出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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もしかして... 敗血症

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ペストとは?

どんな感染症か

 ペスト菌による全身性の急性感染症で、中世には黒死病として恐れられていました。日本では1926年以来発生していませんが、世界的には、アフリカ、アジア、米国などで、この15年間に約2万人の患者さんが報告され、その約1割が死亡しています。ネズミなどの齧歯類の間で感染が続いており、ノミを介してヒトに感染します。

症状の現れ方

 ペスト菌を保菌しているノミに刺されたあと、2~6日の潜伏期間ののち、リンパ節のはれ、皮膚の小出血斑や高熱を起こします。菌が全身に回ると敗血症を起こしショックなど重い症状になります。また、菌が肺に回ると肺ペストを起こし、喀痰から別のヒトに伝染することもあります。

検査と診断

 血液、リンパ節液からペスト菌を分離・培養して、診断します。

治療の方法

 ストレプトマイシン、テトラサイクリン、ニューキノロン系薬剤などの抗菌薬により治療を行います。一般的には抗菌薬がよく効き、回復します。肺ペストのように重い症状の場合も、発病後8~24時間以内に治療を開始すれば予後は良好です。手遅れにならないように病気の早期に治療を開始することが重要です。

病気に気づいたらどうする

 海外に渡航し、死んでいるネズミなどに触れたり、ノミに刺されたあとに、リンパ節のはれや高熱が出た場合には、ペストを疑い、医師の診察を受け適切な治療をしてもらう必要があります。

(執筆者:国立感染症研究所所長/国立感染症研究所所長 渡邉 治雄)

ペストに関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ペストに関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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