ライ症候群
らいしょうこうぐん
- 小児科
- 診療に適した科
ライ症候群とは?
どんな感染症か
小児にみられる急性脳症のひとつで、ウイルス感染が先行する場合と、薬剤との関連が指摘される場合がありますが、はっきりとした原因はわかっていません。
インフルエンザや水痘にかかった小児の解熱にアスピリンを使用したこととの関連が指摘されてから、これらの病気の解熱にはアスピリンは使用しないように勧告されています。
アスピリンの投与を受けていない小児でも、この病気は認められます。急性脳症の症状以外に特徴的なのは、肝臓の機能異常です。肝臓の生検(針で肝臓の一部を採取して調べる)をすると、顕微鏡で脂肪滴、脂肪変性が認められます。脂肪酸の代謝異常がその病態に関連しているといわれています。
また、ミトコンドリアの機能に異常がみられ、電子顕微鏡で見るとミトコンドリアが膨化しています。
症状の現れ方
かぜ症状に引き続いて起こることが多いとされ、発熱、下痢、嘔吐に引き続いて、けいれん、意識障害が急速に進行します。数日で死亡することもある重篤な病気です。治っても神経系の後遺症を残すことが多いため、予後は良好とはいえません。
検査と診断
臨床症状に加えて、血液所見では肝機能の異常、アンモニアの上昇、低血糖、乳酸の上昇、低ケトン血症などが認められます。髄液の検査では細胞数の増加はありません。肝臓の生検で、脂肪滴を確認することが診断につながります。肝臓の所見は発症して3日以内でないと認められないといわれています。頭部のCTやMRIでは著しい脳浮腫(脳のはれ)を認めます。
治療の方法
この病気に特異的な治療法はありませんが、ブドウ糖液を点滴で投与しながら、急性脳症に対する脳浮腫対策が中心となります。肝臓や腎臓の機能異常に対する治療も必要です。脂肪酸の代謝異常に対しては、L-カルニチンが投与されることがありますが、発症早期でないと効果は低いといわれています。
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