出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
膵臓損傷
すいぞうそんしょう
- 消化器外科
- 外科
- 診療に適した科
もしかして... 刺創
膵臓損傷とは?
どんな外傷か
膵臓は胃の後面の後腹膜腔に位置するために、前方からの外力では損傷を受けにくい臓器です。
損傷を受けたとしても初期に診断することは難しく、膵臓液が腹腔内に漏れて激しい腹痛を訴えるようになってから膵臓損傷が疑われます。
症状の現れ方
初期の段階ではおへその上部に軽い痛みを訴えるのみです。
時間の経過により痛みは強くなり、同時に背部痛、吐き気、嘔吐を伴うようになります。
検査と診断
膵臓の酵素のひとつであるアミラーゼの血中濃度の上昇は膵臓損傷に特異的な所見ではありませんが、一度正常化した値が再び上昇する時には、膵臓損傷を疑うべきです。
主膵管損傷を伴う膵臓損傷のほとんどは造影CTにより診断することができますが、所見がはっきりしない時は、12時間後に再度造影CTを撮るか、内視鏡的逆行性膵胆管造影を行います。
治療の方法
主膵管損傷を伴う膵臓損傷に対しては、膵臓温存手術などの複雑な手術は避けて、単純で安全な膵臓摘除術を選択すべきです。
6才男児。交通事故で膵臓断裂で膵臓尾体部部分切除しました。6割膵臓残っています。術後経過も順調ですが…