘れた場合は、気がついたときに1回分を注射してください。気がついた日が次回の注射日に重なった場合は、前回忘れた分は注射しないでください。1日に1回を超えて使用しないでください。2回分を一度に使用してはいけません。

誤って多く注射した場合は医師または薬剤師に相談してください。

医師の指示なしに、注射を止めないでください。

副作用

主な副作用として、頭痛、腹痛（産婦人科系）、注射部疼痛などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

・下腹部痛、吐き気、急激な体重増加 [卵巣過剰刺激症候群]

・足のむくみ、足の張り、呼吸しづらい、立ちくらみ、めまい [血栓塞栓症]

・下腹部の痛み、性器出血 [流産、子宮外妊娠、多胎妊娠]

・全身のかゆみ、じんま疹、息苦しい [アナフィラキシー反応、アレルギー反応]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

保管方法

凍結を避け、2～8℃で光を避けて保存してください。ただし、有効期間内に3ヵ月は光を避けて室温（25℃以下）保存可能です。

使用開始後28日間を超えたものは使用しないでください。

使用済みの注射針あるいはカートリッジを再使用しないでください。

使用済みの注射針、空のカートリッジについては、医療機関の指示どおりに廃棄してください。

薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄には注意が必要なため受け取った薬局や医療機関に相談してください。他の人に渡さないでください。