出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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C型肝炎
しーがたかんえん

C型肝炎とは?

どんな感染症か

 C型肝炎ウイルス(HCV)の感染により発症します。HCVの構造は、表面に膜蛋白が、内部にコア蛋白があり、そのなかにRNA遺伝子が入っています。

 感染源は血液、血液製剤、血液が混じった体液で、感染経路は輸血、覚醒剤静脈注射の回し打ち、入れ墨、医療従事者の針刺し事故などです。

 ほかの急性ウイルス肝炎と違い、症状は比較的軽いのですが、高い率で慢性化し、後年、慢性肝炎、肝硬変肝がんになります。

 輸血によるC型急性肝炎はスクリーニング(ふるい分け)検査ができるようになり、激減しています。ワクチン、ガンマグロブリンによる予防法はまだありません。

症状の現れ方

 潜伏期は2週~6カ月、平均40日くらいです。黄疸が現れるのは20~30%で、全身倦怠感、食欲不振、吐き気などの症状が50%ほどに現れます。

 無症状の場合が50%ほどあり、C型肝炎になっているのに気づかないことがあります。劇症肝炎はまれです。

検査と診断

 HCV抗体は、発症後1カ月ころから検出されます。HCV RNAは、AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇に先行して検出されます。

 AST、ALTは上昇しますが、A型やB型肝炎ほど高くなく、最高値が1000単位以下のこともしばしばです。

治療の方法

 自然治癒は約20%で、多くは慢性化します。慢性化の兆しがみられたら、早めに抗ウイルス療法を行います。抗ウイルス薬としてはインターフェロン、リバビリンが使用されます。90%以上の割合で治ります。

病気に気づいたらどうする

 重症化する危険はありませんが、自覚症状が強く、黄疸が出現した場合は、入院治療が原則です。慢性化を見極めて治療をします。発症初期の血液は感染性があるので、血液の取り扱いには注意が必要です。

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(執筆者:長野赤十字病院院長 清澤 研道)

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