出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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骨・関節結核
こつ・かんせつけっかく

もしかして... 脊椎カリエス  結核性関節炎

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骨・関節結核とは?

 近年減っています。結核性脊椎炎は脊椎カリエスとも呼ばれ、いまだに忘れてはならない病気です(図25図25 脊椎カリエス)。

図25 脊椎カリエス

 脊椎カリエスは胸腰椎部に好発します。通常、腰痛、微熱、食欲不振など症状は軽微です。診断はX線、MRI、CT検査で椎体骨萎縮・破壊・吸収像と椎体骨前縁からまわりの炎症像(膿瘍)を検出します。時に、後腹膜内にうみが下降して膿瘍を形づくります(流注膿瘍という)。進行すると椎体骨が破壊されて、猫背と膿瘍、脊髄麻痺とが現れます。

 結核性関節炎は股関節、膝・足・肩・手・仙腸関節に生じやすく、同時に発症する多関節結核はまれです。関節のはれ、運動制限、痛みが早期に現れます。診断は、関節液内の結核菌の証明や、関節滑膜生検(組織をとって調べる検査)で結核菌の感染に特徴的な病理組織像を得ることで行われます。進行すると、関節が強直(硬くこわばる)します。

骨・関節結核と関連する症状・病気

(執筆者:福井大学医学部附属病院呼吸器内科教授 石崎 武志)

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