ヒムペブジ皮下注150mgペンの基本情報

作用と効果

抗組織因子経路インヒビターモノクローナル抗体と呼ばれるグループに属する注射薬で、血液中に存在する血液を固める効果のあるたんぱく質が阻害されることを抑制し、血が止まりにくくなっている状態を改善します。
通常、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制に用いられます。

使用上の注意

以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。血栓塞栓性事象の既往または危険因子がある。

妊娠または授乳中

他に薬などを使っている（お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください）。

用法・用量

通常、12歳以上かつ体重35kg以上の人は初回に2本（主成分として300mg）を皮下に注射します。以降は1週間隔で1回1本（150mg）を皮下に注射します。なお、体重50kg以上で効果不十分な場合には、1週間隔で1回2本（300mg）に増量されることがあります。必ず指示された使用方法に従ってください。

この薬は、医療機関において、適切な在宅自己注射教育を受けた患者さんまたは家族の方が、自己注射できます。

この薬は、出血傾向を抑制するための定期的な注射のみに使用し、出血時の止血を目的とした使用はしないでください。また、出血を止めるため、この薬を追加で注射したり1回の注射量を増やしたりしないでください。

使用する際には、必ず取扱説明書を読んでください。

冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、外箱に入れたまま15～30分間かけて室温（30℃以下）に戻しておいてください。その他の方法（電子レンジや熱湯など）を用いて本剤を温めないでください。

本剤を振とうしないでください。

この薬は無色～淡黄色澄明の液です。内容物を目視により確認し、異物または変色（濁りや暗黄色）などを認めた場合には使用しないでください。

皮下注射は、腹部または大腿部（ふともも）に行います。注射箇所は毎回変更することが望ましいです。骨ばった部位や内出血、発赤、圧痛、硬結（周りより硬くなっている部分）、瘢痕（傷跡）または創傷などが認められる部位には注射しないでください。また、静脈内への注射は行わないでください。

注射予定日に注射し忘れた場合は、可能な限り速やかに予定していた用量で注射を再開し、以降は原則としてその注射日を起点として週1回注射してください。なお、注射再開日が最終注射日から14日目以降の場合、再開時の初回注射量は2本（主成分として300mg）としてください。

誤って多く使用した場合は医師または薬剤師に相談してください。

医師の指示なしに、注射するのを止めないでください。

副作用

主な副作用として、皮膚のかゆみ、注射部位反応（紅斑、かゆみ、腫れ、出血、むくみ、硬結、痛みなど）などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。

まれに下記のような症状があらわれ、[　]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

・吐き気・嘔吐、脱力、まひ [血栓塞栓性事象]

・発疹、かゆみ、呼吸困難 [ショック、アナフィラキシー]

以上の副作用はすべてを記載したものではありません。上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

保管方法

乳幼児、小児の手の届かないところで、凍結を避けて冷蔵庫など（2～8℃）で保管してください。また、光を避けるため、外箱に入れて保管してください。

一度室温（30℃以下）に戻した薬剤は、再び冷蔵庫に戻さないでください。

本剤を室温（30℃以下）に戻した後は7日以内に使用してください。7日以内に使用しなかった場合は適切に廃棄してください。

薬が残った場合、保管しないで廃棄してください。廃棄には注意が必要なため受け取った薬局や医療機関に相談してください。他の人に渡さないでください。

本剤は1回使い切りです。保存剤を含有していないため、未使用残液は適切に廃棄してください。