出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
網状皮斑(リベドー)
もうじょうひはん(りべどー)
網状皮斑(リベドー)とは?
どんな病気か
赤紫色の樹枝状もしくは網目状の模様が主に下肢にみられるものです。皮膚の末梢循環障害による症状のひとつで、リベドーと呼ばれています。赤外線ストーブやこたつなどによる下肢の褐色色素沈着を伴った"ひだこ"とは、一応区別されるものとされています。
原因は何か
寒冷やさまざまな基礎疾患によって血液の流れが悪くなり、酸素含有量の少ない血液がたまることで、毛細血管の拡張や皮膚の赤紫色の網目状変化が起こります。
症状の現れ方
①大理石様皮膚、②網状皮斑、③樹枝状皮斑の3つのタイプに分類されます。
①は小児や若い女性に一過性に冬期の寒冷刺激によって生じ、環が閉じた網目模様をつくります。②と③は持続性で症候性(原因になる病気がある)のものが多く、②は寒冷とは関係なく網状の構造は完全に閉鎖し、皮疹が持続します(図12)。③は網状が途切れて樹枝状の構造をしています。
さまざまな基礎疾患(血管炎や膠原病、クリオグロブリン血症に伴うものなど)によって小動脈に炎症が生じた状態です。症状が進行すれば血管の器質的変化を起こし、皮膚炎や潰瘍になることもあります。
検査と診断
診断は容易ですが、原因を追究することが重要で、全身性疾患との関連に注目することが大切です。
治療の方法
リベドーだけの場合は保温、マッサージ、弾性包帯など、うっ血の防止が主体になります。症候性のものは原疾患の治療が第一です。
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