ダウン症候群
だうんしょうこうぐん
- 小児科
- 診療に適した科
ダウン症候群とは?
どんな病気か
21番染色体が3本あることにより、精神発達の遅れ、特徴的な顔貌、多発奇形を示す症候群です。日本では新生児1000人に1人の割合でみられます。母親の年齢が高くなるほど出生頻度も高くなり、近年の高齢出産の増加に伴い頻度は高くなりつつあります。
原因は何か
卵子や精子がつくられる過程で、染色体がうまく分かれないことによります。まれに21番染色体が別の染色体に結合しているために起こることもあります(転座型)。また、受精後の初期の細胞分裂の際に染色体の不分離が起こるモザイク型も、ごく少数ですがあります。
症状の現れ方
つり上がった眼、幅広く扁平な鼻、内眼角贅皮(目頭をおおうひだ状の皮膚)などからなる特有の顔をしています。指が短いなどの小奇形を伴います。乳児期には体の筋肉が軟らかく、体重の増えもよくないことがあります。
半数に心臓の異常がみられ、その他、腸の奇形や白血病などがみられることがあります。知能や運動の発達は遅れ、通常の子どもの2倍くらいの時間がかかります。年長児でも知能指数は30~50くらいです。ただし、成人では就業している人も少なくありません。
検査と診断
特徴的な症状から診断されます。確定診断は染色体検査によります。
治療の方法
根本的な治療法はなく、症状に応じて治療を行います。合併症の早期発見や健康管理のため、定期的な健診が大切です。平均寿命は約50歳といわれています。
重い合併症のないダウン症候群の子は元来健康な子どもなので、訓練・教育的な対応が重要です。最近は早期からの集団保育・教育が望ましいといわれています。家族の会などから情報を得ることも役立ちます。
遺伝カウンセリングも重要です。とくに転座型の場合は、次の子どもの再発率を知るためには両親の染色体検査が必須です。
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小奇形が3個以上あると、何らかの大奇形や奇形症候群(染色体異常、単一遺伝子の異常、催奇形物質などにより起こる特定の奇形の集まり)の存在が疑われます。小奇形の組み合わせから、染色体異常や奇形症候群の診断が容易になることもあります。
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